2018年3月16日
コラム:ポンぺオ国務長官の強みと弱み、核危機回避できるか
Peter Van Buren
https://jp.reuters.com/article/vanburen-pompeo-idJPKCN1GS0SP
カルチャー的には、ポンペオ氏はほぼ間違いなくキャリア外交官と衝突するだろう。「CIAでの見方はこうだ」として分析をは
ねつけられることほど、国務省の専門家が嫌うものはない。そして、ポンぺオ氏はそのような反論を口にするだろう。

人格的にも、ポンペオ氏は短気で頑固と言われている。国務省では、声を荒げる人はいない。また、「玉虫色」が好まれることもある。

良い点を挙げれば、ポンペオ氏のトランプ大統領との親密な関係は資産になるかもしれない。大統領に疎んじられていたテ
ィラーソン氏の下で、米外交官は自分たちの見解がホワイトハウスの政策議論に反映されているのかと大っぴらに疑っていた。

海外でも同じことで、トランプ氏が常に、また頻繁にツイッター経由でティラーソン氏を軽んじたことで、外国の対話相手が同
氏に時間を割く価値があるかどうか自問していたことは間違いない。

もし、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やケリー大統領首席補佐官などの側近が、うわさ通りホワ
イトハウスを去れば、トランプ氏にとってのポンペオ氏の重要性と価値は高まる一方だ。

ポンペオ氏は国務長官として、イランがイラクで担う強力な役割により留意するようになるだろう。CIAではイランは悪者と
しかみなされていないが、国務省では、一風変わった協力者のような存在だ。

イラクでの過激派組織イスラム国(IS)掃討は、あまり知られていないトランプ外交の成功例だが、この成功はイランの
協力によるところが大きかった。

イラン政府が武器支援を通じてシーア派武装勢力をコントロールし、イラクの有力政治家に対し影響力を持ってい
ることは、イランがイラク安定の鍵を握っていることを意味する。