2000年代の極東の島国ではThe Whoこそが、モッズの象徴のように思われているが、実際は違う。
モッズ風俗が頂点を極めたのは63年〜64年、つまりThe Whoがデビューしたときは
モッズは盛りを過ぎて形骸化していっていた。
The Whoはファッションや音楽も含めて
「商業化された」モッズの象徴というのが妥当。

ブレインドレインという言葉を知っているだろうか?
60年代初頭のロンドンでジャズとR&Bに傾倒したスノッブの一群のことで
「さらば〜」で描かれていたモッズが正真正銘の労働者階級だったのに
先行して、マスコミ関係者や音楽関係者の中のもうちょっとハイブラウな
連中のことだ。典型例は広告代理店に勤めて良い給料を貰、ジャズバンドで
ドラムを叩き、イラストも描き、イタリアンファッションに身を包んだ
ストーンズ加入時のチャーリー・ワッツのような人がブレインドレインの典型。
モッズというのはそういう格好良い兄貴を真似した東ロンドンに
居住するDQN連中が中核。
解り易く言えばウェストハム・ユナイテッドを応援しているような
連中のことだ。