>>37
ほいよ(^^

http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/~tamaru/kougi/07tsuron1.html
数学通論 I (2007年度前期) Tamaru 広大
http://www.math.sci.hiroshima-u.ac.jp/~tamaru/files/07tsuron.pdf
数学通論 I (2007年度前期)
第 1 章
実数
本章では実数に関する諸概念を学ぶ. ここで学んだ概念は, 後に距離空間や位相空間に
対して拡張される. いきなり距離空間・位相空間を扱うと抽象的になり過ぎてしまうこと
が多々あるので, その準備として, まずここで実数の場合を扱う.

1.5 連続写像
実数や距離空間や位相空間において, 連続写像は非常に重要な概念である. これは, 線
型空間において線型写像が重要であったことと同様. このように, 集合(とその上の構造)
と写像(でその構造と合致するもの)を合わせて考えることは, 現代数学では非常に基本
的な考え方である

定義 1.39. A ⊂ R とする. 写像 f : A → R が点 a ∈ A で 連続(continuous)とは, 次
が成り立つこと: ∀ε > 0, ∃δ > 0 : f(U(a; δ) ∩ A) ⊂ U(f(a); ε).
この連続の定義は, 解析学などでは次のように書かれることが多い.
問題 1.40. 写像 f : R → R が点 a ∈ R で連続であることと, 次が同値であることを示
せ: ∀ε > 0, ∃δ > 0 : |x ? a| < δ ⇒ |f(x) ? f(a)| < ε.
連続の直感的なイメージは, グラフが繋がっていることである.

定理 1.44. 写像 f : A → R が連続であるための必要十分条件は, 次が成り立つこと:
∀U : 開集合, ∃O : 開集合 s.t. f?1(U) = A ∩ O.

系 1.45. 写像 f : R → R が連続であるための必要十分条件は, 次が成り立つこと:
∀U : 開集合, f?1(U) : 開集合.
すなわち, 連続の必要十分条件は, 開集合の逆像が開集合であること. これには 2 つの
大きな意味がある. 1 つは, ε ? δ を用いなくても連続の判定ができること. これによって
連続性の証明はかなり楽になる. 2 つめは, 連続の概念が開集合だけを使って定式化され
たこと. これによって, 実数だけでなく, 一般の距離空間や位相空間でも, 写像の連続性を
自然に定義することができる.