楕円関数・テータ関数・モジュラー関数
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ちなみに個人的な感想だが
楕円関数 :生田絵梨花
モジュラー関数:SU-METALこと中元すず香
とすると
テータ関数 :生田の親友についてSU-METALの姉である中元日芽香
か?
いく「ひめたん、そんなに大した存在だったっけ?」
すぅ「ですよね?」
ひめ「うるっせーよ!」 >>3
すまんすまん
冗談はこの程度にして
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%BF%E9%96%A2%E6%95%B0
「テータ関数(テータかんすう、英: theta function)は、
θ(z,τ):=Σ_{n=-∞〜∞}e^{Πin^2τ +2πinz}.
で定義される関数のことである。」
「z の関数と見た場合には擬二重周期を持ち楕円関数に関係し、
τ の関数と見た場合はモジュラー形式に関係する。」
で、zのほうの係数はnで、τのほうの係数はn^2
nはまあ分からんでもない
問題はn^2だ
Q1. Πin^2τの中のn^2は、いったいどこから出てきた? πin^2τ ですな。
目の付けどころはさすが。
どっから出てきたか?て、それを原初的なところから導出するというのは
企業秘密なところがありまして。
一つ言うと、リーマンが証明したように、変換公式
θ(0,ix)=(1/√x) θ(0,i/x)からリーマンゼータの函数等式が証明される
というか、メリン変換を通じて、これはリーマンゼータの函数等式と
同値である。つまり保型性=函数等式というヘッケ対応の嚆矢ですね。
だから、n^2とすることの背後には対称性がある。 >>5
>目の付けどころはさすが。
まつ毛の下ですw
>どっから出てきたか?て、
>それを原初的なところから導出するというのは
>企業秘密なところがありまして。
そこをなんとかw
>一つ言うと、リーマンが証明したように、変換公式
>θ(0,ix)=(1/√x) θ(0,i/x)
>からリーマンゼータの函数等式が証明される
やべえ・・・ちょっとテータ関数を齧ろうとおもったら
リーマン・ゼータがでてきちまった
https://www.math.nagoya-u.ac.jp/~yanagida/19W/20191219.pdf
「ϑ(t) := 馬=−∞〜∞ e^−πn^2t.
ϑ(t) = t^−1/2ϑ(1/t).
この命題は Fourier 変換を使って証明できる. 」
しれっとiが抜けてたりしますが
t=iτとすればいいだけなので
あとは・・・確認しまぁすw
>というか、
>メリン変換を通じて、これはリーマンゼータの函数等式と同値である。
メリン変換・・・メリンさんはフィンランド人だったんですね(そこ?
https://en.wikipedia.org/wiki/Hjalmar_Mellin
>つまり保型性=函数等式というヘッケ対応の嚆矢ですね。
リーマンゼータの次は、ヘッケ対応かい
ますます泥沼だな ズブズブw
ヘッケ指標
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%83%E3%82%B1%E6%8C%87%E6%A8%99
あ、そういえば、ガウス和でも指標って出て来たな
ガウス和
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%A6%E3%82%B9%E5%92%8C
実はこのヘン、弱いんだよな(そもそも強いとこあるのか?w)
指標
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E6%A8%99_(%E6%95%B0%E5%AD%A6)
>だから、n^2とすることの背後には対称性がある。
ありがとうございます 指標から勉強しなおします・・・ 楕円関数は楕円曲線上の有理型関数
モジュラー関数はモジュラー曲線上の有理型関数 >>7
>楕円関数は楕円曲線上の有理型関数
そうですね
>モジュラー関数はモジュラー曲線上の有理型関数
そうですね ただ・・・
モジュラー曲線って、楕円曲線の同型類の集合ってところが
ポイントだと思ったんですが・・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%BC%E6%9B%B2%E7%B7%9A で、質問ですが、
・種数2以上の曲線についても
テータ関数のようなものを考えることで
モジュラス空間と何らかの関係づけが
できるんですか?
