>>387
レオーネ作品に整合性や辻褄合わせを期待して見るのは無意味。

「夕陽のガンマン」は、何故ジャン・マリア・ヴォロンテが自分が殺した女の
オルゴールを後生大事に持っているのか、サッパリわからない。
愛があったようには思えず、女を殺したことを後悔しているようでもない。
殺された女はリー・ヴァン・クリーフの妹で、彼はカタキというだけだ。

「続・夕陽のガンマン」は、イーライ・ウォーラックが銃砲店で店主から拳銃を
奪う場面で銃の扱いに相当長けていることが分かるが、終盤イーストウッドから
渡された銃に弾が入っていないことにまるで気付かないという日活アクション並の
オチに唖然。南北戦争絡みの橋爆破シーンなど別に無くてもいいだろとか。

「ウエスタン」は、ブロンソンが何故あれほど凄腕のガンマンなのか何の説明もない。
まあ説明しようったって簡単ではないけれども、正体不明の男として登場する以上、
ただ復讐に燃えて猛練習して上手くなりました、というのではちょっとなあ。
庭で結婚式の準備をしていた一家をヘンリー・フォンダが皆殺しにする場面、
幼い子供も「顔を見られた」という理由で容赦なく殺す、のに、ブロンソンの
時は何故か殺さなかった、殺すと復讐出来なくなるから、というご都合主義?
まあ脚本にダリオ・アルジェントの名前がある位だから。

「夕陽のギャングたち」でロッド・スタイガーが大勢の子供たちと強盗団を
組んでおり、その子が皆自分の子供みたいな設定からしてもうムチャクチャ、
IRAの闘士が無意味にダイナマイトを爆発させながら登場して彼らをうまく
利用するまでのコミカルな展開の前半に比して、メキシコ革命で反乱軍が政府軍に
大量処刑されるシリアスな中盤の場面はホントに同じ映画かと思うぐらいトーンが
違う。イーストウッドが出ないとレオーネ映画は俄然重ったるくなるのも難あり。

>>391
ない。

海外では単純に黒澤の「用心棒」の翻案でしかないと見做されているからかな。
例えば「宮本武蔵」についても、三船の出た東宝の三部作は名作とされていて、
内田吐夢の五部作は全く評価されていない。リメイクだからと海外で配給され
なかったからかもしれんが。市川崑の「細雪」などは逆に過去作2本が海外で
配給されなかったから普通に新作として見られ過大評価されているようにも
思えたり。