福島事故による放射性ヨウ素被ばくは多くない
「データが不十分で被ばく量はわからない」という主張は間違いだ
高橋真理子 朝日新聞 科学コーディネーター
http://webronza.asahi.com/science/articles/2017101200003.html
(冒頭部分)
福島原発事故の後に子どもの甲状腺がんが多数見つかっている。チェルノブイリでは放射性ヨウ素のせいで
子どもの甲状腺がんが増えた。だが、福島で見つかっている甲状腺がんは「放射線の影響とは考えにくい」
というのが福島県の検討委員会の評価である。それに納得できない人は少なくなく、異議を唱える専門家もいる。
病気の原因の判定は難しい問題だと思うが、事故から6年以上たち、被ばく量がチェルノブイリより桁違いに
小さかったことは明確になっている。これは、「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」
をはじめ信頼できる多くの組織の報告書に書いてある。それなのに「データが不十分なので、よくわからない」
という主張がいまだにあることに驚く。納得するかどうかは、すぐれて個人的なことだけれど、少なくとも
被ばく量が桁違いに少なかったという事実はすべての人に認識してほしいと思う。