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つづき

http://www.f.waseda.jp/sakas/stochastics/
「確率過程とその応用」管理人 逆瀬川浩孝 早稲田大学
http://www.f.waseda.jp/sakas/stochastics/stochastics.pdf/aspText.pdf
「確率過程とその応用」テキスト 逆瀬川浩孝 早稲田大学 (日付がないが、冒頭で使っているグラフから見ると、2011年か2012年ころだろう)
(抜粋)
1 確率過程
確率過程とは、ランダム要因を含むシステムの時間的変動の様子を分析するために使用される
数理モデルである。具体的には、ある時点におけるシステムの状態を時間依存の確率変数(ある
いは確率ベクトル)として捉え、それらをすべて集めた確率変数の族のことを指す。

例1.1 株価の変動
株価の動きは確率的に変動している、と考えるのは自然であろう。
その確率モデルとして、明日の株価、明後日の株価、n 日先の株価、がそれぞれ確率変数としてモデル化すると、株価の確率過程モデルができる。
ある日を基準にして n 日目の株価終値をXn とすると、{X0,X1,X2, ...} は確率過程モデルとしてモデル化できる。

1.2 定式化
「時刻t」におけるシステムの状態(を数量化したもの)を確率変数X(t) で表し、
考察の対象となる時刻の集合をT としたとき、{X(t), t ∈ T} を確率過程という。

X(t) の取り得る値全体を状態空間といいS で表す。時刻の集合T は時間パラメータ集合と呼ばれる。

1.2.1 時間パラメータ
時間パラメータ集合は、大きく分けて連続の場合と不連続の場合の場合があり、扱いが異なる。
確率過程は、
時間パラメータ集合が連続ならば連続時間の確率過程、
時間パラメータ集合が離散ならば離散時間の確率過程、
と呼ばれる。

時間パラメータ集合が離散の場合はT = {0, 1, 2, ...} とすることが多く、
その場合、確率過程は{Xn, n = 0, 1, 2, ...} と書かれることが多い。
以下で扱う離散時間確率過程はほとんどこの場合である。
一般にはT = {t0, t1, t2, ...}、あるいは、すべての整数、とする場合もある。

つづく