【AFP=時事】ミャンマーの人道支援団体「フリー・ビルマ・レンジャーズ(Free Burma Rangers)」は4日、ミャンマー国軍が空爆と砲撃を行った東部カイン(Kayin)州ドゥタトゥ(Doo Tha Htoo)県の村の破壊された建物や洞窟に逃げ込んだ住民らを撮影した写真を公開した。

長期化するミャンマー危機 分断状態の不完全国家
ミャンマーでは、クーデターから1年が過ぎても軍は国内を完全に抑えきれていない。軍は武力弾圧を続けているが、国民は粘り強く抵抗している。
これまで非暴力を貫いてきたミャンマーの民主化運動は大きく変質した。各地の市民は地元で自衛の武装組織を次々に結成し、少数民族武装勢力の協力も受けながら「武力闘争」に踏み切った。もはや国民と軍の和解は不可能な状況だ。

カレン民族同盟が国軍に「宣戦布告」、各地で武力闘争を展開

▽チン州やカイン州などの少数民族の武装勢力地域では、「軍に指名手配された市民らがヤンゴンなどから避難している。武装勢力に銃や手製爆弾などの軍事訓練を希望する若者も流入している」(少数民族関係者)という。

▽軍はカヤー、カイン、チン、カチン州などの少数民族武装勢力の支配地域を含む少数民族エリアや、北西部のザガイン、中部のマグウェなどを重点的に空襲しており、数多くの避難民の問題が深刻化している。

▽各地の市町村レベルでは、「国民防衛隊」(PDF)といわれる住民の武装組織が続々と作られ、軍に住民の情報を密告している軍の協力者や、SACに指名された地区の行政官らを射殺している。軍の部隊や駐屯地、警察施設、軍系携帯電話会社の鉄塔などへの地対空ミサイルによる攻撃も行っている。ヤンゴンでも毎日のように軍協力者の殺害や爆発が発生しており、「市民はPDFが標的にしそうな場所に近づかないようにしている」(ヤンゴン住民)という。