>>107
つづき

集合論
SNは通常の数学の宇宙であるという主張に正確な意味を与えることは可能である。すなわち、それはツェルメロ集合論のモデルである。
公理的集合論は元来1908年にエルンスト・ツェルメロによって開発された。ツェルメロ集合論は"通常の"数学を公理化することができるため、カントールによって三十年早く始められたプログラムを達成して、確実に成功した。
しかし、ツェルメロ集合論は公理的集合論および数学基礎論、特にモデル理論における他の研究のさらなる発展にとって不十分であった。
劇的な例として、上述の上部構造プロセスの記述はツェルメロ集合論においてそれ自身実行できないことが挙げられる。最終ステップとして、無限和 (infinitary union) としてのSを形成するための置換公理が必要である。
置換公理は、ツェルメロ=フレンケル集合論を形成するように1922年にツェルメロ集合論に付加された。この公理集合は今日最も広く受け入れられている。
そのため、通常の数学がSNにおいてなされるのに対し、SNの議論は"通常の"数学を越えてメタ数学の領域となる。

しかし、もし超冪集合論が持ち込まれた場合、上記の上部構造のプロセスそれ自体は明らかに超限帰納法のはじまりに過ぎない。

任意の 順序数 i に対して Vi を定義する。
Vi のすべての和集合は次のようにフォン・ノイマン宇宙 V となる。

Vi は各々すべてが集合であることに注意すること。
しかしこれらの和集合 V は固有類である。
置換公理と同時期にZFに加られた正則性公理は、すべての 集合が V に属することを主張している。

クルト・ゲーデルの構成可能集合 L と構成可能公理
到達不能基数は ZF のモデルと加法性公理を生じ、さらにグロタンディーク宇宙の集合の存在と等価である。

つづく