(楕円曲線は種数1) ネットのコピペでわかった気になってる人が多い(で何も知らない >>10
ネットで拾ったpdfのほうがへっぽこな本屋や図書館の蔵書よりかなりマシだろ。
特に英語のだと普通に研究者のプレプリ読めるんだし。 楕円関数なら日本語で梅村の本があるし復刊されたばかり
あれより良い本は洋書でもそうはない(違う書き方はある)
梅村くらいを読んだ上で英語の論文漁るのはありだが
このスレはそんな高尚なスレじゃないだろ >>12
>このスレはそんな高尚なスレじゃないだろ
立てた人は素人みたいですが
玄人の人がよってたかって教育する
スレにしてほしいみたいですね >玄人の人がよってたかって教育する
5chに何を期待してるのだw >>12
六千円の学術書が田舎の中高生に簡単に手に入るとは思えん。
まあ自称阪大工学部が無能なコピペ野郎なのは同意するが。 >>15
5chは低俗だという思い込みをまず払拭してほしいな その梅村さんが、自分はパンルヴェ方程式など特殊函数でいろいろ仕事ができたけど
テータ函数方面は憧れはあっても何もできなかった。この方面で仕事が
残せるのは、選ばれたごく一部の数学者だけなのだ、と大略そういうことを
書いていたかと思う。だから、楕円、テータ、モジュラーの中では
実はテータが最も神秘的な対象かと思う。 >>6
ヘッケ対応というのは、ヘッケ指標というよりヘッケ作用素の話ですね。
ゼータ函数と保型函数を関連付けるもので、もとはラマヌジャンの
仕事から理論化されました。リーマンゼータとの関係は
リーマンの原論文か、概要なら解説記事
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sugaku1947/54/1/54_1_99/_article/-char/ja/
にあります。 >>1さんの趣味としては、モジュライ問題に興味がおありなのだろう。
確かに幾何学的に王道的な関心である。分野としては代数幾何ですね。 このスレも自称阪大工学部のコピペ馬鹿が沼に沈めつつあるな 梅村嫁のひとは、なんでn^2が出てくるか?って言ったら
「計算したらそうなった」としか言えないでしょ。そんなことは
ヤコビの時代から分かってたんで。
しかし、テータには重さ半整数の保型形式という面もあって
その視点は楕円函数論とはまた別もんですね。 >>19
ヘッケ作用素・・・それ検索で見つからなかった
ヘッケ環とヘッケ指標は見つかったんですが・・・
>>20
おっしゃるとおり、モジュライに興味があります
代数幾何というよりトポロジー的な関心ですけど
写像類群に興味があるんで
>>22
んー、梅村の他にもいい本ありますか?
最初は邦書がいいなとおもってるんですが(ヘタレ)
「いやこの洋書がいいんだよ!」というなら洋書でも結構ですので
ちなみに当方は
・計算機科学専攻のド素人
・昭和時代に大学を卒業
・複素解析の基本くらい(留数解析まで)は知ってる(つもり) >>21
>このスレも自称阪大工学部のコピペ馬鹿が沼に沈めつつあるな
あの人、なんか必死ですよね
何と闘ってるんだか・・・ >>25
"Tata Lectures on Theta"ですね
内容はざっとどんな感じなんですか? テータ函数によるアーベル多様体の射影空間への埋め込み
というのがあって、最初に証明したのはレフシェッツらしい。
後にヴェイユが再発見した。
マンフォードのレッドブックの付録にも載ってるらしい?
Tata lectures というのは三分冊でマニアックすぎるかな?
レッドブックの付録の方がコンパクトに纏められてるだろう。 楕円函数論は竹内端三(クロネッカー青春の夢の1の3乗根の体
いわゆるアイゼンシュタイン数体の場合を解決したひと)
の本がコンパクトに纏められていて名著。
楕円函数論は流儀が多くて混乱しがちだが、流儀ごとの関係も
まとめられている。
楕円函数論は歴史的経緯はともかく、ヤコビ流よりワイエルシュトラス流
の方が圧倒的に使いやすいと思う。
それはそれなりに理由があるのであって。(だから現代では主流になっている。) ヤコビの特色は、テータを独立の函数として扱い
整数論への多くの応用を見出したこと、とされる。 >>28
The Red Book of Varieties and Schemes
…そういうタイトルなんだw
>>29
「楕円函数論 1-4、代数函数論」
『岩波講座数学』第4(解析学)、
岩波書店編、岩波書店、1935年(昭和10年)
…戦前の本だなぁ
楕円関数は19世紀の話だから問題ないけど
>>30
楕円関数・楕円テータ・楕円モジュラー
の一般化?としての
アーベル関数・リーマンテータ・ジーゲルモジュラー
にも関心があるんですが、この本とかどうなんでしょう?
