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負×負=正になるのではない。あくまでも正と決めるのだ。
正の掛け算は、足し算の繰り返しによって定義される。
正の掛け算の定義から、負の掛け算が正になることが説明できると、
本気で思い込んでいる人が多すぎる。そう考えてはいけない。
正の掛け算しか決まっていなかったら、負の掛け算はできないのだ。
できてはダメなのだ。できたらインチキだ。負の掛け算は決めないとできない。
同符号同士の場合は正、異符号の場合は負と決めるのだ。実際それが真相だ。
では、どうしてそう決めるのかということが残る。
それは、正の掛け算の持っていた性質を保存するようにしたいからだ。
正の場合の性質が保存すれば、都合がいいのでそうするのだ。
しかし、この都合の良さを中学生にあらかじめ説明して理解させるのは難しい。
実際のところ、かなり優秀な子でないと理解は無理だろう。
それではどうするかと言えば、ほとんどの人がそうしたであろうように、
とりあえず、負×負=正を覚えて計算してみるのがいいのだ。
そして多くの具体的な例題を通じて、
負×負=正と決めたことの都合の良さを体感するのが最善だ。
例題は、直線上の車の移動でも、温度の変化でも、
お金の貸し借りでもなんでもいい。
正と負の違いがきいている例題を沢山経験させて、子供の情緒に染み込ませる。
この感覚が身に付いて、計算も間違えなくなった段階で、
一般論の説明をすればいい。
最初から一般論で説明して簡単に終わらせようとするのは、
先生の手抜き以外の何物でもないと思う。
近頃の先生方は、本当に子供たちを愛していないと思う。