アラビアのロレンスっていう役がですね、いま見直すと完全にあれですよ。なんていうか、楽しんごさんみたいな演技をしてるんですよ。
山里亮太)えっ?ちょっと・・・
(赤江珠緒)ああ、そういうシーン、ありましたよ。
(町山智浩)いわゆる、おネエなんですよね。立ち振舞いがよく見るとそうです。完全にしゃべり方もそうですよ。ピーター・オトゥールの演技が。アラビアのロレンスのね。
(山里亮太)そういう役の設定だったんですか?
(町山智浩)アラビアのロレンスさんっていう人は亡くなるまで童貞だったんですけど。いわゆるホモセクシャルの人だったんですよね。なにをもってその場合、
童貞っていうのかあれなんですけど(笑)。
マゾで、ムチ打たれたりするのが好きな人で。拷問されるシーンとかあって、いま見るとものすごく、非常に危険な映画なんですよ。
町山智浩)はい。でもあれだと、あの映画を見てると、本人が傷ついたり屈辱を受けたように見えるんですけど、実際には違うんですよ。彼は同性愛でマゾだったんですよ。アラビアのロレンス自身は。それもちゃんと描かれてるんですけど、はっきり言葉で言ってないんですよ。
(赤江珠緒)そうそうそう。
(町山智浩)だからすごい深い難しい映画なんですよ。アラビアのロレンスっていう映画は。だからいま見直すと、非常に難しいけど(笑)。
淀川長治さんがやっぱり当時から見抜いて説明されてましたけど。あの人はそういう点に関しては、誰よりもすごい目を持っている人だったので