保型形式とユニタリ表現 (数学の杜 2)
高瀬幸一 (著) >>31
>Red Book
実は邦訳が出てますね。
代数幾何学講義 (シュプリンガー数学クラシックス)
D.マンフォード (著), 前田 博信 (翻訳)
>竹内本
新しい版は文字も改められてるし、別に戦前くさいとかはないですね。
昔先輩が10冊くらいまとめ買いしてて、1冊譲ってもらった思い出の本。
>保型形式とユニタリ表現 (数学の杜 2)
>高瀬幸一 (著)
いいんじゃないですか?
ただ数論志向の本で、幾何学志向ではないかなとは思いますが。 >>32
翻訳出てるんだ・・・ ちょっと見てみるかな
竹内端三って名前は目にしたことがあるんですよ
ただ「たけのうち」って読むっていうのは、最近知ったけど
肝心なこと聞くの忘れてたけど、例えばモジュライに興味がある場合
数論については特に知らなくてもいいんですか?
(別に知りたくないわけではない) >>33
興味がおありなら知っておいてもいいのでは。
関心の方向性として、かなり違うのではと思っただけで
分野の違いなどは些末と言えばそうでしょう。
数論は細かい話が多いですね。数論も幾何学も
両方分かっていれば最強ですね。 >>34
なるほど
もしよろしければ専攻を教えていただけますか?
数学科出身ですよね? 整数論的興味からすると、一般的・高次元の場合よりも、特殊な場合に話を深める方が好みだったりするんですよ。
まぁ、学力の問題もありますが。
しかし、加藤和也という偉い先生が来て講義したとき言ってましたが
「"アーベル多様体"と言っても、実際には具体的には楕円曲線で考えていることが多い。
一般のアーベル多様体は難しい」というように言われていたかと思います。 このレベルの本のことを自分で何にも調べられないような人には、教えてもムダだと思うよ。
幾ら教えても、どうなるか結果が見える。 >>37
>整数論的興味からすると、一般的・高次元の場合よりも、
>特殊な場合に話を深める方が好みだったりするんですよ。
それはそうでしょうね
虚二次体の虚数乗法論とかは、楕円関数の範囲内のことでしょうから >>38
ま、素人ですから・・・
知ったところで、自己満足ですから、
数学者として結果を出すなんてことは
到底あり得ません
そこんとこ、ご理解いただいた上で
お付き合い願えれば幸いです
(ひたすら低姿勢) 梅村でも竹内でもマンフォードTâta Iでもいいからまずあの程度は読もう
レッドブックやTata II,IIIはそのあとで良い
楕円関数はナントカとも関係があるようですとかwiki的な知識だけで
数学的な中身を勉強しない知ったかになっても仕方ないよ >>43
TataTとU、Vの違いってなんですか? >>45
早速DLしてみました
おっしゃる通り Tで多変数テータ(リーマン・テータ)とか
ヤコビ多様体とかジーゲル・モジュラー群とか出てきますね
ということで、まずTを読んでみます >>42
本日届いた
付録の「代数曲線とヤコビ多様体」を読んでみようと思う 梅村本の誤植に気づいた奴はいねえだろうな
まあ本質とは全然関係ないところだが 梅村本の誤植は昔の初版の時にあったのを刷り直した時に直しているが
まだいくつか残ってるんだろうな >>47
結局、梅村「楕円関数論」を読むことにした
>>48
このスレッドでまとめを書いてみることにする ■定義1.1 (周期の定義)
f(u)をC上定義された有理型関数とする
複素数ωに対して
f(u+ω)=f(u)
が成り立つとき、
ωは関数f(u)の周期であるという ●命題1.1
C上定義された有理型関数f(u)の
周期全体のなす集合Ωは
Cの加法群の部分群になる ●命題1.1
C上定義された有理型関数f(u)の
周期全体のなす集合Ωは
Cの加法群の部分群になる ●命題1.2
有理型関数f(u)が定数でなければ、
加群Ωは高々二つの元で生成される ■定義1.2 (楕円関数の定義)
C上定義された有理型関数f(u)が、
