シュタージ(東独)を見るならこの5本

1 「善き人のためのソナタ」
言わずとしれたアカデミー外国語映画賞受賞作でシュタージの名(悪名)を
世界中に知らしめた傑作。スパイ映画ではなく、監視国家における個人の
良心のあり方を問う人間ドラマであるが、シュタージの監視、盗聴、脅迫のテクニックも詳細に
描写される。

2 「寒い国から帰ってきたスパイ」
冷戦時代を代表するリアル・スパイ小説不滅の傑作の映画化でタイトルからロシアを
舞台にしていると勘違いする人意外にいるが、冷戦の最前線、ベルリンの壁を象徴に
英MI6 VS 東独シュタージの謀略戦がメイン。二つの組織とも非情な敵役であり
その狭間で使い捨てにされる男女の悲劇。

3 「鏡の国の戦争」
「寒い国から〜」と同じくジョン・ル・カレ原作で同工のテーマ。
ただ原作を変更し英情報機関(MI6とも異なる軍情報部?)に訓練され東独に送り込まれる
ポーランド人 ライザー(クリストファー・ジョーンズ)は中年男からイケメンの青年に。
恋におち運命をともにする東独の美少女アンナ(ピア・デゲルマルク)。青春映画のような
味わいになっている。シュタージと思われる秘密警察の刑事(シリル・シャップス)がラスト
近くで一瞬見せる沈痛な表情……

4 「引き裂かれたカーテン」
東独科学者が開発成功した新型ミサイルの数式を聞き出す為に偽装亡命したアームストロング
(ポール・ニューマン)。ヒッチコックスパイ映画のなかでは失敗作扱いされているが、確かに
後半のご都合主義、存在意味不明のクチンスカ伯爵夫人等、欠点目立つ。でも前半のシュタージ
監視役工作員グロメック(ヴォルフガング・キーリング)の怖さはかなりのもの。
コイツを前半で殺してしまったのが失敗か?

5 「ダブルマン」
シュタージと思われる東独スパイ機関登場でありながら東西ベルリンが冒頭にしか登場しない
一編。アルプス山中を舞台にCIA高官スレイター(ユル・ブリンナー)を標的にした東側の陰謀
なのだがロシア人将官は最初しか登場せず東独側がメイン。
シュタージ幹部ベルトルト大佐に扮するナチ役の名傍役俳優アントン・ディフィリング
は東独の征服も似合う。

次はモサドで3本。