>>461
つづき

元々のΘリンクの定義における「∧」は、一致するとは限らない整数 A と B を用いたからこそ、整合性(=「無矛盾性」)をもって定義することができました。これは先ほどの「Xの誕生日...」∧「Yの誕生日...」と全く同じ現象です。元々のΘリンクの定義が「∧」によるものであるこそ、その肝心な「∧」性を壊さないような操作によって行なわれる「マルチラディアル表示」の構成は「∧」性を引き継ぐことになります。また「マルチラディアル表示」において「∧」性が成立しているからこそ、議論の最終的な結論となる「A<3」という不等式が簡単に、形式的に従ってしまうのです。

一方で、(ここから先が、先ほどの喩えの「2+2=9」に対応する「大元誤解」の内容になりますが)例えば、元々のΘリンクが、何かの理由によって

      (N=-2B) ∨ (N=-A)

として認識(=誤認!)されたとします。すると、まず、整数 A と B が、一致するとは限らないものであることを仮定することには全く意味がない、つまり、最初から「A=B」ということにしても、整合性(=「無矛盾性」)の問題は全く発生しないのではないかと考えてしまいます。これは先ほどの「Xの誕生日...」∨「Xの誕生日...」と全く同じ現象です。
しかし、最初から「A=B」ということにして、Θリンクの定義も

         (N=-2A) ∨ (N=-A)

ということにすると、「マルチラディアル表示」に移行する際、(「∧」ではなく!!)「∨」を引き継ぐことになり、つまり、

      (N=-2A+ε) ∨ (N=-A)

という恰好の「∨版マルチラディアル表示」しか従わないことになってしまいます。

つづく