R上1次独立な複素数ω1,ω2を周期とするとき、
f(u)は2重周期ω1,ω2を持つ楕円関数であるという □複素トーラス その1
ω1,ω2をR上1次独立な複素数とする
ω1,ω2から生成されるCの加法部分群をΩで表す
加法群Cの部分群Ωに関する剰余群C/Ωを考える ■定義1.3 (周期平行四辺形の定義)
[u0]={u=u0+rω1+sω2∈C|0<=r,s<=1}とおく
[u0]を周期平行四辺形と呼ぶ ●命題1.3
任意の複素数uが与えられたとき、
u≣u' mod Ω
となる[u0]が唯一つ存在する □複素トーラス 2
U0を周期平行四辺形の内点の集合
~U0をU0の閉包とする
位相空間C/Ωは平行四辺形~U0の縁を
同一視することにより得られる □複素トーラス 3
位相空間C/Ωは常に🍩(円環面)と同相であるが
これは位相空間であるばかりでなく
複素1次元あるいは実2次元の多様体でもある
複素1次元の複素多様体をRiemann面という
C/Ωはコンパクトである
コンパクトRiemann面の穴の数は種数と呼ばれ
その重要な位相不変量である
🍩には穴がちょうど1個あるので、C/Ωの種数は1である
すなわちC/Ωは種数1のコンパクトRiemann面である
逆に種数1のコンパクトRiemann面は
すべてC/Ωの形に書けることが示せる □複素トーラス 4
種数1のコンパクトRiemann面は楕円曲線と呼ばれる
楕円関数論は種数1のRiemann面の理論である
Ωを周期とする楕円関数は
複素多様体C/Ωの有理型関数に他ならない
1次元複素多様体としてC/Ωを考えるとき
複素トーラスC/Ω
コンパクトRiemann面C/Ω
複素多様体C/Ω
などと書くことにする □楕円関数体
ω1,ω2をR上1次独立な複素数とする
ω1,ω2を固定して考える
Ω=(ω1,ω2)を周期に持つ楕円関数全体をKと書くことにする
Kには以下の性質がある
1)定数関数はKに属する
2)f(u),g(u)∈Kならば、f(u)±g(u)∈K
3)f(u),g(u)∈Kならば、f(u)g(u)∈K
4)f(u),g(u)∈Kで、g(u)≠0ならば、f(u)/g(u)∈K
2)〜4)により、Kが体であることが示される
また1)により体Kは体Cの拡大である
KをΩを周期とする楕円関数体という
5)f(u)∈Kならば、導関数f'(u)∈Kである
5)より、楕円関数体Kは微分に関して閉じている ★定理1.1
{ω1,ω2},{ω'1,ω'2}を各々R上1次独立な複素数の組とし
Ω={ω1,ω2},Ω={ω'1,ω'2}とおく
次の集合の元の間に1対1対応が存在する
1){f:C/Ω→C/Ω'|fは複素多様体の全射正則写像}
2){φ:K(Ω')→K(Ω)|φは体のC-準同型写像} ☆系1.1
次の条件は同値である
1)コンパクトRiemann面C/ΩとC/Ω'は同型である
2)体K(Ω)とK(Ω')は同型である つまり両者は同値である
1)幾何学的対象である種数1のコンパクトRiemann面C/Ωを考えること
2)代数的対象である楕円関数体K(Ω)を考えること ●命題1.4
楕円関数は周期平行四辺形[u0]上で有限個の極を持つ ●命題1.5
複素平面C上で正則である楕円関数f(u)は定数に限る a_1,…,a_nを楕円関数f(u)の
周期平行四辺形[u0]上の極全体とする
a_iにおける極の位数をm_iとする
Σ(i=1〜n)m_i
を楕円関数f(u)の位数と呼ぶ
●命題1.6
楕円関数f(u)の周期平行四辺形[u0]上の
すべての極にわたる留数の総和は0である
〇系1.2
位数1の楕円関数は存在しない ●命題1.7
f(u)を位数rの楕円関数とする
任意の複素数に対して
楕円関数f(u)-cは周期平行四辺形上で
ちょうどr個の零点を持つ ★定理1.2(Abel)
位数rの楕円関数f(u)の周期平行四辺形[u0]の
極を a_1,…,a_r
