>>66
少し補足と纏めを書いておく

1.”εδ論法”が適用できるのは、位相空間の内の距離空間に対してだが
2.距離空間で、「ある正の数 ε が存在して x を中心とする半径 ε の開球(ε-近傍 , ε-開球)」を考えると、(開)近傍系ができる
 (ε-近傍とかよばれ、開集合の公理を満たす)
3.距離空間は、ハウスドルフ(という性質)で、分離公理を満たす。
4.ハウスドルフ空間においては点列(あるいはより一般に、フィルターやネット)の極限の一意性が成り立つ
 この”極限の一意性”という性質が、即ち ”εδ論法”の成立つゆえんである
5.さて、開集合の公理で、下記の”3.任意の個数(有限でも無限でもよい)の開集合の和集合は開集合である”がある
 (余談だが、小さい開集合の和を取れば、いくらでも大きな開集合は出来るので、ε=1000000000000 などを考える必要はない!)
6.なので、「如何に小さい開集合が取れるか?」ということが、位相空間の性質を決めるのです
 2つの異なる点を分離できるほど、いくらでも細かい開集合が取れるというのが、ハウスドルフであって、距離空間ではハウスドルフが成立ち、”εδ論法”が成立つ
7.つまりは、”εδ論法”というのは、”いくらでも小さい開集合が取れる”という距離空間の性質を、”任意の(小さい)εうんぬん”と言い換えているだけのこと
 そいういう見方もできる
8.つまりは、”εδ論法”だけで悩んでないで、早く位相空間という高い視点から眺めるのがいい!! ということなのです(^^

(参考)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E7%A9%BA%E9%96%93
距離空間
(抜粋)
距離空間では、距離を用いて近傍系を定義する事もできるため、位相空間の特殊な例になっている。
フェリックス・ハウスドルフは位相空間の重要な性質として距離・近傍系・極限の 3 つを考察し、近傍系を選び位相空間の公理化を行った。そして、極限や連続性などの概念も距離とは無関係に一般化されていった。

つづく