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【物語】欅坂46の小説【エロも可】
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0001名無しって、書けない?(家) (3段) (ワッチョイWW ff16-3bRD)
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2019/06/30(日) 01:15:13.00ID:6+63nAnd0
素人レベルからでも投稿できる小説スレです 
ただし投稿作品に対するすべての中傷は禁止です 

投稿者は多大な時間と労力をかけて 
作品を投稿していますのでご協力をよろしくお願いします 


あとは作家さん各々の良心に従い思うままに書いてください 

最後に、このスレの投稿される作品はすべてフィクションであり 
実在する人物や団体や建物等との関係は一切ありません 
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0002名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/06/30(日) 01:16:03.28ID:6+63nAnd0
作家の皆さんよろしくお願いします
0004名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-FkvG)
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2019/06/30(日) 01:59:18.95ID:6+63nAnd0
参考までに俺の過去作貼っときます



クラスメイトの俺と理佐ちゃんは付き合ってる訳ではないが互いに意識しあってる同士だ

しかし勇気の無い俺が告白しないままもうすぐ卒業を控えたある日

偶然学校に残ってる理佐ちゃんと帰り道が一緒なった

突然の告白するチャンスを意識し過ぎて無口になる俺

そんな俺の気配を察して無口になる理佐ちゃん

駅に着くまでに告白しなければと思えば思うほど勇気が出ないチキンな俺

いつもは長く感じる学校から駅までの道のりがやけに短く感じてますます焦る

永遠に駅に着くなと祈る俺の思いも空しく駅が見えてきてしまう

そんな俺のために忘れ物したから学校に戻ろうとか言って時間稼ぎしてくれる理佐ちゃん

そんな優しい理佐ちゃんの期待に応えねばと思うとますます焦る俺

忘れ物を探す小芝居までしてくれる優しい理佐ちゃん
再び駅が見えてくる頃には今日は諦めて次のチャンスを待とうとするダメな俺

傷心な気持ちのまま理佐ちゃんとは反対のホームに向かう離れ際

突然俺の手を握ってくれて「諦めてんじゃねーよ」なんて俺の手をぎゅってしてくれそうだから好き



こんなんで良いので気楽によろしくです( ̄▽ ̄)ゞ
0005名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/06/30(日) 12:26:40.87ID:6+63nAnd0
誰も書きに来ない(-o-;)
0006ジョバンニ(光) (アウアウエー Sab2-HocJ)
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2019/06/30(日) 13:27:02.88ID:zSI/pIMRa
こんにちは、時々、アメブロ拝読させてもらってる者です。
「理佐ちゃんだから好き」は、理佐さんへの
まっすぐな愛が伝わってきて、ほのぼのしていて安心して読めます(^^)
0007名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/06/30(日) 13:53:47.56ID:6+63nAnd0
>>6
ありがとう

なにかと誤解されがちな理佐ちゃんの素晴らしさを伝えたくて書いてるのでお言葉めっちゃ嬉しいです(/▽\)♪
0008名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KKce-Nea5)
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2019/06/30(日) 15:00:50.48ID:HGThHpwCK
>>5
まずは気長に保守しないと(笑)
0009名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/06/30(日) 15:33:40.93ID:6+63nAnd0
>>8
また保守の日々が始まるんですね、、、

早いとこ作家さんが集まって来るのを祈りますか(-o-;)
0010夢で逢えたら 第1話 前編(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/06/30(日) 20:42:21.09ID:6+63nAnd0
「ねぇ 、早く起きなよ!」

夢の中でめっちゃ美人に見惚れてる俺を現実の世界に呼び戻す無粋な声、、、

「貴様、、、なんてことしてくれたんや!」
幼なじみの葵に眠い目を擦りながら文句の俺

「なんで起こしてあげたのに文句言われなきゃならないの!」
言うと同時に頬を膨らますお子ちゃまな葵

それもそのはず俺は17さいだが葵は15才

高2の俺からしたら中3の葵はまだまだお子ちゃまなのもやむなしではある

そんな気持ちを補強するようにささやか過ぎる葵の胸を見る俺

うむ、やはりお子ちゃまやw

夢で見た大人っぽい美人と年下の幼なじみ葵を天秤にかけて高笑いする俺

「なんで人の胸見て笑うのよ!」
なんてますます頬を膨らますやっぱりお子ちゃまな葵



「え〜覚えてないの〜」

買い物に付き合う約束をすっかり忘れて呑気に朝ごはん食べる俺にびっくりする葵

「忘れてたものは仕方ないから独りで行ってきたまえ、俺は澤部に大事な用が出来たんや」
葵との約束を忘れていたことを幸いに親友澤部に会いに行くことにした俺

「もう、俺君のバカ!」
言うが早いか俺が食後の楽しみにしていたプリンを掴み自分の家に帰る葵

「なんて奴だ、、、」
楽しみにしてたプリンを強奪されて葵に呆れる俺に

「意地悪しないで付き合ってあげればいいのに、葵ちゃん昨日から楽しみにしてたんだよ」
俺と葵の痴話ゲンカを見ていたお母ちゃんが呆れながら呟く

「楽しみにしてるようには見えなかったけどね、便利な荷物持ちが欲しかっただけだからあいつはw」
現金な葵の企みを封殺して高笑いで澤部の家に出かける準備する俺
0011夢で逢えたら 第1話 後編(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/06/30(日) 20:42:51.82ID:6+63nAnd0
「夢を操れるようになりたい〜!?」

突然訪ねてきた俺の言葉に驚き過ぎて声が裏返る澤部

「うん、夢に出てきた美人に一目惚れやねん」
澤部に何故夢を操りたいかを説明する俺

「だからって夢の続き見るために夢を操る方法探さなくても可愛い子なら現実の世界に居るだろ」
なんて乃木坂46の白石麻衣ちゃんの生写真をちらつかせる澤部

「確かにまいやんは人類史上最高美人や、、、だが夢で見たあの美人、、、確か友だちに理佐って呼ばれてたあの美人にはかなわん」
言いながら澤部からまいやんの生写真を奪い胸ポケットにしまう俺

「ちぇっ、何が人類史上最高美人だよ先週まではなぁちゃんなぁちゃん騒いでたしその前はいくちゃんいくちゃんだったろ」
移ろいやすく浮気な俺をなじる澤部

「うるせえ、今はあしゅにも夢中じゃボケ!それより兄貴にちゃんと頼んでおけよな」
大学で心理学の助教授なんてやってる澤部の兄貴に夢見術開発を依頼するよう念を押し澤部の家を後にして1月の寒空の下家路につく俺


つづく
0012名無しって、書けない?(東京MX) (ワッチョイ 8625-Ij2G)
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2019/06/30(日) 20:44:35.73ID:2ioaKBzS0
小説総合スレの久々の開設、おめでとうございます。
オールカマーなので、すぐに賑わってくるでしょう。
0013名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/06/30(日) 21:04:01.62ID:6+63nAnd0
>>12
ありがとうございます

早く賑わって欲しいです
0014名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 3e15-DUS6)
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2019/06/30(日) 23:42:19.83ID:5MDzFPTx0
お久しぶりです〜
復活しましたか〜
0015名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 3e15-DUS6)
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2019/06/30(日) 23:50:12.57ID:5MDzFPTx0
東京都墨田区。
目を凝らせばスカイツリーが見えないこともない場所そこには、あからさまにボロい病院がある。
’’長沢医院’’その下にはうっすら’’長濱内科クリニック’’とある。
「看板直しなよ」
その病院のたった一つしかない診察室。そこで織田奈那は蜜柑を片手に言った。
「えぇ。だってめんどくさいじゃん。」
白衣にやたらカッタカタするハイヒールでビーカーを磨きながら返した。
「いやわかりにくいって」
織田は蜜柑を業務用ビニール手袋と書かれた空き箱に蜜柑の皮を入れた。
「コーヒー飲む?」
長沢はいつの間にか歯科型コップにアイスコーヒを注いで舌圧子でかき混ぜた。
「いやいいよ。というかなんで歯科医用の器具があんのよ」
「アマゾンで安かったからつい」
「使い所無いのに衝動買いしてんじゃねえよ」
織田はなんだかんだ言いながらも舌圧子コーヒーを受け取った。
「これ中身イソジンじゃ無いよね」
織田が尋ねると長沢は不気味に微笑んだ。
「怖いよななこ」
織田はペントレーに載せて差し出されたガムシロップを手に取る。
「ていうかこの病院やってけるの?」
「初診料高めにして診療点数多めにすれば」
「大丈夫なのそれ」
長沢は微笑んで万能ツボの蓋を開けた。
「食べる?」
「医療器具をお茶道具にするんじゃ無いよ全く」
織田は万能ツボに手を突っ込んで呟く。
「でもなんだかんだ言って優しいよねだに」
「イントネーションをダニにすんじゃ無いよ害虫か私は」
「ゆいぽんにまとわりつく害虫」
「翼状針を片手で振り回しながら呟くなよ」
「何?」
「メッツェンをこっちに向けないでよ怖いなもう」
「織田奈那さ」
「何」
「突っ込むの好きだよね」
「そりゃあんたがボケるからね」
看板が傾いた気がした。
0016名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 3e15-DUS6)
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2019/06/30(日) 23:50:48.22ID:5MDzFPTx0
保守がてら転載を
0017名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-FkvG)
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2019/07/01(月) 00:01:43.51ID:LsiY6LPQ0
>>14
千葉県さんお久しぶりです〜

そろそろ再興の機が熟したと思いましてw

ガンガン投稿よろしくです(  ̄ー ̄)ノ
0018名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-FkvG)
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2019/07/01(月) 00:02:40.43ID:LsiY6LPQ0
>>15
>>16
早速の投稿乙であります( ̄▽ ̄)ゞ
0019夢で逢えたら 第2話(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/07/01(月) 01:38:35.59ID:LsiY6LPQ0
「本当にこんなんで上手くいくのかよ?」

某有名大学で助教授を務める澤部の兄貴が開発した夢見術に文句言う俺

「ちぇっ、俺が兄貴にどんだけ苦労して頼んだと思ってんだよ」
なんてぶーたれる三等兵澤部

「だってよ、理佐ちゃんは俺の嫁って唱えながら寝るだけなんて単純過ぎたろ、あからさまにやっつけ仕事じゃねえかあのダメ兄貴は!」
などとごく平凡な成績でごく平凡な高校に通い将来もごくごく平凡な人生を歩むであろう凡人な極みなくせに若くして某有名大学の助教授まで成り上がった澤部の兄貴をくさす俺

「まったく酷いなぁ、自分のダメさ加減を棚に上げてうちの兄貴の悪口は止めてくれよな」
日ごろより己れのダメさ加減をエリートな兄貴で補填してる立場上兄貴を庇う保身半端ない澤部

と、そこに

「なに言い合いしてるの?階段の下まで聞こえるよ」
なんて言いながら俺の部屋に入ってくる年下の幼なじみ葵

「あっ、葵ちゃんこんにちは」
慌てて葵に挨拶する抜け目ない澤部

「こ、こんにちは、、、」
澤部の挨拶の勢いに押されドギマギ挨拶な葵

「葵ちゃんもうすぐ受験じゃない、志望校とか決まってるよね?」
なんて葵にビビられてるのにも気づかずに葵の進路に探りを入れる斥候兵澤部


こいつ、、、葵を狙っとるな、、、

葵にぐいぐい行く澤部に不穏な物を感じる俺

「どうせだからうちの学校に来ちゃいなよ」
なおも葵に迫るストーカー気質な澤部に

「なに言ってんだよバカ!葵は俺たちと違って頭良いんだからあんな学校に来るわけないだろ」
澤部に困る年下の幼なじみ葵に保護者モードになり澤部を一喝するお兄ちゃんな俺

俺の助け船に安心したのかちゃっかり俺の横に座る葵

それを羨ましそうに見ている澤部、、、

冬でも暑苦しい奴や(-o-;)



つづく
0020つちさわ(SB-iPhone) (ササクッテロ Sped-SgbD)
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2019/07/01(月) 02:15:28.02ID:LZ7fhZwCp
ある冬の日。


僕は、趣味であるスノボーをするために、通っているゲレンデに向かった。


今日は平日。客なんてそんなにいない。


「今日は寒いな」そんなことをボーッと思いながらリフトに乗り、いつものコースへ。


ビンディングをつけ、滑り出す。やっぱり気持ちいい。こうでなきゃ。


すると、1人の女性が眩しく僕の横目に入ってきた。


よそ見をしたばっかりに、雪の凹凸でバランスを崩した。


気づけば、雪に体がまとわれている。転んでしまったのだ。冷たい。その状態で僕は動けなかった。


「大丈夫ですか!?」


遠くから声が聞こえる。スタッフさんだろうか。


また、だんだん意識が遠のいていく。視界に微かに人の影が映った。


つづく。
0021名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-FkvG)
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2019/07/01(月) 02:27:43.11ID:LsiY6LPQ0
>>20
投稿ありがとうございます( ̄▽ ̄)ゞ

続きを楽しみにしとります(  ̄ー ̄)ノ
0022夢で逢えたら 第3話 前編(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/07/01(月) 03:43:48.74ID:LsiY6LPQ0
「バカじゃん、、、」

澤部から夢で見かけた美人理佐ちゃんに再び逢うために夢見術習得を決意した俺の愚行を聞いて思わず呟く幼なじみの葵

「男のロマンはしょせん女には分からんわ」
葵の呟きに反論する俺

「どこがロマンなのよ、ただのバカじゃん」
再び男のロマンをバカ呼ばわりする無神経な葵

「本当だよね」
葵の機嫌を取ろうとすかさず同意を表明するゴマスリ澤部

こいつ、、、確実に葵を狙っとる、、、

「ねっ、バカだよね?」
邪な企みに気づかずに自分の味方と判明した澤部に再び同意を求める浅はかな年下の幼なじみ葵

「別にバカでもいいだろ、俺の見る夢は葵とは何の関係も無いんだから」
澤部が葵の意見に同意を示す前に葵に文句言う俺

お子ちゃまな葵の相手は面倒くさいが俺を慕う年下の幼なじみが澤部ごとき三等兵の毒牙にかかるのは不憫でならない俺

「関係無いけど夢の中の美人なんていくら逢っても目が覚めたら消えちゃうし意味ないじゃん」
己れを澤部から守るために文句言った俺の優しさに気づかずに文句言う葵

「そんなことない、夢の中の理佐ちゃんと結婚して夢の中で生涯幸せに暮らすんや!」
お子ちゃまな葵のペースに嵌まり言い合い始めるまだまだお子ちゃまな俺

「ちょっとちょっと〜二人ともこんなくだらない事でマジなケンカすることないだろ」
なんて俺と葵に挟まれてケンカの仲裁に立ち上がるも聞き入れられずにオロオロするだけの澤部

「俺君が夢の中で幸せになっちゃったら私はどうなんのよ!」
机の上のマンガを俺に投げつけ部屋を出ていく半べそな葵
0023夢で逢えたら 第3話 後編(家) (ワッチョイWW 5516-3bRD)
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2019/07/01(月) 03:44:17.00ID:LsiY6LPQ0
「なんて奴だ、勝手に因縁つけてきてチンピラと変わらんやないか、、、」
幼なじみ葵の理不尽さに嘆く俺

初めて見る葵の本性に茫然自失な澤部

「甘やかし過ぎたかな、、、」
小さな頃から女というだけで葵に優しくしてきたことを後悔しながらマンガを読み出す俺

「葵ちゃん泣いてたけど放っておいていいのかい」
なんて葵を心配する澤部に

「放っておいても大丈夫だよ、あいつにはミッフィーが居るから」
ガキの頃からケンカするたびに泣き出す葵の涙には慣れっこな俺

「なんだよそれ、、、?」
俺とは対象的に同様している澤部

「ガキの頃におばあちゃんが買ってくれたミッフィーのぬいぐるみだよ、葵の宝物」
マンガ読みながら無愛想に答える俺

「そんなことまで知ってんのかよ、、、」
羨ましそうに漏らす澤部

「幼なじみなんだから当たり前だろ」
なにを分かりきった事言っとんねんってなもんでマンガから目を離さず答える俺

まぁ、それが幼なじみってやつだ



つづく
0024夢で逢えたら 第4話 前編(家) (ワッチョイWW 5516-AizZ)
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2019/07/01(月) 14:53:15.43ID:LsiY6LPQ0
「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!」

澤部の兄貴に伝授された夢見術を実践すべく呪文を唱える俺

「って、おい!こんなんで本当に夢の中の超絶美人理佐ちゃんにまた逢えるんかい!」
やっぱり馬鹿らしくなり布団を蹴りあげ文句の俺に

「ちょっと!ぶつぶつうるさいんだけど!」
なんて勉強机から立ち上がり俺以上に文句炸裂な年下の幼なじみ葵

まだ夕方だというのに突然部屋にやって来てベッドに潜り込みなにやら怪しい儀式を始められたら文句の1つも出るわな、、、

昨日ケンカしたばかりだし、、、
0025夢で逢えたら 第4話 後編(家) (ワッチョイWW 5516-AizZ)
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2019/07/01(月) 14:53:37.15ID:LsiY6LPQ0
「悪い悪い、静かにしてるから許してくれ」
頬を膨らまして怒る葵に手を合わせ許しを乞う年上の威厳皆無な幼なじみ俺

「俺君と違って受験生なんだから少しは気を使ってよ」
謝罪しながらベッドに潜り込む俺に注文つけながら再び勉強机に向かう葵

受験生には冬休みも関係無いから大変やな、、、

てなこと考えてるくせに何故に葵の部屋に押しかけて夢見術に勤しんでるかって?

そりゃあ昨日の葵の涙が気になってるからやがな、、、

澤部には大丈夫を気取ったもののガキの頃から葵を守るのは心の兄たる俺の役目と生きてきた俺だけに葵とケンカした後はいつも心配している複雑な俺なのだ、、、

「昨日、、、ごめんな、、、」
布団に潜り込みながら葵に背中越しの謝罪する俺

「なに急に、、、」
突然の俺の謝罪にちょっと声のトーンが変わる戸惑いの葵

「なんかさ、、、泣かしちゃったから」
葵の戸惑いが伝染したらしくわちゃわちゃな俺に

「別に泣いてないよ」
なんて素っ気なく応える葵

「そうなの、、、」
葵の言葉に肩透かしされたような安堵感を覚える俺

「子供の頃から何回ケンカしたと思ってんの?私と俺君、、、」
こっち見ないで返事する葵

「でもいつも泣いちゃうからさ、、、」
ケンカのたびに泣いちゃう葵を慰めるのも役目だったマッチポンプな俺

「ねぇ、私もう中3なんだけど、幼なじみとケンカしたぐらいでいちいち泣かないよ」
なんて子供扱い無用泣き虫卒業宣言な葵

「それもそうだな、澤部のバカが妙に深刻ぶるからさ」
大人になって泣き虫卒業の葵にほっとして罪悪感から解放される俺

「じゃあ、夢の中で愛しの理佐ちゃんに逢ってくるから勉強頑張ってくれ」
ウキウキ気分で夢見術再開の俺に

「昨日泣いたのはいつものケンカとは違う理由だからね」
なんて意味深なこと呟く葵

やっぱり泣いてたんかい、、、(-o-;)


つづく
0026名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-AizZ)
垢版 |
2019/07/01(月) 14:54:57.44ID:LsiY6LPQ0
やはり理佐ちゃんメインじゃないと書いてて疲れる(-o-;)
0027名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイ 3e15-TCuK)
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2019/07/01(月) 20:09:18.48ID:iIv08yBF0
>>26
庭さんが理佐ちゃん以外で描いてるの新鮮で面白いです
0028つちさわ(SB-iPhone) (ササクッテロ Sped-SgbD)
垢版 |
2019/07/02(火) 03:29:34.53ID:+c59R53Qp
目を覚ますと、そこはロッジだった。


ああ、そうだ、たしか転んで…


「あ、覚めましたか、身体は痛みますか?」


誰かの声が聞こえた。周りを見渡す。すると、そこには見覚えのあるウェアを着た1人の女性が座っていた。


あの女性だ。僕が目で追いかけたあの女性。


「あ、はい…なんとか大丈夫そうです」


僕はこの女性に助けられたのだろうか。だとしたらどうやってここへ…?


「あの…あなたが僕を?」


「係員さんを呼んで、担架で運んでいただきました。ここに付いた後は、私が付いているので大丈夫と言って、業務に戻ってもらいました」


「そうでしたか。ご迷惑をおかけしてすみません」




「いえ。ここ、よく来るんですか?」


「はい、冬になると、仕事の休みはだいたいいます」


誰かに似ている。そんな気がするが、僕は会話を続けた。


「そうですか。私も今日が久しぶりの休みで。久しぶりに来たんです」


「そんなときに本当にすみません。僕は大丈夫なので、ゲレンデに戻ってください」


「そういう訳には行きません。動けるようになるまでは付いてますよ。よかったらこの後、一緒に滑りませんか?」


「久しぶりなのに、僕なんかと一緒でもいいんですか?」


「全然ですよ!むしろ、その方が楽しそうなので」


優しい一言に僕は癒された。正直もう動けそうだが、もう少し話したいと思って会話を続けた。
0029つちさわ(SB-iPhone) (ササクッテロ Sped-SgbD)
垢版 |
2019/07/02(火) 03:31:57.72ID:+c59R53Qp
あ、続きます。
0030名無しって、書けない?(SB-iPhone) (ササクッテロ Sped-SgbD)
垢版 |
2019/07/02(火) 03:34:55.09ID:+c59R53Qp
>>21
投稿いたしました。よろしくお願いします^_^
0031名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-AizZ)
垢版 |
2019/07/02(火) 08:30:03.64ID:A7+zO5je0
>>27
俺は理佐ちゃん専用機ですからなw

理佐ちゃんだから好きスレと差別化はかろうと葵ちゃんと理佐ちゃんのW主役です( ̄▽ ̄)ゞ
0032名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-AizZ)
垢版 |
2019/07/02(火) 08:32:12.08ID:A7+zO5je0
>>30
乙であります( ̄▽ ̄)ゞ

続きを楽しみにしとります(  ̄▽ ̄)
0033夏の始まりの思い出 1(千葉県) (ワッチョイ 3e15-TCuK)
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2019/07/03(水) 02:45:18.48ID:MKSWNlKU0
夏だというのに鈴虫の音が聞こえてくるようだ。
畳に大の字でシャツの腹を摩る。夕食の後、御御御付けの残り香が広い座敷に漂う。
「あっついい」
声の先に目線をやる。姉は縁側に置いてある扇風機に向かって叫んでいた。
「姉ちゃん扇風機独占すんなよ。」
僕は濡れ髪のままもう十分近く扇風機に向かい合っている姉を睨む。
「うるさい。」
いつものポニーテールは弛れただ重力に添ってうなじへ汗とともに張り付いた。
僕も扇風機の恩恵にあずかろうと膝擦りで縁側へゆく。
その刹那廊下に付けた姉の握り拳から微かに石鹸の涼しい香りがした。
黒く茂れる縁側の夏草はそれを嗅ぎながら揺れているように思われてならない。
あくび混じりに少し低い声がした。
「進路、どうすんだろ。」
同じ言葉を歌うように二回繰り返す。
「どうするんだろうね。」
僕は何も考えなし反復する。
「ずっとこのままがいいな。」
姉は聞こえるか聞こえぬか微妙な声で言って腕枕に転寝をした。
七月上旬。僕の辺りでは梅雨明けしたようである。
0034夏の始まりの思い出 2(千葉県) (ワッチョイ 3e15-TCuK)
垢版 |
2019/07/03(水) 02:46:16.89ID:MKSWNlKU0
転寝の寝顔に引き込まれ舟を漕ぐ。
気がつけば夏の厳しく刺すナイフのような光に額が濡れていた。
皮膚と木目が張り付き、そして滑る。
足元の先では玄関戸の開く音がした。
「ゆいぽんいる?」
片恋の古本屋だった。声がわずかに掠れている。
そう言えば古本屋も声が低い。
「今手が離せないの」
右耳で姉が叫ぶ。
どうやら鍋に火をかけているらしい。
「上がるよ」
返事を待たず足裏が夏日に色あせた床を這い蹲る音が通る。
僕は呻きながら起き上がった。
木の床でできた寝床は酷く目覚めが悪い。
「あんたなんでそんなとこで寝てたの」
柱にもたれる僕に古本屋は尋ねた。
「いや姉ちゃんと話してたら眠くなった」
聞いといて興味がないのか聞き流すようにしてすりガラスの先にある台所を見遣った。
「ゆいぽんは」
「朝食作ってんじゃない」
「朝食?もう12時よ。お昼の。」
どうりで陽光が厳しいわけだ。
「ちょっとオダナナ手伝って」
台所から声がした。
0035名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイ 3e15-TCuK)
垢版 |
2019/07/03(水) 02:46:59.23ID:MKSWNlKU0
前スレに載ってたものの続編です。
0036名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 5516-AizZ)
垢版 |
2019/07/03(水) 08:19:00.94ID:Mqh/lyyY0
>>33
>>34
乙であります( ̄▽ ̄)ゞ


>>35
そういえば過去スレ載せてない(-o-;)
0037夢で逢えたら 第5話(家) (ワッチョイWW 5516-AizZ)
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2019/07/03(水) 13:47:26.13ID:Mqh/lyyY0
「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の、、、って眠れるか〜い!」

前回と同じオープニングから始まる『夢で逢えたら第5話』


「ちきしょう!葵のことが気になって眠れないじゃないか!」
なんて前回同様布団を蹴りあげ文句の俺に

「うるさいな〜、眠れないのはまだ8時前だからだろ!」
騒ぐ俺に文句言う親友澤部


そうなのだ

年下の幼なじみ葵に泣いたのはいつものケンカとは違うからとか言われて悩んだ俺

俺の気づかない間に大人になりつつある葵にビビった訳ではないが、、、


「だいたい人ん家に勝手について来て夕飯のおかずが気に入らないからってぶーたれないでくれよな」
なんて俺が回想に入ろうと間を作った隙に文句言ってくる抜け目ない澤部

澤部の言うとおり幼なじみの葵が隣家に居る我が家に帰る勇気が持てずに澤部と遊んだ帰りに澤部にくっついて澤部家に来訪の俺

澤部の母ちゃんより俺の母ちゃんの餃子の方が上手いんだからぶーたれるのも致し方ない俺、、、

「それでどうすんだよ!葵ちゃんのこと」
どさくさ紛れに俺が先送りしようとしていた葵案件を持ち出す澤部

「それを考えたくないから夢の中の理佐ちゃんに逃避しようとしとるんやないか、、、」
葵のことには歯切れ悪くなる俺に

「俺君が夢の中で幸せになっちゃったら私はどうなんのよ!」
なんて突然葵の真似を始める澤部

「おのれみたいな不細工坊主が葵の真似をするのは許さん!」
込み上げる怒りに突き動かされ澤部に殴りかかる俺

俺的には可愛いと思ってる幼なじみの葵の真似を坊主頭の澤部がすることに怒りを感じたのだ

そしてあっさり返り討ちにあいボコボコの俺

澤部許さじ、、、(。>д<)


つづく
0038つちさわ(SB-iPhone) (ササクッテロラ Sp87-FfqC)
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2019/07/04(木) 14:30:02.65ID:+3wL9tQvp
そんな会話から、30分ほどたった。歳が同じことや、休日の話など、盛り上がった頃。ふと思った。


「そういえば、平日休みって、珍しいですね。まぁ僕もなんですけど。なんのお仕事されてるんですか?」


「アイドルやってるんです。欅坂46って言うんですけど。ご存知ですか?」


僕は、ハッとした。そうだ、この人はりっちゃんだ。間違いない。


つづく。
0039名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/04(木) 15:21:58.66ID:J26C/dIM0
>>38
理佐ちゃん😍
0040名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KKff-xNPa)
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2019/07/04(木) 16:22:01.68ID:F9O6fPrdK
莉菜ちゃん
梨香ちゃん
梨加ちゃん

もいるよ
0041名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/04(木) 22:28:44.47ID:J26C/dIM0
>>40
わしには理佐ちゃんしか見えませんのやw
0042名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/04(木) 23:45:04.39ID:lAVix3cL0
Beautiful Bell in Summer

ちょうどマリーゴールドを聴きながら自転車で坂を登っていた時だった。その子は麦わら帽子もかぶっていなかったし、そもそも私はマリーゴールドがどんな花かも知らなかった。
だから「揺れたマリーゴールド」に似てるかどうかなんて分かるはずもないのに、私は勝手にその子をマリーちゃんと呼ぶことにした。

私は坂の上の街まで夕刊の配達をしている途中だった。都会ではイヤホンをしながら自転車に乗っているとどうも捕まるらしいのだが、ここでは関係ない。
交番ののおじちゃんも「世の中には便利なものがあるんじゃのう」とか言って真似し始めたくらいだから、大丈夫なはずだ。

スイスイ進む電動自転車の感覚が心地よく、いつの間にか私は歌っていた。
「むーぎわらのーぼうしのきーみがー……」とカラオケのテンションに近い大声で歌ってしまっていた。
ちなみに街にはカラオケ屋さんなんてものは金輪際存在せず、歌うときはスナックに行く。
ほとんどタダで歌わせてくれるし、何なら酔っ払ったお客さんからお金を取ることだってできてしまう。

まあとにかく、誰もいないはずの坂道で気持ちよく歌っていたわけだが、角を曲がってすぐに見えてくるバス停にマリーちゃんはいた。
たぶん、「ギュッと抱きしめてー」くらいのタイミングで私は歌うのをやめたが、どう考えても聞かれてしまっていたはずだ。
マリーちゃんは道路には体を向けず、ただじっと側道の竹林を眺めていた。右手に鉛筆を持ち、膝の上にスケッチブックを広げていた。
私はできるだけ目を合わせないようにして、全速力でバス停の前を通り抜けた。
幸いにもマリーちゃんはこちらの歌声には気付いていなかった。

(つづく)
0043名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/04(木) 23:45:44.51ID:lAVix3cL0
私は新聞を配り終え、坂道を下った。
たぶん1時間に1本くらいの頻度では来ているであろうバス停のベンチに、マリーちゃんはまだ座っていた。
どうやらバスを待っているわけではなさそうだった。スケッチブック片手にぼーっと竹を眺めている。

「あのー」
さすがに心配になって声をかけた。
しかしマリーちゃんは後ろを向いたままで何も答えない。もう一度声を掛けたが、やはり無視された。
三度目は肩を叩いた。マリーちゃんはびっくりした様子で私の方を見る。

「あ、気付いた。大丈夫ですか」
そう声を掛けた。マリーちゃんは怯えているようだった。
それはまあジャージ姿の銀髪女にいきなり声を掛けられたら私だって怖いと思うかもしれないから、マリーちゃんの反応がわからないではない。

マリーちゃんは私の方を凝視して、指さした。
「ん、ああ私の名前?」
少し間をおいて、ヘリウムガスを吸う真似をしてから、思いっきり鼻声で答えた。
「すずもとみゆです」
マリーちゃんはひとつも笑っていなかった。

(つづく)
0044名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/04(木) 23:46:37.33ID:lAVix3cL0
私は真っ白なスケッチブックに「鈴本美愉」と環境破壊してやるつもりで大きく書いてやった。
大きく書いたのは少しイラッとしたからだ。私がマリーちゃんに名前を聞くと、魔性の女みたいに不敵な笑みを浮かべたからだ。
おまけに私のことを二度も指さした。何か試されている感じがして嫌だった。

マリーちゃんは私の環境破壊活動に対して一瞬だけ悲しそうな顔をしたが、やがて私の名前の一文字目を指さして微笑んだ。
「鈴?鈴がどうかしたの?」
私は聞いた。
今度は自分を指さして笑っている。マリーゴールドのような笑顔だった。いや、まあ見たことはないんだけど。

「マリーちゃん、名前は何ていうの?」
私はもう一度聞いた。自分でもおかしな質問だと思ったし、マリーちゃんも怪訝そうにこっちを見つめていた。
いや、わかるよ。見ず知らずの人にプライベートなことは答えたくないだろうし、私は銀髪のヤンキーだし。
でもちょっと自分の殻に閉じこもりすぎていやしないか、マリーちゃん。

そこで突然、私は、音楽がこの子を救うのではないかという突飛押しもない結論に至った。
首にかけたイヤホンをマリーちゃんの耳につけ、プレーヤーでマリーゴールドを流した。
マリーちゃんはじっとこっちを見て、音楽を聞いている。きっと感動しているんだろう。

「ちょっと喉乾いたからジュース買ってくる」
私は自転車をジャリジャリ鳴らして、すぐそこの自販機に向かった。
サイダーを買ってバス停に戻った。マリーちゃんはピクリとも動いていない。
「どう?」
とっくに曲は終わっていたので、私は聞いた。
マリーちゃんは首をかしげている。
本当に音楽は人を救うことができるのだろうか。

「じゃあどっから来たかだけ教えてよ」
それでもマリーちゃんは首をかしげたままだった。やがてうつむいて、スケッチブックに何か書いた。
それをそのままベンチに置いて、ちょうど来たバスに乗って帰ってしまった。

(つづく)
0045名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/04(木) 23:47:52.28ID:lAVix3cL0
突発性難聴と診断されたのは夏休みに入る少し前のことでした。お医者さんが言うには、ストレスが原因なのだそうです。
それも両耳とも聞こえが悪くなる少し珍しい例だそうで、しばらくは学校を休んだ方がいいということでした。
確かに東京に引っ越してから騙し騙しやっていくことができていましたが、やっぱり都会は人が多くて息苦しいのです。
ですから、私は少しの間だけ山奥に行くことにしました。

3日程、その地域のいろいろなところへ出向きましたが、びっくりするほど人と出会いませんでした。
ですが2日目の夕方のことです。突然ヤンキーっぽい人に肩を叩かれました。
耳が聞こえなくなってからは、家族とお医者様以外とは話していませんでしたので、少し焦ってしまいました。
感情が表情には出ない方なので、恐らく相手の方には気づかれていなかっただろうと思います。

その方は、鈴本美愉さんという名前なのだそうで、私と同じ字が入っていました。
そのことがなんだか嬉しくて、必死に伝えようとしましたが、多分伝わっていなかったでしょう。
筆談という手もありましたが、私にはそれがなんだか悔しくてできませんでした。
その後も鈴本さんは色々と私に質問をしている様子でしたが、まるで海の中にいるような感覚で全く声が聞こえませんでした。
唯一聞くことができたのは、自転車のベルの音です。鈴本さんはたいそう楽しそうに鳴らしておられました。

ですから私は帰り際にスケッチブックに書きました。
「実は私は耳が聞こえません。ですが、”鈴”なら聞こえます」

(つづく)
0046名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/04(木) 23:48:46.19ID:lAVix3cL0
スケッチブックを閉じてベンチに置きました。そしてバスに乗り込みました。
けれど鈴本さんのことがどうも気になりました。私は次のバス停で降りました。
次のバス停とはいっても、距離にして3kmほどはあったと思います。
私は次のバスまで待つことにしました。

少し眠くなってウトウトした頃でしょうか。声が聞こえました。もちろん何と言っているかなんてわかりません。
でも姿が見える前から鈴本のような気がしてなりませんでした。
やがて鈴本さんが姿を見せました。スケッチブックを私に渡すと、手を合わせました。
私は口で自分の名前を伝えました。自分でも上手く聞こえないので伝わったかはわかりません。

帰り際、鈴本さんは自転車のベルを鳴らしました。
その音は、夏の風鈴のように美しく、やがて来る2学期の開始を告げるチャイムのような音でもありました。

(おわり)


庭さんスレ立てありがとうございます
そして皆さんお久しぶりです
0047名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイ 6f15-dJ7S)
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2019/07/05(金) 00:43:00.07ID:rvEFfiJq0
>>46
お久しぶりです。(名前、千葉県に戻りました)
0048角は曲がらずに真っ直ぐの道をゆく(千葉県) (ワッチョイW 6f15-51sY)
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2019/07/05(金) 01:29:16.50ID:rvEFfiJq0
「あれからぼくたちはなにかを信じてこれたかなぁ」
歩道橋の上でマフラーに顔を埋める友梨奈が思い出したように歌う。深夜2時。
終電はもうとっくにいってしまった。
「かなしみっていつかは消えてしまうものなのかな」
わたしがそう歌うと友梨奈は目を細めてガス漏れみたいに笑った。
「なにがおかしいの?」
わたしは頬を膨らます。
「いや、なんでもない」
友梨奈はそう言って泳ぐように移動して歩道橋の欄干で頬杖をついた。
「大事なのは続けることだよ」
誰に言うでもなく友梨奈は呟く。
「でも芽実が選んで、このさき、後悔しないのならそれでいいんじゃないかな。」
そのためにわたしは夜道を友梨奈と歩いていた。
「また、行こうよ。海。こんどは泳ぎにさ。」
友梨奈は振り向いて言う。
しかしそのすがたは滲んで見えない。
友梨奈の柔らかな指の腹がわたしの頬をそっと拭った。

未発表の作品の供養がてら。
0049名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/05(金) 08:35:39.02ID:XwKu1XwE0
>>46
お懐かしゅうございます😭

>>48
めみたん卒業はショックですわ
そういう意味でも長編希望w
0050夢で逢えたら 第6話 前編(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/05(金) 14:58:13.96ID:XwKu1XwE0
「ちきしょう〜!どうして俺は澤部に勝たれへんのやろか、、、」

年下の幼なじみ葵の物まねかます澤部になぜか怒りが爆発して殴りかかるも返り討ちにあいボコられ澤部ん家を叩き出された俺

冬の寒さにしばかれながら家までの道をとぼとぼ歩いてるってわけだ



「なんだか葵の顔を見るのが気まずいな、、、」

万が一葵が起きてたら?

