>>458 つづき

(抜粋)
自然数すべての総和 1 + 2 + 3 + 4 + … は、
その n-次の部分和
Σ_{k=1〜n}k=n(n+1)/2
が三角数によって与えられる無限級数。
これは n を無限大に飛ばすとき際限なく増加するため、この級数は(正の無限大に)発散し、通常の意味での「和」を持たない。
一見するとこの級数が意味のある値を持つことは全くないように思われるが、これに数学的に意味のある値を結びつける方法があり、そうして得られた値は複素解析や、物理学における場の量子論、特に弦理論などの分野において応用がある。
様々な総和法を用いることで、上記のごとき発散級数にさえ有限な数値を割り当てることができ、
特にゼータ関数正規化やラマヌジャン総和法では件の級数に ?1/12 を値として割り当てる。
この事実をよく知られた公式
1+2+3+4+・・・ =?1/12
として式に表す[1]。
モンスター群のムーンシャイン現象に関するモノグラフでテリー・ガノン(英語版)はこの等式を「自然科学において最も注目すべき公式の一つ」と評した[2]。

物理学での応用
ボゾン弦理論(英語版)では、弦の取り得るエネルギー準位、とくに最低エネルギー準位を計算することが試みられる。
砕けた言い方をすると、時空の次元を D とするとき、弦の振動は D ? 2 個の独立な量子調和振動子(各々は横波)の集まりと見ることができて、基本振動数、すなわち弦の振動数の中で最も小さいものを ν とすると振動子のエネルギーにおける n 番目の振動子の寄与は
hνn/2
と表せるので[注釈 4]、件の級数を用いれば全ての振動数に亘る和を計算すると ?hν(D ? 2)/24
が得られる。最終的には、この事実にゴダード・ソーンの定理(英語版)を合わせて、ボゾン弦理論が 26 次元でないと無矛盾にならないことが導かれる。
(引用終り)

つづく