エマニュエル・トッドが緊急提言 外国人労働者受け入れにあたって日本が注意すべき『6つの過ち』
「このままでは日本の衰退を招く」
ttps://bunshun.jp/articles/-/11918

文藝春秋 2019年6月号
「日本人になりたい外国人」は受け入れよ E・トッド
ttps://bunshun.jp/articles/-/11843
 4月に始まった日本の外国人労働者(私は実質的に「移民」とみなします)受け入れ政策の詳細を把握している
わけではありませんが、外国人の受け入れ拡大は、間違いなく日本にとって望ましい政策でしょう。
     (略)
 そこで、移民受け入れにあたって犯しがちな過ちのリストをいくつか挙げてみます。これを「日本を愛する一人の
フランス人からの提言」と受け取ってもらえたらありがたいです。

  移民政策で犯しがちな過ち

 第一の過ちは、移民受け入れ拡大によって、「少子化対策の方をおろそかにすること」です。
     (略)
 第二の過ちは、「外国人労働者はいずれ国に帰ると思い込むこと」です。
 移民は状況が許せば、必ず定着しようとします。そして夫ならば妻を呼び、妻ならば夫を呼び、子供も呼ぶ。
そして新たな子供も産まれる。ですから外国人労働者をその当人だけで見てはいけないのです。「外国人労働者
は必ず定住者になり、家族も呼び寄せる」と覚悟すべきです。
 第三の過ちは、「移民を単なる経済的現象と考えること」です。
     (略)
 たとえばドイツによるシリア難民、中東移民の大量受け入れは、危険な行為であると言わざるを得ません。
文化的な差異は、見くびってはしっぺ返しを食うような、無視できないものだからです。
 そうした文化的差異には家族構造の違いが大きく影響しています。ドイツには、大勢のトルコ系移民が暮らして
いますが、彼らの社会統合は、成功しているとは言い難い。ドイツが完全な外婚制(イトコ婚の禁止)であるのに
対し、トルコ人の内婚(イトコ婚)率は約10%で、こうしたトルコ人社会とドイツ人社会の大きな文化的な違いが
あるからです。
(続く)