いやいや万が一どころかこのパターンの時はガキの頃から俺ん家で待ってたわな

なんて幼なじみ葵の行動を読むなんてお手のものな俺

「ちょっと休憩して澤部への復讐の手だてでも考えるか、、、」
公園のベンチに座りこみ思案に耽る俺

やがてうとうとし始め横になる俺

「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁、、、zzz」

条件反射の働きで無意識に理佐ちゃんを夢に召喚する呪文を唱えながら眠りに落ちる健気な俺、、、
0051夢で逢えたら 第6話 中編(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/05(金) 14:59:52.18ID:XwKu1XwE0
「やべ〜朝やないかい」
なんて飛び起きる俺

「あれ?公園のベンチで寝ちゃったんだよな、、、」

澤部ん家からの帰り道でちょっと休憩のつもりがそのまま寝落ちしたはずの俺

しかし起きたら普段着でコンビニの駐車場に立ってる俺

「お〜い、俺君何やってんだよ」
戸惑い気味にキョロキョロしてる俺に車の助手席から声かける仇敵澤部

「何やってんだよじゃねーだろこの野郎!」
昨夜ボコボコにされた怒りから車のドアを蹴る俺

「え〜っ!?」
驚きの悲鳴あげる澤部

ビビっとるやないかいw

なんて喜ぶ俺に

「自分の車蹴るなんてどうしちゃったんだよ俺君!」
俄に信じられないことおっしゃる澤部さん、、、

なんで高2の俺が車持ってんねん、、、
0052夢で逢えたら 第6話 後編(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/05(金) 15:00:13.25ID:XwKu1XwE0
「俺が俺君をボコる分けないだろwww」

高2なのに何故か車の運転出来てる俺の横で昨夜の話を俺から聞いて笑い飛ばす澤部

「確かに顔にアザもないな、、、」
バックミラーに映る自分の顔見て不思議がる俺

「どうせまたくだらない夢でも見たんだろw」
なんて俺を笑う澤部

「確かにそうかも、、、」
不思議な気持ちになりながらも澤部の話しに納得する俺

と、同時にガリガリ〜なんて車の横っ腹から音が

ブレーキ踏んで音の方を見る俺の瞳に飛び込んでくる俺の車の横っ腹にぶつかった車と運転席の天地開闢以来の美人

「俺君ぶつけられたよ〜」
天地開闢以来の美人に見惚れる俺に叫ぶ澤部

「理佐ちゃん、、、」
絶世の美女の名前を呟く俺

うん?

理佐ちゃん、、、

ついに出逢えた天地開闢以来の美人理佐ちゃんに自分が夢の中に居ると気づいた俺

「理佐ちゃんや〜」
夢の中の理佐ちゃんに再び出逢えた喜びに叫びながら車から降りる俺に

「初対面で人の名前絶叫してんじゃねーよ」
なんてドス効かす理佐ちゃん

「うっ、、、」
俺の抱いている理佐ちゃんのイメージにそぐわない乱暴な口調にたじろぐ俺

「あんたが悪いんだからね!www」
俺がたじろいだ隙に責任転嫁したかと思う間に高笑いしながら車を走らせる理佐ちゃん

夢の中で再び出逢えたけどまさかの当て逃げ理佐ちゃんに呆然とする俺、、、



つづく
0053庭と呼ばれていた男(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/05(金) 15:02:12.25ID:XwKu1XwE0
文字数制限に引っ掛かり細切れ投稿すまんですw
0054名無しって、書けない?(東京MX) (ワッチョイ 2325-Pv24)
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2019/07/05(金) 23:49:45.88ID:v84G9c/m0
>>46
相変わらず、流麗な文体と余韻が残る構成はお見事です。
0055名無しって、書けない?(東京MX) (ワッチョイ 2325-Pv24)
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2019/07/05(金) 23:55:23.38ID:v84G9c/m0
>>49
柿崎卒業で最も心配なのが、ライブでひらがな時代のセンターを誰を持ってくるかということですね。
もし、二期生、とりわけ小坂を持ってきたら、ヘイトをかなり集めることになるでしょうね。
小坂を守るためにも絶対に避けるべきだし、ヲタの間にいらぬ対立を生み出しかねないと思うのですが。
あの運営というのは思慮が足りないところがあるから、かなり心配しています。
京子、加藤、美玲、東村のだれかで楽曲ごとにセンターを変えるのがいいと個人的には思っています。
0056サザンクロス 1(千葉県) (ワッチョイ 6f15-dJ7S)
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2019/07/06(土) 04:17:01.60ID:MwmbCnYe0
Q1

ビーチのデッキで認めていた手紙が初夏を告げる海風にさらわれた。
僕は慌ててそのさらわれた手紙-ミントカラーのフチがついた神戸の雑貨屋で三百円くらいの-をビーチサンダルにTシャツ白の短パンといった極めてラフな格好で追いかけた、しかし服装に拘りはない。
水滴のついたアイスカフェラテが完全に溶けてしまうのも気になったけど、とりあえずはその手紙を回収しなければならないから湿度の高い曇った靴裏の音を乾いた路面に響かせながら小走りになった。
全力疾走するほど、プライドが低くはない。
僕にとって全力疾走は恋に溺れた少年のすることだと思っているから、
つまりはちょっと急いでる風を装ってその便箋を追いかけた。
便箋は羽が生えた成鳥みたいに海辺に向かった。
仮にそれが鳥ならば僕は手を振って送り出さなければならないんだけど、
相手は紙だから、-しかも特別なちょっと時間と手間のかかった-逃す訳は行かないんだ。
僕はあの紙が海にさらわれたら?と悪い想像をしながら、下ばかり向いて歩いた。
すると、柔らかくて暖かい物体にぶつかった。病院に向かって突き抜ける歩道から。
「何ですか?」
警戒心を最大限に引き上げられたような眼差し。
小柄な体躯。肩までの黒髪。幼い声。しかしその声からは頑健な意思が見て取れる。
「いや、手紙を。」
僕はそう説明した。しかし部が悪い。だって相手からすれば見ず知らずの男が太腿目掛けて衝突してきたんだから。
「手紙?」
女の子はそう聞き返した。興味がありそうな口ぶりで。首を傾げながら。
「家族に手紙を書いていたら風に飛ばされてそれで追いかけたら・・・・」
隙間風が吹いた。女の子が笑った。
0057サザンクロス 2(千葉県) (ワッチョイ 6f15-dJ7S)
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2019/07/06(土) 04:18:58.91ID:MwmbCnYe0
そうだったんだ。ま、そんなことわかってたけど。」
今度は僕が警戒心を引き上げる番のようだ。
「覚えてない?」
女の子はクスクス笑った。
「私。芽実。」
僕は改めて女の子を見た。もう手紙のことはどうでもよかった。
手紙はおそらく。海に向かって飛び立ったろう。
「ああ。」
僕は何となく思い出したような声をあげた。
病院の子だろうと思ったからだ。ここは付き合ってやろうか。
そんなことを考えた。
「ほんと変わらないよね。」
芽実は握り拳を唇の前で当てて笑った。

デッキに戻ってきたらアイスカフェラテはもう無垢に帰していた。
「なんか飲む?」
僕は店の中をキョロキョロ伺う芽実に訊いた。
「ブラットオレンジジュース。」
僕は割合この店に詳しい芽実に驚いて、店内へ行く。
「わたしのこと覚えてない?」
オレンジジュースをトレーにのせデッキに帰ってくると開口一番芽実は訊ねた。
「実は・・・・全く。」
吃って転んだみたいに答える。なぜか後ろめたかった。
「そっか」
夕方の帰り道に逸れた子供みたいな寂しげな表情をさせた。
「私は覚えてるよ。」
芽実はそういって微笑した。
「君と出会ったのは十年前です。」
人差し指を立てて言った。まるで新しいアメリカの大統領みたいだ。
確か黒人初の。
「私は図書委員で君は図書室の常連だった。毎日昼休みと放課後に必ず来ていた。私はカウンターの奥から毎日君を見ていたの。多分その時から好きだったのかな。」
夕日色に頬を染めて芽実は区切った。
「秋の日のいつだったかわからないけど、私が棚に戻そうとしてた本を落としてしまったの。そうしたら君が拾ってくれたの。」
芽実の中で僕は”素敵な恋人”になっていた。
恐らくそれは芽実自身の苛烈な状況が生んだ幻想だと確信しながら。
しばらくは芽実の御伽噺に付き合おう。
「でも君は握力が弱いから腕が震えてたの。ほんとに頼りない。」
僕は芽実の御伽噺に不思議な心地よさを感じていた。
 それは幼い日に歌われただろう子守唄みたいに。
「何でだろう。何で君を好きになったんだろう。そんな弱い人好きになることなんて無かったのに。」
「ともかく君と私はその日からよく話すようになったの。話題は色々。でも好きな本のことが多かったかな。好きな本のことを話してる君はとても頼もしかった。」
芽実と同じオレンジジュースを頼んだ僕。中身は手が付かないまま水っぽくなった。
その中にも今日の夕日は注がれているだろうか。
「でもね。基本君は頼りなかった。しょっちゅうからかわれてたし。よく転ぶし。」
僕は膝の古傷を摩った。なぜか君と僕は同化しはじめていた。
0058名無しって、書けない?(埼玉県) (ワッチョイ c367-zCHm)
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2019/07/06(土) 05:16:39.20ID:wf29vCR60
>>46
抽象ではないですが、〜ましたましたで何行も続くと文章として違和感があるのでそこを改善するともっと美しくなると思います
「ました」を「しました」にするとか、もう少し接続詞を用いて文を区切り過ぎない工夫があるといいと思います。
例えば「けれど鈴本さんのことがどうも気になりました。」←ここは「どうも気になったので私は次のバス停で降りました。」に出来ますよね?
0059庭と呼ばれていた男(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/06(土) 07:56:40.72ID:sCuSYju20
>>58
スレ主の庭という者ですm(__)m

コメはありがたいけどこういうのやりだすと書いてくれる人が投稿するのに躊躇しちゃうかもだからちょっと勘弁w

素人が気楽に書けて作家気分を味わえる敷居の低いスレ目指してるからすまんね(  ̄ー ̄)ノ
0060名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/06(土) 08:02:30.66ID:zz92D1h00
>>47
>>49
お二人とも半年ぶりくらいですかね
お元気そうで何よりです

>>54
ありがとうございます
滞りない文章を目指しておりますので、そう言ってもらえると、とても嬉しいです

>>58
なるほど
大変参考になります
日本語って語尾が同じになりやすいので難しいですよね
0061名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/06(土) 08:12:01.13ID:zz92D1h00
>>59
僕はゆっかーと同じで叱られるの好きなタイプなので全く問題ないんですけどねw
別に>>58の指摘も悪意を感じませんし、細かいところまで見てくれているんだなと嬉しくなります

でも基本的に5chはレスバに発展しやすいのでスレ主庭さんの忠告がごもっともな気もします
0062(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/06(土) 08:17:17.48ID:sCuSYju20
>>60
まさか大阪府さんが戻って来てくれるとは思わなんだです、、、涙

千葉県さんも居られるんで俺は安心して理佐ちゃんだから好きスレの保守に全力尽くします( ̄▽ ̄)ゞ
0063名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/06(土) 08:34:08.14ID:zz92D1h00
>>62
ところが地名シリーズの作家には逃亡癖があるので、保険かけてガラパコスと化したチワンさんにも頼んでおきましょう(/ω・\)チラッ
0064(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/06(土) 09:32:48.49ID:sCuSYju20
>>63
チワンさんのことだからすでに巧みにエロとダジャレを駆使した長編書いてると予想w

大阪府さんと千葉県さんも書きたいネタが貯まってますやろw
0065(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/06(土) 09:42:01.59ID:sCuSYju20
ちなみに>>20を書いてくれてる作家さんは俺のTwitterでの誘いに応えてくれたFFさんです(  ̄ー ̄)ノ
0066名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KKff-xNPa)
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2019/07/06(土) 09:43:32.32ID:KZ1omelBK
全く書いてないっすよ
こことは板違いの絵ばっかりですわ(笑)

それにガラパゴスも地名ですからね
チワンより遥かに遠くなってるし(笑)
0067名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/06(土) 10:27:51.05ID:zz92D1h00
>>66
ガラパコスなってたw
チワンさんお久しぶりです
0068(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/06(土) 11:26:27.93ID:sCuSYju20
>>66
書いてなかったw
0069名医長沢(千葉県) (ワッチョイW 6f15-51sY)
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2019/07/06(土) 12:54:01.47ID:MwmbCnYe0
蝉が夏の新緑の木立に留まって鳴き喚くとアスファルトに蒸し上げられた温い風が不意に開け放した窓に吹き込む。東京都墨田区にある「長沢医院」にも一応夏はきた。
「導尿バックでアイス作るなよ」
暇なのかよくわからんが前回に引き続いて織田が診療室にいる。
「おいしいよ」
アイスはソーダ味なのだろうか。
夏空のような青が目に鮮やかだ。
長沢はそれに吸引カテーテルを突っ込んで吸い上げておる。
「外科医が見たらショックで心臓発作起こすよ」
「そこにLEDあるよ」
「光ってどうするんだよAEDだろ」
カテーテルを口にしたまま診察室の窓際にあるガラスに包まれたそれを指す。
「そういえばさ」
丸椅子に座りなおした織田はアイスを一気食いして偏頭痛になった長沢をよそに随分身勝手な風に喋り始めた。
「この前大学病院に出張した時、診察した女の子がきになるって言ってたじゃん」
この病院だけでは当然食えないので其処彼処の病院に出張している。
本当の領域は呼吸器内科だが、慢性的な人不足故、整形外科も見りゃ、皮膚科も見る。
見ないのは心療内科と泌尿器科くらいだ。
0070名医長沢(千葉県) (ワッチョイW 6f15-51sY)
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2019/07/06(土) 12:54:37.04ID:MwmbCnYe0
「そうそう」
長沢は舌圧子で舌に付着した青い色を削る。どうやら食べていたのはブルーハワイのようだ。
織田はめんどくさいのか呆れて細めになるばかりで突っ込まない。
「太ももの太さ丁度よくってさぁ。あれはモテるよ」
「気になったの意味そっちかよ」
「いや冗談、太もも細い方が好きだし」
「否定するとこそこかよ」
「あの女の子さやっぱ癌再発してると思うんだ」
長沢は無駄に真剣な表情で言う。
織田は一呼吸置いてから告げる。
「ユーイング肉腫だったよ」
「そうだったんだ」
肩を落として小さく言った。
「私の患者だったのに・・・・なんで気づかなかったんだろう。あのこ。バスケやっててさ。強化選手で。全国大会に出るためにさ。」
織田は低い声でそういい、やがて指の腹で目を拭う。
「ま、しょうがないって」
長沢は診察室の扉を開けながら
「リボン買ってくる」
そう告げて出て行く。
織田は黙って頷いて、上を向いた。
涙で服が汚れないように。
頬に生温い風が吹くとどこかで風鈴が鳴った。
まだ、夏は始まったばかりだ。
0071主神西門(やわらか銀行) (ワッチョイW c367-AxEz)
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2019/07/06(土) 18:44:00.15ID:iRweaFLc0
( ´Д`)y━・~~腹減った
0072(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/06(土) 19:29:41.58ID:sCuSYju20
>>71
起こしやす( ̄▽ ̄)ゞ
0073(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/07(日) 06:46:19.95ID:pIzbTCNw0
>>70
名医長沢じわるわぁ
0074庭と呼ばれていた男(家) (タナボタWW 0316-WnRK)
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2019/07/07(日) 18:18:00.57ID:pIzbTCNw00707
七夕をテーマに何か書いてたもれ(  ̄ー ̄)ノ
0075名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:29:10.77ID:dqJQC0P60
>>70
なーこちゃんは白衣似合いますよね
0076Bring it back, bring it back(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:31:59.79ID:dqJQC0P60
(1)
七夕は梅雨の期間中に訪れるはずなのだが、なぜか綺麗な星空を期待してしまう。
それは日曜日の学校に運命の出会いを求める感覚に少し似ているかもしれない。

今年の七夕は曇り空の日曜日だった。
日を遮る厚い雲が校舎の上に覆いかぶさり、ドーム球場の退屈な試合のような空気を校内に閉じ込めていた。
階段の上から聞こえてくる軽快なはずの足音も、どこか怪しく感じてしまうほどに澱んだ空気だった。
僕は階上を見上げた。踊り場の影から足先が見えた。体操着の半ズボンから引き締まった脚が伸びている。
その白さは眩しいというよりも、影とのコントラストによって蛍光灯のように光る種類のものだった。

彼女は立ち止まり、右手を上げた。そこから放たれた金属片はそのまま暗さを映していた。
僕は頭に左手を付けながらその物体をキャッチした。
「カッターあったよ」
「あぁ…ありがとう。ちょうど探しに行こうと思ってたんだ。」
「危機管理能力ゼロね」

曇り空から地面を蔑んでいるかのような瞳が階下に向けられていた。
0077Bring it back, bring it back(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:32:46.08ID:dqJQC0P60
(2)
久しぶりに小学校へ来たのは、七夕のイベントの手伝いのためだ。
高校3年生にもなると、当時の思い出は半分ほどしか残っていない。
校庭の大きさも半分ほどになった気がする。それだけ自分が大人になっただけのことだ。
でも何故だろう。彼女の目線はいつも僕の上にあった。今だってそうだ。

「おい友梨奈、カッター投げんな。危ないだろ」
「だからその呼び方やめなさいって言ってるでしょうが」
「お前、そんな喋り方するヤツだったっけ?」
「人は誰でも進化するものよ」

目の当たりにしている人柄は、小学校時代からむしろ退化していた。昔の方が幾分人間らしい可愛さがあった。
僕の知っている平手友梨奈ちゃんはもう存在していない。少しでもいいからあの頃の可愛さを返してほしかった。

そう、あの頃はもっと純粋だったんだ…
0078Bring it back, bring it back(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:33:28.46ID:dqJQC0P60
(3)
幼き女の子の将来お嫁さんになりたい宣言ほど当てにならないものはない。
そのことは十分心得ていたはずだが、いざそんなことを言われてしまうと信じたくなる。

10年前の七夕は火曜日だった。今日のように曇ってはいなかった。

友梨奈から少し変わった告白をされた。
「お嫁さんになりたい」
彼女は隣の席の僕に向かってそう言った。今になって思えば「誰の」という部分が抜けているから、ただの個人的な宣言だとわかる。
でもその言葉を信じてみたかった。彼女はクラスで一番可愛かった。

それと同時に、一番の変わり者でもあった。
同級生の女の子とは事務的な会話しかしていなかった。男の子とは告白されたときしか喋っていなかった。

僕だけが唯一の例外だった。
0079Bring it back, bring it back(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:33:58.93ID:dqJQC0P60
(4)
哲学書を読んでいて得をしたことは後にも先にも小学校二年生の一回きりだけである。
これからも読むだろうけど、そう断言できる自信がある。結局のところ、哲学なんか何にもならない。それでいい。

子供向けの哲学書にはそれほど難しい言葉は使われていない。でも、だからと言って好き好んで読む小学生など数えるほどだろう。

「これ面白いね」
休み時間に校庭から教室に戻ってくると、友梨奈が僕の本を読んでいた。
「これ貸して。明日返すから」

最初はからかわれているものだと思っていたのだが、本当に面白そうに本を読んでいた。
彼女は口下手な代わりに、動作で人の心を動かす才能があった。

結局、友梨奈がその本を返したのは中学生になってからだった。
しかしその日を境にして、僕たちは会話するようになった。
0080Bring it back, bring it back(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:34:41.51ID:dqJQC0P60
(5)
友達とは言い難い関係だったが、とにかくいつも一緒にいた気がする。
僕は友梨奈のことを信じていたし、友梨奈も僕を少しは信頼していたはずだ。
しかし周りには、特に担任の先生には、奇妙な関係に映っていたようだ。

人は死んだらどうなるのか話していた時に友梨奈はこう言った。
「じゃあ一回ここから飛び降りてみてよ」
その部分だけを先生に聞かれた。
友梨奈は職員室に連れて行かれ、小一時間もイジメについての説教を聞かされたらしい。

あらゆることで僕たちは議論をして、大抵は僕の方が優れた論理を展開していた。
ところが外から見れば、質問攻めにあっている僕のほうがどうもイジメられているように見えていたらしい。

七夕の日にお嫁さんになりたいと言われたのも、いわば議論の延長のようなものだった。
人間は選択肢があるから悩む。だからお嫁さんになると決めていれば悩まずに済む。
それが当時まだ二年生の友梨奈少女が出した答えだった。
0081Bring it back, bring it back(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:35:13.77ID:dqJQC0P60
(6)
「そう言えばさ、中学校の時何で急に俺の家に来て本を返そうと思ったんだ?」
高校3年生が、小学校の教室で、中学校時代のことについて話していた。

「あぁ…あの本はお守りがわりにずっと持ってた。で、そのご利益があっただけの話」
「ご利益?何かいいことでもあったのか?」
「というより助かった。実はあの時ストーカーされてた」
「お前、昔から変な人にモテるからな」
「しばらく家に居させてもらったでしょ。たぶんあなたを彼氏かなんかと勘違いしてくれて、それ以来付きまとわれなくなった」
「じゃあ本返すのは口実だったわけか。普通に助けてって言えばよかったのに」
「言えるか。それにあんたには何もできないでしょ」

友梨奈は喋りながらもカッターナイフで短冊づくりを進めていた。
子供の願い事の一端をこれほど現実的な女に担わせるのどうかと思ったが、
夢は自分で掴むものだという信念を持っている立派な人であることもまた事実だ。

「それで?今は大丈夫なのか?」
「ええ大丈夫。でも…」
0082Bring it back, bring it back(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:35:47.90ID:dqJQC0P60
(7)
「でも…いつか私を助けてね」
自分の願い事を書き終えた友梨奈はそう言って席を立った。眼は優しかった。

「そういうのは上目使いで言ったほうが効果あるぞ」
「あらそう。じゃあ私はこれ結んで帰るから」

ドアが閉められた。
僕は自分の願い事を考えた。しかしいくら考えても、その願い事には友梨奈が絡んでくる。
自分だけの願い事なんて本当にあるのだろうか。

そう思いながらとっさに浮かんだ英文を走り書きした。
0083名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:42:08.83ID:dqJQC0P60
連投か…
0084Bring it back, bring it back(大阪府) (ワッチョイ cfb7-tOvn)
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2019/07/07(日) 23:44:23.12ID:dqJQC0P60
(8)
教室の外は涼しかった。
階段を降り、下駄箱前の笹竹に向かう。
その手前で僕は足を止めた。

友梨奈が両手をほどいて祈り終えたところだった。
僕の存在に気がつくと、足早にカバンを持ってそこから立ち去った。

僕は数多の短冊を見上げた。

「お嫁さんになりたい」
10年前と一語たりとも変わらない願い事は、確実に現実味を増していた。

そうだ、いつか友梨奈はお嫁さんになる。
幸せになれるならその相手が誰であろうと構わない。

でもどうか彼女からその人を取り上げないで欲しい。
そしてもしその人が僕だったならどんなにいいだろうか。

Bring it back, bring it back……

そんな想いを込めた短冊を葉竹に固く結んだ。

遥か遠くの星が、雲のその先に光っていた。
大きくなった分、少しは近づいたかもしれない。
来年、もう少し近づいていれば、それでいい。

(おわり)
0085大阪府です(茸) (スププ Sd1f-G5mg)
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2019/07/07(日) 23:52:05.49ID:v5WjKmq0d
タイトルはQueen/Love Of My Lifeより
曲調が七夕っぽかったので
この曲に関してはブライアン・メイが歌っている方が好きです

https://youtu.be/7Ziutxv-OKw
0086名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KKff-xNPa)
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2019/07/08(月) 09:08:47.09ID:JRr8gA19K
家先生formerly known as庭先生のリクエストにさっと大阪府先生がこたえるという懐かしい展開に胸熱ですな

タイトル見て一瞬でその曲が浮かびましたし
ちなみに観客大合唱付きのウェンブリーでのライブバージョンが自分は好きです

よくアイドルの卒業後の目標を聞きたがるヲタがいますけど
「お嫁さんになりたい」って答える人、なかなかいないですよね
ある意味、山口百恵さんぐらいでしたかね
…って考えて、今回の作品にてちこさんがドはまりしている理由がなんとなくわかりました(笑)
0087庭と呼ばれていた男(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
垢版 |
2019/07/08(月) 10:48:02.29ID:1hr0p5580
大阪府さんリクエスト応えていただきありがとうございます

懐かしい大阪府さんテイストの物語堪能いたしました( ̄▽ ̄)ゞ
0088庭と呼ばれていた男(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/08(月) 10:53:26.72ID:1hr0p5580
>>86
懐かしいですけど新しい作家さんがなかなか訪れません(-o-;)
0089夏、走る 1(東京都) (JPW 0H67-51sY)
垢版 |
2019/07/08(月) 14:06:05.28ID:gWJK6SbJH
目が覚めたら、季節は夏だった。
熱の反射で背中が熱い。起き上がろうと、手を付くとき、砂利が零れてその跡が赤く残る。
そのとき一瞬日が陰って、声が降った。
僕は慌てふためいて、左を向く。
「そんなとこで何しとるん?」
夏の日差しが頬を貫いて透き通る。
「何しとるって.......なんもしとらん。」
そう言うと、スカートの裾を叩いてしゃがみこむ。
「だらだらしてるとまたテストの点数負けるで」
少し小馬鹿にしたように言う。
「お前にな。」
そう、返すと相好を崩して
「そんなにダラダラしてテスト前にわからんって泣きついてもしらんで」
「そう言ってもまた教えてくれるでしょ。」
「.......まぁ、それは、な。」
「ほら、だからいいじゃん。」
「でもずっと教えられるわけじゃないんやから。」
「なんでさ。」
「もう高校2年で来年は受験生やろ?やから。進路も。」
「思い出させるなよ」
「しょうがないやろ。もうすぐなんやから。しかも大切なことなんだし。」
「そうだけど。」
「どうするつもり?」
眼差しが不意に真剣なものになる。
「どうするって.......東京の私立に」
「私立ってどこ.......」
「明治。」
「うちの同じとこやん。まねせんといてな。」
「真似じゃないし」
「それより厳しいんちゃう。もっとも、うちが言うことちゃうけど」
小さくため息をついて、瞳は白い海を映し出していた。
「どうせお前は楽に受かるんやろうな」
その刹那、目が糸のように細くなり、肩までの黒髪が潮風に揺れて乱れる。
鴎は行き場を失ったように同じ処を飛び回る。
港町の正午は日差しも暑さも険しい。
「お前って辞めて」
「いっつもそういうよな。」
「ちゃんと小坂 菜緒って名前があるんやから。」
「わかったわかった五月蝿いなお前は」
「またお前って言った」
再び目が細くなる。
「引っ越してきて1年でまだ名前も呼ばんとか。信じられんわ。」
アイロンをかけたようにシワのないシャツ。
「うるせーな。」
「そんなことだから友達出来へんねんで」
「小坂がいるからええやん。」
「そういうことちゃうわ。」
頬に日焼けの跡が赤い。
「そういや、初めてあったのもここだったっけ」
僕は慌ててそう訊ねた。
いつの間にか隣で座り込んでいた小坂はしばらく考えて何かを思い出したようにつぶやく。
しかしそれは聞こえない。
「そうだっけ?」
小坂は海べりに足を向けてばたつかせる。
「覚えてないの?」
そう訊くと小坂はうっすら笑って黙る。
潮騒が瞳の向こうで歌い出す。
0090夏、走る 2(東京都) (JPW 0H67-51sY)
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2019/07/08(月) 14:06:50.45ID:gWJK6SbJH
両親の離婚があってこの田舎町に来た。
それは確か夏の終わりで、荷をとくと母は慌ただしく漁協の方へ出かけて家を開けて仕舞う。退屈した僕はなんのあてもなく街を彷徨い歩くことにした。
この海岸は家から徒歩五分のところにある。
当てもなく歩こうにもあてがなさすぎて僕の足はこの海岸で静止する。
やがて今日と同じように海を見ていたら、後ろから話しかけられた。
「あんた、誰?」
振り向いたら彼女が居た。
その瞬間は一生忘れられない。
白のTシャツに太ももあたりまである薄い青のシャツそしてデニムのショートパンツ。
サンダルが砂利を踏んで湿った音がする。
唇はほんのり朱がさして、肌の色素は薄い。
髪は黒とブラウンのグラデーションが掛かっていた。
「この前、引っ越してきた。」
ようやくそう言うと、
「ああ、婆ちゃんが言ってたな。そんなこと。」
「あなたは?」
目線でそう訊ねると、
「わたしは小坂。ほら、斜め向かいの」
「ああ。」
よく知らなかったが。知っている振りをした。


「おーい、聞いてんの?」
小坂の手が顔の前で縦に揺れる。
「えっ?」
「ぼうっとせんともうお昼やで」
スカートの砂を払って小坂か立ち上がる。
「先行くで」
そう言って不意に小坂は走り出す。
「待って」
テトラポットの間に挟まっていた空き缶が乾いた音を立てて、波間に飲まれる。
僕らの夏はまだ始まったばかりだ。
0091千葉県だったひと。(東京都) (JPW 0H67-51sY)
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2019/07/08(月) 14:08:46.48ID:gWJK6SbJH
ブログにあったものの転載ですが、なんとなく夏っぽいな。といいつつ、七夕の短編が間に合わなかったのでその代わりに。
0092名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/08(月) 16:15:56.63ID:gkeL9EZo0
>>86
ご存知でしょうけど、2017年のSONGSで「5年後の自分は何をしている?」ていう質問がありまして、てちこさんは「結婚しているかなと思います」と答えたんですよ

でもその数ヶ月前のB.L.T.では、ぺーちゃんの30歳までは欅坂46を辞めないって発言に対して同意してるんですよね

ちなみに同じ取材にねるちゃんもいたんですが、誰か一人でも卒業したらいっそのこと解散がいいかもなんてメンバーと話したことがあると答えてたりしています

多感な時期ですよね

>>87
ちょうど七夕について書こうと思っていたのでアシストありがとうございましたm(_ _)m
0093名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/08(月) 16:17:51.99ID:gkeL9EZo0
>>90
ぼーっとしてたら可愛い女の子が覗き込んでくる展開

何かいいですよねw
0094名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 0316-U2XQ)
垢版 |
2019/07/08(月) 22:06:56.68ID:1hr0p5580
>>91
乙であります( ̄▽ ̄)ゞ

俺も七夕をテーマに書き始めたけど全然間に合わなかったw

>>92
大阪府さんとシンクロときめき(-o-;)
0095名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/08(月) 22:54:55.88ID:gkeL9EZo0
>>94
来週には海の日がありますからそれに向けて頑張りましょうw
是非水着の理佐ちゃんを海に連れて行ってあげてくださいw
ていっても水着には抵抗あるんでしたっけ…
0096名無しって、書けない?(東京MX) (ワッチョイ cf25-Pv24)
垢版 |
2019/07/08(月) 23:23:56.78ID:ALoA5Fti0
>>85
文章が自然で、すーっと頭に入ってきますね。
やはり小説を読み込んで血肉としてきた人の文章ですね。
現実と回想とが溶け合うような展開がお見事です。

>>91
こちらも現実と回想を行ったり来たりする構成ですね。
淡い恋心を予感させる描写が爽やかな気分にさせてくれます。
0097夢で逢えたら 第7話 前編(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
垢版 |
2019/07/09(火) 14:20:35.97ID:QkMt67mC0
「理佐ちゃん待ってくれ〜」

高らかな笑い声を上げながら走り去る車上の理佐ちゃん

夢の中でたった1度見ただけの理佐ちゃんに恋焦がれ夢見術を駆使してついに出逢えた愛しの理佐ちゃん

自分の夢だから都合良く愛しの彼女で登場かと思いきや俺の車を当て逃げして逃げてく犯人役で登場の理佐ちゃんってわけだ!

「理佐ちゃん待ってくれ〜車ぶつけたぐらいで怒らないよ〜」
ここで会ったが100年目とばかりに愛しの理佐ちゃんの車を追いかける俺

都合良く信号が赤になり停車するどうやら生真面目な性格らしい理佐ちゃん

当て逃げ女が生真面目ってのもおかしな話だがそこは俺の夢ゆえ辻褄が合わないこともあるんだろう

てなこと考えながら理佐ちゃんの車に追いついた俺

と、そこに

俺君〜風邪引くから起きてよ!

