>>433 関連

http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20140523/1400837261
数学は、人生を総動員して理解するとよいのだ、とわかった - hiroyukikojimaの日記: 2014-05-23
(抜粋)
本書には、図形の位相的な形を分類するためのホモロジー群、空間でないものを空間化させてしまう位相空間理論、n次多項式の零点として定義される図形を代数的に捉えるイデアル理論、加減乗が定義された代数系である可換環を位相空間上の関数に仕立ててしまうスキーム理論などの入門編を解説しているのだけど、
これらはいずれも、数学科に所属していた頃に理解できずに落ちこぼれた素材なのだ。

 今でも忘れられないは、ホモロジー群を教わった位相幾何の講義のテストのときだ。たしか2時間ぐらいのテスト時間にもかかわらず、ま〜ったく何もわからず、ただただ答案用紙にトーラス(ドーナツ形)の絵を描いて時間が過ぎるのを待った。
早々に答案を(白紙のまま)提出して退出する勇気はなかった。あれほどの退屈な時間と、あれほどの屈辱の時間は、他に経験がない。


 それから、ゼミで代数多様体についての輪読をしたとき、それがマンフォード『代数幾何1』のほとんど最初のほうであるにもかかわらず、何も理解できないまま、夜な夜な英語の文面を呆然と見つめていたものだった。
可換環論が当然の前提知識となっており、それを理解しようとすると、その前提にはもっと初歩の代数系や集合論(ツォルンの補題など)が利用されており、それを紐解こうとすると、「無限後退」に陥るような気持ちになって、目眩がした。
「生まれ直すしかない、いや、生まれ直しても間に合うまい」という悲観が心に渦巻いた。このようにして、ぼくは、数学科の落ちこぼれになった。

つづく