零点を b_1,…,b_r
とすると、合同式
a_1+…+a_r≣b_1+…+b_r mod Ω
が成立する
●命題1.8
位数rの楕円関数f(u)の周期平行四辺形[u0]の
極を a_1,…,a_r とする
任意の複素数©に対して、
楕円関数f(u)-cの周期平行四辺形[u0]の
零点を b_1,…,b_r とすると、合同式
a_1+…+a_r≣b_1+…+b_r mod Ω
が成立する 感想
第1章は基礎なので、だいたいのことは知っていたが
Abelの定理1.2(>>72)は、今回初めて知った
今日以降 第2章を読む ☆補題2.1
無限級数
S=Σ' 1/|ω|^n
はn>2なら収束し、n<=2ならば発散する
(Σ'はωが集合Ω\{0}を動くときの総和)
(\はバックスラッシュ)
☆補題2.2
n>=3ならば、級数
f_n(u)=Σ(ω∈Ω) 1/(u-ω)^n
は絶対収束し、2重周期関数を表す
★定理2.1
P(u)=1/u^2+Σ'(1/(u-ω)^2-1/ω^2)
は絶対収束し、2重周期関数を表す
P(u)の定義より
P'(u)
=-2Σ(ω∈Ω) 1/(u-ω)^3
=-2f_3(u)
2重周期関数P(u)をWeierstrassのP関数と呼ぶ ●命題2.1
複素数cが与えられたとき、
P(u)-c=0
の解は基本周期平行四辺形上に2つ存在する
それらをb1,b2とすると
b1+b2 ≣ 0 mod Ω
が成り立つ
●命題2.2
複素数a,bについての次の条件は同値である
1) P(a)=P(b)
2) a≣b または a≣-b が成立する
ただし、a,bが共に極であるときもP(a)≣P(b)と解釈する
P(u)-cの周期平行四辺形の2つの解
v1,v2が一致すれば
v2≣-v1であるので、v1≣-v1
したがって2v1≣0
v1(※)は
ω1/2,(ω1+ω2)/2,ω2/2
のいずれかに合同である
(※箇所は本書ではv) >>75
命題2.2より
P(ω1/2)=e1,P((ω1+ω2)/2)=e2,P(ω2/2)=e3
とおくと、cが各々e1,e2,e3のとき
方程式P(u)-c=0は2重解
u=ω1/2,(ω1+ω2)/2,ω2/2
を持つ
したがってこの3つのuに対して
P'(u)=d/du(P(u)-c)=0
である
P'(u)は3位の楕円関数であるので
周期平行四辺形[0]上に3個の零点をもつ
したがって
ω1/2,(ω1+ω2)/2,ω2/2∈[0]
はP'(u)の1位の零点である
Q(u)=(P'(u)^2)/(P(u)-e1)(P(u)-e2)(P(u)-e3)
は周期平行四辺形[0]上正則な2重周期関数である
したがって、Q(u)は全平面で正則な2重周期関数となり、
命題1.5により定数である
(計算により)Q(u)=4であり、以下の定理が証明される
★定理2.2
WeierstrassのP関数は微分方程式
P'(u)^2=4(P(u)-e1)(P(u)-e2)(P(u)-e3)
を満たす 感想
WeierstrassのP関数と、それが満たす微分方程式が出てきた
>>75の命題2.1を導くのに、さっそくAbelの定理1.2>>72を使った 竹内本は、昔誰かがtex打ちしたものがまだネットに転がっている模様。 g2=60Σ'1/ω^4, g3=140Σ'1/ω^6
と置く
(Σ'はωが集合Ω\{0}を動くときの総和)
★定理2.3
WeierstrassのP関数は微分方程式
P'(u)=4P^3-g2P-g3
を満たす
定理2.2及び定理2.3より
4P^3-g2P-g3=4(P(u)-e1)(P(u)-e2)(P(u)-e3)
であり、e1,e2,e3は相異なるので
判別式
Δ=g2^3-27g3^2
は0でない
e1+e2+e3=0
e1e2+e2e3+e3e1=-g2/4
e1e2e3=g3/4 >>79
★定理2.4
WeierstrassのP関数のu=0におけるLaurent展開の係数cnは、