なんて空から呼びかける年下の幼なじみ葵の声が

そして揺れ出す風景共に暗転する世界
0098夢で逢えたら 第7話 後編(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/09(火) 14:20:58.81ID:QkMt67mC0
「理佐ちゃん待ってくれ!」
目覚めるやいなや叫びながら手を伸ばす寝惚けな俺

「きゃっ!?」
伸ばした俺の手が胸に当たり悲鳴あげる葵

「当たったか!?」
平板な感触ゆえオッパイ感が皆無なせいか葵の大げさな悲鳴に驚く俺

「当たった!」って文句言う葵

「めっちゃ平らだったからオッパイだって気づかなかった、、、」
あの平板な感触がオッパイだったと知って幼なじみ葵が可哀想になり冷や汗な俺に

「もう!せっかく迎えに来てあげたのに俺君のバカ!」
なんてむくれる葵

「すまんです」
こんな時間に公園で寝てる俺を迎えに来てくれた葵にさすがに悪いと思い素直に謝る俺

「じゃあ帰ろう」
あっさり機嫌直り俺を促す葵

「ヒッ、ヒッ、ヒックション!!」
葵に返事しようとした拍子にくしゃみな俺

「真冬にこんなとこで寝ちゃうからだよ」
なんて言いながら自分のマフラー外して俺の首にかけてくれる葵

「いいよ」
さすがに照れくさく断ろうとする俺に

「俺君風邪引くとうるさいからダメ」
なんてお姉さんみたいな葵

昨日まで葵のことは妹みたいにしか思ってなかった俺

なのに葵と並んで歩いてるだけでドキドキが止まらない俺なのだ、、、



つづく
0099理佐ちゃんを愛し理佐ちゃんに愛される予定の男(家) (ワッチョイWW 0316-WnRK)
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2019/07/09(火) 14:24:42.07ID:QkMt67mC0
>>95
水着抵抗ありありですわい(-o-;)

女性の肌は将来の旦那様のために大切にするものですけん・・・

まして天地開闢以来の美人理佐ちゃんに水着仕事なんてさせちゃアカン(-o-;)
0100プルシャンブルー(千葉県) (ワッチョイW 6f15-51sY)
垢版 |
2019/07/10(水) 02:52:01.95ID:tOY7dgQJ0
白い水しぶきが砂浜に打ち上げられるたびに嬌声が沸き起こる夏の海岸で僕はうたた寝をしている。
わけはない。サークルの面々で海に行く話になってほとんど無理やり連れてこられた。
しかし海は体が潮風と水でベタつく上に肌が弱いので入水は御免蒙ってビーチパラソルと呼ばれた日陰の傘下にあるわけだ。
なんの曇もない淡青空。大勢の人が犇く。
瞬きする間に通り過ぎる夏を味わおうとする賑やかしい声が随所に反響する。
そのうち砂浜を踏みつけるサンダルの音がして僕はその方を見る。サンダルは僕のいるビーチパラソルに向かっているようだ。
「ねぇ、泳がないの」
声の先に伸びる景色。
灰色のパーカーにデニムのショートパンツ。その先に伸びるは色素の薄い太腿。
サンダルはパステルカラー。
セピアにバーガンディーが混じった色の髪。
前髪は細く二束横に左右の端から垂れ、ハーフアップで小さく髪を後ろで束ねてある。
「泳がないよ」
僕は欠伸をしながら答えた。
「なんだつまんない。」
つま先で砂を蹴る。コイン一枚ほどの砂塵。
「つまらない?」
僕はききかえす。
「なんでもないよ。」
いつも以上に小声だ。そして僅かに裏返る。
「海すきじゃないの?」
「わたし?ぜんぜん」
そう答えながらビーチパラソルの下に入る。
隣合わせで僕は距離を置く。
定規一本ほどの。
足を組んで手は後ろに着いた。
「ねぇ、そういえばわたし名前で呼ばれたこと無いんだけど」
サンダルが脱げそうになっているようで、足の指先を曲げる。
しかし右のサンダルが乾いた音を立てパラソルの下に引かれたレジャーシートに落ちると、諦めたのか左のサンダルも脱いだ。
「名前…呼んだことないや。」
それを一瞥したことへの気まずさからしどろもどろに答える。
「わたしの名前おぼえてるよね」
顔が近づく。首筋には一筋の汗。日焼け止めの香り。鼻と頬だけ赤い。
「おぼえてるよ。けどなんて呼べばいいか。」
「なんて…?」
悠然と構えていた表情が初めて困惑したような表情に変わる。
「そうだなぁ。下の名前とかりっちゃんとか。かな?」
0101プルシャンブルー(千葉県) (ワッチョイW 6f15-51sY)
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2019/07/10(水) 02:56:18.10ID:tOY7dgQJ0
握り拳を唇の前に笑う。
その笑みは目が細くなる類のようだ。
「りっちゃん…」
口の中で飴玉を転がすみたいに呟く。
「でも馴れ馴れしくない?」
僕が言うと、
「そうかな?わたしはもっと馴れ馴れしくても」
そう返答して噤んだ。
「泳がないの?」
唐突に言う。
「いや、いいかな。」
僕はややあって答える。
ややあったのはなんでそんなことを言い出したのか考えていたから。
「ふーん。なーんだ。」
組んだ足を戻して真っ直ぐに伸ばしバタバタさせる。そして、
「せっかく…きたのに」
と続けた。
「きた?」
僕は聞き取れないほど小さなその声に顔を近づける。
「これのした。」
襟元を人差し指と親指で摘んで隙間を作る。
僕は日射しのやかましい砂浜を眺めた。
海の色彩は青と白と黄土色だけではない。
人が纏う水着が虹の如く夏の日を彩る。
「せっかく一緒に泳ぐために着てきたのに」
僕はサイズの大きく生地をもてあましたパーカーの下になにがあるのか想像した。
「ね、目をつぶって」
唐突にそう言われる。僕はそれに従う。
再び何も無い闇の中。
絹擦れと「よいしょ」とかの掛け声が聞こえ、やがて香水と柔軟剤の香りが顔にふる。
「目、あけて。」
僕は顔にかかったものの正体をしった。
それはさきほどまで僕が見ていたあのサイズの大きなパーカーだった。
それを横に置いて、足元を見る。
「行こ。」
細い素白な腕が僕の右手に触れた。
海とおなじヒヤシンスブルーの水着。
それを見ていると、
「見ないで、恥ずかしい。」
そう言われた。
「いこうかな」
僕は熱を帯びた顔と高鳴る鼓動を誤魔化し、差し出された柔らかな手を握った。
波音が脈動と同期する、
次第に音をあげるその波音は人々の歓声を裂いて近づくようだった。
「あとで話したいことがあるの。」
その波音の合間で小声でそう言われた。
「うん」
パラソルから出ると梅雨明けの日照りが辺りに散らばって眩しい。

0102名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 6f15-51sY)
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2019/07/10(水) 02:58:06.34ID:tOY7dgQJ0
水着をヒントにしました。
海の日を先取りして。
0103名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/10(水) 21:28:57.11ID:EGjfP/x20
>>99
最近になってやっと分かったんですが、水着は失うものの方が多いですな

>>102
千葉県さんもリクエストにかなり素早く対応できますよね

積極的な恥ずかしがり屋さんっていうのが何とも理佐ちゃんらしいです
ネクストシングル(ではないのかな?)の隠し味も絶妙ですねw
一つ注文があるとすれば、やっぱり水着の色は白がいいすよ白がw
0104名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW cfb7-G5mg)
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2019/07/10(水) 22:07:43.64ID:EGjfP/x20
>>96
有り難いお言葉です
ただ、むしろ逆でこれまで読書して来ず語彙力に欠けているため、何とか人に読んでもらいやすい文章になるよう工夫した結果そうなったのかもしれません
0105名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 7615-S+i7)
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2019/07/11(木) 02:02:33.77ID:sN4VwD8/0
>>103
たしかに今までもリクエストいただいてから直ぐにとりかかってますね
リクエスト貰うの好きなのかもしれません
水着のカラーは写真集にないものを敢えて選びました
らしさが伝わったとの事で有難いです
0106名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 7615-S+i7)
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2019/07/11(木) 02:04:18.07ID:sN4VwD8/0
>>93
理想ですねえ
>>96
いつだって過去は美しく思えます
0107庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
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2019/07/12(金) 13:30:24.91ID:REdNYNdi0
>>105
千葉県さんが即時対応してくれる安心感がリクエストしやすくさせてますw

>>103
ねるちゃんの時は喜んで見てたけど理佐ちゃんは身内の水着見られてる気恥ずかしさがありますな( ̄ー ̄)
0108オダ推し(家) (ワッチョイ 9a16-pd+t)
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2019/07/13(土) 10:41:44.80ID:RRm7OiLk0
皆さんお久し振りです。

大阪府さんが復活してくれていて、嬉しいです。
相変わらず綺麗な文体と、お洒落なストーリーですね。
どんなメンバーでも、ちょっとだけ斜めの角度から描けるのは素敵ですね。
てちの描写可愛かったです。

千葉県さんの夏シリーズも、相変わらず好きです。


庭さんの作品は、実はいつもアメブロで拝見してます。
葵ちゃん主役の作品、大好きです。
早く本格復帰して欲しいですね。

私としては、最近オダナナの影が薄いのが寂しいです。
でも、2期生が個性的なのは楽しいですね。
松田里奈ちゃんが好きです。
ネプリーグは笑いました。
0109ストロー(千葉県) (ワッチョイW 7615-S+i7)
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2019/07/13(土) 15:12:26.52ID:fpO4rqRx0
海辺で体育座りしてる2人組など、はいて捨てるほどいるだろう。だからいちいち注目されない。大抵素通りだ。しかし、僕らは違った。
何故か。それは僕の隣で頬を赤くしてる人にある。
「なんかめっちゃ見られてない?」
そう耳打ちして僕に照れ笑う。
「まぁたしかに。」
「そんなに派手だったかな」
自分の体をじっとみてそれから辺りを気にする。
どうやら本人は自分のスペックに気づいていない。つまり、まわりが霞むほど綺麗だった。


僕の手を引いて海へ飛び出したその瞬間。
海岸の視線はひとつに集中していた。
それくらい魅力的だった。
表情も水着も。血管が透き通るような肌も。
僕は必死に目を逸らした。それは、
いままで全く沸きおこらなかった、嫌われたくないという感情がそうさせたのかもしれない。
「えいっ」
かなり無理した可愛らしい声とともに水しぶきが飛ぶ。
ヒヤシンスブルーが波音に揺れて白く光る。
半ばハレーション気味な視界が残像になって脳内にチラつく。
僕も海を集めて空に投げる。
放物線を描いてそれは無事に命中した。
僕はしばらく海水の掛け合いを楽しむ。
指先に潮の香りがつくまで。
そのあとで溺れた犬みたいな泳法で海をかき分けた。
0110ストロー(千葉県) (ワッチョイW 7615-S+i7)
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2019/07/13(土) 15:13:06.95ID:fpO4rqRx0
「いま、好きな人いるの?」
そう聞かれて空を見上げる。
西日が明日の向こうに帰ろうとしていた。
「いないかな」
やっと、そう返す。
「わたしは居るよ」
「そっか」
無言。互いに言葉少なでおそらく潮騒のほうが饒舌だろう。
デコルテと太ももについた砂粒を指の関節あたりで払い、また訊かれる。
「ねえ、好き?」
「なにを?」
聞かなくても分かるような気もした。
「…海。そう、海。」
しどろもどろになって続ける。
そのとき、互いに頬が赤いその理由が分かった。
再び、潮の音。
そして。

「はじめて、あったときさ。わたし、君のことを…」
少しずつ確信に近づいてゆく。
僕はそれをなぜか緊張しながら聞いている。
もどかしさと共に。
「理佐、行こうよ」
そのとき。タイミング悪く背後から声がする。
「待ってて、今行く。」
会話を中断してそう返答する。裏返り声で。
声を掛けてきたのは尾関だった。
その尾関はだいぶ草臥れた顔をしている。
それは当然のことだろう。海へ来てそうそう、スイカ割りにクロールと八面六臂の大活躍だったから。
「ほら、行くよ尾関。邪魔だから。」
尾関の後ろで志田が呼びかける。
「置いてくぞ」
その近くで唐揚げみたいに日焼けた男が呼ぶ。
僕が勝手にから揚げくんと呼んでいるちゃらけたやつである。
その、言葉は僕らに投げかけられた。
「あと少し。」
さらにそう答えて僕の方を見る。そうして、
「単刀直入に言うと、あの…。また、行こうよ。海に。こんどは2人だけで。」
ピースサインをして言う。
「うん。」
結果的に本当の話の続きは次回に持ち越しになった。見たいだ。
0111ストロー(千葉県) (ワッチョイW 7615-S+i7)
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2019/07/13(土) 15:15:29.88ID:fpO4rqRx0
パラソルのした。夕日を背に帰り支度。
日焼け止めを渡したり、リュックを背負ったり。砂を払う。
「ねぇ、パーカーどこやったっけ。」
シートを捲りながら僕に訊ねる。
「そこら辺に…ない?」
しわくちゃのレジャーシート。僕はウロウロキョロキョロしながら探す。しかし見つからない。そう言えば今日は風が強かった。
「もしかして飛ばされちゃったとか?」
恐る恐るそう進言する。
「最悪なんだけど。ねぇ、」
ねぇ、って僕の顔を見られても。
「僕の着る?」
「は?」
怪訝な顔で見る。
「いや、海に来る前にかったシャツハワイアンっぽいの。」
「ああ、それ。うん。ありがとう。」
まさか。僕がきてたシャツを脱いで渡すとでも?僕はリュックをあさって色彩の鮮やかなハワイアンのシャツを渡す。それは、確か。ビニールに包まれた、1000円のやつだった。
「洗って、明日返すね」
それを受け取って素早く羽織る。ボタンを素早く止めて襟を少し折る。風で飛ばされていたのか。デニムのショートパンツはパラソルを飛び出し、海岸のへりに引っかかっていた。それを叩いて履く。
「お待たせ、行こ」
そういい僕の方を振り向いた。ハワイアン柄とデニムはとても良く似合う。
急ごしらえとは思えないくらいだ。
「似合ってる?」
裾を少し指先で摘んで訊く。
「凄い似合ってる。可愛い。」
そういって口に手を当てる。
あらぬ事を口走った。いやほんとだから良いのか。
「ありがとう」
後ろ手を組んで夕日のオレンジを飲み込んだ暮れなずむ海を見渡す。

「あれ?理佐その服。どうしたの?」
駅前の鄙びたベンチで尾関は訊ねた。
「なんか風で飛ばされたみたい。だから借りたの。」
尾関は僕をちらっと見てから
「やるじゃん」
と言った。
「というかさ尾関あんた理佐が、着てるのと似たようなパーカー持ってなかった?リュックのなか。」
志田が尾関の地味な黒のリュックを指さす。
「えっ!?嘘だ。」
尾関はかなり焦ってファスナーを下ろして中身を漁る。
「あっ…た。」
尾関は声を落として恐る恐る見慣れた灰色のパーカーをつまみ上げた。
「尾関…」
ハワイアン柄が怒りに打ち震えているように思える。
「ほんとごめん!ほんと。」
尾関は今まさに手刀を切って土下座せんとする勢い。
「今度奢りね」
そう言い狂気じみた微笑みを見せると、
「りさ怖いんだけど。」
志田が至極冷静に言うが、しかし、髪が真っピンクなあんたの方がよっぽど怖いよ。そう思う。
「どうしよ。」
尾関からパーカーをひったくって抱きしめる。
「着替えれば?」
僕がそう言うと、
「いいや、このままで」
そう返してファスナーに手をかけ、肩掛けのリュックにパーカーを畳んで入れた。
「このまま借りとくね」
いい添えて襟を触る。
そのようなやり取りをしているベンチの背後で踏切の警報音。
「電車くんじゃねーのか」
男がぼそっと呟いた。
0112ストロー(千葉県) (ワッチョイW 7615-S+i7)
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2019/07/13(土) 15:16:38.29ID:fpO4rqRx0
足並みを千々に乱して、ホームへ走る。
無人となったベンチの座面にはまだ生暖かな感触が残っていた。ベンチの背後では幾つもの靴音がバラバラに聞こえて来る。
電車はやがてゆっくりとホームを去る。
その後には夏の感触が滞積していた。

15両編成の列車。
混雑を避けて渡ると先頭へ辿り着く。
僕と尾関と志田と男の4人が一同に座ろうとするとボックス席になるが、しかし、午後の中途半端な列車にも関わらず混んでいる。
ボックス席は大抵4人がけの対角線上に人が居た。僕はハワイアンの柄を追いかけ隣にすわろうとしたが男に阻まれた。
男はごついリュックを僕の腕にぶつけ悠然としている。夏目漱石の表現を借りて言えば「くさくさする」。
僕だけがいつの間にか残されて右往左往していると、「こっち空いてるよ」と尾関に言われた。なるほど、男が横取りしたドア横二人がけの斜向かいに似たような二人がけがあり、そこが空いている。
ブルーのシートを掌で叩いて尾関が「こっち、こっち」という。
僕は有難くその席に座る。
「残念だったね」
悪戯な子供っぽい微笑で尾関は僕を見た。
「まぁね」
僕はリュックを抱いて言う。
「理佐はモテるからね。うっかりしてると取られちゃうよ。」
尾関は頬を緩めて僕に告げる。
「ああ。うん。」
生返事をして車内を見渡す。
志田は男が座る二人がけの左にある進行方向のボックス席に座って首を縦に何度も動かしている。
眠っているのか。
男はハワイアン柄を鑑賞しては詐欺師のようなちゃけた笑みを浮かべている。
列車は床が凹みやたら左右に揺れ、
空は都心へ向かうに従って鼠色に曇った。
僕は若干心の濁りを感じながら欠伸をする。
長いトンネルを走るうち、車内が緩やかな眠気に包まれる。
僕は尾関の肩に頭をもたれながら潮騒の音を聞いていた。
銀色の光は一路都心を突っ切って地元に向かっている・・・
眠る僕らを乗せて。
0113名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 7615-S+i7)
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2019/07/13(土) 15:19:20.47ID:fpO4rqRx0
100からの続編です

>>107
お手隙の際はリクエストお待ちしております
>>108
ありがとうございます
夏ばかり書いてる気がします
0114名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ b7b7-AvHN)
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2019/07/13(土) 18:50:47.65ID:UVODzXmB0
>>108
お久しぶりですね

せっかくのフィクションですからついつい希望を投影したくなります
オダ推し先生の作風が好きなので、またお待ちしております

>>112
ラストいいですね
『三四郎』の冒頭を思い出させます
あちらは夢から醒めたところから始まりますが、こちらは夢の終わりみたいです
隣に居るのが尾関ちゃんというのが何とも淡い青春ですね

それと15両編成の電車があることを今知りましたw
0115Loudspeaker(大阪府) (ワッチョイ b7b7-AvHN)
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2019/07/13(土) 18:52:09.61ID:UVODzXmB0
(1)

小学生の朝礼の時に持たされた拡声器からピーポーという音が鳴り止まなくなって以来、僕はずっと「拡ちゃん」と呼ばれている。
別に傍から見れば普通の愛称だから何のことはないのだが、問題は自分の名前にカ行の文字がひとつもないということだ。
「なんで、かくちゃんなの?」と聞かれるたびに、いちいち拡声器ピーポー事件のことを語らねばならない。

このような事態に陥ったのはおおよそ鈴本のせいである。
そもそも拡声器を持たされたのは転校初日の挨拶のためであったから、まだその時は誰も僕の名前を知らなかった。

しかし第一印象とは恐ろしいものである。

教室に入って初めて話しかけてきたのが鈴本だった。
「ねえねえ、拡声器くん、家どのへん?」
その時、16人しかいないクラス全員に僕は囲まれていた。
すべてが崩壊した瞬間だった。
その後の成り行きで拡ちゃんというあだ名を付けられたのは言うまでもない。
0116Loudspeaker(大阪府) (ワッチョイ b7b7-AvHN)
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2019/07/13(土) 18:52:45.89ID:UVODzXmB0
(2)

「拡ちゃんなんて言って悪いと思ってるからさ、そろそろ許してよ」

学校からの帰り道、いつまでたっても鈴本と同じ方向だった。
最悪な名付け親と一刻も早く別れたかったのだが、驚くべきことに鈴本の家は同じマンションの2つ隣の部屋だった。

鈴本が201号室のドアを開けて中に入った。僕はその前を通り過ぎ、203号室へ向かう。
ランドセルの中の鍵を探していると、すでに鈴本が横にいた。
彼女は何も持っていなかったから、多分ランドセルを玄関に置いてすぐ飛び出してきたのだろう。
「おじゃましまーす」と言って、一緒に中に入った。僕は一度も入っていいなどと言っていない。

「親は?」
「今、仕事でいない」
「わあ、部屋にテレビがある!」
「そりゃあるよ」
「わたしの部屋にはないよ、親の方針で」

それ以来、僕の部屋のテレビは、鈴本によって酷使され続けた。
しかし偉いもので、現在に至るまで一度も故障したことがない。
0117Loudspeaker(大阪府) (ワッチョイ b7b7-AvHN)
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2019/07/13(土) 18:53:32.59ID:UVODzXmB0
(3)

ネーミングセンスがないことを除けば、鈴本は十分魅力的な人だった。
そこそこ可愛いし、そこそこ面白いし、本人談ではそこそこ勉強ができた。一緒に居て楽しい存在だった。
しかし特にこれという思い出はなく、唯一浮かぶ情景はテレビと彼女の後ろ姿だけだった。

「そっか、キャベツはああやって切るとシャキってするのか」
「パリってフランスなのか」
「審判って三振の時めっちゃカッコつけるよね」
など、僕が本を読んでいる横で呟いていた。
一緒にいるのに、テレビと話している時間の方が長かった。

ただ一度だけ判別の難しいことがあった。
芸能人たちが恋愛トークを繰り広げているコーナーで、とある女性芸能人がキラーフレーズを紹介していた時だ。
鈴本はその言葉を二度繰り返した。

「好きになってもいいですか?」
0118Loudspeaker(大阪府) (ワッチョイ b7b7-AvHN)
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2019/07/13(土) 18:54:14.71ID:UVODzXmB0
(4)

一体どこでそんなものを手に入れたのか見当もつかないのだが、僕が鈴本からもらった唯一の誕生日プレゼントは拡声器のキーホルダーだった。
「ほら、テレビの電気代くらいにはなるでしょ」と言われて手渡された。
全く使い道のわからないものに価値を見出すのは難しかったが、一応今でもそのキーホルダーは携帯電話に付けている。

そのプレゼントをもらった年の暮のこと、鈴本はアイドルになるために東京へ発った。
テレビの前で呟いていた人が、実際にテレビの中で活躍するようになっていた。

一方の僕はごく普通の人間になった。
もちろん彼女がテレビを見に来ることはなかった。
0119Loudspeaker(大阪府) (ワッチョイ b7b7-AvHN)
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2019/07/13(土) 18:56:34.05ID:UVODzXmB0
(5)

「アイドルってデビューからだんだんとNGワードが減っていきますよね」
部屋のみをしていた時に、会社の後輩はそう言った。

テレビの向こうでは顔見知りのアイドルが喋っていた。
男の子のことについて話すことを許されるほどには、彼女も芸能界に入って年月が経っていた。


「で、その拡ちゃんとはどうなったの?」
「どうもありません。あ、でも拡声器キーホルダーをプレゼントしました」
彼女の淡々とした話し方が、演者と客席の笑いを誘った。

司会者は続きを促す。
「いや、でも男女が二人だけで密室にって状況じゃ…」
「まあ一度告白はしたんですけど…ほら、わたし独り言が多いから無視されちゃいました(笑)」
「うわー、相手の子もったいない!」

「本当だよな」
僕はテレビに向かって呟いた。

キーホルダーのぶら下がる携帯電話に彼女の番号はもう残っていなかった。
拡声器で叫んでみたい気分だった。

(終)
0120名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b7b7-1IMR)
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2019/07/13(土) 19:00:15.84ID:UVODzXmB0
ふーちゃんのブログより

7月11日(1977)【ペチンッ】

テレビを見ながらたくさんコメントをする人、
そのコメントに笑って自分の額を叩く人、

なかなか出会ったことないんですけど、
皆さんの周りにはいますかー?

私の周りには1人いて、
鈴本って言うんですけど、

本当におもしろい。

とにかくコメントが多い。

http://www.keyakizaka46.com/s/k46o/diary/detail/29967?ima=0000&;cd=member
0121名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 7615-S+i7)
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2019/07/13(土) 19:35:14.83ID:fpO4rqRx0
>>114
ありがとうございます。
続編書こうか迷ってるところで、15両は横須賀線や東海道線などですねー
0122オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家) (ワッチョイ 9a16-pd+t)
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2019/07/13(土) 20:14:32.55ID:RRm7OiLk0
>>119
相変わらず、鈴本を書かせたら天下一品ですね♪
この作品を読むだけで、ますます鈴本ファンになります!

前から思っているのですが、もっと鈴本に優しくして欲しい>オダナナ w
0123オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家) (ワッチョイ 9a16-pd+t)
垢版 |
2019/07/13(土) 20:42:12.55ID:RRm7OiLk0
ワークアンドホリデー(前)

※ちょっと前にアメブロに書いたものです。


ここ数日、けやかけ名物カップルロケの収録が、行われている。

きょうは、フィーリングカップルで見事成就した、小林由依と森田ひかるの番だ。

森田「きょうは、とっても楽しみです。憧れの小林さんと一緒でドキドキワクワクしてます♪」
小林「もちろん、私もよ。それにしても遊園地ということだったんで、すごく期待してたんだけど・・・」
森田「夢の国かなーと思ってたんだけど、ここはどこなんでしょう?」
小林「まあ夢の国は、だいたい撮影NGみたいなんで、仕方ないんだけど、まさか浅草花やしきとはね・・・近場過ぎるw」

森田「スタッフさんが、色々楽しい企画を考えてくれてるんでしょうね」
小林「ひかるちゃんは、初ロケだもんね。何とか盛り上げてあげたいけど、私そういうの苦手だからな〜 まあ楽しもう♪」


一方同日、織田奈那は完全オフであった。
きょうは、たまっている読書かビデオ鑑賞でもするかな〜

そこへ菜々香からLINEが来た。

長沢「ねえきょう休みでしょ。遊びに行こうよ、いい天気だよ♪」
織田「いいよ、行こうか」

菜々香「あのさ、スカイツリー行かない? 前に家族と行ったんだけど、メンバーと行きたいと思ってたの」

そんな相談をしながら歩いていると、背後から肩を叩かれた。
織田「みいちゃんと理佐、お揃いで何処行くの?」


小池「夕方から、理佐とペアで雑誌の仕事があるんだけど、時間があるからどこかで昼ご飯食べて、買い物でもしようかと」

ということで、4人で仲良く押上に向かった。
スカイツリーで、オムライスとタピオカを食べて、満足した一同。



小池「そう言えば、昨日森田ひかるちゃんと話した時に、浅草花やしきの事聞かれたんだよね。きょう、ご褒美ロケで行くらしいよ」

織田「ゆいぽんと一緒か、羨ましいなあ・・・」
理佐「浅草なら、ここから近いじゃん」
長沢「ちょっと行ってみない?」
織田「賛成!」

いつもならこういう時、邪魔しちゃ悪いからと控えめなオダナナなのだが・・・

<続く>
0124オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家) (ワッチョイ 9a16-pd+t)
垢版 |
2019/07/13(土) 21:13:59.14ID:RRm7OiLk0
ワークアンドホリデー(後)

そのころ、由依とひかるは、二人横並びで、花やしき伝統のローラーコースターに乗っていた。
富士急の高飛車に乗ったことのある由依にとっては、それほどスリルを感じるものではかった。
ひかるも、アトラクションが好きなのか平然としていたので、テレビ的に二人のリアクションは物足りないものだった。

ディレクター「じゃあ、少し休んで、次はお化け屋敷でーす」
AD「二人とも冷静だし、お化け屋敷も盛り上がらないかも・・・」

一人目のひかるは、全然怖がらず、笑顔で「楽しかった〜」と出口にやってきた。
そして由依も、気を使って多少怖がるふりをしながら中盤まで歩いてきたが・・・

由依「や、やめて!!」
演技とは思えない本気の悲鳴が聞こえてきた。
スタッフが駆け寄ると、不審な人物が由依に覆いかぶさっていたが、すぐに逃げてしまった。

AD「小林さん、大丈夫?何か変なことされた?」
由依「お尻と太もも触られた・・・」
AD「おい、誰か犯人見たか!」
カメラマン「見ました!赤外線カメラにも映ってると思います。なんと織田奈那さんです!!」

由依「やっぱり・・・手の感触に心当たりがあった(笑)」
織田はすぐにスタッフに見つかったが、怒られることはなく、むしろ感謝されていた。
撮れ高が足りなかったので、オンエアに挿むらしい。

この他にも、小池と理佐が普通にお化け屋敷に入って、怖がって泣き出したり、
長沢が、グルメレポートの時の残飯を盗み食いしていたところが、カメラに写り、ディレクターを喜ばせていた。

色々あったが、ロケは無事終了。
長沢は残飯を食べ過ぎて苦しくなり、ひかると一緒に、マネージャーの車で帰宅。
理佐と小池は、雑誌の仕事に向かった。

そして由依は、一人寂しく帰路につくことになった。
何か満たされない気分で、駅に向かう由依。
浅草の駅まで来ると、駅前のカフェで、見覚えのある女性が文庫本を読んでいるのが見えた。
由依は嬉しくなって、そのカフェに入って行った。

由依「オダナナ!」

織田「ゆいぽん・・・」
愛しの人に会えた割には、元気がない。

由依「何か暗くない?」
織田「いや、番組やゆいぽんたちの邪魔をしちゃったから・・・」
由依「ディレクターさんも言ってたじゃない、ハプニング映像がたくさん撮れて良かったって♪」
織田「でも、調子に乗ってお尻とか触っちゃったし」
由依「あれは勘弁して欲しかったな。カメラの前で・・・」
織田「・・・ごめん・・・暗闇の由依が色っぽくて、興奮しちゃったの」

由依「まあ二人きりの時だったら、許すけどさ♪」
織田「えっ? 今なんて言ったの!!!」

小林「さあね・・・それより、私お腹減った。何か食べたいな♪」
織田「よし、せっかく下町に来たんだから、もんじゃ焼きでも食べよう♪♪」

夕焼けの下、手を繋いだ2つの影が、浅草の街道をゆっくりと移動し始めた。

〜完
0125庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
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2019/07/14(日) 03:19:16.61ID:ww8Ju3tO0
>>108
オダ推しさんお久しぶりであります

わざわざブログ読んでくれているとはありがたしですm(__)m

なにげに葵ちゃん推しでもあります

>>123
>>124
早速の投稿ありがとうございますΨ( ̄∇ ̄)Ψ
0126庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
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2019/07/14(日) 03:30:17.93ID:ww8Ju3tO0
>>109>>112
登場人物の絶妙な距離感と尾関の立ち位置が先々切ない予感がして好き

これは完結許されない作品だと思うので>>113のお言葉に甘えて長編化リクエストです(  ̄ー ̄)ノ
0127庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
垢版 |
2019/07/14(日) 03:38:50.05ID:ww8Ju3tO0
>>115>>119
これはジワジワ効いてきてもんちゃんを好きになってしまうw

理佐ちゃんを好きな人を増やしたくて妄想書き始めた俺の理想を体現したような作品ですわ(  ̄▽ ̄)
0128庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
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2019/07/14(日) 03:40:07.97ID:ww8Ju3tO0
書き捨て勿体ないから大阪府さんもブログに作品を保管するべき(  ̄ー ̄)ノ
0129名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b7b7-1IMR)
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2019/07/14(日) 11:48:50.78ID:m+VpDk330
>>122
>>127
単に愛知県出身のアイドルが好きなだけなのかもしれませんw
てちこさん、もんちゃん、SKEでいえば玲奈ちゃん、珠理奈、くーみんとか、それぞれ絶妙な怖さみたいなのがあるんですよね
0130名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b7b7-1IMR)
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2019/07/14(日) 11:50:01.08ID:m+VpDk330
>>128
ブログとかSNSとか面倒くさいと思う質なので絶対に放ったらかしになりますw
0131名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b7b7-1IMR)
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2019/07/14(日) 11:57:14.31ID:m+VpDk330
>>123-124
何だかんだゆいぽんもオダナナの奇行を喜んでそうw

オダナナはパフォーマンス面でも、バラエティー面でも、プロデュース次第で化けると思うんですけどね
0132名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b7b7-1IMR)
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2019/07/14(日) 12:03:35.48ID:m+VpDk330
オダナナ珍しくダウンですね
お大事に
0133庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
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2019/07/15(月) 09:49:55.90ID:8u8T7qLP0
>>130
もったいない(-o-;)
0134夢で逢えたら 第8話 前編(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
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2019/07/15(月) 15:17:13.66ID:8u8T7qLP0
「キャハハハ〜なにその夢www」

夢の中で憧れの美女理佐ちゃんと再会果たした俺を図書館の机の向こうで笑う年下の幼なじみ葵

「他の人に迷惑だからでかい声出すなよ」
冬休みの図書館にはさして人影も無いが良く通る葵の笑い声に人目を気に俺


ちっ、昨夜のドキドキは俺の勘違いやな、、、

愛しの理佐ちゃんに再会したものの当て逃げされただけの俺の切ない夢を笑う葵などやはりただの妹分だわと決めつけ地団駄踏む俺


「やっぱり夢は夢なんだからさ、夢の中の美人に恋なんてしてないで現実を見なよ」
俺の忠告を無視して話を続ける葵

「うるさい、勝手に付いて来やがって」
チャリの後ろに乗って付いてきた葵に舌打ちする俺

「なに言ってんのよ、俺君が図書館行ったことないから不安だなんて言ってるから付いて来てあげたんだからね」
なんて恩に着せる葵

俺はなぜ葵の前で弱音を吐いてしまったんや、、、

後悔半端ない俺
0135夢で逢えたら 第8話 後編(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
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2019/07/15(月) 15:17:39.78ID:8u8T7qLP0
「ちょっとは感謝してよね」
なにが嬉しいのかニコニコしながら俺を見つめる葵

正面から俺を見つめる葵の視線に昨夜のドキドキが甦る俺

「うるさい!俺は理佐ちゃんと夢の中で理想の新婚生活するんや」
葵の視線から逃げるように夢見術の本に目を落とす俺

「もう、すぐに拗ねるんだから」
なんて呟き窓の外を眺める葵


なぜか可愛いく見えるな、、、

葵の横顔を密かに盗み見ながら胸の動悸に悪い気がしない俺

もともと平均的女子より可愛いとは思っていたが今の葵の可愛いはもっと特別な可愛いような気がする、、、

なんて葵の横顔を見つめながらなぜか幸せな気分の俺


「うん?なに?」
そんな俺の視線に気づきこっち見る葵

うっ!?

またもドキドキや!?

葵のキラキラ光る瞳に胸が高鳴る俺

「なんでもない」
胸の高鳴りを慌てて本を読むふりして誤魔化す俺

「どうしたの?顔真っ赤だよ」
突然慌てる俺に机の向こうから身を乗りだす葵

「近づくな」
胸のドキドキを気づかれてはならじと叫ぶ俺

図書館には似つかわしくない俺の叫びにざわめく人々

「失礼な奴だな」
苦笑いしながら呟く葵

「すまん、取り乱してしまった」
素直に謝る俺

「許してあげるから帰りも後ろに乗せてね」
ちゃっかり俺のチャリの後ろを予約する葵

「うん」
なんて横向いたまま返事するどうやら幼なじみの葵に妹分以上の感情が芽生えつつある俺なのだ



つづく
0136名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK06-fCQm)
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2019/07/16(火) 01:58:44.35ID:EgR9QE/CK
>>130
放置しても5chみたいにdat落ちはしないからその点は気楽ですよ(笑)
自分も絵のアーカイブが9割以上終わった感じなのでほぼ放置モードに入りそうです
あとは基本的に月初めに前月分をまとめて更新する感じで
0137名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b7b7-1IMR)
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2019/07/16(火) 22:13:43.95ID:ZA7xuUjX0
>>135
葵ちゃんの復活思ったほど話題になってませんけど、やっぱり嬉しいです
にしても語尾が「…葵」になるだけで俺くんが頼もしい存在になりますねw
0138名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b7b7-1IMR)
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2019/07/16(火) 22:17:49.41ID:ZA7xuUjX0
>>136
落ちないのは確かにいいですね
放置しないで新作頑張ってください!
0139名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK06-fCQm)
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2019/07/17(水) 08:52:20.46ID:gf7LXEziK
>>138
新作の絵のほうは坂道とは無関係な5chの板でちょこちょこ描いてますよ
アメブロはそれをまとめて分類整理するだけなんで

と言って昨日描いた最新作をサンプルとして貼ってみますが全くのスレチです(笑)
http://o.5ch.net/1htnq.png

スレ汚しはここまでにして去ります
皆さんの活躍を期待していますノシ
0140庭であります( ̄▽ ̄)ゞ(家) (ワッチョイWW 9b16-moRf)
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2019/07/17(水) 22:05:36.26ID:1Rnj2ElM0
>>137
崇拝してる理佐ちゃんと普通に好きな葵ちゃんの差ですかなw

>>139
たまには絵貼りに来てください(≧∇≦)
0141名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b7b7-1IMR)
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2019/07/17(水) 23:17:16.20ID:3bbGIcVO0
>>139
STUは全くノーマークだったんですけど、絵に釣られてホームページ見てみたらめっちゃ可愛いですねこの子
ぺーちゃんにもパン屋さんやって欲しくなりました

雑談スレを兼ねた小説スレとして共にやって来た歴史があるので、また何かいい作品があったら貼ってくださいm(_ _)m

>>140
女性にモテるのは間違いなく葵ちゃんVer俺くんですねw
0142夢で逢えたら 第9話 前編(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/18(木) 14:14:57.19ID:FchZ0wOO0
「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の...よ...め...zzz...」

今夜も親友澤部の兄貴が考案してくれた夢見術を試しながら寝落ちする俺

年下の幼なじみ葵には笑われたものの、、、

たとえ当て逃げされたとはいえ夢の中の美人理佐ちゃんと再び出逢えた俺

俄然力も入ろうというものだ





「う〜ん、まだ寝かせてくれ」
夢の中でも寝ている俺

「早く起きないと遅刻しちゃうよ」
なんて俺を揺さぶる女性の声

この声は?

まさか理佐ちゃん!?

夢とはいえ愛しの理佐ちゃんに起こしてもらえる好都合な展開に喜び勇んで目を開ける俺


「もう早く起きてよ!」

そんな期待を裏切り俺の目に飛び込んで来たのは膨れっ面した葵やないかい!


うおっ!?

夢の中だっと思ったら現実の世界やないかい、、、


「冬休み最後の日ぐらいのんびり寝かしてくれよ」
なおも俺を起こそうとする葵に文句言いながら布団の中に潜り込む俺に

「もう!なに訳の分からないこと言ってんのよ...早く朝ご飯食べて会社行かないとまた遅刻しちゃうよ!」

会社...?

なに言ってんだこいつ...?

