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イラクの次期首相選挙は5月12日に予定されている。ちょうど米政府が制裁を再開し得るタイミングに、イランは、
イラクに駐在する脆弱な米軍部隊や外交官を脅かすことなどを含めたカードを手にしていることになる。

西欧諸国や中国、ロシアの外交トップが、もしポンペオ氏を通じてトランプ氏の耳に彼らの声を届けることがで
きるなら、イラン制裁停止措置を延長するよう説得し、「軟着陸」に向けた交渉の時間を稼ぐだろう。国際企
業が米国市場を失う恐れなくイランと取引できるよう、米国制裁の再開を遅らせるのだ。



北朝鮮についてのポンペオ氏の最新の発言は、この問題でトランプ大統領と完全に歩調を合わせていることを示している。

「われわれは、過去のどの政権よりも多くの譲歩を引き出した。彼らに(米国攻撃を可能にする)一線を越えさせるような、
核兵器やミサイルプログラムの実験停止だ」と、ポンペオ氏はティラーソン氏解任前に米CBSテレビの番組で語った。

ポンペオ氏の国務長官指名は、米朝首脳会談の準備をさせるため、このタイミングで行われたようだ。トランプ大統領が
「北朝鮮向けに強いチームを準備したい」として、同氏を指名したとの報道もある。

トランプ氏は北朝鮮との間で、皮肉なことにオバマ氏がイランと結んだものに似た取引を目指すとみられる。制裁を緩和し、
見返りに非核化を進展させるのだ。制裁を抑制し、査察プロトコールを定め、多国を巻き込んだ極めて専門性の高い
イラン核合意は、北朝鮮との間で交わされうるもののひな形にすらなるかもしれない。

ポンペオ氏は、これを後押しできる立場にいる。

彼がCIAで最初に行ったのは、政権による制裁強化に必要な情報を提供するため、北朝鮮の情報収集を強化すること
だった。ポンペオ氏は、大統領が望む制裁効果に合わせて、どの制裁を調整すべきか助言できるだろう。また、自分を弱
腰にみせかねないと大統領に疑われていた国務省の他のスタッフと異なり、ポンペオ氏は信頼されている。