オカシオ-コルテス、“MMT(現代貨幣理論)”を語る
文:cargo Apr 09,2019 UP
http://www.ele-king.net/columns/politics/006836/
Overton's Window(常識の枠)を大きく開けたAOC(オカシオ・コルテス)。
政界に登場したニューヒロインは、私たちのカルチャーにどのような影響を与えるのだろう。
 去る1月上旬、オカシオ-コルテス下院議員がBusiness Insider(ビジネス専門ニュースサイト)のインタヴューで
「MMT = Modern Monetary Theory(現代貨幣理論)」について言及し、再び全米を騒然とさせた。これは一部
の政治・経済クラスタだけが騒いだものではなく、若年層を中心に注目されるAOCだからこそ政治・経済の枠を
超えて多くの人を巻き込む騒ぎとなったといえる。

1000万ドル以上の所得のある超富裕層の税率を、60%から70%で課税することを支持します。
グリーン・ニューディールを成功させる方法に関しては、富裕層課税などいくつもの財源創出方法があります。
政府の赤字支出は良いことです。グリーン・ニューディールを実現させるためには、財政黒字こそが経済にダメー
ジを与えるとするMMT の考えを、”絶対に”私たちの主要議論にする必要があります。

 このインタヴューが、誰もが「政府の財政赤字は悪いことだ」と思っていた”Overton's Window(常識の枠)”を、
AOCが広げた瞬間となった。勿論このニュースが配信されるやいなや、そのコペルニクス的発想の転換に追いつく
ことのできない多くの人々は困惑し、バイラル・メディアでは、「借金を増やして良いわけがない」という当然の怒り
の声から、「またインテリぶってるのか」「はいはい、炎上商法ね」といった冷笑めいた否定的なコメントも数多く寄
せられた。しかし好奇心からMMTに興味を示す人たち、またはその先進的イメージから「AOCをサポートする」とい
った好意的なコメントも数多く投じられ、結果としてネット上には数多くの賛否両論の言葉が飛び交うこととなった。