「だいたい結婚してから1回も自分で起きたことないじゃん」
なんて文句言いながら布団越しに俺の背中を蹴るおきゃんな葵

「結婚!?」
葵の言葉に驚き布団をはね飛ばす目覚めバッチリな俺


ようやくにしてどうやらここは夢の中だと悟る俺

ここ最近の葵に対する気持ちの変化が理佐ちゃんでは無く葵との新婚生活なんて夢を見せてるわけか、、、
0143夢で逢えたら 第9話 後編(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/18(木) 14:17:32.84ID:FchZ0wOO0
「何か調子悪いから会社休むわ」
状況が分かったからにはわざわざ会社なぞ行く必要あるまいってなもんで寝転がる俺

夢を幸い葵とムフフw

なんてエロいこと企む夢の中では会社に勤める26才だけど中身は17才血気盛んな高2な俺なのだ

それに現実の葵にエロいことなんて照れが邪魔をして出来んからな、、、

なんて野心を胸に

「あ、あ、葵、ちょっと、、、こっち来なさい」
緊張にうわずった声で葵を手招きする夢の中でも小心な俺

「な〜に?私まで遅刻しちゃうじゃん」
いつの間にかOLスーツに着替えこっち見てる葵

「どっか行くの?」
案外似合うOLスーツの葵にちょっとドキリとしながら訊ねる俺に

「なに寝惚けてんの!会社に決まってるでしよ!」
朝の忙しさにそぐわない呑気な俺に苛立つ葵

「お前も働いてるの・・・?」
意外な展開に驚き隠せない俺

「俺君のお給料だけじゃ生活出来ないんだから当たり前でしょ!調子悪いからって記憶まで失わないでよ!」
俺に文句言いながら新婚の甘いムードも無く慌てて駆け出す葵

駅に向かって走る葵の可愛い後ろ姿を見送りながら俺が甲斐性無しなとこだけリアルな夢に苦笑いするしかない俺なのだった、、、


つづく
0144庭と呼ばれていた男(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/18(木) 14:19:31.06ID:FchZ0wOO0
>>141
残念なことに俺が投影されてる俺君は理佐ちゃんverの俺君(-o-;)
0145庭と呼ばれていた男(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/18(木) 15:43:00.50ID:FchZ0wOO0
Twitter関係の方からリクエストなんですが

女性であることを隠して阪神のリリーフエースとして活躍するてちとそれを支えるトラというキャッチャーの間に芽生える恋をテーマに書いて欲しいらしいんですがよろしくお願いしますm(__)m
0146名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-hT5v)
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2019/07/18(木) 17:19:34.53ID:FCZkYcAqK
てち「何だ?どうした?」
とら「大丈夫かい?さくら」
てち「その寅さんかよ」
とら「結構毛だらけ猫灰だらけ」
てち「わざわざタイムかけてネタやりに来たのかよ」
とら「いやいや、女房役として二死満塁のピンチに駆けつけたわけやないかい」
てち「それなら最初から真面目にやれよ」
とら「でも男の俺が女であるお前の女房役ってのも時代の最先端って感じだよな」
てち「こら!聞こえるだろ」
とら「ところで本当にこのピンチ、どうするんだよ」
てち「どうするって、ピッチャーなんだから球を投げるだけだよ」
とら「それを言っちゃあおしまいよ」
てち「まだやってんのかい」
とら「俺はお前をここで負け投手にしたくないんだよ。だから妙案がある」
てち「どうすると?」
とら「ここでお前お得意の肩だか腰だか痛いっていう狂言を出してマウンドを降りろ」
てち「狂言じゃないわ」
とら「小林あたりなら喜んで代役やりそうだから責任押しつけられるだろ」
てち「ひどい話だな」
とら「そんなに言うなら何か対案はあるのかよ」
てち「あと1アウトとればいいんだろ。確かに次は強打者だからランナーを刺して試合終了ってのも考えてるよ」
とら「なるほど、牽制死を狙うのか」
てち「普通に牽制球投げても引っかからなそうだから、バッターに投げる雰囲気を出してからギリギリで…」
とら「今日の吸血鬼は厳しいから心配だけどな」
てち「バンパイアじゃなくてアンパイアだろ」
とら「何故わかった」
てち「でも確かにボークとられたらおしまいだな」
とら「…からの?」
てち「ボークは嫌だ!」
2人「お後がよろしいようで〜」



全くラブストーリーっぽく無いんですがどうしましょう
0147庭と呼ばれていた男(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/18(木) 21:51:04.21ID:FchZ0wOO0
>>146
まさかのチワンさん復活だけど全然イチャイチャしてなくてワロタw

リクエストに応えていただきありがとうございますm(__)m
0148ローシェンナ(茸) (スッップ Sd5f-OvT2)
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2019/07/18(木) 21:56:40.11ID:jXJX6PvYd
頭が小刻みに振動する。そうして僕は目覚めた。
欠伸をして、伸びをして、辺りを見渡すと、車内は座席の前が全て人で埋まっている。
「そろそろ着くよ」
白い頬に張り付いた髪を小指の爪で払って、尾関は言う。
「ああ、ごめん寝てた。」
人様の肩を借りるのは初めてのことだったが不思議と安心した気持ちにあった。
「いいよ。ぜんぜん。」
リュックをだき直して尾関は立ち上がる。
それに合わせるように列車はホームへ滑り込む。
「じゃあね」
乗り換えのため尾関と男と半分寝たような状態の志田がこれまた尾関に起こされて出てゆく。
その駅はターミナル駅で車内は僕らが乗り込んだ時よりもずっと人がいなくなった。
生欠伸をして思いっきり伸びをする。
肩と腕の関節が痛む。
軽くそこをマッサージしつつ、エスカレーターへ連なる人波を動き出した列車から見送った。
ハワイアン柄はそのとき視界に現れた。
「わたし、告白されちゃった」
という言葉と共に。

「いつ?」
何も言わず僕の隣に座る。
それを待っていたかのように列車は速度を上げた。
「さっき…寝てたから気づかなかったか」
「たぶん。それで返事は?」
眼差しだけが雄弁に物語る。
しかしそれが読み取れない。
「してないよ。」
「どうするの?」
「どうしてほしい?」
「どうしてほしい?」
0149ローシェンナ(千葉県) (ワッチョイW ff15-OvT2)
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2019/07/18(木) 21:57:23.37ID:ZjMRIlu40
僕は言われたことをそのまま反復した。
「どうしてほしいんだろう?」
「質問に質問で返すなよ。」
ハワイアン柄は袖を触って言う。
至って冷静だ。
「ねぇ、なんですぐに返事しなかったか、気づいてよ」
扉が開いた。古いドアだ。随分音が五月蝿い。
「じゃあ、ね。」
家々に囲まれたホームにハワイアン柄は溶けて行く。
僕はすぐに答えられなかった自分を悔いた。


「そりゃ脈アリだね。いや、というか好きって言ってるようなもんじゃん。」
リビングの椅子へ逆向きに座り、スプーンを口にして答える。
「そうなの?」
鳩サブレを差し出す。頼まれたのだ。
「ありがと。そうでしょ。」
テーブルの上には付箋だらけの台本。
「舞台、近いの?」
「うん。来週からだし。」
「あれ?このまえは来月って言ってなかったっけ?」
「え?嘘だぁ。」
台本の表紙を見る。
「あ、ほんとだ来月からだ。焦ったぁ」
「ほんとポンコツだなぁ」
「うるさいなほんとに」
人差し指で小さく僕を指さす。
「次は主役なんだからね。愈々。」
胸を逸らしてふふん、と息を漏らし自慢げ。
「でも勘違いしてたでしょ、」
「ムカツクゥこいつ」
握り拳を作ってゆらゆらさせる。
口元の黒子が椎名林檎みたいと思う。
「でもさ。告白されるまえに、告白しなよ、あんた。」
「なんで?」
「そりゃぁ、そうでしょ?告白すんのってほんと緊張するんだからね。女子にそんなことさせるなってこと。」
「たまにはいい事いうじゃん」
「そうでしょ?」
「というか台本にアイス零れてるけど」
細かな活字に赤いボールペンの書き込み。
それを滲ませるバニラ。
「ああ、やっば。」
姉は、こういう人である。

ところで姉は現在下北沢の方で劇団員をやっている、立派な女優だ。
女優というのは優れた女と書くが、台本を無くす、約束をドタキャンする、アイスをこぼす、人の名前を間違えると三拍子いや、四拍子揃ったポンコツでけっして優れてはいないが、しかし何処を歩いていても華やかで目立つあたりやっぱり優れた女なのだろう。
カールの巻いたチョコレート色の髪はまるでどこかのお嬢様みたいだ。名前の玲香もそれに相応しい。
鳩サブレに夢中な姉を放り出して2階に行く。
「告白ねぇ」
そして僕は誰もいない部屋に寂しさを覚えながら独りごちた。
0150ローシェンナ(千葉県) (ワッチョイW ff15-OvT2)
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2019/07/18(木) 21:58:09.74ID:ZjMRIlu40
特快が止まらない。そして、
国分寺、立川を目前に終点となる。
そのため武蔵小金井行きは死ぬほど評判が悪い。
総武線快速における津田沼行きみたいなものでどこへゆくにしても絶妙に中途半端なのである。
僕はそんな中途半端な武蔵小金井行きに乗ることを常としている。なぜなら、最寄り駅がその武蔵小金井駅だからである。そしてそのうえ、なんと言っても空いてる。
中央線快速はいつも通り通勤時間帯の混雑で8分遅れていた。数分の遅れなど中央線快速にとっては通常運転みたいなもんだ。
列車はさすが不人気なだけあって人がまばらで、僕は車内を見渡し颯爽と居眠りと決め込む。だから肩をつつかれた時は少々驚いた。
なぜか?乗り過ごしたと思ったからである。そのため、よく見りゃその正体が見慣れた顔じゃないかとわかって僕はほっ、とひと安心したのだ。
「これ、この前のシャツ返すね。ありがとう。」
「Next,stop is Mitaka.Left side will open.」
小声がアナウンスに被る。
そのせいで僕には、
「この前のシャツ side 。ありがとう、open」に聞こえる。心底可笑しい。
「どうも。」
GUと書かれた袋にそれは入っていて僕は袋ごと畳んでリュックに突っ込んだ。
「てっきり寝過ごしたかと思った。」
そう言うと、
「よく寝てたね。」
ひとつ飛ばしに空いた席がほとんど。しかしよく見れば先頭の車両は3人がけの端や真ん中が空いている。にもかかわらず僕の隣に座っている。
「どこから乗ってきたの?」
「うん?御茶ノ水。」
僕は東京駅から乗り、御茶ノ水に入線する数分の間で、可及的速やかに寝落ちしたらしい。
「そうなんだ。」
道理で右腕が暖かいわけだ。
「ねぇ、今度さ鎌倉行かない?」
「誰と?」
黙って僕の方を指さす。
「良いの?」
思わず訊ねる。こういうのは女友達とかと行くんじゃないのか。
「いいよ。ただし。」
少し無言になる。その間に東小金井駅へ滑り込む。つまり少し無言ではなくだいぶ無言だったわけだ。
「2人だけでね。尾関とか愛佳とか、誰にも内緒ね。」
その日は試験があったがそれどころではなくなった。
0151ローシェンナ(千葉県) (ワッチョイW ff15-OvT2)
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2019/07/18(木) 21:59:55.39ID:ZjMRIlu40
「鎌倉好きなんだ、わたし。」
利用客が6万人くらいだからそこそこ人がいるのに、人がいない駅と勘違いされている武蔵小金井駅を出て大学へ歩く。本当はバスが近いが時間があるので歩くことにした。
「だからこの前の海も」
「そう。わたしが決めたの。ここ行きたいって。」
「そう言えばさ、告白の返事どうしたの?」
何の気なしにいちばん聞きたかったことを聞いた。
体の曲線がくっきりと現れたワインレッドのリブニットにイエローのロングスカートが夏の風に撫でられる。スタイルの良いからその服装がとても似合っている。たとえ小金井市から浮いていたとしても。
「断ったよ。」
電柱に視線を逃がして答えた。スレッドラインショルダーの白いバック。ショルダーのあたりを握り直す。
「そうなんだ。」
「鎌倉いつ行く? 」
携帯のカレンダーを確認する。結果的に再来週の木曜日になった。

「なににやにやしてんの?」
隣からそんな関西弁が聞こえる。
「にやにやってなに?」
「なにじゃないし。めっちゃにやけとったよ?」
きめ細やかな絹織物のような白い肌に大きくそして美しく濡れた眼が僕をのぞき込む。
黒のシャツが肌の白さを引き立たせている。
「そうかな?」
「なんかあったん?」
金色の髪がエアコンに当たって揺れる。
「いやなんにも。」
「えぇ、教えてくれへんの?けち。」
頬杖をついてそっぽを向く。
「まぁまぁ、そんな怒らんといてやみいちゃん」
「関西弁めっちゃムカつくんだけどぉ。あとうちのことその呼びかたしとるのあんただけやで」
iphoneのベゼルについた汚れを気にしながら、ポケットにしまい込んで言う。
「まぁ、いいじゃん。」
「同じ高校からここきたのうちとあんたとねるだけやからいいんやけど。」
机に付して首をふる。そうすると甘いシャンプーの香りが漂う。
「そういえばねるはどうしてんの?」
起き上がって僕に聞き返す。
聞こえなかったみたいで、もう一度言う。
頬に机の四角い跡を作りながらみいちゃんは答えた。
「うーん。スイスの大学に留学にいったみたいやけどなぁ。」
「よくわからないの?」
みいちゃんはうなづいて通路を見る。
気配に気づいたのか。
「土生ちゃーん」
と嬉しそうに頬を緩め声を大きく、
土生のもとへ行く。
そして空席になる隣の席。
あとにはエアコンのかび臭い香りと妙に爽やかな柔軟剤の残り香が漂う。

「あ、よかった空いてた」
授業が始まって15分ほど経って、騒がしい足音で尾関がやって来た。
そういって僕の隣に座る。
その瞬間、ふわりと日焼け止めの香りがした。
白のワンピースに髪はハーフアップで左右に下ろしている。
「ねぇ、理佐と鎌倉行くんでしょ?」
「…なんで?」
呆然とした。なんで知っているのか?
「理佐が嬉しそうにしてるから愛佳が問い詰めたらそう喋ってたよ」
無邪気にそう語る。
「誰にも内緒はどこにいったのか。」
僕はそう呟いてノートに目を落とした。


0152庭と呼ばれていた男(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/18(木) 22:30:30.67ID:FchZ0wOO0
>>148>>151
続編きた〜Ψ( ̄∇ ̄)Ψ
0153名無しって、書けない?(東京MX) (ワッチョイ 7f25-DGEx)
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2019/07/19(金) 23:46:39.61ID:5lN7/bUZ0
保守

「土田ニチャア」スレと「ジャップ」スレが異常に繁殖して、dat落ちしやすい状況になっているようなので保守しておきます。
0155コーラルレッド(茸) (スップ Sd5f-OvT2)
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2019/07/20(土) 12:02:50.89ID:3HVcxOmVd
お昼少し前の鎌倉駅には僕らの他に志田と尾関が居た。
「ごめん。」
秘密と言っておきながら喋ってしまった張本人の眼差しが必死に僕へ謝っていた。これは見なかったことにしよう。
「ねぇ、どこ行く理佐」
志田は眼差しで謝る人の腕を組んで馬鹿みたいにはしゃいでいる。
「えー、どこいこっかな」
駅前のロータリーを見回していう。
「なんかおち込んでるけど?」
僕の隣で尾関が何故か嬉しそうだ。
「逆になんでそっちは嬉しそうなんだよ」
「嬉しそう?そうかなぁ」
「先行くよ」
そうこうしているうちに外国人観光客の間をすり抜けて志田が先へゆく。
「行こうか」
尾関が短いブラウンの髪を後ろだけ束ねて言う。僕はその仕草を一瞥してしまった。
そして、そのときの妙な胸の緊張に知らないふりをした。

水彩画のような青空が頭上にどこまでも広がってゆく。
「ねぇ、落ち込んでる?」
コロッケを口いっぱい頬張りながら尾関は僕の顔をじっと見る。
「そりゃ…2人で行きたかったからね」
僕は観光客と修学旅行でひしめき合う小町通りの茶屋にあるベンチで呟く。
「でも理佐が喋ったのが原因だからね」
「でもなんで尾関までくるかね」
「愛佳が来てわたしが来ちゃダメなの?」
「まぁ…でも…」
通りの中でもやたら混雑してる和菓子屋があり、その店先の列に喋っちゃった人と志田がいる。気がつけばもうお昼で。だけどそんな気分じゃなかった。
「ねぇ、どっか行こうか…?2人で」
その言葉は突然だった。
「へっ?」
僕はそう聞き返すが、
「行こ」
とそれだけいい、僕の話を聞かず、手をとる。
項には、汗がガラス玉みたいに光る。
夏木立の雑踏が静寂に呑みこまれてゆく。


ざわめきを遠ざけて竹林が空に伸びる、タイル地の小路へ抜けた。
「ごめん…手…」
尾関はそっ、とはなそうとした。
「いや…いいよ、このままで」
僕は離そうとする手を握り直す。
「でも…」
尾関は何故か心配したような寂しいような顔で僕をじっとみる。
「ありがとう」
柔らかな感触がもどってくる。
「理佐のこと好きなんだ…よね」
「ああ…まぁ。」
アスファルトの反射熱で蒸された風の間で、そっと冷たい風がひと吹き。
尾関の髪を、撫でて山並に消えてゆく。
「理佐、好きなんだ…そっか、でも好きなんだけどな。」
「何?」
冷たい風に煽られて聞き返す。
「なんでもない。お腹すいたなぁ 」
尾関は急に僕の前に出て後ろ手を組んで空を見上げた。
「どこか入ろうか」
「うん」
尾関は振り向かずにそう言った。
僕は辺りに店が無いか探した。
その瞬間ポケットが震えた。
0156名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW ff15-OvT2)
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2019/07/20(土) 12:03:41.84ID:3sgOX1aY0
保守がてら
0157夢で逢えたら 第10話(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/20(土) 12:38:47.58ID:peKl4fvo0
「ちっ、エロいことしそこなっちゃったか」

駅に駆けてく年下の幼なじみ葵の後ろ姿をベランダから見送る夢の中で葵と新婚さんの俺

「まぁいいや、葵は葵としてもうひと眠りして理佐ちゃんとイチャイチャや」
なんて夢の中に居るの忘れて理佐ちゃんの夢を見ようと企む迂闊な俺

「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃん...は俺...の...よ...zzz」
見事夢の中でも夢見術実践しながら眠りにつく俺




「早く起きなよ!」

理佐ちゃんに逢おうと眠りにつく俺を揺り起こす葵

「う〜ん...せっかく会社バックレたんだからもう少し寝かせてくれ〜」
なんて布団にしがみつく俺

「なに寝惚けてんのよ!」
寝入りばな直後の俺を叩き起こす会社に行ったはずの幼妻葵

「寝惚けてねえよ〜お前こそ会社どうしたんだよ?」
なんて葵にブーたれる俺

「なんで中3の私と俺君に会社が関係あんのよ」
ブーたれる俺にボディープレスかます悪のりな葵

「うん!?中3と高2・・・」
狐につままれた気分とはこの事なりな俺


なんてこったい!?

夢の中で理佐ちゃんの夢見ようと寝たら現実の世界に戻って来ちまった!?

どうやら現実の世界で眠ると夢の中で目を覚まし、夢の中で眠ると現実の世界で目を覚ますらしい、、、

「いつまでも寝惚けてないで目を覚ましなよ...」
現実と夢の深淵な繋がりに呆然としながらも胡蝶の夢を地で行く俺を呆れながら苦笑いする葵

幼なじみゆえの安心感からか布団越しとはいえ俺の上に乗っかりながら笑う葵に

理佐ちゃんの夢は見れなかったけど葵と新婚さんな夢も悪くなかったな、、、

なんて胸の内で呟く俺なのであった、、、


つづく
0158庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/20(土) 12:40:26.19ID:peKl4fvo0
俺も保守がてらw
0159庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/20(土) 12:45:07.55ID:peKl4fvo0
>>154
乙でありますm(__)m

誰なのか全然分からないw


>>155
尾関にこうゆう役柄属性があったとは気づかなんだ

切ない尾関に乾杯(  ̄ー ̄)ノ
0160名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-hT5v)
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2019/07/20(土) 14:28:42.77ID:brfx6ZGmK
>>159
誰だか気になった大阪府先生が調べてくれるかも知れませんが(笑)
現在、4枚目の絵の服と髪飾り違いみたいな写真が表紙になったファッション関係の雑誌が書店に並んでまして
普段はこんな感じの子です
http://o.5ch.net/1hhz4.png
0161七夕(千葉県) (ワッチョイ ff15-omgX)
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2019/07/20(土) 16:44:14.60ID:3sgOX1aY0
七夕に間に合わせようとして間に合わなかったものを供養がわりに
0162七夕(千葉県) (ワッチョイ ff15-omgX)
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2019/07/20(土) 16:45:42.99ID:3sgOX1aY0
「願い事?無いなぁ。」
飛鳥はそう言って笹の葉を指先で弄んだ。
「ほんとに何にも無い?」
そう聞くと弄ぶのをやめて
「無いよ。天の川にお願いしなきゃ叶わないような願い事なんて。」
「じゃあ天の川にお願いしなきゃいけないようなことじゃ無い願い事はあるんだ。」
訊かれると思ってなかったのか。飛鳥は上を向いて黙る。鼠色の曇天。彦星はどうやら会えそうに無い。
「ううん。願い事?そうだなあ・・・・あ、じゃあ・・・いやなんでも無い」
飛鳥は少し頬を緩ませたがそれを僕に見られていたと知るとすぐさま表情を固くする。
「あれ。飛鳥さんどうしたんですか」
僕の背後で声がする。それは全く突然のこと。
「あら。織姫がいらっしゃったじゃないですか」
僕の背後を見て飛鳥はそういう。振り向くと奴がいた。
そうねるだ。一応現在付き合っているということになっている。
「じゃ、私はこの辺で」
飛鳥は此れ幸いとキャンパスの正門へ小走りにさっていった。
「ねぇ、飛鳥さんと何話してたと?」
飛鳥が居なくなるとねるは僕の眼の前に現れてじっと僕を見る。
「なんでも無いよ。」
「怪しい。」
ジトッとした目で僕を見る。
「話があるの。」
ねるはそう言って僕をじっと見た。

「へえ。で別れたと。」
飛鳥は”モンブランとイチゴのカスタードワッフル”を小さな口をフル稼働させて食べる。それは小動物みたいで思わずじっとみてしまう。
「なんだよ。」
「いやなんでも無い。」
「ふうん。あっそ。」
「ところでさ。この前の願い事って何?」
「願い事?」
「願い事ねぇ。うん。それ聞いてどうすんの?」
「どうもしないよ」
どうもしないねえ。
飛鳥は僕の言葉を反復してワッフルのひとかけらを味わう。
上を向いて、ゆっくりと。惜しむように。黒髪を耳にかけて。
「でももう七夕終わりなんですけど。」
「まあそりゃあね。」
「ね。ところで私が好きな人って誰だかわかる?」
大学の学生ホール。喧騒は消えて僕らだけになる。
「誰よ。」
「質問に質問で返すなよ。今野かよ」
飛鳥はジトッとした目で僕を見る。
「言っとくけど。お前じゃ無いからな。」
飛鳥はしっかりそう宣言する。
しかしその後で’’そんなこともないけど’’とつけたしたのを聞き逃さなかった。
「実はさ。あんたの”元”カノの長濱先生、好きだったの。私。」
「ああ?」
椅子を引いて立ち上がる。また雑踏が戻る。飛鳥はその様子を見て笑う。
「アッハッハハッハ。うそうそ。」
さらに続けて、
「約束したじゃん。忘れた?」
「いつ?」
飛鳥は思いっきり不機嫌になる。珍しい。
「だから長濱先生にも嫌われるわけですよ。」
飛鳥は後ろ髪を持ち上げて腕に巻いていたゴムで髪を束ねる。
「もしもあなたが振られたらその後釜に私がなるって言ったの忘れた?」
「え?」
記憶にございませんとはいえない。その場で固まった。
0163名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 4fb7-F28L)
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2019/07/20(土) 18:43:39.57ID:1V9Jqssb0
>>153
保守どうも

>>157
何だかんだで理佐ちゃんが物語を乗っ取りそうですねw
夢の使い方がなかなか上手くて、どう収束に向かうのか楽しみです

>>160
最近はイコラブとかIZ*ONEとか派生グループが増えてきましたね
未だにどんなグループかわかってないですけど

>>162
飛鳥ちゃんってメンバーに対しても相当な頻度で敬語使ってますよね
皮肉混じりの敬語がいいアクセントになっていて、聞いていて面白いです

大人なのか子どもなのか分からないような掴みどころのない人柄も描かれていてすごいです
0164名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (選挙行ったか? KK8f-hT5v)
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2019/07/21(日) 18:33:51.75ID:6JU/eAo0KVOTE
保守のついでに
>>163解説

『=LOVE(イコールラブ)』
代々木アニメーション学院というところのバックアップによって出来た12人組の女子アイドルグループ
プロデューサーはあの指原莉乃
アイドル兼声優を目指すというコンセプトで指原はオーディションの段階から関わっており、楽曲の選考と作詞も手がけている
因みに指原にお鉢が回ってきた大きな理由は秋元氏が代々木アニメーション学院のお偉いさんになったから
最近≠ME(ノットイコールミー)という同じく12人組の妹分グループもできて、この夏のアイドルフェスにも初登場する模様
0165名無しって、書けない?(千葉県) (選挙行ったか?W ff15-OQql)
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2019/07/21(日) 19:34:02.58ID:2nFO00Wt0VOTE
携帯変えてメモが消えそうな保守
0166庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/22(月) 09:32:22.05ID:PVastFvC0
>>163
当初の予定では直ぐにでも理佐ちゃんがメインになるはずが何故かスローな展開になってますw
0167夢で逢えたら 第11話 前編(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/22(月) 13:30:48.61ID:PVastFvC0
「OLの私が夢に出てきたんだw」

我が家の居間で炬燵に温まりながら無神経に笑う年下の幼なじみ葵

「OLの私どうだった?」
葵に誘われ炬燵に入る俺に夢の詳しい内容を聞いてくる葵

「あんまり覚えてないけど遅刻しそうだ〜!?って叫びながら駅に駆けってたぜ・・・」

照れくさいので新婚さんだったことは言わずに適当にはぐらかす俺

「ちゃんと覚えててよ」
なんて頬を膨らまし炬燵の中で俺の足を蹴るおきゃんな葵

「夢なんてあやふやなんだから仕方ないだろ」
手加減しながら蹴り返す優しい俺

「何才ぐらいだったのかな・・・OLだったら大人っぽかった?」
などと目を輝かすもなんだったら現状小2に見える葵に

「小2に見えたよ」
なんて夢の中では俺が26才だったから葵は24才でそれなりに大人っぽく見えたが正直には答えない思春期特有な複雑さを見せる俺

「もう!バカ!」
再び頬を膨らませミカンを投げてくる葵


やはりガキだな、、、

たとえ一時とはいえこんなお子ちゃまと新婚さんになる夢を悪くないなんて思った自分に後悔する俺


「俺君は何やってたの?」
膨れっ面になりながらも俺のためにミカン剥いてくれる葵

「何やってたかな・・・?覚えてないや」
やはりはぐらかす都合良く記憶喪失になる俺

「頼りないなぁ」
なんて呆れ顔する葵
0168夢で逢えたら 第11話 後編(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/22(月) 13:31:19.15ID:PVastFvC0
「という訳で冬休み最後の日にお前に構ってる暇はない」
葵に宣告して再び夢の中に赴こうと炬燵で横になる俺

「何がという訳でなのよ、馬鹿らしいから夢見術なんて止めちゃいなよ、たいして効果ないじゃん」
そんな俺を横目に見ながら呟きミカンを口に放り込む葵

「効果は出とるんじゃ」

葵と新婚生活してるという夢の設定に『理佐ちゃんは俺の嫁!』という夢見術の呪文の効果を確信した俺

「効果って当て逃げされたのが効果なのww」
何を勘違いしたのか腹を抱えて笑い出すやはり小2やないかい!な葵

「笑ってんじゃねえ、お前が嫁で登場しなければ理佐ちゃんと新婚生活してる夢が見れたはずなんじゃ!」
笑う葵に挑発されてうっかり覚えてないはずの夢の内容を喋ってしまう粗忽な俺

めっちゃ恥ずかしい、、、

なんて後悔半端ない俺


「ごめん・・・そんな夢見てるなんて知らなかったから・・・」
何故か俺より遥かに恥ずかしそうな葵



夢で見た葵との新婚生活が現実になるのも悪くないかも知んないなんて思いながら炬燵に丸まる俺なのだ、、、



つづく
0169名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-hT5v)
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2019/07/22(月) 23:30:21.85ID:/dropXAxK
保守ついでの
>>163解説後編

『IZ*ONE(アイズワン)』
韓国で放送されている「プロデュース101」という番組の特別編「プロデュース48」からできた12人組の日韓混成のアイドルグループ
番組の趣旨はアイドルグループ候補生たちの練習風景や課題の成果・パフォーマンスなどを番組視聴者が審査し、その投票結果でメンバーが選別されるスタイルで、この企画にAKBGから40名弱が参加し、最終的には3人が残った
3人は2年半IZ*ONE専任で活動する契約になっている
日本でも曲を出しているので日本の音楽番組出演やコンサート、CDショップなどでのイベントも比較的頻繁に行われているようです
0170名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/23(火) 21:18:18.87ID:2lMc4DoN0
あげ
0171名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-hT5v)
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2019/07/24(水) 14:11:04.15ID:RenjBSnhK
Yahoo!ニュースでやっとねるが卒業することを知りましたという保守
0172夏は理佐ちゃんの季節(家) (ワッチョイWW 8f16-Uo1s)
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2019/07/24(水) 14:36:37.38ID:CikRAAJx0
>>171
情弱が過ぎますぞw
0173名医長沢(千葉県) (ワッチョイW ff15-Iv9J)
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2019/07/24(水) 16:34:23.58ID:ljkKLlQh0
「バラバラに散らばる〜」
長沢は鼻歌を歌いながらメスを指揮棒みたいに振る。
「電メス持ちながら花葬歌うなよ。」
そう言った彼女は左右に垂れた細い髪に細い躯。白のシャツにジーンズ、青のキャップを被っている。
「いいじゃん」
長沢は電メスを診療台の上に置くとクーラーのリモコンを探す。
「ねぇ、この病院って人来るの?」
「来るよ。5年に一度」
「万博かよ。ここはなんかのパビリオンになるんかい」
「相変わらずゆいぽんツッコミスキル高いね」
先程登場したシャツにジーンズのオシャレな人物は長沢の近所でカフェをやっているゆいぽんこと小林由依である。
この医院は基本的に小林を追いかける織田と小林が交互に訪れることによって成り立っている。物語が。
「カフェの方はどうなの?」
長沢は前髪を指先で掻き分けて言う。
「喋り方HYDEに寄せるなよ 」
ゆいぽんはそういって目を細める
「違うよタモリのモノマネしてるコージー冨田だよ」
「誰がわかるんだよ」
こんな会話をいっつもしている。
窓の外は梅雨明けの突き抜けた青空が広がり、その下では蝉が呆れたようにないていた。
0174夏は理佐ちゃんの季節(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/25(木) 08:22:19.09ID:N9HgViXI0
あげ
0175名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (FAX! KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 00:22:10.57ID:xXQSsx+dKFOX
疲れながらとりあえず保守
0176【Happy Home(1)】(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 13:45:20.45ID:xXQSsx+dK
「じゃあ、次は明後日ね」
「ありがとうございました」

そういう会話をしながら聴診器や点滴の道具を手際よく鞄につめて、先生は部屋を出て行った。

バタン…

閉じられた扉の向こうで今度はママの声。

「先生ありがとうございました。もう迎えは来てますので」

私の部屋に窓がないのでわからないけど、今日も外は大雨らしい。先生を乗せた車がバシャバシャとすごい水音をたてていたもの。

もう、どのぐらい経ったんだろう。1か月ぐらいかな。

たしかにそれまで私、頑張りすぎてたかも知れない。
地下アイドルからあのグループのメンバーになって、自分なりに頑張って注目してもらえたけど、いろいろ辛い目にもあって休んで、結局辞めることになって。
卒業後もグラビアとか舞台とか懸命に取り組んで。
この数年間、心も体も休まらなかったもんね…。
そしてある日突然高熱を出して全く動けなくなって、朦朧として意識を失って…気が付いたらこうして家のベッドで寝てた。
私が目をさましたとき、ママが号泣してた。
その時はとてもとてもホッとして嬉しかったけど、同時にものすごく申し訳なくて
「ごめんなさい!ごめんなさい!」って泣き叫んでしまったのを覚えてるなあ。

その日から私はこの部屋から出られず…ていうか、ベッドから降りる体力も無くて、こうして先生の往診を受けながら点滴してもらってるわけで。

左肘の点滴痕に貼られた絆創膏を撫でながら、さらに細くなった腕を見てため息をつく私。
先生も「慢性疲労ですね」としか言ってくれないけど、いつになったらよくなるのかなあ…?

