24÷7は7の段だよ。7三21で27より少ない、7四28で27より多い、じゃあ24-21=3で、商が3、余りが7。

もし3の段で試す癖がついてしまっていたとしよう。3八24でぴったりだ、商は3、と思ってしまいかねないよね。
これってあり得ない冗談ではないんだよ。人間は正誤、適不適に関わらず、繰り返し行ったことを覚えてしまう。
漢字なんかでもそうだ。ある漢字を書き間違え、消して正しく書き直したとする。それを何度もやっちまったとする。
すると、一度書き間違えてからでないと正しく書けなくなったりする。悪い癖がついてしまうという状態だな。

割り算でも同じだ。仮に、21÷7は何の段で?、24÷8は何の段で?、という練習問題で、3の段と答えてしまったとしよう。
すると、24÷7でも3の段で探してしまうようになることがある。そして商が8、余り無しと答えてしまう。それが後々まで尾を引いてしまう。
学習途上ではそういうことに注意する必要がある。だから、21÷7と見たら7の段が便利だよと教える。たとえ、ぱっと3七21を思い付けてもね。
もちろん、練習問題も21÷7、24÷8、なんて3の段でも成り立つような配し方は避けるべきだ。

どちらの面からも細心の注意を払う必要がある。数学的に正しければいいと割り切ってしまえないわけだな。
その数学をまだ知らない者が、知って、使えるようにするための途上、教育であるからだ。
「21÷7を3の段で探してもいいじゃないか、3七21があるんだから」はもう算数が分かっている者にしか通用しない。
あるいは、21÷7=3まで解いた上で、3に注目しちゃったとかね。解くために有用な情報は何?という練習では本末転倒。

要点は数学として正しい論理を示せというテストではなく、コツを覚える練習だということだ。
数学として正しいもの全てを等しく推奨することなんかできないわけ。似非さんには決して分からないかもしれないけどね。