サルでもわかるスクリーニング効果

スクリーニング検査のあるなしで癌の罹患者数がどう変化するか、簡単なモデルで説明します。
癌の有病期間(検査があってから通常の意味で臨床化するまでの期間)は一律4年、
スクリーニング検査の期間は1年とします。

@癌の罹患者数に年次変化がない場合

検査なしの罹患者数    1   1   1   1   1   1   1   1   1   ……
検査ありの罹患者数.    1   1   1   5   1   1   1   1   1   ……
                            ↑
                    この年から検査を開始し毎年継続

この場合1回目の検査では5人(その年の罹患者1人+1人×4年の潜在患者)の癌保有者が見つかり、
2回目以降の検査では毎年1人の癌保有者が継続して見つかることになります。次に…


A癌の罹患者数に年次変化がある場合

検査なしの罹患者数    1   1   1   1   2   3   4   5   6   ……
検査ありの罹患者数.    1   1   1  15   6   7   8   9  10   ……
                            ↑
                    この年から検査を開始し毎年継続

この場合は1回目の検査ではその年の罹患者1人と向こう4年間分の潜在患者、すなわち15人の癌保有者が見つかり、
2回目以降の検査ではその時点からみて4年後に発症する癌保有者(6人、7人…)が各年で見つかることになります。

福島県で行われている甲状腺癌検査は@ではなくAのケースに該当します。
14人(15人−1人)が検査による前倒し効果(スクリーニング効果)であり、
初回にスクリーニング検査をしたからといって2回目以降の癌発見数が1や0にはならないことがわかると思います。