>>287 つづき

参考文献
[2] 伊藤清,確率論,岩波基礎数学選書,1991.
3分冊の岩波講座として長く親しまれた.[9] が出るまでは,「測度論に基づく確率論」の
初学者向け本格的教科書は日本では殆どこれしかなかったのではないだろうか.いまで
も勉強になるものが証明の随所にある気がするが,いつ注文しても絶版なのはたいへん残念.

[9] 西尾真喜子,確率論,実教出版,1978.
20 世紀後半の比較的長い間,日本人の書いた数学科の確率論の基礎教科書というと[2] 以降は殆どこれしかなかったようだ.内容や証明は[15] に準拠しているように思う.

[15] W. Feller, An introduction to probability theory and its applications, vol. 1,2, 3rd ed., John Wiley & Sons, 1968.
W. フェラ− (卜部舜一訳) ,確率論とその応用1上・下,2上・下,紀伊国屋書店,1988.
20 世紀中頃の確率論の定番の教科書の一つだったようにみえる.盛りだくさんの内容.用
語が少し古くなっているのと,証明の記述が時々丁寧でない点で読みづらいが,内容や
証明はその後の基礎教科書の元ネタになっている気がする.影響力の大きかった教科書のようだ.
Random walk の取り扱いに詳しい点は今でも使える.