…とか考えていたら

トントン…ガチャ

私が返事する前にママが何やら持って入ってきた。

「何その薄気味悪い飲み物?」
「タピオカっていうらしいわよ。今、若い女子に大ブームだって聞いて。まだなかなか食欲わかないみたいだからこういうのもどうかって思って」
「ありがとう…うわ!超甘いじゃん」
「すごいカロリーらしいわよ。体力もつくかも」
「ていうかさ、こうして毎日ベッドでじっとしてたら食欲わくわけないじゃん」
「でも運動だって先生の許可がないと」
「せめてトイレに行くぐらいはなんとかならないのかな」
「ママが全てやってあげてるでしょ」
「そう言う問題じゃなくてさ…」

私がそう言うと、ママの目から突然涙が…。
0177【Happy Home(2)】(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 13:47:53.05ID:xXQSsx+dK
「え?あ…ど…どうしたの?ご、ごめんなさい…」

私が咄嗟に謝ると、ママは今度はフフッと笑いながらこう言った。

「いや、謝ることじゃないのよ。こうしてまた2人で言い合いできるようになったのが本当に嬉しくてね」
「言い合いって…」
「あなたはいつまでもママの宝物だから」

そう言われた瞬間、私の背中にゾクゾクッと何かが走るのを感じた。
「幸せ」っていうやつなのか、よくわかんないけど、でもなんか、ちょっと違うような、何か…

そんなことをちょっと思ってる間に、ママは部屋を出て行ってしまった。
0178【Happy Home(3)】(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 13:50:29.87ID:xXQSsx+dK
その2日後、約束通りまた先生は来てくれた。
いつも通り診察をして、栄養剤の点滴。
そしてまた2日後と告げて帰る。
今日もまた大雨みたいな音がした。

「…」

先生が帰ったあと、私はしばらくじっと黙って聞き耳を立ててみた。

自信はないけど
扉の向こうに誰もいない気がしたからだ。

「(これはチャンスかも知れない…)」

実は最近、何かおかしい、何かおかしいとずっと考えるようになっていた。
この部屋は確かに私の部屋なんだけど、何かおかしい。
ママは何かを隠してるんじゃないかって。
だから私を部屋から出さないように仕向けてるんじゃないかって。

だって、先生が帰るときにやたらバシャバシャと音がするのに、雨音自体はほとんど聞こえないし
それに家に帰ってきてから、思えば1回もあの奇声を聞いてないし。
パパやお兄ちゃんたちには1回も会ってない。

スマホとか取り上げられてるのも、エゴサしてまた病んだりしないようにっていう理由だけじゃないような気も…

だから、とにかくこの部屋から出てみたいってずっと思ってて。
そしたら何かが変わる気がしたんだ。

私は意を決して布団をはがし、ベッドの脇に降りてみた。
うん、何とか立てる。でもさすがに雲の上みたいにフワフワするなあ。
雲の上に立ったことないけどね(笑)。

そして恐る恐るドアに近づいて、大きく1回深呼吸して、ドアをそーっと開けた。
すると…
0179【Happy Home(4)】(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 13:52:44.49ID:xXQSsx+dK
「!!!???」

私は自分の目を疑った。

私の部屋のまえは廊下になっていて、向かい側が両親の部屋、右に行くとダイニングキッチン、左にトイレとお風呂、のはずなのに…
ドアを開けたときにそこにあったのは、小さな部屋だった。

右手奥に小さな調理台と、その前に小さな椅子とテーブル。左手にソファーベッド。

「どういうこと!?ここはどこなの?」

思わず大きな声が出てしまったが、反応は無かった。
窓からはさんさんと日光が降り注いでいる。
やっぱり大雨じゃなかったんだ。

一瞬で大混乱に陥った頭をなんとか整理しようと思ったが、それは無理だった。

どのぐらい呆然と立ちすくんでいたのか覚えていないけれど、ふと我に返った私の目に入ってきたのは、玄関らしいドアだった。
やはり、ここも開けなければ。

なんとか玄関のところまでたどり着き、鍵を開け、ドアを開いた。

外の世界から飛び込んでくるまばゆいばかりの光。そして…

「何これ…?海…!?」

玄関の外に広がっていたのは、キラキラと日光を反射するどこまでも広がった水面だった。
先生が帰るときのバシャバシャした音はこのせいだったのか。

「でも、これ…どこなの!?」

思わず玄関でへたり込んでしまったのは、眩しさや貧血のためだけじゃなかったと思う。
事態が全く呑み込めない私の耳に、徐々に近づいてくる水音が聞こえてきたのはその後だった。
0180【Happy Home(5)】(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 13:55:15.12ID:xXQSsx+dK
「ご苦労さま。早く行ってちょうだい」

ボートから買い物の荷物と一緒に降りてきたママは運転手にそう言ってお金を渡した。
ボートはバシャバシャと音をたてながら水平線めがけて戻っていった。

「気持ちはわからなくもないけど、無茶しすぎはダメよ」

ボートを見送って振り返ったママは、私を叱らず、優しく背中を撫でてくれた。

「ねえ、ママ、ここは一体どこなの?」

私は胸の中に湧き上がった疑問をぶつけた。

「おかしなこと訊くわね〜(笑)あなたの家じゃないの」
「違う!間取りだって違うし、第一、こんな海の中に…」
「海じゃないわよ。波だって立ってないでしょ」
「じゃあどこなの?私からスマホ取り上げたのも、エゴサしてしまわないように遮断する目的だけじゃなくて、きっとGPSでどこなのか調べられて不審がられないように…」

ママは私の言葉をニヤニヤしながら聞いていた。

「大当たり!って言ってあげたいとこだけど惜しいんだなあ」
「もったいぶらないで説明してよ!」

私の語気の強さにもうはぐらかせないと思ったのか、ママは急に真剣な眼差しになった。

「あなたは知らないほうがいいと思って黙ってたんだけど」
「私は真実が知りたい。ごまかさないで」

「わかったわ。じゃあ落ち着いて聞いてちょうだいね」

ママは家に入ると茶箪笥に向かい、引き出しから封筒を取り出した。

「あなたが高熱を出して倒れてから再び目を覚ますまで、10日間もあったのよ。その間に私はあなたと2人でここに来たの。
この場所と家を確保するまで、ママは本当に死に物狂いであちこち掛け合って、その10日間ほとんど寝てないんじゃないかってぐらいだったわよ。これが母親の愛ってものなのかって自分に感動したわ」
「2人って…パパやお兄ちゃんはどうしたのよ」
「みんな私の計画に反対したから縁を切ったわ」
「えっ…?離婚…したの?」
「そんなめんどくさい手続きをやってる暇は無いから勝手に出てきたわ。私たちの居場所は絶対に探すなって書き置きして。もしそういう動きを感知したら私たち無理心中するからって」
「な、なんてことを…」

私は体のあちこちが震えてくるのを感じた。

「ほらね。やっぱり知らないほうがいいことも世の中には…」
「どうして…どうしてこんなことを?」

それでも食い下がってくる私に、ママは封筒から出した1枚の紙切れを見せた。
0181【Happy Home(6)】(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 14:56:23.94ID:xXQSsx+dK
「これが入院したときにわかったあなたの病名よ。進行性の難病で治療法も確立されてない。」

ママはそこで息を大きく吸った。

「つまり、私たちにはもう時間が無いのよ」

ママの瞳にうっすらと涙が浮かんでいた。

「私はね、ずっと女の子が欲しかったのよ。あなたは5人めにして初めて授かった女の子。そのときの喜びと言ったらそれは例えようがなかったわ。
おまけにすごく可愛くて。だから本当はずっとずっとそばに置いておきたかった。
でもあなたはアイドルになりたいと言い出した。私は本当は嫌だった。でも周りから娘のやりたいことをやらせてあげるのが真の愛情だって説得されて。
もちろんあなたの可愛さや歌や愛嬌良さ等でアイドルとして人気が出るのは予想通りだったけど、その反面辛い経験もたくさんしてたのが本当に心配だったし、いつでも帰ってきて欲しかったのが本音なのよ」

そう言うとママは突然土下座した。

「え?どうしたの?」
「だから、私、私ね、あなたが病気になった時に思わず神様に感謝してしまったの。娘を返してくださってありがとうございますって」

そしてまた私を見つめながら続けた。

「ひどいと言われるかも知れないけど、紛れもない本心なのよ。今も変わらない。私は決心したの。残りの時間、私はあなたのそばにずっといて、あらゆるものからあなたを守るって」
0182【Happy Home(7)】(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 15:00:46.51ID:xXQSsx+dK
「それで…こんなことを…?」
「誰にも知られず静かに暮らせる場所を作るのにとにかく必死だったのよ」
「誰にも知られず…って…?先生やさっきのボートの運転手さんは知ってるじゃないの」
「あれは大丈夫よ。私たちの戸籍を売った先の人たちが手配してくれてるから絶対に口を割らないわ」
「戸籍を…売った…?」
「お金もとにかく必要だったしね。それにあっちだって戸籍売買の件がばれたら困るから協力してくれてるのよ」

これは悪い夢なんじゃないかと一瞬思ったけど
やっぱりそうじゃないっぽいとママの目を見て思った。

「ここは2人だけの世界なの。あなたがTVで『家のことを考えると泣いちゃう』と涙を流してるのを見てから、ずっと実現したかったことなのよ」
「でも…何か違うよ。これは家じゃないよ」
「いいえ、こここそが家よ。いろんなことから守られて休めるところ、それが家でしょ」
「守られてるって…要するに隔離されてるだけじゃん」
「その通りよ。守るためにはあなたを傷つける全てのものから隔離しないといけないの。だから、ほら、この家にはTVもラジオも無ければ電話だって無いのよ。辛うじてつながってるのは電線だけ。本当はそれも引きたくはなかったけど、さすがにそれじゃ生活できないからね」

「それにさっきあなたスマホのGPSがなんとかって言ってたけど、そもそもここは携帯の電波が全く届かないのよ。基地局が水没しちゃったし」
「水没?」
「あ…うっかり(笑)…まあいいわ、こうなったら最後まで言っちゃうけど、ここは海じゃなくてダム湖なの」
「ダム…湖?」
「頭美川をせき止めてダムを作ってるところなのよ。あと2か月でダムは完成してここらへんは頭美湖と呼ばれることになるわ。その時はこの家もすっかり湖の底よ」
「じゃあ…またどこかに移動するつもりなの?」

するとママは微笑みながら私を見つめて言った。

「大丈夫。最後に苦しいのは私だけだから。あなたは、あなたには…2か月あれば十分なのよ」
0183【Happy Home(8・終)】(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/26(金) 15:09:12.58ID:xXQSsx+dK
私がその言葉の意味を理解するのには少しだけ時間がかかった。
しかし、それがわかった途端

「イヤだあぁあ!!」

と叫んで、私は家の玄関を開けて外へ、湖へと飛び出した。
自分の病気と余命宣告がイヤだったのか、ママのしたことがイヤだったのか、全てがイヤだったのか、自分でもわからなかったけど。

バシャバシャバシャ…

湖に入ってみると、意外と浅かった。
立ってみると水は胸の高さぐらいしかなかった。
まだ工事中なんだもんね。

私はそのまま、振り返らずに水平線を目指して歩き出した。
背後からママが何やら叫んでる。
でも聞かないことにした。

気がつくと私は

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

と泣きながら歩いていた。
どこへ向かってるのかも分からずに。
ママのことは本当に大好きなんだよ。
でも…


次の瞬間、足元が急に軽くなったのと同時に、私は水の中に吸い込まれた。
そうだよね。
湖の底はもともと普通の村だったんだから、水の深さがずっと同じわけはなかったんだ。
でも気づいた時にはもう遅かった。

暗闇に吸い込まれながら私は運命を悟った。

ゴボゴボと湧いていた泡も、急に静かになった。

ごめんなさい。
ごめんなさい…ママ…

―了―
0184明日は理佐ちゃんの誕生日(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/26(金) 21:57:15.70ID:K2bJWUVf0
>>183
ずーみんの闇が・・・
0185名無しって、書けない?(東京MX) (ワッチョイ 7f25-JDM+)
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2019/07/26(金) 23:18:33.10ID:NWHmd2kV0
>>183
惹きつけられるストーリー展開ですね。
この「私」の人生というのは誰かが書いたシナリオに沿ったものにすぎないのではないのか?
家の中の家族や家具も舞台セットにすぎず、意図せずドアを開けてしまったら、そこには何もない真っ白な世界が広がっているだけじゃないのか?
今泉を取り巻く状況だけを書いているのに、誰もの心の中にある不安もうまく描かれている。
0186名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/27(土) 09:58:21.26ID:+X5zDyAJK
>>184
ありがとうございます
実はママの闇のほうがヤバいんですけどね

>>185
そういう解釈も出来るとは自分で書きながら思いつかなかった(笑)
惹きつけられるというのは最高の褒め言葉でとても嬉しいっす


実はこの話の大まかな着想はほぼ1年前に千葉県先生とのやり取りの中で既に出来てました
(過去スレです)
http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1526544567/295-302

それを今突然書くことにした理由は
着想のもう一つのヒントが私の大好きなレジデンツというユニットの曲から来ているんですが(タイトルもそのまま使ってる)
最近そのレジデンツのドキュメンタリー映画のDVDを手に入れてテンション上がったから、というしょうもない動機です(笑)

あと>>175で自分が疲れてたのはこれを書いてたからです

ちなみにその曲↓
http://www.youtube.com/watch?v=x0_hqA4E_PE
これはオフィシャルMVではなくてファンの方が作られたものらしいんですが
今回のヒントになってるのがよくわかると思います(笑)
0187『How Does the Sky Get Wings?』(大阪府) (ワッチョイ 1fb7-ZVB1)
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2019/07/27(土) 22:06:08.63ID:1ykFicV10
【第1話】

僕の中学にはメダカを飼育する伝統があった。
生命の大切さを学ぶ機会にはなっていなかった気はするものの、男子生徒の暴力の抑止には一役買っていたと思う。
教室内に水槽が存在することで、誰も金属バットを振り回したりはしなかったし、近くを通る時は水面が揺れないようにみんな慎重に歩いていた。
それはもちろんメダカを気遣ってのこともあるのだが、天ちゃんの殺意を呼び起こさせないためでもあった。
天ちゃんに睨まれると次の日に死ぬ、という噂が立って早2ヶ月が経過していた。
しかし今のところ死者は報告されていなかったし、何なら僕は三度ほど目が合っている。
やはり単なる噂に過ぎないのであろうし、そもそも天ちゃんの鋭い眼光さえ一度も見たことがなかった。
大抵、天ちゃんはメダカを愛でているか、水槽の濁った水ごしに青い空を見通していた。
黙っていれば絵になる、普通の可愛い女の子だった。
そう、黙っていれば。
0188『How Does the Sky Get Wings?』(大阪府) (ワッチョイ 1fb7-ZVB1)
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2019/07/27(土) 22:07:23.82ID:1ykFicV10
【第2話】

「君は私が本当はメダカだと言ったらどうする?」
これが記念すべき天ちゃんの一言目である。
頭のなかで文脈をたどってみたが、天ちゃんがメダカなのか、僕がメダカなのか、それが既成事実なのか、はたまた仮定なのか、全く意味が取れなかった。
ただこれだけは遠慮なく言えた。
「頭がおかしくなったと思うだろうね」
「そう…今にわかるよ。どっちの頭がおかしいか」
今のところ頭がおかしいのは天ちゃんの方ということになっているが、いつ逆転してもおかしくないくらいに彼女の顔は自信に満ちていた。
天ちゃんがメダカであることの証明になるかわからないが、毎日丁寧に世話をしているところを見ると、少しはその言葉を信じてもいい気がした。
彼女は自然な流れで世話係に任命され、一緒にいることの多い僕は水替えのたびに重たい水槽を持たされていた。
0189『How Does the Sky Get Wings?』(大阪府) (ワッチョイ 1fb7-ZVB1)
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2019/07/27(土) 22:08:21.61ID:1ykFicV10
【第3話】

「私に睨まれると死ぬ?」
「うん、そういう噂が流れてる」
「まあ、ある意味では正しいかもね。別に目が合ったからって殺しはしないけど」
「天ちゃんって時々面白い冗談を言うよね」
「冗談じゃないよ。本当のことだもの」
と言われた僕は睨まれていた。
クラスの前で無口な彼女の代わりにあらぬ誤解を解いてあげようと努めたいのは山々なのだが、当の本人がこの様子では誤解など初めからないも同然だ。
「いい?君がおもっているほどこの世界は複雑じゃないわよ」
「そうかな、簡単には見えないけど」
「簡単だとは言ってない。ただ単純で難しいだけ」
僕は水槽を持ち上げた。
「気を付けてね」
天ちゃんが言った。
0190『How Does the Sky Get Wings?』(大阪府) (ワッチョイ 1fb7-ZVB1)
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2019/07/27(土) 22:09:17.01ID:1ykFicV10
【第4話】

ある日の授業中、突然天ちゃんが泣き始めた。
みんなは彼女の精神がおかしくなったぐらいにしか思っていなかっただろう。
僕は授業が終わってから天ちゃんの机に向かった。
「どうした?そんな深刻そうな顔して」
「メダカが死んじゃうの」
「メダカ?いつも通りだよ」
「ううん、私にはわかる。もうじき死ぬよ」
それ以上彼女から何かを聞き出すことは困難に思われた。
これはひとつの才能ではないかと感じるのだが、打ちひしがれる彼女には何者をも寄せ付けないオーラがあった。
脱力して机に突っ伏している姿に、微かに怨念のようなものを見て取ることができた。
僕は離れようとした。
「助けて」
天ちゃんが言う。
その言葉に少しでも反応できていれば、世界はマシなものになったのかもしれない。
0191『How Does the Sky Get Wings?』(大阪府) (ワッチョイ 1fb7-ZVB1)
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2019/07/27(土) 22:09:52.46ID:1ykFicV10
【第5話】

「例えばこの水槽が世界だとするでしょ。そしたら私は神になる。そういう理屈」
どうもこの世界の神は天ちゃんらしいのだ。そして、元々はメダカだったという話も本当らしい。
別に無神論者ではなかったのだが、一神論、それも目の前の女の子が神だと言われて誰が信じられようか。
「世話ががりみたいなものよ。水槽の中を正常に保つこともできるけど、水槽ごとひっくり返すことだってできる。覆水盆に返らずなんて言うけど、また新しい水槽と生き物を用意すればいいだけの話」
「それで、天ちゃんはこの世界をどうしたいの?」
天ちゃんは空を指差した。
青空が暗くなり、雨が振り始める。
時が経つほど雨は強くなり、空が見えなくなった。
「上に行きましょ。溺れる前に」
0192『How Does the Sky Get Wings?』(大阪府) (ワッチョイ 1fb7-ZVB1)
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2019/07/27(土) 22:11:35.18ID:1ykFicV10
【第6話】

「お、やっと目覚めた」
天ちゃんが覗き込んでいた。
彼女は濡れたシャツやブレザーにアイロンをかけていた。
すでにTシャツに着替えていて、ついでに僕の方も着替えさせられていた。
「あのさ、天ちゃんと空を飛ぶ夢を見ていたんだ」
「あぁそれ夢じゃないよ。君、私の背中で気絶してたから」
「はあ…でここは?」
「空の上の島。ほら、地上で人が溺れてる。みんな私にすがってる」
「助けてあげないの?」
「そうして欲しい?」
「出来れば。それで天ちゃんが神じゃない世界に戻りたい」
天ちゃんは地上を指差した。
一瞬で雲が取り払われた。
「ほら、戻るよ」
「ひとつ聞いていい?天ちゃんは何でここに来たの?」
「その”何で”は手段?それとも目的を聞いてるの?」
「どっちもかな」
「それはね…」
天ちゃんは缶を手に取った。



“Red Bull gives you wings”

ホンダエンジンに13年ぶりの勝利をもたらしたレッドブル・レーシングとドライバーのマックス・フェルスタッペンに敬意を表して。
0193名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ 1fb7-ZVB1)
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2019/07/27(土) 22:17:39.46ID:1ykFicV10
>>183
本気のチワンさん久しぶりに見ましたw
哲学的なテーマで好きです
是非現実のずみ子ちゃんには海を渡り歩いてもらいたいものです

それにしてもファンの方が作ったMVすごいですね

で、海の底の絶望を見せられたので、天ちゃんで希望の空を、みたいな感じですw
0194HAPPY BIRTHDAY 1(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/27(土) 23:06:18.30ID:0r2mBDBg0
「いまのわたしはあなたの知らないわたしだからね」
シャンパン色のドレスを着た理佐はそう告げた。
僕を拒絶するかの如く。
「たしかに昔よりずっと綺麗だけど」
僕がそういうや否や赤玉ポートワインの注がれたグラスから口を離した。そして指先でルージュの跡を拭い手元の白いナプキンへ指を擦り付ける。
「それは嬉しいけど…。もうわたしはアイドルであなたはそのファン。住む世界が違うの。」
デザートとして供された夏蜜柑のジェラートは皿の底で液体になった。
「しかし、つい数年前までは付き合っていて、いまもこうして時度会ってるじゃないか?」
僕はそう反論してスプーンを置いた。ジェラートはもう食べる気がない。
「だから…もう2度と会うことはないの」
「二度と会うつもりが無いとしたらどうして僕に」
理佐は無口になった。
「これ以上会ったら・・・もっと好きになりそうなの。」
ワインの酔いが頬までも赤くする。
理佐は口を結んで下を向く。
「好きになったらどうしていけないんだ」
のみ慣れぬ酒を酌み交わしたあとの妙な浮遊感。
「恋愛禁止だし・・・だから、これ以上あったら・・・」
いつの間にか店から人は居なくなっていた。
先程まではあんなに大入満員だったのに。
「これ以上好きにさせないでよ・・・いままでは友達
のつもりで居たのに付き合いたくなるじゃん」
マスカラの混じったほの黒い蠟涙。
「ごめん・・・」
「しばらく仕事に集中したいから会わないで」
理佐は指先で涙をぬぐって顔を上げた。
0195HAPPY BIRTHDAY 2(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/27(土) 23:07:46.54ID:0r2mBDBg0
暗転。ざわめき。そしてその後で明転。
ガラス張りのオフィス。白い壁には真っ黒な画面。
男ふたりがその画面に向かって座っている。
男2人のうち若い方が研究員。年老いた方が博士。
そう言われている。
「ウォウ…なんだこれは?」
博士はため息を吐いてモニターから目を離した。
「100年前の日本人はこんな夢を見ていたのか?」
余計な感情が起こらない、無機質な白い壁で、伊藤博文のような髭を蓄えた博士は椅子から立ち上がり、壁を睨みつけ言語化不能な咆哮を上げた。
「失われた史実を見つけ出すためにこうして他人の記憶を観ているのだろう?だれがこんな妄想をみたいといったか?埋もれた史実は見つからないのか?」
青白い顔に猫背な若い白衣の男は粘っこい眼差しを博士に向けた。
「お言葉ですが。誰でもよいから連れてきて記憶回想モニターに繋げといったのは博士では?」
「そのAmazonレビューみたいな口調はやめてくれないか?新人とは上司を敬うものじゃないのか?」
「博士のやる気は評価。だけどそのやる気が空回りしてるなと思う。やっぱり博士はネームバリューだけかなと思ったから星1。まぁ映像が綺麗だったから最終的には星2って感じかな?別にわざわざ見にいくほどのものではないと思います!」
「大ヒット映画に必ずひとつはある辛口レビューみたいなこと言うのはやめにしようか?傷付くじゃないか?」
「博士こそ秋元康の歌詞みたいな口調はやめてください。寒いです。」
しばしの無言。二人は互いを睨み合う。
そしてそれから3分ほどたった。
「しかし…いまだに日本が消失した理由が解らない。」
0196HAPPY BIRTHDAY 3(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/27(土) 23:08:41.34ID:0r2mBDBg0
ちなみに二人はカリフォルニア州にある研究所の職員であり、目下のところ百年前におきた日本列島消失事件の謎を追うべく世界中から生き残りの日本人を探している。が、しかしアンチエイジングが発達した世界では二人に一人が100歳。こうして記憶を観るのも一苦労であった。
「いまのところ分かっているのは日本の消失が20xx年の7月28日ということだけです」
「西暦の下二桁もわからんのか」
「はい。アメリカの国務省にも資料を請求しましたがたとえ政府が雇った職員でもトップシークレットだと。」
「まったくあの大統領はわけわからん」
「ちなみに博士。さっきの映像にあった理佐とは誰ですか。」
「しらん。ググれ。」
「調べても出てこないから聞いてるんでしょうが。しかも死語ですよググれって」
「しょうがないだろ。百年前の映像ばかり見てたらうつったんだよ。」
「理佐って子は意外と可愛いですね。」
「意外じゃないだろう。むしろわかりやすく可愛いだろ。無口なところとか不器用でやさしいところとか。しかも今日は誕生日だ」
「博士作品の設定から逸脱するのはやめてください」「…。理佐というのはうちの曾祖父の恋人だ。」
「するとさっきのハゲでスケベヅラのアホメガネは」
「おい人の上司の先祖を変態アホクソメガネとは失礼じゃないか」
「悪口つけたすなよ。パワーアップしてんじゃんか。」
「もうやめようこの言い争い。映像見る度に同じこと繰り返してんじゃん?だから所長にも怒られるんだよ?テープまわしてないやろうな?って 」
「百年前の時事ネタでボケるなよ。分からないだろ」
「闇営業はしてないからな」
「ところで先程のおじいさんはほんとうに博士の? 」
「ああ。わたしの曾祖父だ。」
「では理佐という子は…」
「さきほどもいったが分かりやすく可愛いそして不器用で優しくて」
「さっきと同じじゃねーか先進めろや」
「…。曾祖父が昔付き合ってた恋人らしい。」
「すると博士の御家族は知らない? 」
「いや、夕食の度に自慢してるからほんとだ。だけど自慢しすぎてうそじゃないかと思ってたところだ。」
「曾祖父の立場低いな」
「曾祖母も理佐のことは知りすぎるほど知っている。」
「というと?」
「曾祖母も昔はアイドルだった。欅坂46という名前のな。」
「アイドルって…偶像とかですか?まさか2次元?」
「違う。日本ではアイドルとはわかい芸能人の女性の集団のことを指すのだ。習わなかったか」
「習いませんし知りませんね。てちがカワウソでキャプテンがMCで噛みたおすことぐらいしか」
「しってるじゃねーか」
「曾祖母とは…誰ですか」
「旧姓は尾関という苗字だ。そう。尾関梨香だ。」
「どうして…博士の曾祖父が…尾関さんと?」
「振られた勢いで元カノの友達に告って付き合った」
「最低だなあんたの曾祖父もういいぜ。」

0197名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/27(土) 23:11:11.70ID:0r2mBDBg0
理佐ちゃんの誕生日とのことで
0198名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/27(土) 23:13:37.39ID:0r2mBDBg0
宇多田ヒカルのCOLORSを聞いて理佐ちゃんの写真集を見て小松左京を読み東京03のコントを見たらこうなりました。
0199理佐ちゃん神の子可愛い子(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/28(日) 04:18:52.42ID:NYMYZkv30
>>192
チワンさんの作品負けず劣らず思想が深いw

>>198
詰め込み過ぎワロタwww
0200避雷針と山の音(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/28(日) 05:28:49.68ID:EDog0sUE0
渓谷の山道を霧雨が白く濡らす。僕は彼女を追っていた。彼女は村いちばんのそして唯一抗体をもつ、美少女で繰り返しの日々に腐食したこの村を救うはずだった。そう。いま、この彼女を逃したら村はほんとうに腐る。
僕はこの思いひとつにおう。
やがて彼女は丁字路を抜けたところで追いついた。
「行かないで…戻ってきてくれ」
「もう追いかけてこないで」
紺色のレインコートが振り向いて言う。
瞳は微かに潤んでいた。
フードの隙間からは黒髪が濡れて滴っている。
「どうしてもこの街を出るのか?」
雨足が強くなる。あの子の声も遠い。足元を見れば三和土を出た時に履き直した緑のレインブーツが泥に跳ねて迷彩柄となっている。
「何度も言わんで。もう疲れたったい。」
「でも、この前あった時はまだここに居ると。」
「強がって言っただけってなんで分かってくれんと?」
「それは…」
「わたしの居場所はもうここにはない!」
雷鳴が峠の奥で鳴り響く。
「帰るの…わたしの本当の居場所に。山の中じゃない。港の暖かい潮騒のある町に。こんな閉鎖的な町じゃなく。もっと人と人の繋がりが自然にある街に。」
「この村だって仲間がいたじゃないか。繋がりが絆が。あるじゃないか」
整備されていない土道は真ん中が窪み、水たまりが出来ていた。僕はそれを踏み抜く。
靴は重たい音を立てて歪んだ泥水を吸い込む。
0201避雷針と山の音(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/28(日) 05:29:34.15ID:EDog0sUE0
「絆、絆。仲間って重いったい。わたしはもうちょっと自由でいたい。もうわたしになんも期待せんで。この村にわたしはなんの役にもたたんの。」
柔らかい声が泣き叫ぶようにそう語る。
「ここから、こんな村からなにが変わると?こんな病気持ちばかりの所で仲良しごっこやるために生まれてきたんじゃなかと。」
「仲良しごっこって。ねるもいままで楽しそうに暮らしてきたじゃないか。」
フードを被っているせいで己の声が曇って変に反響する。雷は村の方におちたようだ。もっとも避雷針があるから問題ないと思うが。
「この村で翳ったまま暮らしとったら自分がダメになるって米も言っとった。それに・・・」
女の子はフードをとって叫ぶ。
「わたしは自分だけの正義を過信してなんの罪もない人を村八分にするのを絆と呼びたくない。それは絆に囚われた盲信しすぎた病気だ。」
「止めなかった君も同罪じゃないか。それに。村八分がいやならそういえばいい。嫌だとも言わずにただ逃げるなんて卑怯だ」
「君にそんなこと言われなくない。」
「どうして?」
「君にはわたしのすべてを認めて欲しかったと。わたたしがいままでずっと堪えてきたのは君がいたからったい。どんなことがあっても君がいたから、君がいるから。なにが起こっても君は自由でわたしのことを認めてくれた。だけど村長の候補に上がってから変わった。」
僕らの後ろでは足跡がいくつも重なる。
ねるの声を呼ぶ。泣きながら。
しかし、その涙は黒い。
「もう君ともお別れったい。じゃ・・・元気で。」
ねるは仄暗い道の先を見据えて歩き出した。
もはや僕はねるを止めるすべをもたない。
村は、朽ち果ててゆく。中心部から。
0202避雷針と山の音(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/28(日) 05:30:20.90ID:EDog0sUE0
最初の女の子は笑顔が綺麗な声でいくつもの歌を歌う子で、この村に流行る伝染病の抗体をもっていた。村ではその女の子を必要としていた。
最初は女の子も協力してくれたけど、頑固な村人が抗体を打ち込んで治ってから女の子を邪見にあつかったり、無視したりした。女の子は繊細だったから次第に笑顔をなくした。やがて女の子は部屋に閉じこもりっきりになって明くる日の晩、姿を消した。
二人目の子はその女の子の抗体を研究していた女の子で、正義感の強い子だった。村人は研究者のその子を頼った。頼られることが嬉しくてその子も頑張ったけど、感染が拡大してから、村人に酷く虐められ、それこそ、研究書を汚されたりして、
結果的に「期待に応えられなくてごめんなさい」と書き残して行方知らずになった。
三人目の子は抗体を持っていて、かつ、村人にも人気の子だった。けど人気故に勘違いされて(その子は誤解されやすかった )、
塞ぎ込んでやがて他の村に出奔した。
0203避雷針と山の音(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/28(日) 05:31:10.44ID:EDog0sUE0
この女の子はまさに4人目になろうとしていた。僕は、村長からその女の子を引き止めろと言われていた。この思いひとつに、と書いたがそんなこと思っちゃいない。村長が怖かったのだ。だから、女の子たちの、ねるの気持ちを無視して追いかけた。
だから、追い掛けるたびに距離が出来た。本当はこんな村捨ててどこかで頑張ってほしい。
だけど、命令として追いかけなくちゃ行けない。
だからもう2時間も悪天候の中無意味な追跡を続けていた。ねるはこの村で三人目の抗体を持っていた。そしてこのねるが村で最後の抗体所持者だった。
「行って早く!」
黙り込む僕らの背後で低い声が轟く。
「てっちゃん」
てっちゃんとは村長の娘でいままでずっと寝込んでいた。かつてはねるとも、親友だったが、寝込んでからはなにも話さなくなった。
「いいからこの村は捨てて。」
僕のすぐ後ろ。膝をついて泥に前髪を浸す。
ねるはてっちゃんに近づこうとする。
「あんたも、ねるつれてどっか行って」
僕も振り向いて前髪の奥に隠れた眼を見る。
0204名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/28(日) 05:32:36.01ID:EDog0sUE0
「僕は…」
「あんたもこの村をでたいんでしょ?分かってる。だから行って。もうこの村は腐るしかないの。」
雷鳴がいくつも轟、今度は火柱が上がる。
「避雷針も壊れた。村人はわたしを追いかけてくる。もう追いつくでしょう。だから行きな。 」
鋭い眼光が僕らを睨んだ。
「てっちゃん」
ねるは握り拳をつくって黙る。
「ただし、後悔しないでよ、そしてこんな村も忘れて、あんたも。」
靴音が重なる。向かい風が怯んで一瞬追い風になる。
僕はねるに近づいて、そっと抱きしめた。
そして手を取って鬱蒼とした森の中を走り出した。
霧雨は未だ柔肌をしとどに濡らす。

0205名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/28(日) 05:38:41.48ID:EDog0sUE0
映画版のトリックを見直したり避雷針を聞いたらこんなのが思いついた。
0206名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/28(日) 05:53:56.95ID:EDog0sUE0
海の底、天空ときてつぎは暗い森です。
0207名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 0615-GTp3)
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2019/07/28(日) 05:55:37.90ID:EDog0sUE0
>>186
まさかこのやりとりからこんな深みのある物語が。
脱帽です。
0208理佐ちゃん神の子可愛い子(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/28(日) 07:30:33.58ID:NYMYZkv30
>>205
めっちゃトリックの雰囲気出てました
0209夢で逢えたら 第12話(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/28(日) 09:05:01.52ID:NYMYZkv30
「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!」

今日も今日とて夢の中の美人理佐ちゃんに逢いたいと呪文唱えて早寝目論む俺

理佐ちゃんに当て逃げされた夢とOLの葵と新婚生活する夢を見たことで夢見術を続けて行けば理佐ちゃんとの理想の生活が手に届くとこまで来てると確信抱く俺

そんな張り切る俺なのに、、、

「キャハハハ〜」
さっきからテレビ見ながら笑い転げるうるさい葵

「うるさいんじゃ!ボケ〜!」
怒鳴ると同時に枕を投げつける憧れの理佐ちゃんとは違い年下の幼なじみ葵には厳しい俺

「痛いな〜、何すんのよ!」
早寝するつもりの俺を泥試合に引き込もうと大げさに怒る振りする葵


「夢の中で愛しの理佐ちゃんが俺とイチャイチャしたくて待ってるんや!その手には乗らんわ!」
愚かな葵の仕掛けてきたプロレスには乗らないクールな俺

「なにが愛しの理佐ちゃんが待っててくれてるよw当て逃げされただけじゃんw」
なんて俺を嘲笑うデリカシーに欠ける葵

「小2は黙っとれ!!!」
逆鱗に触れた葵にジャイアントスイングかます文字通りのプロレスに乗ってしまう俺

「貴重な時間を無駄にさせやがって・・・」
年下の幼なじみ葵の挑発に乗ってしまい後悔半端ない俺

「という訳でとっとテレビ消して俺の部屋から立ち去れ」
役所広司のCMが流れるテレビを指差し葵に命じると布団に潜り込む俺

「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁・・・」
理佐ちゃんとのイチャイチャ生活を夢見て再び呪文を唱える俺

その耳許で

「役所広司、役所広司、役所広司」って囁く妨害魔葵

「う〜ん・・・やめろ・・・」
なんて葵に文句言いながら布団を蹴りあげるも眠りに落ちる俺

「もう、まだ8時なのに本当に寝ちゃうなんて俺君のバカ・・・」
文句言いながら俺の布団をかけ直して部屋を出ていく葵


こうして冬休み最後の夜は過ぎていく、、、


つづく
0210名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK96-MyxZ)
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2019/07/28(日) 13:03:31.50ID:EITMtxb/K
>>192
教室から雲の上へ、という場面転換が見事すぎて(拍手)

随分昔に大阪府先生の場面描写力について書いた記憶があるんですが
それを作品中で転換させるのもまた上手くて、文章なのに映画的なんですよね
って改めて思いました

以前自分がバトルロワイヤルを書いたときに大阪府先生が航海の一編を書いてくれたことも思い出しました
ありがとうございます

あと普通の同級生の女の子が実はとんでもない存在っていう流れから最終兵器彼女とか思い出したり(笑)

>>176
まさか後半のコントがメインだったとは(笑)

ひょっとして博士の曾祖父がサイテーなのはモデルが俺k…
おや?誰か来たようだ

>>205
なるほど、これも深い寓意性がありますね〜
この後に、外界で変人人の研究をしていた村人が戻ってきて腐敗から村を救ってくれることを期待したいですね

>>206
1年前の夏休みの宿題をやっと提出したような気分です(笑)

>>209
役所広司、役所広司、役所広司 で吹き出してしまったコーヒーを返してください
0211庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/28(日) 16:57:31.44ID:NYMYZkv30
>>210
役所広司、役所広司、役所広司は実話ですけん(-o-;)
0212夢で逢えたら 第13話 前編(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/28(日) 18:05:00.66ID:NYMYZkv30
「う〜ん・・・邪魔すんな・・・」

夢の中の美女理佐ちゃんとイチャイチャ新婚生活するために寝ようとしてたら幼なじみの葵に耳許で役所広司の名前囁かれうなされる俺

「ねぇ、早く起きてよ」

なんて葵の声に起こされて周りを見回してみたら、、、


「昨日の続きやないか・・・」
どうやら夢の世界で目覚めることに成功したけどOL姿の葵にガッカリする俺

眠る直前まで葵をかまっていたせいで葵と新婚生活してる夢の続きに巻き込まれた俺

「お前がかまってちゃんなせいで・・・」
忙しそうに朝ご飯の準備している幼妻の葵に文句な俺

愛しの理佐ちゃんとイチャイチャ新婚生活の夢を見れると確信していただけに恨み言の1つも出ちゃうやね

「なんで私がかまってちゃんなのよ!俺君の方が毎日甘えたがってかまってちゃんじゃん!」
俺の恨み言に噛みつきながらも夢の中での俺が葵に甘えたがるほど惚れてることを説明してくれる葵

むむっ、、、

確かに夢の中の葵には甘えたくなる何かがある、、、

なんてこの夢もまんざら悪くないかもなんてテーブルにご飯並べる葵を見ながらニヤニヤしてしまう流されやすい俺

「なに笑ってんの?」
そんな俺を不審そうに見つめる葵

「意外と可愛いんだよな・・・」
呟くなんとなく幼なじみの葵の可愛さを受け入れ初めてる俺

「急になに言い出すのよ!?」
俺の呟きに慌てる葵

ふむ、やはり可愛い

なんて湧き上がる幸せを感じる俺に

「もう、人のことからかってないで早く食べて」
文句言う割りにデレデレ笑顔でご飯よそう葵
0213夢で逢えたら 第13話 後編(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/28(日) 18:05:24.23ID:NYMYZkv30
「ちょっと待って!」
駅について葵のホームとは反対方向のホームに向かう俺を呼び止める葵

