>>812 つづき

最近 (2017 年) に大統一ゲージ群 SO(32) と SU(16) の特殊部分群 SO(10) への破れを用いた新
しいタイプの大統一理論『特殊大統一理論』[1, 2] を提唱した.SU(16) 特殊大統一理論 [1] の主要
な結果は以下の通りである:大統一ゲージ群 SU(16) の特殊部分群 SO(10) へ破れる場合,四次元
SU(16) 16 ワイルフェルミオンを一世代分のクォークとレプトンと見なすことができる;四次元
理論の枠組みはカイラルな三世代のクォークとレプトンと SU(16) ゲージ対称性の量子異常の相殺
条件を満たせないが,六次元の枠組みでは六次元と四次元 SU(16) ゲージ対称性の量子異常の相
殺条件を満たし六次元のワイルフェルミオンのゼロモードをカイラルな三世代のクォークとレプ
トンと見なせる.また,その場合にエキゾチックなカイラルフェルミオンは現れない.SO(32) 特
殊大統一理論 [2] に関しても同様の結果が得られている.
本稿では,特殊大統一理論の枠組みで世代対称性の入れ方には “正則型”(例:SU(19)) と “特
殊 (積) 型”(例:SU(48)) があることを紹介する.
以下 Sec. 2 で特殊部分群を用いた世代を含む大統一理論を議論し,Sec. 3 で簡単なまとめを
行う.

https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/0846-02.pdf
数理解析研究所講究録 第 846 巻 1993 年 6-19
Coxeter 群 Y_{555 と Leech roots
千葉大教養 北詰正顕
1. 序
始めに, 本稿の内容は, 愛媛大学理学部の宮本雅彦氏との共同研究
であることをおことわりしておく。
ちょうど 3 年前の数理解析研の集会 (「組み合わせ論とその周辺の
研究」) において,「モンスターと $Co$xeter 群 $Y_{444}$ 」 という題名で講
演をさせていただいた。 そのとき紹介した, Conway 達による予想
(後述の Y-preSentation) は, その年の $ICM90$ で A.A.Ivanov が講
演したように肯定的に解決された ([9])。昨年 (1992 年) に Ivanov
の論文 ([10]) を始めとして, 関連する文献 ([4,14]) を含んだ報告
集が出版されたので, そのいくつかを読んでいたのであるが, その
内容を宮本雅彦氏に話したところ, Lorentzian lattice と結び付け
ようという宮本氏の idea を得て, 本稿の内容がまとまったという次第である。

つづく