では、詰まらない追加を。

かつての重点領域のテーマだったものとして数論幾何学、低次元トポロジー、可解格子模型、
共形場理論、量子群があった。まあ目立つ流行(だった)という認識だと思うが、でも:
★★★『世界的な流行である重要な研究分野であり、従って「お金さえ注ぎ込めば進展する筈」という甘さ』★★★
はあったでしょうね。でもこういう「流行ばっかし追求する」ってのは今から考えたら(特に日本
人には)危険かも知れませんね。だからこういうのは絶対に権威化したらダメでしょうね。

そのちょっとアトには複雑系ってのもあっただろうし、それに今でも「即戦力として社会に還元
する数理科学」とかがスローガンになってるっぽいのが、ちょっと怖い。でも最近必要があって
再読した『迷走する物理学』(リー・スモーリン著)にあるストリング理論の批判ってのが、今と
なってはいい教訓かも知れませんね。私自身は「ストリングはちゃんと数学に貢献した」と思
いますが、でも物理の側から見れば、まあああいう批判もアリかと。(だから次はトポロジカル
絶縁体という事でもないんだろうけれど。)

まあハッキリと言ってしまえば『チカラのある人は流行に手を付けても大丈夫』でしょう。でも
そうではない人達も居るのであり、その時の流行しか知らない人達は「アトで困る」のかも知
れませんね。だから何れにしても:
★★★『(遣り方を真似る、のではなくて)きちんと自分の頭で考えるというのが基本中の基本』★★★
ではないかと。徒弟制度ニッポンには難しいかも知れませんが。