ネタも無い様なので、ブアマンの原作小説を

「1ザルドス語り給う」

過酷なる人生に、生は一瞬の燃焼をみせたのだった。
少年ゼドは父親に寄りそい、容赦なく吹きつける烈風をさけていた。幸福な、祝福された親子。二人は山の頂上で待ち受けていた。
ほかの者たちも、馬に乗って集まってきた。全員が、ザルドスの現れた給う地平線上の1点を見つめながら、指定の場処へと急いでくる。
ゼドは荒涼たる周囲をそっと見わたした。キバのような茨の灌木が、数エーカーにわたって、吹きつける風に揺れうごき、
枝をはなれた枯れ葉がツンドラを走っていた。丈のひくい灰色の灌木は、不揃いの木立へとうつり、小人のような樫の樹が、
どんよりと黒ずんだ沼沢に立ち並んで。あたりの植物はすっかり死に絶えていた。