正の有理数を係数に持つg2,g3の多項式で書ける
☆系2.1
G_2n=Σ'1/ω^2n
は、正の有理数を係数に持つG_4,G_6の多項式で書ける 解析写像
f~:u∈C\Ω→(P(u),P'(u))∈C^2
から、射影化により、以下の写像
f~*:C→P2
が定義できる
f~*(u)=(1,P(u),P'(u)) u∈C\Ω
f~*(u)=(0,0,1) u∈Ω
したがって、f~*から解析写像
f:C/Ω→C*⊂P2
(C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3)
が定義でき、
1.fは全単射
2.任意の点P∈C/Ωについて、
接ベクトル空間の間の線形写像df_Pは同型である
したがって以下の定理が成り立つ
★定理2.5
複素トーラスC/Ωと複素射影平面P2上の3次曲線
C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3
は複素多様体として同型である
(g2=60Σ'1/ω^4, g3=140Σ'1/ω^6) 感想
WeierstrassのP関数およびその導関数を使って
複素トーラスを射影平面内に埋め込みました
>>78
そうすか
このスレは読書日記ってことで、読んだ定理のステートメントと
個人的に重要と思った説明を書くことにします
あ、でもあくまで骨だけなので肉は書きません あしからず >>79
誤りがあったので訂正
★定理2.3
WeierstrassのP関数は微分方程式
P'^2=4P^3-g2P-g3
を満たす ★定理2.6(加法公式)
u1,u2,u3∈C,
u1+u2+u3=0のとき、
等式
|P(u1) P'(u1) 1|
|P(u2) P'(u2) 1|
|P(u3) P'(u3) 1|
=0
が成り立つ
★定理2.7
u1+u2+u3=0のとき、
3次曲線
C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3
上の3点
[1,P(u1),P'(u1)]
[1,P(u2),P'(u2)]
[1,P(u3),P'(u3)]
は同一直線上にある。 ★定理2.8
u1+u2+u3=0のとき、
次の公式が成り立つ
1)P(u1)+P(u2)+P(u3)=a^2/4
2)(P(u1)+P(u2)+P(u3))(4P(u1)P(u2)P(u3)-g3)=(P(u1)P(u2)+P(u2)P(u3)+P(u3)P(u1)+g2/4)^2
ただし
a=(P'(u1)-P'(u2))/(P(u1)-P(u2))
定理2.6より
P'(u1)(P(u3)-P(u2))+P'(u2)(P(u1)-P(u3))+P'(u3)(P(u2)-P(u1))=0
したがって
P'(u3)=(P'(u1)(P(u3)-P(u2))+P'(u2)(P(u1)-P(u3)))/(P(u1)-P(u2))
定理2.8の1)から導かれる式
P(u3)=-P(u1)-P(u2)+a^2/4
をつかってP(u3)を消去すれば、以下の定理を得る
★定理2.9
P(u1+u2)=-P(u1)-P(u2)+a^2/4
P'(u1+u2)=(1/(P(u2)-P(u1)))
[P'(u1){(-P(u1)-2P(u2))+(a^2/4)}
+P'(u2){(2P(u1)+ P(u2))-(a^2/4)}] ☆補題2.3
f(u)をΩを周期とする2重周期関数とする
f(u)が偶関数であれば、f(u)はP(u)の有理式で書ける
★定理2.10
f(u)をΩを周期とする2重周期関数とする。
このときP(u)の有理式F(P(u)),G(P(u))が存在して
f(u)=F(P(u))+G(P(u))P'(u)
と書ける
Ωを周期とする楕円関数全体K(Ω)は楕円関数体を構成する
定理2.10は、体K(Ω)がP(u),P'(u)により、C上生成されることを示す
K(Ω)=C(P(u),P'(u))