「曲がってるよ」
笑いながら俺のネクタイを直してくれる葵

「仕事頑張ってね」
そう言うとタイミング良くやって来た電車に向かい走り出す葵


「俺の嫁可愛いなぁ」
電車のドアの向こうから目立たないよう控え目に手を振る葵に思わず呟く俺

葵を乗せた電車がホームから出て行くのを見送る幸せ一杯の俺に

「浮気してんじゃねーよ」
なんて突然ドス声浴びせかける人影が、、、

風雲告げる『夢で逢えたら』謎の人影の正体やいかに?波乱の次回を待ってくれ


つづく
0214千葉県だった人(東京都) (JPW 0Hef-GTp3)
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2019/07/29(月) 11:42:53.68ID:gWBKN0e2H
>>210
寓意性の高い話は面白いけど書くの難しいです
0215名無しって、書けない?(大阪府) (ニククエWW 87b7-wawx)
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2019/07/29(月) 20:26:51.40ID:a+qImPaK0NIKU
>>210
そう言えば最終兵器彼女も翼生えてましたねw

以前、デジタルとアナログの話をした時に、他に何に注目していたかというと、
チワンさんと庭さんの描写はその気になれば1カットで撮れるのに対して、千葉県さんと僕の場合はカメラが数台必要で、シーンも膨大な量にならざるを得ないんですよ

デジタルチームについて申し上げますと、チワンさんは監督腕次第で何とでもなりそうですが、庭さんの作品を原作に忠実に再現しようとすると、一回に演者の覚えることが多過ぎて、恐らく女優理佐ちゃんが過労死してしまうんじゃなかいかと思います

アナログチームは、ロケハンが難しかったり、シーンが多いぶん撮影スケジュールが押したり、何かと頻繁に雨が降るので散水装置が必要になったり、というように時間と資金が必要になってしまいます

どっちもどっちですねw
0216名無しって、書けない?(大阪府) (ニククエWW 87b7-wawx)
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2019/07/29(月) 20:28:38.57ID:a+qImPaK0NIKU
>>205
避雷針はクセ強い楽曲ですけど全く飽きませんよね
てっちゃんの代わりに避雷針役になれるメンバーが現れれば、彼女もエース徹することができると思うんですが、遠慮がちなメンバーが多いので難しそうですね
0217名無しって、書けない?(大阪府) (ニククエWW 87b7-wawx)
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2019/07/29(月) 20:29:28.82ID:a+qImPaK0NIKU
>>213
ライブの葵ちゃん、幼さが消えててびっくりです
心が揺れるのもわかります
そして人影が謎でも何でもないw
0218dinner(茸) (ニククエ Sdaa-GTp3)
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2019/07/29(月) 21:31:42.44ID:NWaWnzpbdNIKU
「今日はわたしが奢るから」
ゆっかーはそう言って頬を膨らました。
「…ありがとう」
僕は気負いながら礼を言う。
ここは夜九時をすぎた代官山。
過ぎゆく人並みがみな札束を着込んでいる。
僕らのデートはいつも割り勘だけど、年に2度、
互いの誕生日の時は奢りになる。
ゆっかーの誕生日の時は僕。
そして僕の誕生日の時はゆっかー。
今年で付き合って3年だけど毎年。
これがあるから自分の誕生日が怖い。なんでか。
ゆっかーの奢りの規模が桁違いだからである。
1年目は我が家の生活費を余裕で超える、
予算の完全予約制、中華料理。2年目はミシュラン二ツ星のドレスコードがあるフランス料理。
この時は料理を食べ終えてからシェフがゆっかーのもとへ挨拶に来た。
そのシェフとゆっかーは英語でやりとりをしていた。もう信じられない。夢かと思った。
だってシェフが来た時、周りの客がどよめいていたのだもの。そりゃあ、生活レベルが全く違うのは分かっていたけど、ここまで違うとは。
と放心状態になった。しかもお支払いはクレジットカードだった。それをみた瞬間なんで僕はこんなお嬢と付き合えているのだ?と我を疑った。
0219dinner(茸) (ニククエ Sdaa-GTp3)
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2019/07/29(月) 21:33:17.99ID:NWaWnzpbdNIKU
そして今年。
1週間くらい前に代官山で午後九時ね。
と言われた。
「わりとカジュアルな所だから」
ゆっかーはそのときそう言っていた。
だけどゆっかーのカジュアルと僕のカジュアルは、
違う。当たり前だけど。
僕にとってカジュアルは大戸屋、日高屋、くるまやラーメンで、これはもはやカジュアルと
さえ呼ばないほどカジュアルだ。
うまいけどさ。勿論。
一方、ゆっかーのカジュアルは、ホテルの最上階にあるイタリアンであり、南青山の創作フランス料理だ。
まったくカジュアルじゃない。
「ほら、ここ。」
繋いだ手をちょっと上げてその店を示した。
赤らんだ照明と深緑の樹木。
タイル張りの床。看板は煉瓦造りで
「bistro Augustas」
と書いてある。
僕は恐怖した。
「行こ。」
と嬉しそうに言うゆっかーを尻目に。
店は軽井沢の小洒落た別荘みたいなロッジで、
一歩踏み出す度木の床が軋む。
店内はあまり広くない。白いクロスが掛かったテーブルが五つほど。中央にはキャンドルライト。
客は札束を着込んだような紳士熟女が、
2組端のテーブルについている。
そして。よく見るとその2組のテーブルがあるさらに奥滲むような都市の夜景が見渡せるテーブルにちいさな札が置いてあった。
札はreserveと書いてあり、それを見つけると、「ここかな」とゆっかーか呟いた。
僕は「そうじゃない?」と上ずって呟き、とりあえず席につく。しばらくして、「お嬢様ようこそ、」と森有礼みたいな店員がゆっかーのもとに来た。
「あ、どうもお久しぶりです」
ゆっかーは夏の日差しみたいなきらきらした笑顔でそう応えた。僕はその笑顔に見蕩れた。
「今日は婚約者の方のお誕生日とかで」
その僕を一瞥し、ゆっかーに訊く。ゆっかーは
「いや婚約者なんてそんな…恋人です。だけどいずれは…けっこ…なんてやめてくださいよもう」
と独り相撲をしていた。
店員はにやにやしながら「それは失礼しました」とお辞儀してそのあと、黒革のやたら重いA4くらいのノートみたいなメニューを僕らにわたした。
そのメニューを見て凍り付いた。
だいたいの品目が五千円以上だからだ。
僕はたのしそうにメニューをめくるゆっかーがだんだん信じられなくなった。
そう、信じられないのは値段だけでなく味もだ。
舌をかみそうな長い名前のステーキも、
ゆっかーが注文するとき何度も噛んでた、さ行のソテーも
どれも胃の腑と脳裏に染み付いて離れないほど美味しかった。
「んー。」と言いながら首を小さく揺らし料理をたべるゆっかーの様はやはり年相応の女の子だった。
僕はその仕草も含めて染み付いた。
はたしてそのディナーにいくらかかったか。
僕はよく分からない。
金額も言わずゆっかーはまた例のカードを店員にわたしたからだ。おそらく、そうするのは僕に気を負わせないためかもしれない。
0220dinner(茸) (ニククエ Sdaa-GTp3)
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2019/07/29(月) 21:34:41.68ID:NWaWnzpbdNIKU
夜空の黒がより一層濃くなっている。
僕はたまりかねてゆっかーに切り出した。
「なんかいっつも豪華なものばかりで…僕は毎年ほんとしょーもないのばっかでごめん…」
「ううん、全然、気にしないで」
「申し訳なくて…ほんとだったら僕となんて
釣り合わないのに…僕にあわせてもらって」
「そんなこと気にしてないよ。だって好きだから。」
ぎゅっと僕の手を握って僕の眼を見つめる。
「それにそうやって細かいこと気にするの悪いくせだよ。わたしなんにも気にしてないし。
なんかあったときずっと話聞いてくれるの君くらいなんだから…。
いつもはみんなにからかわれて本気にされないの。だけど君だけはいつも真剣だった。ちょっと笑っちゃうくらいに。そういうところを好きになったのに。」
続けざまにゆっかーは言う。
「うん。」
この頃の僕は劣等感の塊だった。
大学に入れば周りはみな僕より自信ありげで、
要領もいい。二人で歩けば姉弟みたい、玉の輿だ、似合ってないと言われる。
その度に僕は今すぐ手を離して逃げ出したくなる。
好きだから尚更そうだ。
「わたしが気にしないんだから君も気にしないこと。」
ゆっかーは咳払いをし、人差し指を立てて言い聞かせるよう。
「それがわかったら君の奢りで珈琲とワッフルでも食べよう」
ゆっかーは悪戯っ子のような笑みを浮かべ、僕にいった。
やっぱりお金でも綺麗さでもなく人としての中身でまったく叶わないなと僕は思う。
基本人の悪口を言わないし卑下することもない。
そんなゆっかーに僕は恋人としての愛情ではなく、
一人間として尊敬する気持ちに変わりつつあった。
ゆっかーはそんなことを露知らずりんごと
ベリーのキャラメルワッフルと新メニューをうっとりとした顔で読み上げる。
そんな僕らを取り巻くこの代官山は
空気がダイアモンドを撒いたように燦然と瞬き、
アスファルトが雨上がりの濡れた夜空を反射していた。

0221稲川ぽん(茸) (ニククエ Sdaa-GTp3)
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2019/07/29(月) 21:52:00.69ID:NWaWnzpbdNIKU
毎年怪談をやっていますとね、お会いした方に、
こんなことがあったんですけどね。
ってお話を頂くんです。
もっとも皆さんの前でお話できるほどのものもあればこれは出来ないなというものまでありまして、
できない理由というのは色々あって、ひとつは皆さんにお話をしたことがあるもの。2つ目はあまり怖くないもの。そして3つ目は怖すぎるもの。
それはひたすらわたしの観察日記を書いてるオダナナの話。今回はその怖すぎる話をしたいと思います。ってそんな怪談を話してみたい。
でもできない こんばんは小林由依です♪
0222理佐ちゃん至上主義者の庭(家) (ワッチョイWW 6316-Aoic)
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2019/07/30(火) 14:45:07.85ID:hhi3sZ8G0
>>210
千葉県さんの物語に出てくる博士の曾祖父のモデルが俺君ならサイテーでも光栄ですw

>>215
俺の妄想はAVのハメ撮りの手法で書かれていますからw

>>217
謎の人物の正体を見破るとはさすが俺との付き合いが長いw
0223名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 87b7-wawx)
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2019/07/30(火) 22:47:09.35ID:p34uTJLe0
>>220
どんな人でも平等に見てくれそうな性格が描かれていて、何とも友香ちゃんっぽい雰囲気です
やっぱり奢りは身の丈に合った店がいいですね
一度高い店に連れて行ってしまうと、翌年以降も期待されてガッカリされるのがオチですからw

>>222
一人称視点を突き詰めるとそうなるのかw
0224保守目的に軍曹復活(大阪府) (ワッチョイ 87b7-ZVB1)
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2019/07/31(水) 22:15:48.78ID:o1mGywuk0
緑濃き初夏の雑木林、まだ蝉の鳴声が土中に眠る五月半ばのことである。
間怠っこい蝉声なんかいつまで経とうが鳴き始めそうにない、そんな軽い地面をさらうように蹴ってみた。
僅かに渦巻きながら土埃が立ち昇る。生物はすべて、若い間は軽い魂であることを思い出す。

鼻孔を通り抜ける空気のなかに、土埃には含まれることのないような自然とは違う種類の匂いを認めた。
しかしながら、確かにその匂いは自然のものではないのだが、昔からありふれた環境に薫るものであるため、別段に驚くこともない。
「やあ」
その声さえも自然の一部で、決して異質なものでない。
でも何故だろうか、彼女を見る度に心に騒ぎたがっている気がするのである。
土中の幼虫は鳴き声を発さないはずであるのに、一体どうしたことだろう。

「おはよう茜ちゃん、何してるの?」
「さっき蝶々が飛んでて、それを追いかけてきた」
「見つかった?」
「ううん、どっか行っちゃった。それよりさ、家に麦茶ない?」
「麦茶?あると思うけど…」
「本当!?暑くってさ、何か急に飲みたくなった」

二人で家に向かって歩いていると、視界の端くれに蝶々の羽が一瞬だけ光った。
あっ、と声をあげるよりも前に儚くも消えてしまった。
隣で必死に蝶々を探す茜ちゃんの真剣な眼がおかしくて、思わず笑みが溢れた。
見つけたらもう二度と逃がすまい。初夏には少々暑苦しいそんな気概が漂ってきた。

まだまだ涼し気な頬は、夏を迎えてもしっかりとそこに存在してくれているだろうか。
蝶々のように急に飛び去っては行かないだろうか。
自分も同じことを考えているのだなと思い、再び目尻が綻びる。
移りゆく季節の中で、僅かばかり間怠っこいこの気持ちが軽く飛ばされてしまえばいいと願った。

はっきりとは色付いていない初夏の影は、地中を刳りこまないようにそっと動いていた。
0225名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/01(木) 12:55:57.12ID:xEmzwj3JK
>>224
かつての軍曹シリーズより更に一歩進んだ感じの文学的で深い味わいが素敵です

先般の映画に例えた話題の時に感じたんですが、自分と(元)庭先生の作品がワンカットで撮れる感じなのは、どちらも基本的に会話がメインであることが理由ではないでしょうか

もちろん庭先生の基本がハメ撮りであるのに対して自分は漫才とコントであるという差はありますが(笑)
基本的に会話以外の部分は会話の意味を補足・解説するための付属品的な感じです(だから自分はセリフだけで書きたくなったりもする)

大阪府先生や千葉県先生の場合は登場人物やセリフもすべてが物語の世界の構成要素のひとつひとつになっている感じなので
それが見事にキマっているのが感心しきりなのであります
0226Here comes my love(茸) (スップ Sd43-3IqM)
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2019/08/01(木) 16:33:28.34ID:Dvjl6gfKd
車列が滲み焼き魚の匂いがどこかから漂う。
「なんかいいにおいがする」
いくちゃんは鼻を動かしてあたりをキョロキョロさせる。季節はまもなく冬に向かう頃で吐息も白く凍えるようだ。僕はいくちゃんの手を握りながら言う。
「手、冷たいね」
いくちゃんは頬を膨らまして、
「あっためてよ」
そう言って腕を絡ませる。
柔らかな感触に僕はいくちゃんの顔を見る。
「どうしたの?」
いくちゃんは不思議そうな顔をした。
「うん?別に?」
「そっか」
いくちゃんは僕の腕をさらに抱きしめながら、
「家よっていい?」
と訊いた。
「うち、誰もいないよ?」
いくちゃんは最近姉と喋ることを楽しみの一つとしている。
「だからいいんじゃない」
いくちゃんは寒いのかだいぶ頬を赤くして答えた。
柔らかな感触がもっと強くなる。
「寒いから暖まりたいの」
いくちゃんは僕の目をじっとみる。
「温まる…?いくちゃん家の方が暖かいじゃない」
「だから違うの。君と温まりたいの。」
「じゃ僕が行こうか?」
「家、お母さんいるから」
「ふうん」
「だから、家行ってもいい?」
「いいけど」
いくちゃんはスカートの丈を折って短くさせて、
「早く行こ」
と僕の手を引っ張った。
いくちゃんの手は何故か酷く汗ばんでいる。
その日、いくちゃんは家に泊った。
0227理佐ちゃん至上主義者の庭(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/01(木) 22:10:19.44ID:J1zNrPAc0
>>223
普通のAVよりハメ撮りの方が好きだったから・・・

>>225
まさにです
俺の分身たる俺君は基本理佐ちゃんさえ居てくれたら何もいらない状態なので理佐ちゃんしか見えてないので会話がメインになりますねw

俺の場合は風景とかを描写するだけの文章力も無いですしw
0228名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/02(金) 12:05:00.51ID:Q59MwGgTK
>>226
一人称で書かれていても主人公の内面とか下心を直接的に書かないところが、味わいの素であり純文学的な香りの素であり庭先生や自分との違いなんでしょうね

http://o.5ch.net/1i96x.png
スレチ
0229名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW bdb7-Rd6d)
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2019/08/02(金) 18:22:55.43ID:bKPq58ib0
>>225
ちょっと文学的にしてみましたw
カギカッコない文章というのが僕の一つの理想でもあるので、確かにチワンさんの言うとおりかもしれませんね

>>226
全く低俗な感じを受けないのがすごいです

>>227
僕はやっぱりその反対で、そっち系の映像作品であっても設定や世界観がしっかりしてる方が好きです
もう最悪服脱がなくてもいいとさえ思ってますw
0230名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW bdb7-Rd6d)
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2019/08/02(金) 18:27:10.97ID:bKPq58ib0
>>228
この絵が誰か気になるので早めに答え合わせがあることを切に願います。
0231名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/02(金) 19:21:14.66ID:Q59MwGgTK
>>230
お待たせ致しましたm(_ _)m

先生が>>139で調べてくれたのと同じくSTU48岩田陽菜がモデルです
元ネタ(後半に出てくる)
https://video.twimg.com/ext_tw_video/1156837454822821889/pu/vid/1280x720/70ZimH7cge7fm0Vu.mp4

以前からよく描いてる子のうちの1人なんですが
主な理由はもちろん『描きやすい顔だから』です(笑)
http://i.imgur.com/DQyAhQn.jpg
http://o.5ch.net/1i8fx.png
0232名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW bdb7-Rd6d)
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2019/08/02(金) 20:42:50.14ID:bKPq58ib0
>>231
早速ありがとうございますm(_ _)m
書店で2回手を伸ばした本は買えといいますが、同じ子の絵に2回も釣られた場合はやはりその子を推すべきなんでしょうかw
それくらいチワン先生の描く岩田陽菜ちゃんは魅力的です
素人なので描きやすさについてはわからないのですが、大きな口元に魅力がある気がしますね
0233名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW cd93-C3V+)
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2019/08/03(土) 13:28:33.63ID:zXxCoUIM0
>>228
>>229
ありがとうございます〜
0234名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/03(土) 23:40:32.89ID:6/fJpxlE0
>>229
服を脱がなくても良いなんて達人の域やないですか(-o-;)
0235夢で逢えたら 第14話(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/04(日) 00:04:24.24ID:AnaSwtdN0
「浮気してんじゃねーよ」

愛しの嫁葵を乗せた電車を見送る俺の背後に忍びよりドス声浴びせかける謎のドス声

「はい!?」
突然のドス声に驚きながら振り向く俺

そこには逢いたいと切望して夢にまで見たというか夢の中にしか存在しない天地開闢以来の美人理佐ちゃんが!?


「うおっ!?」
初めてちゃんと見たけどめっちゃ美人が過ぎる理佐ちゃんに驚きの悲鳴上げる俺

「なに驚いてんのよ?」
なんて不機嫌な顔して俺を詰る理佐ちゃん

どうやら理佐ちゃんに逢うために夢の中に訪れてるくせに年下の幼なじみ葵との新婚生活に幸せを感じてる流されやい俺を怒っているらしい理佐ちゃん


「いきなり理佐ちゃんに好かれてるなんて素晴らし過ぎる!」
さすが自分の夢だけあって都合良く始まる展開に喜ぶ俺

夢見術に感謝カンゲキ雨嵐すっかり葵を忘れる俺なのである


「なにヘラヘラ笑ってんのよ?」
喜ぶ俺にますます怒る理佐ちゃん

「ごめんごめん、ついに憧れの理佐ちゃんとカレカノな関係の夢を見れてることに感激してんだよね」
愛しの理佐ちゃんにデレデレな俺

「訳わかんないこと言ってんじゃねーよ」
なんてドス効かす理佐ちゃん

「えっ、違うの・・・」
自分の夢だけに都合良く考え過ぎていただけにちょっとガッカリする俺に

「違うよ!私たち結婚してんでしょ!」
なんて膨れっ面しながら文句言う理佐ちゃん

「結婚してんの!?」
いくら夢とはいえあまりにも早い展開に驚く俺

「ほら、夢じゃないでしょ」
言いながら俺のほっぺたをつねる理佐ちゃん

「いたたたた〜」
信じられないくらいの痛みに悲鳴あげながらも頬にかんじる理佐ちゃんの指先に理佐ちゃんと新婚さんなんだと幸せが溢れる俺

それにしても夢なのにめっちゃ痛えな、、、



つづく
0236名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/04(日) 00:48:13.73ID:1Ktj7gUIK
>>234
ああ、なるほど
ちょっと誤解してましたわ

大阪府先生はAVとかでも芸術性を感じられるものが好きなのかなと思って読んでたんですが
要するに着衣ものが好きっていう意味だったんですね(笑)

>>235
何か胡蝶の夢みたいな展開に(笑)
0237名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/04(日) 10:39:50.50ID:AnaSwtdN0
>>236
AVの世界では上級者になればなるほど着衣ものに行くらしいですから(-o-;)

夢の中と現実が区別つかなくなってきてますw
0238名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/04(日) 17:52:01.06ID:1Ktj7gUIK
>>237
実際に何か××なことをしようと思ったときは夢なのか現実なのかよくよく確認してくださいね(笑)

ていうか
IDがどちらか一字違ったら大変なことに(笑)
0239ヌードにも芸術的価値はありまぁす!(大阪府) (ワッチョイ bdb7-7ShF)
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2019/08/04(日) 21:52:17.28ID:31upeAk80
>>236
>>237
何で着衣が好きな流れになってるんや…

> AVとかでも芸術性を感じられるものが好きなのかなと思って読んでたんですが

それで合ってますよ〜w
いい作品というのはジャンルに関わらず芸術性に富んでいるものなのです

>>235
こうなってくると現実世界の理佐ちゃんが気になるところですね
0240揺れる(千葉県) (ワッチョイW 9b15-C3V+)
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2019/08/04(日) 22:04:05.47ID:FGWrhfs40
銀の車体が傾斜しながら県境を渡る。
その境目は春と夏を分かつようで、今僕が向かう先は風に戸を揺らしながら夏だった。
首をあげた刹那に右顬と首がつめたいものを食べたあとのように痛んだ。
季節の変わり目に弱いのか、気圧のせいか遺伝で僕はずっとこの偏頭痛に悩まされている。
「おは」
その時携帯が震え画面にそのような文字列が並ぶ。
相手は新潟にいる彼女だ。時間はただ今15時58分。
昼迄寝ていたらしい。世間的にはおはようではない。
列車は減速して船橋駅に滑り込む。
熱風がエアコンの風を掻き混ぜて不快に肌が湿った。
「いつまで寝てたんだよ」
僕はそう返事を送る。
「うっさい」
すぐさまそうかえってくる。その勢いが怖い。
「というかこっち帰ってこないの?」
津田沼駅に着いた頃、彼女からそう訊かれる。
「8月下旬ごろ」
そう返すと、
「遅い」
と言ったきりなにも返ってこなくなった。
現在8月2日。列車はゆっくりと夏の扉を開かんとしている。エアコンの風が首筋を刺す。
0241揺れる(千葉県) (ワッチョイW 9b15-C3V+)
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2019/08/04(日) 22:04:49.66ID:FGWrhfs40
列車を出ると湿気った熱風が体中を包んだ。
僕は脳内で暴れる偏頭痛を指で揉みながら抑える。しかし収まる様子はなく自宅に帰ってからも黙ってクーラーの訊いた布団で眠っていた。
うとうとと眠って着信に気づいたのは2時間ほど経ってからである。
「まなか」と書かれた不在着信があった。
僕は2時間前でありながらすぐさまかけ直す。
密室のなかで呼出音が寂しく響く。
音は壁に吸い込まれ、消える。
「もしもし」
だいぶ不機嫌な彼女が出た。
「寝てた?」
続けざまに彼女が訊く。
「うん」
そう言うと「すぐ出てよ」 さらに言われた。
「ごめん」
機嫌が悪くなるとめんどくさい。
「寂しいじゃん」
しばらくして小声で言う。
「なに」
わざとききかえすと、
「うざい」
と言って切られた。
そのあとで「できれば早めに帰ってきて」
とLINEが来る。彼女はそういう人だった。
0242揺れる(千葉県) (ワッチョイW 9b15-C3V+)
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2019/08/04(日) 22:05:25.13ID:FGWrhfs40
「へぇ、新潟なんだぁ」
とろんとした口調で小池美波が言う。
「あぁ、まぁ。」
グラスに半分ばかり残ったビール。
飲み放題の安さが売りの神田駅近く、3階建ての雑居ビル。その2階で今日、ゼミの飲み会が開かれている。そこで僕は偶然小池と隣になった。
ゼミは日本近代文学ゼミで今にも死にそうな老人が担当で、ゼミ生は15人前後。男女比は6:4。
「お酒苦手じゃなかったの?」
僕は烏龍ハイのグラスを傾けて訊く。
「うん。苦手なんやけど、でもこういうの断れなくて」
「ふうん。」
「それにな。うち、大学から家まで1時間半かかるからもう帰らなあかんねん」
腕時計を見る。時刻は十時半。
シンデレラはかなり早いおかえりである。
「僕も帰ろうかな」
かく言う僕も家までは1時間少しあった。
「じゃ、お先失礼します」
小池の甘い声がけたたましいばかりの座に溶ける。
僕もついでに帰ろうとしたら、
「おっ、ついにみいちゃんをお持ち帰りかぁ」
と先輩が囃し立てる。
先輩は4年。今回は就職活動が無事終了したことの報告もかねて参加している。
どうやら就職先は教授のコネで決まったらしい。
「お疲れ様」
齋藤冬優花は先輩の隣をキープしながら、さっと、僕らを一瞥する。
「お先」
店を出たのは午後10時40分であった。
0243揺れる(千葉県) (ワッチョイW 9b15-C3V+)
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2019/08/04(日) 22:06:11.90ID:FGWrhfs40
高尾行きの快速は乗客がひとつ飛ばしに座っていた。小池は端の席を目ざとく見つけて陣取る。
僕はその隣なに座る。その途端、
「お持ち帰りってなに」
とろんとした眼差しで小池はそう訊かれた。
「さぁ、なんだろうね」
青、緑、紫の繁華街を中央線は駆ける。
僕はそれをみて答えを誤魔化す。
ホテル・ニューヨークとはなんとも貧相な名前だとおもいながら。
「わかったぁ。君が無理やりわたしのことを」
濃紺のシャツはエアコンの風に揺れる。
小池に乗客の視線が集まる。
「しっ」
僕は小池のシャツを引っ張って座らす。
咳払いの重なり。カーブに列車が揺れると快速は新宿駅に到着する。
「そういえば最寄り駅どこ?」
僕は何となく訊く。
無言の空間が嫌だった。
「八王子。」
小池はそういって欠伸をする。
僕はふうんとただそれだけ言う。
そのとき着信があった。
彼女だった。
僕はまばらな乗客のどこか虫の居所が悪そうな顔を察して画面だけを見つめて無視する。
しかし小池が、「誰?」と僕の画面を見つめて
勝手に通話のボタンを押してしまったのだ。
「もしもし」
コール時間が長かったせいか彼女は不機嫌で、
僕は携帯を小池の手から救いあげようとする。
しかし俊敏な動きで躱されてしまう。
そして「もしもし?誰?」
と小池が彼女と会話し始めたのだ。
「あんた、誰よ。はっ、なに?」
棘のある声が指に耳に刺さる。
「わたし?小池美波です。いま?いまは、えーっと、あ、お持ち帰りされてまーす」
と小池はそれだけヘロヘロした口調で言って携帯を突っ返してきた。
「お前帰ってきたら覚えてろよ」
彼女はそう言って切る。悪夢である。
小池はそれっきり起きなかった。
完全に寝込んでいたのだ。
0244庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/05(月) 11:11:54.67ID:I9ICIKDQ0
>>238
お縄にならないように気をつけて事におよびます(  ̄ー ̄)ノ


>>239
新しい時代の芸術性とは即物的な物の中から立ち現れるのです(  ̄ー ̄)ノ

現実世界の理佐ちゃんを登場させると理佐ちゃんが主役になってしまうのであくまで夢の中だけに留めたいw
0245庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/05(月) 11:17:29.43ID:I9ICIKDQ0
>>240>>243
みいちゃんの写真集が出るのを祝うかのようにみいちゃん主役や〜
0246名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW bdb7-Rd6d)
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2019/08/05(月) 22:20:14.23ID:p9A3YzQE0
>>243
まあ修羅場ではありますが、何とも羨ましい状況ですねw

>>244
なるほど、考えてみれば芸術のための芸術はもうほとんど存在しないですね

それよりもてちこさん失敗の一幕ですが、泣いてる女の子を見ると守りたくなるのが普通だと思うんですけど、なぜ理佐ちゃんの場合は美しいという感想が第一に浮かんでしまうのでしょうか、先生

https://i.imgur.com/K7Rw2dv.gif
http://tvcap.info/2019/8/5/cuio190805-0050580734.jpg
0247名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/06(火) 00:57:42.63ID:wBT7BImQK
>>246
『美しい』という概念ならびに言葉
更には人間が美しさを感じる機能
というものは
理佐ちゃんという最高傑作が出来る日のために
神様が作り上げて用意していたものだからです

と言い出す…もとい、解説してくれるに1500ポイント
0248庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/06(火) 10:40:15.67ID:FG7wAyge0
>>246
>>247
俺より俺な答えやないですか(-o-;)
0250庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/06(火) 13:46:35.41ID:FG7wAyge0
>>249
なりきりついでに理佐ちゃんだから好きシリーズ1本書いて〜( ̄▽ ̄)ゞ
0251【贋作】許婚の理佐ちゃん・1(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/06(火) 22:26:46.47ID:wBT7BImQK
>>250 難しすぎ(笑)
・・・・

「ふぇ〜参ったな」
体感温度50度もありそうな灼熱地獄の駅のホームでしばし途方に暮れる俺

天地開闢以来の神の最高傑作たる理佐ちゃんとめでたく許婚になった俺だが
従来の飲む打つ買う三昧の生活がたたり
理佐ちゃんと幸せな家庭を築くための先立つものが全然足りない

そこで少しでも稼ぎを良くしようと夜仕事に転職したのはいいが
慣れない仕事の疲れがたたったのか
帰りの電車で寝過ごして隣町の駅まで来てしまった俺

「次の電車が50分後ってどういうことやコラァ!」
暑さのイライラもあいまって澤部似の駅員に因縁つける俺

「そ、そう言われましてもちょうど今は特急と快速と通勤快速が…」
「旗振って止めらんねえのかよ」
「できませんよぉ…」
「こんな炎天下で待たせて熱中症になったらどうすんだ?あぁ?」
と澤部似をビビらせていたら
他の駅員が近づいてきたので

「…ってこのジジイがさっきからわめいているんでなんとかしてください」
とそばにいたボーッとしたジジイを捕まえて突き出す俺

「え?わ、わしは…」
駅員に囲まれるジジイを尻目に無事に駅を脱出成功の俺
どこか冷房の効いたところで時間をつぶさないと…

と思っていたら携帯に理佐ちゃんからの着信で反射的に固まる俺

「もしもし?今日遅くなるの?」
「あ、仕事は普通に終わったんだけど電車で寝過ごして遠くまで来ちゃって」
思わず直立不動で答える俺

「よかった〜無事で…もう帰ってる時間のはずなのに家に電話しても出ないからさ」
「家に…電話?理佐ちゃんはどこにいるの?」
「今日から私もアルバイトするって言ったじゃん」
「ああ…もうそんな時間なんだ」
アルバイトの件をすっかり忘れていたことを悟られないように時間の話に巧みにすり替える俺

「あ!本当にアルバイトの話忘れてたでしょ」
そんな俺の作戦をあっさり見破る理佐ちゃん

「そんなことないよ…覚えてるよ」
「じゃあ私が今いるバイト先はどこ?」
「あ…」
家で酒飲んで聞いてたせいでバイト先のことは本当に覚えてない俺

「人の話聞き流すんじゃねえよ」
と追い討ちでドス利かす理佐ちゃん

「ごめん…」
心底反省してしょんぼりする俺に
「“俺君と早く一緒になって幸せに暮らせるように私も働く”って言ったのも忘れちゃったのかな」
って少し照れながら言う理佐ちゃんだから好き
0252庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/06(火) 22:43:36.72ID:FG7wAyge0
>>251
めっちゃ良いですやんw

これは長編で楽しみたいです
0253ジムインストラクターの理佐ちゃん(大阪府) (ワッチョイ bdb7-7ShF)
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2019/08/06(火) 23:15:08.97ID:CLVz1i090
「そんな体だと誰にも振り向いてもらえないよ」
初めてジムに来たヒョロガリの俺に容赦ない言葉を浴びせるインストラクターの理佐ちゃん

「いい、私たちそう体型変わらないように見えるわよね?」
なんて言いながらベンチプレス60キロを軽々と持ち上げる理佐ちゃん

「へっ何いってんだ、そのくらい俺だって…」
バー持ち上げようとするも1ミリも動かずしょぼくれる俺
俺の頭上で全力で大笑いする理佐ちゃん

何でや!こっちは金払ってまでトレーナー雇ってるのに笑われるなんて…
なんて気づけば涙ちょちょぎれてる俺

「ちょっと、何も泣くことは…」
「泣いてない!眼にゴミが」
「はぁーそういうところから直さないとダメだね」
「ヴっ…はぃ、お願いしやす…」


なんて会話してから半年ほどで人並みの体にまでなった俺

「どうだ理佐ちゃん、見よ!」
徹底的に鍛えた上腕二頭筋に力こぶ作って自慢する俺

「おぉーすごい。もう私必要ないかもね」
「うん、そうだね。じゃあ今日はもう上がるから」
「待って!えっと…ほら、でもまた困った時は私にちゃんと相談しなさいよ」
「お、おう」


それからというもの自分で計画的にメニュー組んでトレーニングする日々が続き、気づけば理佐ちゃんと会わない日が続く
細マッチョになったことで女の子にモテ始めて調子に乗って告白したら振られてしまったぜ…

「どうしたの?」
そんな俺の暗い表情を心配して珍しく話しかけてくる理佐ちゃん

「あぁ…実は」
なんて言いかけるもこの相談事は理佐ちゃんの範疇外だと思い黙る俺
「黙ってないでいいなよ」
やっぱり優しい理佐ちゃんに全部話しちゃう俺

「ははっ!なんだそんなことか」
人の失恋にまたも大笑いする理佐ちゃん
はいはい、どうせ俺は変われませんよ

「もしよかったらだけどさ…」
急にかしこまった様子でモジモジし始める理佐ちゃん

「また、ジム来なよ」
なんて遠回しだけど少しだけ希望持たせてくれるから好き
0254名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW bdb7-Rd6d)
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2019/08/06(火) 23:20:39.83ID:CLVz1i090
だから好き選手権参戦してみました

>>247
一瞬、本気で庭さんのレスだと思いましたw

>>251
庭さんは軽さの中に深さがある感じですけど、チワンさんは真面目ベースにギャグがある感じがします
どっちも好きです
0255マンション(千葉県) (ワッチョイW 9b15-C3V+)
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2019/08/07(水) 00:06:45.87ID:UuKTErHO0
酔っ払ってわかりやすく千鳥足で帰宅する俺君。
「理佐ちゃんの美しさは世界一」と
尻から火が出るくらい恥ずかしいことを宣いてわたしに抱きつく俺君。
「ちょっと離して暑いよ」
と言いながらついつい背中に手を回しちゃうわたし。
「いつか理佐ちゃんと結婚して」
と夢みたいなことを言って眠り込んじゃう俺君。
そのの背中につい抱きついちゃうわたし。
こんなどうしようもない俺君だけど、いないと寂しいと思い始めちゃう。
思い余りキスしようして顔をよくみたら1階上の住人で驚いてビンタするわたし。
その一部始終をみてわらいながらちょっと嫉妬してそうな俺君だから好き。
0256マンション(千葉県) (ワッチョイW 9b15-C3V+)
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2019/08/07(水) 00:07:23.44ID:UuKTErHO0
酔っ払ったふりをしてずっとすきだった理佐ちゃんの部屋に入る俺。ピンポンしたら笑顔で出迎えてくれる理佐ちゃん。
意外と気づいてないみたいだ。
彼氏のふりをして、「理佐ちゃんの美しさは世界一」
と言って抱きつくとわかりやすく喜んで顔を赤くする理佐ちゃん。「暑いよ」といいながら手を回すあたりかわいいやつめとほくそ笑んでたら
彼氏が帰ってくる靴音。
あわてて「いつか理佐ちゃんと結婚して 」
と言って狸寝入りする俺。
そんな狸寝入りにだまされて本当に寝ちゃったの?と訊く理佐ちゃん。
顔の近づく気配にキスを期待していると突然のビンタに驚く俺。
「俺くんじゃない!」
と顔が引き攣る理佐ちゃんの顔をしたり顔で眺めていると双子の弟の彼氏がドアを開けて、嫉妬したような顔を見せる。
「あ、おかえり」
とプチ修羅場を誤魔化そうとして棒読みになっちゃう理佐ちゃんだから好き。
0257庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/07(水) 09:49:28.07ID:fpqstBSP0
チワンさんに続き大阪府さんと千葉県さんまで俺の『理佐ちゃんだから好きシリーズ』にオマージュを捧げてくれてありがとうございますm(__)m

