>>303
じつは、このアイデアは「原始ピタゴラス数は三分木をなす」という
Barning と Hall の定理(小林吹代『ピタゴラス数を生み出す
行列のはなし』参照)が元ネタです。e = {3, 4, 5} に行列
U・D・A を順次掛けてゆくと、すべての原始ピタゴラス数が
一意に表されます。
原始ピタゴラス数は、「互いに素で偶奇が異なる自然数 (m, n)
(0 < m < n)」、または「互いに素な奇数 (p, q)(0 < p < q)」
で表されます。ここで、m × n または p × q が単調減少し、
その減少のしかたが三通りあって、それぞれが U・D・A を掛ける
操作と対応することを示しました。
この定理の “泣きどころ” は、任意の原始ピタゴラス数を与えたときに、
それを e と U・D・A の列の積の形に分解できない(逆問題が解決
されていない)点だったのですが、このアプローチで解決できました。