一方微分方程式
P'^2=4P^3-g2P-g3
は体C(P(u),P'(u))がC(P(u))の二次拡大であることを示している
つまり抽象体として、下記は同型である
C(P(u),P'(u))≣C[x,y]/(y^2-4x^3+g2x+x)
したがって楕円関数体の構造は
g2=60Σ'1/ω^4, g3=140Σ'1/ω^6
によって完全に決まる ★定理2.11(Chow)
W⊂Pnを複素閉部分多様体とする
このとき斉次多項式f1,…,frが存在して
Wは、f1,…,frの共通零点の集合となる
★定理2.12
V⊂Pnを非特異射影多様体とする
このとき代数多様体V上の有理関数体C(V)は
複素多様体V上の有理型関数全体のなす体と一致する
定理2.10は、定理2.12を3次曲線
C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3
に適用した特別の場合となる
この型の定理をGAGA型の定理という
(GAGAとはSerreの論文
"Geometrie Algebrique et Geometrie Analytique"
に由来する) 感想
P関数の加法公式 及び
楕円関数体がPおよびP'によって生成されること
を示しました
この後、Weierstrassのζ関数およびσ関数の話になります □Weierstrassのζ関数
ζ(u)=1/u+Σ'(1/(u-ω)+1/ω+u/ω^2)
と定義する
(Σ'はωが集合Ω\{0}を動くときの総和)
ζ'(u)=-1/u^2+Σ'(-1/(u-ω)^2+1/ω^2)
=-P(u)
ζ(-u)=-ζ(u) (※)
ω∈Ωとすると
ζ(u+ω)-ζ(u)は定数である
ζ(u+ω1)-ζ(u)=η1
ζ(u+ω2)-ζ(u)=η2
とすると、(※)より
2η(ω1/2)=η1
2η(ω2/2)=η2
一般に整数m,nに対して
ζ(u+mω1+nω2)=ζ(u)+mω1+nω2
ζはΩのみで極を持ち、その位数は1、そこでの留数は1
したがって、周期平行四辺形[u0]の辺Γ上、反時計回りに積分すれば
2πi=∫Γ ζ(u)du
=∫[u0 u0+ω2] (ζ(u+ω1)-ζ(u))du-∫[u0 u0+ω1] (ζ(u+ω2)-ζ(u))du
=η1ω2-η2ω1
(Legendreの関係式) ●命題2.3
φ(u)を楕円関数とし、その極はすべて1位であるとする
周期平行四辺形上でのφ(u)の極を
a1,…,ar
そこでの留数を
c1,…,cn
とする
このとき、複素数c0が存在して、以下が成立する
φ(u)=c0+Σ(i=1〜r) ciζ(u-ai)
---
なぜなら、命題1.6により、周期平行四辺形上の
留数の総和Σ(i=1〜r) ci=0であるので
ψ(u)=Σ(i=1〜r) ciζ(u-ai)
は楕円関数であり、またφ(u)-ψ(u)は全平面上正則であるから
命題1.5により定数 その値をc0とすればいい さて
ζ(u)-1/u=Σ'(1/(u-ω)+1/ω+u/ω^2)
∫[0 u] (ζ(u)-1/u)du
=∫[0 u] Σ'(1/(u-ω)+1/ω+u/ω^2)du
=Σ'(1/(u-ω)+1/ω+u/ω^2)
=Σ'(log(1-u/ω)+u/ω+u^2/2ω^2)
exp(Σ'(log(1-u/ω)+u/ω+u^2/2ω^2))
=Π'(1-u/ω)exp(u/ω+u^2/2ω^2) >>93
□Weierstrassのσ関数
σ(u)
=u exp(∫[0 u] (ζ(u)-1/u)du)
=uΠ'(1-u/ω)exp(u/ω+u^2/2ω^2)
と定義する
exp(∫[0 u] (ζ(u)-1/u)du)
=σ(u)/u
両辺のlog微分をとると
ζ(u)-1/u=σ'(u)/σ(u)-1/u
したがって
ζ(u)=σ'(u)/σ(u)
P(u)=-ζ'(u)=d^2logσ(u)/du^2=(σ'(u)^2-σ(u)σ''(u))/σ^2(u)
