何もかも果てしなくつまらない

石のダルマはマルクスの顔だ
その妖怪が無知な人類世界を徘徊し、革命の前衛に選ばれた者達に武器を提供する
彼らはノンポリの人民を銃口にさらす
高度に発達した社会は打倒されるのを待っている
罰として加齢された老人達は当時のヤングゼネレーションに対する大人の世界
若い世代の特権階級は高い教育を受けたブルジョアだ
革命の意義をわからず研究対象とのみ捉えている
革命は主導者によって武力をもってなる
殺される側もそれを必然として打倒されるのを受容して
そして人間らしい社会を取り戻す
赤面するような底の浅い暗喩だ
その革命こそがどのようなディストピアを生んだのかを現代の我々は知っているからだ

そこにフリーセックスの要素を入れて
女性が男性機能を研究するシーンや
主人公が全裸に近い姿で前編登場して不必要に男性の肉体をさらす
これもまた安直だ
フリーセックスの結果もまた現代の我々は悲惨な結末を知っているからだ

50年近い昔ならどちらも新鮮だったのかも知れない
憧れだったのだろう
当時の意識高い系の若者達にはそれがオシャレですらあったのだろう
未来のディストピアを映像化した映画としてははしりだろう
その意義はあるが、21世紀の今日の目からみるとあまりにもつまらない
無邪気すぎ子供すぎる
そう、オズの魔法使いのおとぎ話だ