皆さんの方が俺より完成度が高くビビっていますw
0259【贋作】許婚の理佐ちゃん・2(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/07(水) 12:51:47.93ID:BA/Xz6wrK
理佐ちゃんとの電話を終え再び駅前をうろつく俺
しかし大都会東京ならいざ知らずこんな片田舎の町では昼間からやってる風俗もあるわけも無く…

「まあここでいいか」
仕方なく駅前のTSU〇YAに入る俺
思ったより中は広々していてエアコンもバッチリだ

夏休みの親子連れが目立つ店内をぐるりと見渡した後に
迷うことなく店の右奥を目指す俺

初めての店でも棚の配置を一瞥しただけで把握できる達人技により
入って10秒でアダルトコーナーの暖簾をくぐる早業が可能な俺

「やっぱりランキング上位は強いねえ」
フレッシュギャルズちゃん達をチェックしながらコーナー内を見渡すと先客が1人
文学全集らしい本を抱えながら着衣もののチェックに余念がない変わった青年だ
しばらくその青年の嗜好をチェックしているうちに
もう1人気になる客が

「(誰だ?覗いてるのは?)」
黒暖簾の外からこちらをちらちら覗いている視線に気づいた俺
素早い動きで暖簾から外にさっと出てみると
そこにいたのは背の低い坊ちゃん刈りの中坊だった

「おい!待てよ」
ヤバいって顔して逃げ出そうとした中坊を呼び止める俺
観念したのか中坊は真っ青な顔して足を止めて引き返してきた
素直な良い子じゃないか

「お前、中を覗いてたろ」
「はい…すいません」
「中にお父さんとかお兄さんとかいたのかい」
「…違います」
あの着衣ものマニアとは関係ないらしい
変に嘘で誤魔化さない姿勢が気に入った俺

「じゃあ純粋に中が見てみたかったんだろ?」
「…はい」
「じゃあちょっと見てみるか」
「…えっ?」
「幸い誰もこの辺に誰も居ないから俺の陰に隠れて一緒に入れ」
そう言って中坊と一緒に暖簾をくぐる俺

中では着衣マニアがギョッとした顔でこちらを見ているが気にしない気にしない
中坊は無言でコーナーを見回している
「いいか、長居はできないからよく目に焼き付けるんだぞ」

30秒ほどの夢の時間の後、暖簾をくぐって現実の世界へ戻る中坊と俺
そんな俺たちを鬼の形相で出迎えたのはいかにも無添加が好きそうなマダム

「うちのチワ太郎に何をしたんですかぁぁ!」
店内に轟く怒り心頭のマダムの声
よりによって中坊の母親に現場を押さえられた俺万事休す

「お客さん、どうされました…あっ!」
騒ぎを聞きつけてやってきた店員がTSU〇YAの制服姿も世界一似合う理佐ちゃんだから好き
0260【贋作】許婚の理佐ちゃん・3(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/07(水) 16:11:06.29ID:BA/Xz6wrK
「(理佐ちゃんのバイト先ってここだったのか!?)」
予想外の理佐ちゃん登場に唖然とする俺

理佐ちゃんも最初固まっていたが流石は俺の許婚だけあってすぐさま気を取り直して仕事モード発動
「何かありましたでしょうか?」
「この…この男性がうちの息子を無理やりアダルトコーナーに」
マダムの言葉を聞いて一体何てことしやがったんだこの野郎オーラを出しながら俺を睨みつける理佐ちゃん

「いや…その…この子がトイレ探してたから…初めて来たからうっかりここがトイレだと勘違いして…」
と往生際の悪い俺
しかしそんな言い訳信用されるわけもなく
「警察呼んでください!」
とまくしたてるマダム

こりゃダメだと観念しかかったところ…

「おじさんの言うことは本当です」
と俺にまさかの助け舟を出す中坊
そんなにさっきの体験が嬉しかったのか

「あの…トイレはどこですか」
まさかの展開に目を丸くするマダムと理佐ちゃんに向かってさらにダメ押しをする中坊
マダムは中坊を連れてトイレへ駆けて行った

「どうしてここにいるのよ」
2人だけになり許婚モードに切り替わる理佐ちゃん

「乗り過ごした駅前で再会なんてやはり運命の神様はいるんだな」
と緊張がほぐれ浮かれモードの俺

「呑気なこと言ってんじゃねえよ」
と周りを気にしてドス利かす理佐ちゃん

「俺君を冤罪で警察に突き出すことになっちゃったらどうしようって本当に心配したんだよ」
と俺と中坊の嘘を信じて心底心配してくれる純情な理佐ちゃんだから好き
0261庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/07(水) 20:41:41.21ID:fpqstBSP0
大阪府さんや千葉県さんに比べてチワンさんは時おり垣間見せる品性の下劣さが俺に近いせいか後継者の最有力候補ですわw
0262名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK2b-meqT)
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2019/08/07(水) 21:47:17.32ID:BA/Xz6wrK
>>261
その下劣さを無理して真似するのが一番大変なんすよ(笑)

そして後継者に名乗りをあげた覚えは全くない(笑)
0263庭と呼ばれた男(家) (ワッチョイWW f516-DQXz)
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2019/08/07(水) 22:23:45.74ID:fpqstBSP0
>>262
無理して真似てくれてたんですねw

万が一のためにTwitterやブログの理佐ちゃんだから好き垢を引き継いでくれる後継者を探そうかと思い立ちましてw
0264【贋作】許婚の理佐ちゃん・4(終)(ガラパゴス県) (プチプチ KK7e-AyrS)
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2019/08/08(木) 16:56:57.01ID:lLRo9sRaK0808
理佐ちゃんが仕事に戻った後
とりあえず一服するためにいったん店の外へ出た俺
目の前のガードレールにあの中坊が座っていた

「さっきは助かったわ!ありがとな」
と再び気さくに話しかける好青年な俺

「こちらこそ…」
と若干もじもじしながら礼を言う中坊の左頬が腫れているのを見逃さない俺

「お母さん…怖いのか」
「知らないおじさんについていくなって…」
「まあそりゃそうだな(笑)でもビンタしなくても」
「一発で終わりだからまだマシです…」
という中坊の発言に何やらピンときた俺

「お前、何年生だ?」
「中2です」
「学校、楽しいか?」
「…」
「そりゃイジメられてれば楽しくないわな」
「え?どうして…?」
図星をさされて目がまん丸になる中坊

「お前がイジメたくなるタイプだからだよ(笑)俺も中坊の頃は悪ガキだったからそういうのよくわかるんだわ」
とあたかも今は改心したかのようにふるまう俺

「じゃあ今は不登校なんか?」
「いえ…いちおう行ってます」
「そうか…まあそもそも学校ってのは仕方なくイヤイヤ行くところだしな(笑)行かないとあのママさんにもまた叱られるんだろ」
「はい…」
柄にもなく中坊が少しばかり気の毒になってきた俺

「だがな、高校まで行ったとしてもその学校生活はあと4年とちょっとでおしまいだ
その後にはすごいご褒美が待ってるからな」
「…何…ですか?」
「何がって…お前の憧れの黒暖簾の向こうに堂々と入れる身分になって、AVも見放題になるんだぞ」
俺の言葉を聞いて目が輝く中坊
とんでもねえスケベ野郎だ(笑)

「しかもそれだけじゃなくエロ本屋や風俗だって行き放題だ(笑)そんな世界があと4年ちょっとで来るとしたら頑張れるだろ」
「はい」
中坊はニコッと笑って一礼してどこかへ帰っていった
何なんだこいつは(笑)
悪い大人に引っかからないようにしろよ(笑)

「何話してたの?」
と店から出てきて声をかける今日はお昼で上がりの宇宙一最高に美しいTSU〇YA店員の理佐ちゃん

「中坊が今日の店員さんがものすごく美人だって感動してたから、天地開闢以来の最高傑作だぞって教えてたんだよ」
と適当にはぐらかす俺に
「恥ずかしいこと話してんじゃねえよ」
とドス利かす理佐ちゃん

「でもバイト初日ですごく緊張してたんだけど、俺君の顔を見たらなんだか安心しちゃった」
とそっと腕を組んでくる理佐ちゃんだから好き

―了―
0265名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 89b7-9EMz)
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2019/08/09(金) 21:31:59.43ID:pi+mOETi0
>>261
庭さんの文調に苦労していつもの3倍以上の時間がかかった俺には後継者は無理ですw

>>264
ちょっと感動するのがムカつくw
チワンさんは真面目なカメレオンだと勝手なイメージを持ってたのですが、それ以上のものがあるのでイメージ再模索中であります
0266名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK7e-AyrS)
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2019/08/10(土) 07:10:19.80ID:NH9LOu+0K
>>265
ありがとうございます(笑)
ちなみに作中の着衣ものマニアの青年には特定のモデルは一切いません
ということで

ちなみに最初はタイトルがTSU〇YAの理佐ちゃんだったんですが
タイトルでネタバレになっちゃうことに気づきまして(笑)
0267庭と呼ばれた男(茸) (スップ Sdda-9YMZ)
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2019/08/10(土) 10:05:06.60ID:b/AlH52Nd
>>264
贋作とは思えない仕上がりですな

300年ぐらいたったら俺の書いてる理佐ちゃんだから好きシリーズが人類史上最高美人の理佐ちゃんを描いた作品として再評価されると思うんですけど、、、

チワンさんの作品も見分けつかなくて後世には俺の作品として伝わりますねw


>>265
大阪府さんや千葉さんみたいに端正な文章やたおやかな表現を心がけている方には俺のデタラメな文章は難しいかもですなw



>>266
確かにネタバレしそうw
0268名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK7e-AyrS)
垢版 |
2019/08/11(日) 12:18:47.79ID:XXC3agSBK
ちょっと冷静に考えてみると
贋作というのは本物と見誤るほどのクオリティを持ったものがそう呼ばれるわけですから
それをわざわざ最初から自分でタイトルに付けるなんざ、おこがましいにもほどがあるわけで
深く反省した次第でございますm(_ _)m



しかしタイトルを訂正する予定はございません(笑)
という保守
0269名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK7e-AyrS)
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2019/08/13(火) 05:59:09.77ID:PiL8nsJHK
保守


ついでにまたSTU岩田陽菜でも
http://o.5ch.net/1i557.png
0270名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 89b7-9EMz)
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2019/08/13(火) 20:31:06.30ID:aBUYCbhQ0
>>269
浴衣の模様が細かくて、よくそんな細かい作業が出来るなと感心いたしますw

SHOWROOM見たんですが微妙に攻めた言動が目立ちますよね
16歳であれだけものを言えるのは中々です
0271『Scuola di Atene』(前編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/13(火) 22:06:21.18ID:aBUYCbhQ0
T.Unintentionally

薄暗い部屋に明かりを点ける。わずかに聞こえる蛍光灯のパチっとした音。やがて安定したノイズに変わる。そして未完成のカンバスが光を吸収した。

初めて美術室に入った。夕刻にしても暗い。窓には黒いカーテンが掛けられている。明かりを点けるまで、人がいたことに気が付かなかった。

その女性は、円形に並べられたカンバスの中心に、脚を組んで座っていた。茶色い毛先が肩のあたりでカールしている。彼女をモデルにするならば、モナリザよりも美しく描けそうだった。

女性はゆっくりと瞼を持ち上げ、周囲を一瞥した。眠そうな瞳で僕を確認すると、組んでいた脚をほどいた。前髪を手でどかした。椅子を回転させ、体を正対させた。

「あなたですか」と僕は聞いた。「私の名前は佐藤詩織ですが、何か」と女性は言う。
「いえ、ここへ僕を呼び出したのはあなたですか、と聞いているのです」
「そうだとしたら?」
「用件を伺ってもよろしいですか」
「いえ、実は私ではありません。多分あの子でしょう」

詩織さんと名乗る女性はそう言って入り口を指差した。僕は後ろを振り返った。人と人とを比べるべきではないのだろうが、入り口に立つ女の子は子供っぽく見えた。女性で錯覚を覚えたのは初めてだった。

「では、ごゆっくり」と言って、詩織さんは奥の部屋に消えた。入り口の女の子は足早に部屋へ入ってきて、お辞儀をした。

「お呼び立てしてすみません。あの…詩織さんとお友達なのですか?」
「いいや、今、初めて話しました。あの人のこと知ってるんですか?」
「美術部の先輩です。確か今は修士課程の2年です」
「そうですか。あ、で呼び出したのは君ですか?」
「はい、その、率直に言います。付き合って下さい」

僕の返事も待たずに、女の子は部屋から出ていった。待ち構えていたかのように奥の部屋のドアが開いた。詩織さんが口笛を吹いて歩み寄ってきた。
「もう終わった?」
0272『Scuola di Atene』(前編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/13(火) 22:07:21.02ID:aBUYCbhQ0
U.Low bow

「聞いてましたね」
「さーて何の話かな?」
「まあいいです。今の誰ですか?名前も言わずに告白だけして去っていったんですけど」
「あの子ね、2年生の森田ひかるちゃん。こっち来て」

詩織さんは手招きをする。トラのように柔らかい足取りで歩き始めた。カンバスを半周ぐるりと回って一枚の絵の前に止まった。

「どう?ひかるちゃんの絵。上手でしょ」
「これは何の絵ですか?」
「君だよ」
「え、これ僕ですか。」
「うん。なかなか上手く描けてる。ちょっと理想が含まれすぎているけれどね」

詩織さんは作品と実際の僕とを何度か見比べて、うなずいたり首をかしげたりしていた。そのうち飽きたのか、カンバスの中心の椅子に座り、再び僕がこの部屋に入ってきた時のように目を閉じた。

「それで、どうするつもり?」
「何をですか?」
「返事だよ、ひかるちゃんへの返事」
「いや、それが、告白されたの初めてで、どうしたらいいんでしょう」
「そんなの簡単だよ。好きならOK。嫌いならごめんなさい」
「はぁ…でも何で僕なんだろう?」
「君、展覧会来てたでしょ」

確かに、詩織さんとひかるちゃん、両者とも今日初めて話をした。ただし詩織さんの言うように以前から名前は知っていた。大学祭の展覧会でひかるちゃんの絵を見たからだ。簡単な名前だったから覚えている。

大学祭の雰囲気に疲れ、ふらっと立ち寄った展覧会で、その絵を見た。とても不思議な作品だった。絵画のことなんかひとつもわからないのに、20分くらいはその作品の前に立ち止まっていたと思う。

展覧会のスタッフ係に身長の低い人がいたことは覚えているから、おそらくそれがひかるちゃんだったのだろう。帰り際に深々とお辞儀をしてくれたから印象に残っている。

「嬉しかったんだと思うよ、ひかるちゃん。あの作品が初めての出展だったから」
0273『Scuola di Atene』(前編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/13(火) 22:08:25.32ID:aBUYCbhQ0
V.Adviser

お菓子が何段にもわかれて積み上がっている、あのイギリス風の器具を何と呼ぶのか僕は知らない。とにかくお菓子がその器具に乗っかってでてくるような店で詩織さんとお茶を飲んだ。

高級ブランドを多く構えるビルの8階にその喫茶店はあった。シャンデリアは優しい黄金色に染まり、大理石の床は真っ白に光っていた。二人とも普段どおりの服装だった。詩織さんは場にふさわしいドレス調のワンピースだったが、僕はジーンズにパーカーだった。

詩織さんに恋のいろはを教えてもらうという名目で連れ出されていた。彼女は相当乗り気だった。

「いい?できる限り自分のことは話さないこと。その女の子の聞き役に徹するのがコツだよ。私で練習してみて」
「えっと…お名前は」
「佐藤です」
「身長は」
「161」
「じゃあ体重は」
「君は今ボケてるの?」
「えっ、ダメですか?」
「そりゃ、女の子に体重聞くのはダメだし、これじゃ尋問だよ」

詩織さんはハーブティーを一口飲んで、大きく息を吐いた。それから僕を見て、首を振った。わざとらしい演技だったが、ストレートで好感の持てる動き方だ。

「まあよくも、ひかるちゃんもこんな人を好きになったものよね。君、このままだと1日で終わっちゃうよ」

お茶代は詩織さんが全部払った。喫茶店を出ると、向かいにある服屋さんに入った。

「この人、全身コーデしてください。10万円以内で」と詩織さんは言った。その時僕は8千円しか持っていなかった。結局は全部支払ってもらったのだが、どのような魂胆で僕に服を与えたのかその時はわからなかった。
0274『Scuola di Atene』(前編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/13(火) 22:09:31.35ID:aBUYCbhQ0
W.Dry run

「じゃあデートの練習をしよう」と詩織さんは親切にも恋愛経験の少ない僕の練習相手を買って出てくれた。ただ、プランを立てるところからの練習らしいので、どこへ行くかは僕の自由だった。

当日は駅で待ち合わせをすることにした。初めて降りる駅だったから、改札を出て、どの階段を使えばいいのか迷った。メールの画面を開き、待ち合わせ場所を確認する。

「遅い」
詩織さんが目の前にいた。腰に手を当てていた。大きなサングラスをかけていたが、呆れた表情をしているのはわかった。
「十分前には来なさいよ。女の子待たしちゃダメ」

詩織さんは僕の手を引っ張って歩き始めた。とても冷たい手だった。とっさに僕は手を振り払う。
「あの、練習だから別に手は繋がなくてもいいんじゃ…」
「いやだって君、こういうの慣れてないでしょ」

「あの、恥ずかしくないんですか」
「は、何が?」

詩織さんの顔は少し上にある。身長はそう変わらないけど、彼女がヒールを履いているだけ高かった。全身のシルエットでは同じ種類の動物とは思えないほどだった。つまるところ不釣り合いだった。

「その、俺があんまりにも…」
「あのね、顔上げて周り見てみな。何でみんなこっち見てると思う?」
「詩織さんが綺麗だからですか?」
「違うね、君が下を向いているからだよ」
0275『Scuola di Atene』(前編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/13(火) 22:11:01.47ID:aBUYCbhQ0
X. To tell the truth

実を言うと、僕は前々から詩織さんを知っていた。大学内ではちょっとした有名人だからだ。あれだけスタイルがよければ嫌でも目が向いてしまう。ただもちろん、一方的に僕が知っているだけで、決して知り合いではなかった。

だから暗闇の美術室に彼女がいた時は、まるで運命めいたものを感じずにはいられなかった。あるはずもない希望的観測を、ほんの数十秒の間だけ、信じ込んだ。

そんな心持ちであるからだろう、突如舞い込んだデートの話は幻想以外の何物でもなかった。想像を遥かに上回る現実というのは、心が置きどころなく時間と空間とをさまよい続ける。

それを引き止めてくれているかのように、詩織さんは僕の手を握っていてくれていた。

「もっと堂々としてみて。それだけで分相応の男に見えるから」
「いや、でも…」
「ひかるちゃんの前でもそうするつもり?彼女、私と違って小さくて可愛いから変な人に絡まれるよ」

そう言われて、顔を上げて歩いた。
ふと、目の合う人がいた。別に変な人ではないのだが、外国人の風貌だった。その人は今どき珍しいガラケーで写メを撮っていた。
僕たちは美術館に行く途中である。
0276『Scuola di Atene』(前編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/13(火) 22:13:09.84ID:aBUYCbhQ0
Y. Souvenir

美術館に入った。予想通り寒かった。この間、服を買ってもらったお返しとまでは言わないが、入館料は僕が払った。入場券を手渡すと、詩織さんは親指を立てて、「わかってきたじゃない」と言った。

美術館では特に面白いことは起きなかった。普通に作品を見て回って、普通に時間が過ぎていった。観覧した後、館内のカフェでお茶を飲んだ。

「君は何で美術館を選んだの?」詩織さんが聞いた。
「うーんと、お互いに興味のあるところだからですかね」
「まあ別にいいんだけどね。それ、私に気を遣ってるでしょ」
「はい、多少は」
「場所はどこでもいいんだけどね、自分が楽しめるところじゃないとダメだよ。相手を楽しませるんじゃなくて、自分が楽しむことの方がよっぽど大事だから」

帰り際には、ミュージアムショップへ寄った。たくさん並んでいるポストカードの中から、詩織さんは迷いなく一枚を取っていた。
0277『Scuola di Atene』(前編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/13(火) 22:15:12.23ID:aBUYCbhQ0
Z. Fait accompli

美術館を出てすぐのところに海の見える見晴らしのいい場所があった。二人で海に向かい合うベンチに座った。しばらくの間沈黙が続いた。僕はさざ波のように弱い声で話しかけた。

「詩織さんは好きな人とかいるんですか?」
「それはどういう意味?」
「あまり浮ついた話を聞かないので。他意はないです」
「そうね。君みたいな人は好きかな。何も知らない人」

それが詩織さんの言葉であるならば、お世辞以下の言葉でも嬉しかった。自然と笑みがこぼれた。僕の心中を見透かしたかのように、詩織さんが少しだけ慌てて補足する。
「でもね、私は軽い関係が好きなの。付き合うとかはありえない」

この人は当然のことをやすやすと言う。否定されたことで勇気が出た。
「僕は詩織さんのことが好きです。付き合ってくださいとは言いませんけど」
「それは私に言うべき言葉じゃないよ」
「わかってます」
「でも嬉しい。人から好きだなんて久しぶりに言われた」

詩織さんは海を見つめている。サングラスを取った。
「あれは何だろう」と遠くを指差した。
僕は目を細めてその方向を見る。

頬にキスをされた。

僕は苦し紛れに話題を見つけ、上ずった声で聞いた。

「あっ、そう言えばさっき何のポストカードを買ってたんですか?」
「アテネの学堂」
0278名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/13(火) 22:16:54.20ID:aBUYCbhQ0
思ったよりも長くなりそうなので続きは後日ということで
0279名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK7e-AyrS)
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2019/08/14(水) 13:18:24.17ID:R1WxI6XoK
「おはようございます。小林由依です。よろしくお願いします」
「おお、よろしく。私が毛利小五郎だ」
「昔から大ファンだった名探偵コナンに参加できることになって本当に嬉しいです」
「こちらこそ熱心に観てくれてありがとう。ところでもう他のみんなには挨拶できたかい?」
「いえ…まだ主役のコナンくんにだけご挨拶できてなくて」
「なるほど…まだ
“会ってねぇのが工藤”
ってわけだな」

と続きを待ちながら保守
0280名無しって、書けない?(神奈川県) (ワッチョイW 9567-Dg5w)
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2019/08/14(水) 14:27:34.59ID:J7MLxSbe0
欅一性欲強そうな保乃ちゃんをネタにしてる人意外に居ないのか
0281名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK7e-AyrS)
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2019/08/14(水) 15:40:20.86ID:R1WxI6XoK
>>280
是非書いてくれると嬉しいです

自分は欅坂詳しくないのでマジで誰だかわからないレベルなんで
0282Scuola di Atene(後編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/14(水) 21:36:10.26ID:rmluuSOv0
[.Number

詩織さんからひかるちゃんの連絡先を聞いた。すぐにでも会えるだろうと思っていたのだが、キャンパス内というのは意外と広く、告白された日以来会っていなかった。当然連絡先も知らなかったから、同じ美術部の詩織さんに聞いた。

というのが昨日の話だ。今日はディスプレイに映る電話番号を眺めて午前中が過ぎていった。告白の返事からするべきか、それともデートに誘うのが先なのか迷っていた。

昼食を食べて、思案にふけっていた頃、携帯が鳴った。知らない番号からだった。

「もしもし、森田です」
「あっ、えっと、何で俺の番号を?」
「昨日、詩織さんに聞きました」
「えっ、そうなの!?」
「どうかしましたか?」
「いえ何でも…それより、ごめん。なかなか返事できなくて」
「いえ、構いませんよ。それでどうですか?」
「うん…自分でもよくわかんないんだけどさ。とりあえず俺と一緒にどこか行きませんか?」
「はい、是非」

ひかるちゃんの口調は、詩織さんのそれとは全く異なるものだった。会話やデートの練習が役に立つとは到底思えなかった。
0283Scuola di Atene(後編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/14(水) 21:37:06.46ID:rmluuSOv0
\. Control experiment

同じ時刻、同じ駅、でも待ち合わせる人物像は180度違う。

太陽みたいに明るい人という表現は在り来りだが、実はその言葉が似合う人はそう多くない。月のように美しい詩織さんに比べて、ひかるちゃんは太陽のように可愛い子だ。その構図はどれだけ年を重ねても変わらない気がする。

待ち合わせ場所に向かうと、ひかるちゃんはすでにベンチに座っていた。遠目から見ると、迷子の小学生みたいだ。ひかるちゃんは僕を見つけると大きく手を振った。

「早いね」
「はい、お待たせしちゃいけないと思って。常に15分前行動を心がけています!」
実に元気な声である。

僕は勇気を持って手のひらを差し出した。ひかるちゃんはキョトンとした顔をして、ポンと手を置いた。犬のお手である。
仕方ないから詩織さんがやったように手を引っ張る。ひかるちゃんは少しびっくりしながらも付いて来てくれた。

美術館では展示品の違いはあったものの、概ね詩織さんと行ったときと変わりはなかった。問題は帰り道だった。少し目を離したすきに隣からひかるちゃんが消えていた。

ひかるちゃんは一人の男へ向かって歩き始めていた。
0284Scuola di Atene(後編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/14(水) 21:37:59.25ID:rmluuSOv0
]. The Painter from Galapagos Islands

男は首からガラケーを下げて、スケッチブックに絵を描いていた。以前、詩織さんとここを訪れたときもこの男を見たことがあった。外国人の風貌をしていたからよく覚えている。

「こんにちは」ひかるちゃんは臆することなくその男に挨拶をする。
男はにっこりと笑って、それから僕をまじまじと見つめた。
「お連れさんかい?」
「はい、そうですけど。えーと、ひかるちゃんと知り合いですか」
「この子は俺が育てたんだよ」
「育てた?」
「ああそうだよ。この子に絵を教えたのは俺だ」

ひかるちゃんの方を見ると、うんうんと頷いている。

「それよりも、君…」と男はまだ訝しげに僕を見ている。
「どこかで…ああそうだ!」

男はスケッチブックをめくり、一枚の絵をひかるちゃんに差し出した。
ひかるちゃんは次第に深刻そうな顔をして、最後には怒った様子で走り去っていった。

「何を渡したんですか」僕は男に聞く。
「君、この前他の女と歩いていただろ。その様子をスケッチしていたのさ。はっはっはー」
0285Scuola di Atene(後編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/14(水) 21:38:39.64ID:rmluuSOv0
?.Mistake

「というわけなんですが、何でひかるちゃんは怒ってるんですかね」
「よくわかった。この件に関しては私にも少し非があるわ」

詩織さんはカンバスの中心に座っている。目を閉じて、話をしていた。

「で、僕はどうすれば…」
「多分何を言っても言い訳にしか聞こえないだろうから、快く認めたほうがいいよ。『詩織さんに目が眩みました』って」
「でもひかるちゃんは怒るんじゃないですかね」
「怒るだろうね。でも好きなんだから大丈夫よ」

「さて」と言って詩織さんは椅子から立ち上がり、部屋を出ていった。



数分後、まだ詩織さんの残り香が漂う中、ひかるちゃんが部屋に入ってきた。初めて話をした時のように深くお辞儀をしていた。

「あの、この間はごめんなさい。急に帰っちゃって」
「いやいいよ、俺が悪いんだから。ひかるちゃんを傷つけちゃったしさ」
「えっ、私がですか?」
「ん、何が?」
「私は傷ついてませんよ。そうじゃなくて、詩織さんですよ」
「詩織さんがどうかしたの?」
「あの人結婚するんですよ」
0286Scuola di Atene(後編)(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/14(水) 21:51:23.93ID:rmluuSOv0
]U. Pretend to be blind

最後の恋愛相談をして以来、詩織さんは大学へは来なくなった。連絡するのを躊躇っているうちに、ますますどう声をかけてよいかわからなくなった。やがて悩みの対象は全くの他人事のように自分の心中から消えていった。

普段どおりに朝が来て、普段どおりに一日が始まる。少し変わったことと言えば、ひかるちゃんが舞い込んできたことくらいだ。今日もデートの約束をしていた。

ドアに取り付けられている郵便受けの中から朝刊を取った。一枚のハガキが新聞紙の間から落ちた。

アテネの学堂のポストカードだった。達筆な字でサインのように走り書きがある。

「あなたが許婚者ならどんなによかったか」

待ち構えていたかのようにチャイムが鳴った。僕はドアを開けた。

「あっ、おはようございます。今日は…えっちょっと…どうしたんですか」
「何でもないよ。ただ抱きしめたくなっただけ」

ポストカードをかばんの奥にそっと押し込んだ。

(終わり)


補足ですが『アテネの学堂』には作者ラファエロと、その愛人マルゲリータが描かれています。
ちなみに>>266に同じくして、ガラパゴス諸島出身の絵描きさんには特定のモデルはおりません。

https://imgur.com/xgfyDqU.jpg
https://imgur.com/6BgzCAh.jpg
0287名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ 89b7-X5Lh)
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2019/08/14(水) 22:01:58.69ID:rmluuSOv0
>>280
僕も二期生はまだまだ知らないことが多いので、保乃ちゃんのプロファイリングを書き込んで頂けるとありがたいです。
でもよく考えれば、プロファイリングができれば小説書けそうな気がするんですけどね

以前の庭さんのプロファイリング方法をテンプレとして残すのもありかもしれませんな
0288名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8b-6DS1)
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2019/08/15(木) 11:33:32.90ID:rHyCCM9IK
>>286
詩織さんが主人公に渡した連絡先がどこだったのかとか
いろんな仕掛けが後編でなんとなく分かってくる(決してハッキリとは書かれない)ところが相変わらず見事ですねぇ

絵描きに特定のモデルがいないことは彼がダジャレを連発しないことから分かってました←

>>287
プロファイリングと言ってもいくつかキーワード挙げるだけでも良さそうですけどね
例えば庭先生は結局「世界一の美人」「こぼしてんじゃねーよ」の2つだけで書いてる気もするし(笑)
0289名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ 81b7-g2bq)
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2019/08/15(木) 12:56:33.66ID:hzQYh2if0
>>288
たぶんチワンさんがおっしゃっているのは、>>282の部分だと思うんですが、連絡先聞いているんだから知らない番号からな訳ないですよねw
詩織さんから聞いた番号と、突如かかって来た番号、2つは同じ番号であるという体で書いているはずなので、これは単なる僕のミスです

ちなみに僕の書いたものがミスでなかったとすると、その異なった番号は誰で、なぜ詩織さんはそんなことをしたんでしょうかね?
自分で書いたのに全然わかんないや…
0290名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8b-6DS1)
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2019/08/15(木) 13:42:31.56ID:rHyCCM9IK
>>289
そうだったのか(笑)

詩織さんが最初に渡したのは自分の番号である。
そもそもひかるちゃんの連絡先を主人公が詩織先輩から聞いたとすれば、ひかるちゃんが2人の仲をいぶかしむのは必定であるので
これはある意味でトラップであった。
もしもノコノコと電話かけてきた場合は説教するつもりだった。
「彼女の気持ちを考えればわかるだろ。安易に人を頼らずに自分で動け」と。
…という表向きの理由以外に、詩織先輩の別の下心(恋心)があったことは後編で少しずつ輪郭を表してくるのであった

という深読みをしていた時間は帰ってこない(笑)
0291名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ 81b7-g2bq)
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2019/08/15(木) 14:48:36.73ID:hzQYh2if0
>>290
あぁなるほどー!
詩織さんの番号であることは何となくわかっていたんですが(まあ自分で書いた話なので、「わかる」というのも本来はおかしいですが)、
三角関係を含めた深読みまでは思いつきませんでしたので流石です
チワンさん解釈Verの方が面白そうなので、そちらの方ででいかせていただきますw

それとチワンさんが贋作作りの能力に長けている理由が分かった気がします。
事実に基づいて推察する探偵の能力と、柔軟な発想力が試される推理作家としての能力が、ちょうどいいバランスなんですよ
探偵の能力に長けていても発想にオリジナリティがなければ話が退屈なものになり、推察能力に乏しく発想力だけに偏っていたりすると倫理破綻が起こります
まだまだ勉強することが多いなぁなんて感じさせられる、台風に監禁を命じられている午後でございますm(_ _)m
0292名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8b-6DS1)
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2019/08/15(木) 15:58:08.33ID:rHyCCM9IK
台風の被害が出ないことを祈りつつ
よくわからないものを書いてしまいました
・・・・・・・

「で、どうだった?電話かけたの?」

放課後の美術室でキャンバスに筆を走らせながら詩織先輩は僕に尋ねた。
昨日僕が彼女の連絡先を教えてもらった件だ。

「はい…かけましたけど…」

僕は困惑を隠せないまま答えた。

「かけたら…よくわからないなんちゃら酵素飲料を買わされました」

それを聞いて先輩は爆笑した。

「なんで本当にかけちゃったのよ(笑)彼女の電話番号がフリーダイヤルな訳ないでしょうに」
「でも先輩が嘘つく訳ないと思って…」
「そんなんだと簡単に変な大人に騙されそうだよね(笑)」
「なんで嘘を教えたんですか」
「何でって…男なら好きな相手の連絡先ぐらい自分で何とかしなさいってことよ。私に訊こうなんて安直な気持ちじゃ恋も実るわけないでしょ」
「…」
「それに美術部の後輩とは言え本人の連絡先なんか簡単に教えられないわよ。個人情報保護法だってあるし」
「じゃあ、どうすれば…」

僕の情けなさに業を煮やしたのか、詩織先輩は僕の方へ向き直って衝撃の事実を告げた。

「実は彼女のほうもあなたにゾッコンなのよ。どうしたらいいですかって相談されててね」
「えっ…?どうして早くそれを教えてくれないんですか」
「いや…大丈夫なのかどうかと思って…」
「何がですか」
「いや、別に…だから、あなたが良ければ逆にあなたの気持ちや連絡先を彼女に教えることはできるわよ」
「ぜひお願いします!」

かくして
その日の夜から僕は菜々香ちゃんからのス〇ーカーまがいの電話攻撃を連日受けることになったのであった。

―おしまい―
0293名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ 81b7-g2bq)
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2019/08/15(木) 17:14:33.13ID:hzQYh2if0
>>292
連絡先教えるのをためらっている場面に奥ゆかしさを感じてたら、本当にヤバい人だったw
やっぱり台詞回しはチワンさんの方が何枚も上手ですね
0294名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW a916-Lgtr)
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2019/08/15(木) 18:26:14.66ID:JtB/kiPM0
>>287
貼ろうかと思ったらどんなプロファイリングしたのか忘れてしまったw