★命題2.4
σ(u)=u+a5u^5+a7u^7+…
a_2n+1(n>=2)はg2,g3の有理数を係数とする多項式
★命題2.5
整数m,nに対して,等式
σ(u+mω1+nω2)
=(-1)^(n+n+mn) exp((mη1+nη2)(u+(mω1+nω2)/2))σ(u) f(u)=σ(u-b)/σ(u-a)
ω=mω1+nω2
η=mη1+nη2
とすれば
f(u+ω)=exp(η(a-b))f(u)
したがって以下の定理がいえる
★定理2.6
g(u)を位数rの楕円関数、
その零点の完全代表系を
b1,…,br
極の代表系を
a1,…,ar
とする
このとき、定理1.2(Abel)より
Σ(i=1〜r)ai=Σ(i=1〜r)bi+ω
となり、代表系の交換により
Σ(i=1〜r)ai=Σ(i=1〜r)bi
とできるので
0でない定数cが存在して
g(u)=c(σ(u-b1)…σ(u-br))/(σ(u-a1)…σ(u-ar))
と書ける ☆補題2.4
ωを定数とし、任意の複素数uについて、
P(u+ω)=P(u)
が成り立てば、ω∈Ωである
●命題2.7
ω1,ω2およびω1',ω2'をR上1次独立な複素数の二つの組とする
次の条件は同値である
1)uの関数として
P(u;ω1,ω2)=P(u;ω1',ω2')
が成り立つ
2)(ω1,ω2)=(ω1',ω2')
3)行列
(a b)
(c d)
∈GL2(Z)が存在して、
(ω1)
(ω2)
=
(a b)(ω1')
(c d)(ω2')
GL2(Z)={
(a b)
(c d)
|a,b,c,d∈Z,ad-bc=±1} >>96
●命題2.8
命題2.7の1)〜3)と以下の条件は同値である
4)uの関数として
ζ(u;ω1,ω2)=ζ(u;ω1',ω2')
が成り立つ
5)uの関数として
σ(u;ω1,ω2)=σ(u;ω1',ω2')
が成り立つ
●命題2.9
命題2.7,2.8のの1)〜5)と以下の条件は同値である
6)g2(ω1,ω2)=g2(ω1',ω2')かつ
g3(ω1,ω2)=g3(ω1',ω2')が成立する 問題2.1
g2^3-27g3^2≠0となる複素数g2,g3が与えられたとき、
3次曲線
C*:x0x2^2=4x1^3-g2x0^2x1-g3x0^3
を考える、
このとき、R上1次独立な複素数ω1,ω2が存在して、写像
C/Ω→P2:u→[1,P(u;ω1,ω2),P'(u;ω1,ω2)]
によってC/Ωと3次曲線C*は同型になるか?
問題2.2
g2^3-27g3^2≠0となる複素数g2,g3が与えられたとき、
g2(ω1,ω2)=g2、g3(ω1,ω2)=g3
となるR上1次独立な複素数ω1,ω2は存在するか?
答えは肯定的である >>98
☆補題2.5
g2(e^(2πi/3),1)=0
☆補題2.6
g3(i,1)=0
★定理2.13
任意の複素数aに対して
J(ω1,ω2) = 1728g2^3(ω1,ω2)/(g2^3(ω1,ω2)-27g3^2(ω1,ω2)) = a
となるようなR上1次独立な複素数ω1,ω2が存在する 感想
>>91-95
・Weierstrassのζ関数、σ関数を定義した
(注:両方とも楕円関数ではない)
・さらにζ関数、σ関数による楕円関数の表示が
可能であることを示した
(ここで、楕円関数f(u)の周期平行四辺形[u0]上の
すべての極にわたる留数の総和は0であること、および
Abelの定理を使う)
>>96-97
・異なるω1,ω2が、同じ格子を持つとき、そのときに限り
同じP関数、ζ関数、σ関数をもたらすことを示した
>>98-99
・3次曲線が非特異であれば、対応する格子が存在することを示した
次回から、いよいよテータ関数に入る
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