「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行つたら「日本」はなくなつてしまふ
のではないかといふ感を日ましに深くする。日本はなくなつて、その代わりに、無機的な、からつぽな、
ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。
それでもいいと思つてゐる人たちと私は口をきく気にもなれなくなつてゐるのである。」


「果たしえていない約束 私の中の二十五年」三島由紀夫 (産経新聞 昭和45年7月7日)
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