>>237
> 計算論や形式言語、オートマトンは数学とプログラミングの中間辺りの学問だぞ

いや、上の表現は適切ではない
なぜならば、それらは公理から演繹的に様々な定理を証明して一つの学問分野として組み上げられているという意味では数学と同じスタイルだからだ

プログラミングという実技についての学問とは全くスタイルが違う

従って、それらが数学か?と訊かれれば数学だと答えるしかないが、解析学とか代数幾何・微分幾何とか整数論といったオーソドックスな数学から見れば
数理論理学(の中でも様々な応用を有するモデル論を別にして、証明論とか再帰的関数論など「数学基礎論」という呼び名に相応しい分野)と同様に
数学の辺境にある(オーソドックスな数学の中心地である上記のような分野との関連に乏しい)分野という印象が強い

但し、計算論やデータ型の理論などは数理論理学の再帰的関数論や証明論とは極めて近いので数理論理学から見ると辺境ではなく、数理論理学のかなり近くにある数学分野ということになる

ついでに言えば束論(バンドルでなくラティスの方)も本来は代数学の一分野のはずだがオーソドックスな数学をやる人間のほとんどは関心を持たないが
束(の条件を少し緩め少し変わった位相を入れた構造)はプログラミング言語の数学的基礎理論の中では割と重要な役割を果たしている

ということだが、ここは数学の本スレなので最後の段落で述べた話題に関する本(の中でもいかにも数学書らしいスタイルのモノグラフ)を1冊ぐらいは挙げておこうか

G. Gierz, K. M. Hofmann, K. Keimelm, J. D. Lawson, M. W. Mislove and Dana S. Scott
Continuous Lattices and Domains, Encyclopedia of Mathematics and Its Applications 93, Cambridge University Press (2003)