>>288
俺が「こぼしてんじゃねーよ」と「世界一の美人」の2つだけで書けるのは人類史上最高美人の理佐ちゃんを主役にしている特権です

理佐ちゃんだからこそ世界一の美人に説得力が出るわけですからw

天地開闢以来の美人理佐ちゃんの美しさに酔える平和をありがたく噛みしめる終戦記念日ですm(__)m
0295震える眼 1(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/15(木) 23:51:55.17ID:77ErHrwC0
瞼の裏が赤い。伸びをする。
そしてその拍子に拳をなんかにぶつけた。
痛みで段々と意識がはっきりとしてくる。
フローリングの床。脱ぎ散らかった服。
ベットとテーブルとテレビと本棚で一杯の部屋。
それは見慣れない風景。
わたしの隣では見たこともない人が寝ている。
いや、わたしが見たこともない人の部屋でねているのか。
頭痛だけが確かで、わたしはこれが二日酔いだと実感した。シーツをめくって自分の体を見る。
上は白のシャツ。下は何も履いていない。
隣人は。シャツに短パン。
わたしは肩を揺すって起こした。
隣人は何度か唸ってから半分ねむったような眼で、わたしを見た。
「ジーンズはそこの乾燥機のところでかわいてる。飲み物なら冷蔵庫。財布とかはテーブルに投げ出してある。では、おやすみ。」
隣人はそう言ってまた枕に顔を突っ伏して寝息を立てた。
「ちょっと…」
わたしはわけも分からずただ困惑した。
0296震える眼 2(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/15(木) 23:53:41.13ID:77ErHrwC0
わたしは乾燥機にあったジーンズとかを履き、テーブルでこれからの来し方を考えた。
同時に昨夜なにがあったのかも思い出した。
「まだいたのか」
隣人は唇を噛み、肩を落としている。
眼差しはわたしを見下ろし、なんの情もない。あんなことしたのに。
「まだ居たのかって酷い。色々したのに。」
「一体何をしたんだ」
「覚えとらんの?もう」
頬を膨らませてベランダを見る。
「僕は君がコンビニで大量にコーラとスナックを買って、しかも僕のお金で!その上フローリングとデニムに思いっきりこぼして挙句その汚れたデニムを押し付けて僕のベットで勝手に寝込んだ事しか覚えていないね。」
昨日のことが走馬灯のように駆け巡る。
わりとありとあらゆる記憶を改竄していたようだ。
「でっ、でも起きた時わたしの隣に。」
「コーラ臭い生乾きの床で寝る趣味は僕にないからね。」
「あっ、そっかあ。」
「一人で納得するな。わかったらとっとと出てけ」
「冷たいな、お持ち帰りしたくせに」
「ご丁寧に君が僕の腕へ抱きつきながら熟睡していたから仕方なくこの西八王子のアパートとまで連れてきたわけだ。」
「それを世間ではお持ち帰りというんじゃない?」
「お持ち帰りではない押し売りだ。君がぐでんぐでんに酔っ払って僕の電話にでてくれたおかげで彼女との仲は戦後最悪だ。」
「へぇ〜そうなんだ。 なんかごめん。」
「他人事みたいに言いやがって」
「だって他人事だもん。」
「しかも明日は田舎に帰らなきゃ行けない。そんなタイミングでよくも険悪な仲にしてくれやがって。最悪別れるかもしれない。」
「わかれたらわたしが付き合ってあげる」
「戯言は夢の中で言え。」
「戯言じゃないもん。てか、めっちゃどきっとしたんやで?君が隣に居たとき。」
「あっ、こんな気持ち悪いやつが隣にってか」
「そうそう、オタク面の男があほ面でって違う。」
咳をして気を取り直す。
「実はずっとすきだったの。気づかんかったやろ。」
「月9の見過ぎで頭がトレンディドラマになってるぞ。」
「男女7人夏物語面白かったなぁ」
「此処は令和元年だ。時代設定を間違えるな。」
「そういえば彼女って初耳なんだけど。」
「え、言ってなかったっけ」
隣人は一瞬怯んだ。
「言ってないよぉ」
「高校の頃から付き合ってるのよ」
「へぇ、なかいいんだ」
「まぁね」
「気になる?」
「話したいなら聞いてあげないこともない」
0297震える眼 3(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/15(木) 23:55:04.49ID:77ErHrwC0
彼女はいつもスカートの裾を折って、
ブレザーとシャツを捲っていた。
そしてわけの分からない音楽をイヤホンで
音漏れするくらいのボリュームできいていた。
最寄り駅も小中高も同じ。
幼なじみではないが親同士が何故か仲が良かったというまぁそんな関係で、
世間的には幼なじみみたいなものなのだろ。
だから小学校の頃もランドセルふたつ並べて登校していたし、中学はそれほどでもないけど、自然と同じ高校を目指すようになった。
高校は中の中。私立だ。互いに真似するなよって言い合っていた。彼女の名前は平手友梨奈。
どう思っていたか。それは勿論好きだった。
しかし恋ではない。なんというかただ取られたくない。さずっと他愛もない話をしていたい。そんな感じだった。
彼女は仲の良い友達が何人かいた。
そのなかの3人とは僕もあったことがある。
1人は芽実といって生花店の子で、東京にある日突然引っ越した。
一人はねるといって県内トップの高校にいってそれっきり。そしてもう1人が愛佳でこの愛佳が中学も高校も同じだった。
愛佳とは音楽の趣味も合うみたいで彼女はよくフェスに行ってたみたいだった。
これはあとから愛佳から聞いた事だ。彼女は、平手は自分のことをあまり話さない。
聞かれれば答えたかもしれないけど。こっちもあまり尋ねなかった。
「留学したいなって思うんだよね。どう?」
ある日僕の部屋にある本棚をじっと見つめながら言った。夏の終わりだったか。宿題は白紙のまま手付かず。焦りはなかった。徒に本の背だけ撫でて、
僕のベットに座り込んだ。
悩みなんて聞いたこともなかったから僕は只只驚いた。
「どうって。行きたかったら行けば?」
「そう…だよね。」
「うん 」
「行かない方が後悔するから」
平手は独り言みたいに呟いていた。
その背中が妙に小さく寂しく見える。
0298震える眼 4(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/15(木) 23:56:10.36ID:77ErHrwC0
平手は用意周到で雪が降る頃には留学の手続きを完了していた。行動力あるんだよ。昔から。
高校もそうだよ。僕が受験校を決めた翌日にまったく同じ高校にしてた。留学もどうやら春先あたりからパンフレットとか取り寄せていたみたいで、僕はまったく知らなかった。
そんな冬の日だよ。たしか、12月の中頃。
珍しく愛佳と同じ電車だったんだよ。2人。
バレー部だから愛佳とは基本時間違うのさ。
平手と僕が16:00くらいの、愛佳がたしか18:00くらいのだったかな。
話を戻すとさ、こう言われたの。
「ねぇ、留学しちゃうけどいいの?」
って。
ガタガタ揺れるから隣同士肩とかがぶつかって。シャンプーと香水が鼻腔に入り込んで。
「いいのって?南アルプス市?」
「そっちじゃないし。逆になんでそっちだと思ったよ。」
「良いのって、ただ送り出すだけで・・・ってこと」
「そういうこと」
「ううん。」
「告白とかさすればいいじゃん。いい加減さ、てちとあんた見てるとムズムズするのよ。はやく付き合えよと。」
「へぇ。」
「無関心かよ 」
「でも平手が僕のことどう思ってるのか分からないじゃん」
「いやいや。」
愛佳は目を丸くして僕をじっと、見た。
「あんたの話しょっちゅうしてるからね」
「だからなに」
「つまりそれだけ好きってことでしょ。てちからあんた以外の男の話聞いたことないからさ。」
「へぇ」
「他人事かよ」
「まぁ他人だし」
愛佳は呆れたようにため息をついた。
「言うなって言われてたけどさ」
愛佳はあたりを見回して切り出す。
車内は泥のついたネギを束で抱えた婆さんしかいない。
「前さ。こんなことあったのよ」
0299震える眼 5(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/15(木) 23:57:26.84ID:77ErHrwC0
「どんなこと」
「それをいまから話すんでしょうが」
愛佳はリュックを抱き直して少し小声になる。
「半年くらい前にさ。てちとわたしがロッキンに行ったことがあったじゃん。ロッキン?後で調べてよ。
つーかそんなこともしらないのかよ。
で、その帰り道にさ、電車のなかでなんとなくいま好きな人のこと聞いたのよ。
なんでその話になったかって?
説明めんどいから省略。で、その時、わたしが好きな人のこと話したあとでてちにも聞いたの。
そしたらぼそっと、あんたの名前出したの。
それで、なんで告白しないのか聞いたら、あんたがどう思ってるか分からないからって。
そういうこと。え?わたしの好きな人、横山剣だよ。ハイスタの。どうでもいいでしょ、
そんなこと。」
「ちょいちょい話端折ったな」
「うるっさい」
ガンを飛ばす愛佳はそこらへんの不良が縮み上がるほど怖い。
「だからさ、てちに言わないと、ね」
「でももう留学で離れ離れだし、」
「なに及び腰になってんのだっさい。」
「やっぱり決め手は大吟醸だよね」
「獺祭じゃねーよ。」
気がつけば愛佳は消えていた。
いや、幽霊とかじゃなくてそのあとずっと考え事してて愛佳が降りたことにすら気づかなかったのよ。
その翌週に珍しく平手が部屋に来た。
放課後、制服姿で。
一緒に帰ってきたんだけどその日も。
珍しく「家、行っていい?」って
言われたの。




「ほうフラグやん」
わたしはそう言った。
「いま僕のiphone充電中だよ」
「プラグとちゃうわ」
0300震える眼 6(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/15(木) 23:58:28.42ID:77ErHrwC0
ベットに隣り合わせで座って、
その日はベットの重みがいつもと違った。
平凡な日常がそのうちなくなると思うとさ、
ほんとに存在感というか、そういうものが
もっと重くなるんだよ。
離したくないんだけど。自分では言い出せない。
そのうち距離だけ出来てしまう。
「ねぇ、好きなんだけど」
ふっ、と独り言みたいに口にした。
聞こえなかったらそれでいいと思った。
いや聞こえて欲しくないと思った。
だけど聞こえるんだよな。こういう時だけ。
「へっ?」
平手は吃驚したように僕の顔をキョロキョロ見て、
「いまなんて言った?」って言った。
「だから好きなんだよ」
「誰?愛佳が?」
僕は心底驚いた。自分に対して言われたって
思ってないのさ。
「違うよ。」
僕は黙って平手を指さした。
もう名前を口にすることすら恥ずかしかった。
自分のことぶん殴りたいくらい。
「えっ?わたし、うーん、そっか、でも 」
平手は一人でなんか迷ってるみたいだった。
「わたしは嫌いだよあんたのこと」
平手はびっくりするほど優しい口調で言った。
「優柔不断でよわいし、頭良さそうな顔して実はそんな良くないし、嫌いだよ」
平手は俯いてスカートの裾を握っていた。
手の甲の骨ばったところが白くなるくらい。
「嫌いなんだ」
「嫌いだよ」
そう言う平手のスカートの裾がシミになっていた。
そして前髪で瞳を隠して、咳をする。
その後で突然僕の肩に寄っかかって
「もっと早く言ってよ」
そう呟いて黙り込んだ。
僕はそれを聞いてつい、平手に向き直って抱きしめた。すると、「なに?」と小さく呟きながら背中に手を回してきた。そのとき背中を指で小さくつつかれた。
「あんたのこと嫌いだから。そういうことにしといて。向こうに行くまでは。」
そのあとはしばらく抱きしめあっていた。
結局付き合うことはなかったんだ。
そのまま平手はカナダへ留学にいった。
ちょうどどっか街へ出かけるみたいに。
だけど、その前に平手からこんなことを聞いたんだ。
0301震える眼 7(茸) (スッップ Sd33-R5Tf)
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2019/08/16(金) 00:03:41.87ID:H2/CWl7Vd
あれは出発の前の日。駅前のスターバックスもどき。
「言おうかどうか迷ったんだけど」って前置きしながら。夏フェスに行った時のことを話題にしたら。
「実はさ、あのとき話した事ね、ちょっと違う。あれは多分、愛佳が色々端折って変えただけなの。ほんとうは帰りの電車でこう言われたの。」
平手は珈琲のカップを置いて、僕を真っ直ぐ見た。
「あんたのことどう思ってるのって?」
「それで、なんて答えたの?」
「秘密。」
「教えてよ。」
「カナダから帰ったらお土産代わりに教えてあげる」
「それで」
「で、わたしあいつのこと好きなんだけどっていったの。すごい小声で。しかも秘密にしてくれって言いつつ。」
「ひとの秘密はベラベラ喋るのに自分の秘密はしゃべらないのか。素晴らしい性格だ。」
「珈琲、頭から味わいたい?」
平手はカップを持ち上げて刺すように僕を見た。
「やめておくよ」
「それで、その時、あんたが告らないならうちが告るからね」
「そう言ったの?志田が?」
「そう。」
平手は何度も頷く。
「その時の顔がめっちゃ女子なの。」
「ほう」
「興味持ってんじゃねーよ。いいけど。」
「でもさ。なんで志田は僕に告白しろってけしかけたんだろうね」
「なにそれ?」
「いや、なんでもない。」
「ふうん。ともかくさ。愛佳はわたしが保証するからさ。それにあんたとお似合いだよ。」
「何様やねん」
そう言うと平手はカラカラと笑った。
「愛佳の方がいいよ、わたしなんかより」
「ほんとにそうかな」
「しかもわたし戻ってこないかもしれないし」
「予定じゃ3年じゃないの?」
「そうだけど、そのまま住むかもしれないし。正直付き合ってんのに会えないんじゃ意味ないじゃん。耐えらんない。」
「付き合うつもりあったのかよ」
「あんたととは言ってないし。しかも嫌いなんだから。一応。」
平手は舌を出してくしゃっと笑った。
「まぁだから愛佳が告白してきたら黙って受け入れなよ。」
「ああ、うん。」
それが平手とちゃんと会話した最後だった。
空港では愛佳とかほかのクラスメイトもいて
話す機会がなかった。そのうえ、カナダに行ってから音信不通なんだよ。

「話、まだ続くん?」
わたしは欠伸をして、鼻をすする。
「飽きた?」
「いや、お腹空いた」
「じゃあなんか食べに行きますか」
「うん」
0302名無しって、書けない?(茸) (スッップ Sd33-R5Tf)
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2019/08/16(金) 00:05:28.29ID:H2/CWl7Vd
続きは後日。連投すみません。
0303名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 81b7-05Gw)
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2019/08/16(金) 08:30:39.76ID:5CXR0pnq0
>>294
ずっとその言葉を使い続けることが難しいんだと思いますよ
第一、普通の人はその対象自体に飽きてしまうことが多いですから

>>301
いい!
2019小説スレ大賞in欅坂板(正式名称忘れた)に早くもノミネートはもちろんですが、決定してもいい出来ですな

一夜を共にした相手が何となく誰だかわかった気がしますがそれはお楽しみということで
冒頭の、…「拳を"なんかに"ぶつけた。」はとか凄く彼女らしい表現です
0304名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 81b7-05Gw)
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2019/08/17(土) 18:28:08.35ID:kTA+RUu10
続きを待ちながら保守
0305名無しって、書けない?(東京都) (アウアウウー 106.130.54.157)
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2019/08/17(土) 20:31:05.33ID:X6R+UT8ia
もんもーん
0306名無しって、書けない?(東京都) (アウアウウー Sa5d-jwVm)
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2019/08/17(土) 20:31:44.59ID:X6R+UT8ia
もんもーん
0310名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW a916-Lgtr)
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2019/08/18(日) 01:06:11.33ID:wf1h8FJc0
>>302
続き楽しみ

>>303
俺の場合は小説書くとうより理佐ちゃんと妄想したいだけだから理佐ちゃんに飽きたら終了ですわw
0311名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8b-6DS1)
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2019/08/19(月) 00:33:09.44ID:E7zd0lstK
私は生涯てんとうむChu!推しなわけですが
先日出先でリサイクルショップを覗いたところ
てんとうむChu!の冠番組のDVDボックスセットがセールで定価の9割引の本体価格1450円で売られてまして
買おうかどうか20分ぐらい悩んだんですが結局買う踏ん切りがつきませんでした…


やっぱり元々持ってるやつをもう1つ買うのってかなり勇気が要りますねという保守
0312夢で逢えたら 第15話 前編(家) (ワッチョイWW a916-Lgtr)
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2019/08/19(月) 06:13:01.74ID:RmGbCd1t0
「いたたたた〜」

ついに我が夢の中の美女理佐ちゃんと新婚設定という都合良すぎる夢を見ることに成功した俺

頬に感じる痛みに

「これが甘い新婚生活の実感なのか〜」
なんて理佐ちゃんにつねられる痛みに幸せってやつを感じ始める俺


「もうなに寝惚けてんのよ」

ドS理佐ちゃんにMの幸せに目覚めさせられつつある俺に突如浴びせられる年下の幼なじみ葵の怒声

うん?葵は電車に乗って会社に行ったはず・・・

夢の中では俺と新婚であり共働きのためにOLさんな葵

「たしかに幼妻でありOLの葵もかなり好きだが今は理佐ちゃんから与えられる痛みに酔っていたんや〜」
なんて絶叫する夢の中とはいえアホな俺

「なんでわたしが幼妻でありOLなのよ!」

俺の絶叫を遮るような葵の怒声とさらに深まる頬の痛みに布団を蹴りあげる俺

「きゃ〜」
なんて布団と共に床に転がる年下の幼なじみ葵

しまった!

夢から覚めてしまった!?
0313夢で逢えたら 第15話 後編(家) (ワッチョイWW a916-Lgtr)
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2019/08/19(月) 06:13:30.41ID:RmGbCd1t0
「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!」
慌てて理佐ちゃんと新婚の夢よ再びとばかりに布団に潜り込み夢見術の呪文を唱える俺

「ちょっと!ほっぺつねったぐらいで蹴り飛ばすことないでしょ!」
なんて俺の理想の夢の邪魔したのも知らずに怒る葵

「やかましい〜!怒りたいのはこっちじゃボケ〜!」
怒る葵より遥かに怒髪天を衝く俺

天地開闢以来の美人理佐ちゃんが与えてくれてる恵みだと思ってた頬の痛みが葵のイタズラと知って怒りでワナワナな俺なのである




「ねぇ反省したから機嫌直してよ」

いまだ怒り収まらずに早足で学校に向かう俺を小走りに追いかけてくる葵

言葉とは裏腹にまったく反省してないのは明らかな笑顔である・・・

「別に機嫌悪くないですよ!」
葵を調子づかせては厄介と不機嫌を装う俺

「ねぇねぇ、夢ってその人の願望が現れるって知ってた?」
不機嫌な演技虚しく俺の気も知らないではしゃぐ葵

「俺が普段から世界一の美人に逢いたいって思ってたから夢に理佐ちゃんが出てきたのか!?」
俺の夢に世界一の美人理佐ちゃんが登場した訳を知り感動な俺

「もう!私が言ってんのはそっちじゃなくて〜!」
頬を膨らます葵

「なんや!俺の願望理佐ちゃんしかあり得んやろ!」
食い気味に葵を一喝する夢の中の美人理佐ちゃん至上主義者な俺

「なんでよ〜、私も夢に出て来てるじゃん」
なんてヤキモチ妬く葵

新学期そうそう騒がしい奴だ...



つづく
0314名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW a916-Lgtr)
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2019/08/19(月) 06:16:42.24ID:RmGbCd1t0
>>311
確かに写真集なら複数冊欲しいけどDVDボックスは悩みますなw
0315名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8b-6DS1)
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2019/08/19(月) 10:10:54.99ID:E7zd0lstK
>>314
ですよね〜
てんとうむChu!の曲やドキュメント映像の入ってるCDなら全て2枚以上は持ってるけど←
0316名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW a916-Lgtr)
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2019/08/19(月) 12:58:23.93ID:RmGbCd1t0
>>315
2枚以上とは筋金入りのてんとうむchu!オタですな(-o-;)
0317震える眼 8(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/20(火) 02:33:23.11ID:Af83cYcj0
ジョン・コルトレーンが流れている。窓は薄い琥珀色でそれは煙草によって汚れたらしい。
僕と小池の間にはサイコロステーキの鉄板が湯気を上げる。
「それで」
小池はナイフを置いて紙ナプキンで口の端を拭って目配せをした。何かを期待するみたいに。
「さっき話したのは高校2年生の時だ。」
「3年生じゃなくって?」
パンをちぎって口に放り込む。
そのパンは驚くほど硬い。
まるで墓石に齧り付いているようだ。
僕は小さなカップに注がれたコンソメスープをすする。
「2年だ。」
墓石が喉を嫌そうに通過する。
「あれから僕が愛佳と付き合うまで1年掛かった。つまり付き合いだしたのは3年だ。」
「へぇ、長いなぁ」
ブロッコリーの頭をガーリックソース塗れに
しながら小池は言う。
こんだけブロッコリーをびしょ濡れにして、
一体ブロッコリーになんの恨みがあるのだろう。
「平手がカナダに行ったあと、愛佳がバレー部を辞めた。理由は分からない。ただ、バレーが好きだったから、辞めたのはよっぽど理由があったんだろ。
そのあとから僕らは同じ時間に帰るようになった。
それはごく自然な流れだ。
放課後、教室の前で愛佳が待っている。
言い忘れたけどこの時、僕と平手が同じクラスで、
愛佳は別のクラス。
愛佳のほうがいつも早く終わって水道のすぐよこ、
黒く擦ったような汚れが目立つ柱によっかかってた。足をクロスさせて、携帯を気だるそうに
眺めて。一緒に帰ろうなんて言わない。
黙って隣り合わせで歩いて、そのうち
話し出す。誰からともなく。
僕から話すこともあるし、愛佳からのこともある。
そんなことが何ヶ月と続いた。
そう何ヶ月と進展がなかったのさ。
0318震える眼 9(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/20(火) 02:34:18.28ID:Af83cYcj0
6月になった。祝日でもない。春でも夏でもない。
実に中途半端な月じゃないか。
そんなときふと、平手の話になった。
切り出したのはたしか僕だ。
無言の空間が嫌で無理やり引き出した話題
の1つだったと思う。
「そういえばさ、平手とロッキン行った話したじゃん」
住宅街を抜けて駅へと近づいてゆく。
「あれね、ほんとは」
「よっ、」
愛佳の肩を叩くチャバネゴキブリみたいな髪の人間。
愛佳は少し居心地悪そうに、返事をする。
「誰?」
ゴキブリは金八先生だと後ろの席にいるような人間で行事のときだけ張り切る類だった。
俗に言うと不良だ。
「同じ委員会の」
「あっそ」
その会話がものすごく他人行儀に感じる。
いや、他人だけどさ。
「これからいつものとこいかね。」
「お金ないわ」
「いや奢り奢り」
男はスマートに愛佳をかっさらってった。
僕は中途半端にネオンが残る横断歩道の前に、
残されたんだ。思わず足元を見た。
リーボックの黒いスニーカーが汚れている。
僕は小石を蹴飛ばしてそのあと寄り道をして帰った。愛佳とはその日からあまり会わなくなる。
あの男と付き合いはじめたって噂に聞いたからさ。
0319震える眼 10(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/20(火) 02:35:27.42ID:Af83cYcj0
夏が来た。といっても海には行く予定がなく
僕はただ店先でぼんやりしてた。
それは知り合いがやってる古本屋で、
バイトしてたんだ、長い休みの時だけ。
蝉が幾重にも鳴き立て、青空はずっと青が濃く、
飛行機雲が真ん中を突っ切る。
視線を戻して時計の針が幾つか歩き回って。
突然声が頁に振り落ちる。
開いていたのは芥川龍之介の侏儒の言葉。
日に焼けすぎて売れ残ったのを貰って読んでいた。
「あっ、」
顔を上げて息をとめた。
深緑に染めたショートヘアが埃臭い風に揺れる。
黒のTシャツと白のショートパンツで
サンダルを履いていた。
いつもよりずっと遠い人に見える。
なんとなく全てがわかった気がしたんだ。
「付き合って、わたしと」
深緑が近付く。目を細めてカウンターに身を乗り出す。Tシャツの隙間が黒い。
夏の声が黙り込む。
「嫌とは言わせないから」
ぼそぼそ呟いた。

「おい愛佳」
店先でまた声がする。
あの男だ。
0320震える眼 11(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/20(火) 02:36:08.44ID:Af83cYcj0
男は額から顎から汗を垂らして
膝を曲げている。どうやら愛佳を追いかけていたみたいだ。
「さっきは悪かった、だから」
店先で男は怒鳴る。
本を求めに来た訳では無いようだ。
僕はカウンターの下にある市場で仕入れて
売れずにゴミへ出す予定のA4変形版
世界の名画 第5巻「サルバドール・ダリ」
の角を撫でた。
「わたし付き合ってるから、」
カウンターの前で愛佳は叫ぶ。
夏目漱石全集の上にあったホコリがパラパラ
落ちる。
「なに?」
山から降りた猿みたいに荒い足取りで
男がカウンターの前に来る。
「誰と。」
制汗剤が香った。
愛佳は黙って僕を指さす。
「はぁ!?」
男は愛佳の肩を掴んで問いかける。
「お前正気か?」
「正気じゃなかったら何?」
「もっとほかにいいのがいるだろ…俺じゃなくても、ほら、茅野とか小渕沢とか岡谷とか、俺とか」
「あんなの一緒にしないでよ」
「でもこんなのかよ?もうちょいセンスあるかとおもったわ」
あんなのこんなのと代名詞が飛び交う。
「松本には関係ない」
男は松本というらしい。
「お前愛佳になにを吹き込んだんだよ」
「知らんがな」
僕はそう答えて世界の名画を左手で掴んだ。
「それに気安くわたしの名前呼ばないでくれない?」
「悪い」
「わかったらさっさと消えて 」
「でもほんとに付き合ってんのか?」
男がそう言うと愛佳は僕に目配せをする。
何が何だか分からないけど何となく頷く。
愛佳がシャツの襟を引っ張って自分に近づけた。
そして、その瞬間。無抵抗なまま、
唇が柔らかな感触を捉えた。
感触は長く続く。
なぜか目が泳いでる愛佳を見ている。
「もういいよ」
男は背後で悲しげに言う。
「消えて」
サンダルの音が重たくゆっくりとアスファルトへ向かう。
僕は唇が離れたとこに気づかずに居た。
0321震える眼 12(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/20(火) 02:37:01.28ID:Af83cYcj0
愛佳はだまってその場に立ち尽くした。
それから「悪いやつじゃないんだけど」と呟いた。
「大丈夫」
僕はようやくそう訊ねた。
「あーあ。初めてだったのに」
何が?とは聞けなかった。
僕は己の唇を指でなぞった。
「さすがにそれはしたことあるし」
愛佳はサンダルに目を落として言う。
指先には赤いネイルが塗ってある。
「ほんとに?」
愛佳はなにも答えなかった。
「付き合うってほんとに?」
「ほんと」
ぶっきらぼうに愛佳は答える。
「じゃ、よろしく」
そう言い残して立ち去った。
僕は呆気にとられてただ蝉の声に耳をすませている…

「それをきっかけに付き合ったってこと?」
気がつけば小池のサイコロステーキは空になっている。あの頃鳴いていた蝉はどこへいったのか。
黄昏のなかで黙り込む。
「そういうこと」
僕は随分長い間追憶に浸っていた様で、
傍らのアイスコーヒーは氷が溶けていた。
「ふうん、じゃ自分から告白したんじゃなかったんだ」
「しなかったね」
「そう言う度胸ないもんなぁ」
「五月蝿いな」
「はいはい」
「それで彼女との仲がいま最悪なわけだ」
なぜか嬉しそうに顔をほころばせる。
「あんなことしたからな」
小池は頬杖をついて茜空に眼をうつろわせる。
「コーラこぼしてポテチばらまいただけだろうに」
「ほんとにそれだけやと思ってる?」
「えっ?」
僕は小池の油断ならぬ言動に背中が凍えた。
「ほんまに覚えてないんやな」
小池は片頬を膨らませる。
「なんかした?」
「なんかした」
語気を強めて小池は反復する。
「なにを?」
「酔っ払った君に愛佳ちゃんと勘違いしてちゅーされた」
「嘘だろ」
「嘘とちゃうし」
「まじかよ」
「まぁ良いけど」
そのあとで小池はぼそぼそ何かを言う。
しかし聞き取れない。
「でも羨ましいな」
それだけ聞き取れた。
0322震える眼 13(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/20(火) 02:39:23.60ID:Af83cYcj0
「じゃ、ごちそうさん」
小池はそう言って駅の方へ去った。
僕は夏休み最後の日みたいな寂しさが残っている。
僕は愛佳に電話することにした。
歩きながら。呼出音が二三回して、
「もしもし」と低い声が聞こえた。
「調子どう」僕は恐る恐る訊ねる。
「ねぇ、いつの電車で帰ってくるの」
「どうして?」
「なんでもない」
「早めに帰るよ。」
「ほんとはいますぐそっちに行きたいくらいなんだから」
「寂しいの?」
電話口で鼻をすする音。
「ともかく帰ってきたら色々話したいことがあるから、分かってるよね」
首筋に刃物を当てられたような気がした。
愛佳が静かに怒るタイプで、正直それが怖い。
通話が終わって画面が暗くなってしばらくその場に立ち尽くしていた。
そしてまた画面が明るくなる。
愛佳だろうか。僕は画面を見る。
息を止めた。手汗でベゼルが滑る。
もう一度落ち着いて画面を見る。
間違いではない。
たしかに、電話をかけてきたのは平手だ。
0323名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/20(火) 02:40:42.67ID:Af83cYcj0
>>303
>>310
ありがとうございます。
お待たせしました。
0324名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 81b7-05Gw)
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2019/08/20(火) 07:48:11.13ID:zF7jNhR70
>>323
楽しみに待ってましたよ

3人が入れ代わり立ち代わり登場しますが、まだ主人公の前で女性は同時に2人以上存在していないんですよね
特にてっちゃんの温存の仕方が星稜高校の奥川君のようで、そこに居ないはずなのに存在感で影響を与えていますねw
千葉県先生お得意の修羅場が待っているのか、それとも誰かは思い出として消え去るのか
気になるところです
0325名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 81b7-05Gw)
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2019/08/20(火) 08:06:56.05ID:zF7jNhR70
>>314
>>315
お二人とも同じもの2つも買ってどう使うんですか?w
0326名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8b-6DS1)
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2019/08/20(火) 09:05:30.07ID:/zDdMfkfK
>>325
写真集とクリアファイルの使い道は庭先生にお任せして←

CDはいわゆるバックアップ用ですよ
将来何かの不具合が出て聴いたり見たりできなくなるのが嫌なんで
幸いAKBのCDはリサイクルショップに行けばほぼ新品でも二束三文なんで躊躇せず買えます
だから逆に2枚までと歯止めをかけてる感じです←
0327名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW a916-Lgtr)
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2019/08/20(火) 14:58:42.63ID:bYRBUj2t0
>>325
>>326
チワンさんから任されたので我々の使い道を答えませう

保存用、鑑賞用、飾っとく用、お出かけ用、家宝として子孫に遺す用

以上がスタンダードな使い道ですな

応援スレの変態はこれに夜のお供用を加えますが神聖にして侵すべからずな存在の理佐ちゃんに対して恐れ多いことですわ(-o-;)
0328名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW fb15-R5Tf)
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2019/08/21(水) 14:33:58.84ID:mLbSahBw0
>>324
ありがとうございます〜
0329震える眼 14(茸) (スプッッ Sde2-HyJw)
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2019/08/23(金) 02:27:39.90ID:RWHPIj7Ud
サングラスを少しさげてロビーを見渡す。
懐かしい湿った空気が染み渡る。
間延びした日本語のアナウンス。
m&mを乾いた口に一粒放りこんで噛み砕く。
スーツケースが慌ただしくそれぞれの目的地へ向かって転がる。手首の時計は機内で時間を合わせてきた。時間は14:00。スニーカーの踵を指先で直す。
人差し指が赤くなる。いつの間にか踵を履き潰す癖があらわれだした。
「成田空港の第3ターミナル14:00」
とそれだけ告げ切ってしまったのは話す事が渋滞したからで決して嫌いなわけではない。
しかしなぜわたしは自分に言い訳しているのだろうか。
彼は相変わず遅い。中学2年で高校見学をしたときも10分遅れで来たし、高校の時だっていつも。
みじかい思い出の走馬燈を見ていたら肩を叩かれた。
「あっ、」
わたしは振り向いてスーツケースを己の足にぶつける。
「お久しぶり」
白のTシャツに黒のパンツ。
手にはスーツケース。どうして?
「どっか行くの?」
わたしは久しぶりの再会を喜ぶことをわすれ、
訊ねた。
「これから帰るんだよ長岡に」
「そぉーなんだ、じゃ私も」
「一緒に行く?」
「行く。」
同じ色のスーツケースが二つ同じ軌道で
ホームへとむかう。
わたしは新幹線の切符はどうやって買うんだっけ。
と、それだけを気にしていた。
0330震える眼 15(茸) (スプッッ Sde2-HyJw)
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2019/08/23(金) 02:28:33.86ID:RWHPIj7Ud
長岡までの間色々なことを話した。
3年か4年の空白を1つ1つ、たった2時間で。
それでも足りないくらい。
まず愛佳と付き合っていること、そして酔っ払って他の子を愛佳と間違えてキスしたこと、わたしが一緒に帰って来ることを愛佳にはふせていること。
そんなことを訊いた。
「そっちは?」
雑に聞かれた。わたしはなにを話そうか迷って、
唸る。
そして出発前の出来事について話した。
「なにそれ?出発前」
「そう、飛行機乗る前にね」
「ふうん」
耳に違和感。スピードが上がっているらしい。
「ずっとあるアパートに暮らしてたんだけど」
ろくに景色も楽しめない汚ったない街中。
ベットとテレビとラックとそれからバスルームとトイレ。ちいさな台所は使い勝手が悪い。
まな板はずっと乾きっぱなし。
そんなアパートだった。
アパートは錆びた鉄のような外壁に、薄黒い窓が五六個浮かんでいるそんな感じで
階段はやたら靴音が反響する。
わたしは1階の奥で暮らしていた。
出発前、直前まで準備をサボっていたから時間に追われ焦っていた。飛行機乗り逃したら、一巻の終わり。打ち切り。買い直すお金はない。
だからこうして長岡までのお金も出してもらった。
そんなときにベルの音が響く。
面倒事は避けたかったから無視したけど、2度鳴らされたから仕方なく出た。郵便配達かなって思いながら。そして変にどきっとしながらね。だってベルが鳴るなんて滅多にないから。
戸口に立っていたのはナナミさんで、わたしは安心したけどまたどきっとした。
ナナミさんは顔見知りも顔見知り。
だって同じカレッジだから。
それにこのアパート紹介してくれたのナナミさんだし。
0331震える眼 16(茸) (スプッッ Sde2-HyJw)
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2019/08/23(金) 02:29:30.57ID:RWHPIj7Ud
どきっとした理由?
ナナミさん、滅多にうちに来ないの。
来る時は余程理由がある時。
「日本に帰るんでしょ?送ろうか。」
ブラウンの髪が微笑んで揺れた。
雪みたいに肌が白くてそれが街のなかに
とってもよく溶け込んだ。
「ありがとうございます」
そう答えると、
「じゃ、さっさと準備しちゃいな」
ほら、そう言いながらわたしを急かした。
わたしはこうしてまた時間に追いかけられることになるんだけど、不思議と焦りはなくなっている。
ナナミさんがいるから。たぶんそれが理由。
ナナミさんの背中にある言いようもない孤独や今にも消えてしまいそうな雰囲気がわたしと同じだったからだと思う。
何時だっけ。ナナミさんもそんなことを言っていた気がする。
「なんか昔の自分を見ているみたい」って。
アパートを振り返って過ごした日々を思い起こしながらそんなことをふと考えたの。
アパートの思い出は色々ある。
だけどそれはまたいつか。話すのめんどくさいの。


「そういえばあの子どうしたの?」
ナナミさんはクラクションを鳴らしながらハンドルを切る。
「連絡まだしてないや」
「連絡してあげなよ」
「うん」
クラクション、雑踏。騒がしい街。
車窓から見える。
「そういえば、わたしの好きな人の話したっけ?」
信号が赤になった時ナナミさんがふと、そんな話を切り出した。
「えっ?聞いたことないです。 」
「そっか…あのね。いややっぱやめた」
「なんで気になる」
「あんまりいい結末じゃないの」
「…そうなんですか。」
「生きてるからね一応。なんか死んじゃったトーンではなしてるけど」
「よかった。」
0332震える眼 17(茸) (スプッッ Sde2-HyJw)
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2019/08/23(金) 02:31:25.75ID:RWHPIj7Ud
「わたし高校生の頃入院してたの。
原因?ヘルニアの手術。
それでね大部屋でたまたま同じ部屋だった人、大学生の人だったんだけど。
その人のことすきになったの。
だけどわたしが手術して病室から戻ってきたらもう居なくて。連絡先も交換してないから、
会えることも叶わなくて。それでその人が写真家志望でいつかニューヨークで個展を開きたいって言ってたの。だからわたしもニューヨークにいればいつか会えるかなって」
だからニューヨークにいるの。ナナミさんは
そう言って車を止めた。
「ほら、ついたよ」
「ありがとうございます」
「会えるうちに伝えなきゃ」
喧騒のなかでナナミさんとそう会話して別れた。

話し終えて隣を見る。彼は寝ていた。
おそらく話の大部分を聞いていなかったのだろう。
でもそれでいいのかもしれない。
列車はまもなく長岡に着く。
車内で人々が荷物をおろしたり、デッキに向かっている。
「おーい、起きろ」
わたしの肩にもたれて睡る彼の額を人差し指で突く。
「あれついた」
伸びをしながら車窓とわたしの顔を見る。
「話聞いてなかったでしょ?」
「なんか話してたの?」
「うわひっど」
そんなやりとりをしていたら列車が減速を始めた。
0333震える眼 18(茸) (スプッッ Sde2-HyJw)
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2019/08/23(金) 02:32:34.69ID:RWHPIj7Ud
「ほんとなんも変わらないんだね」
ベットに座って部屋を見渡す。
「なんでうちにいるの」
かれはスーツケースをひらきながらそう言う。
「来ていいって言ったじゃん」
「そうだけど」
「あ、愛佳は」
「うちに来るってよ」
「そーなんだ、じゃ隠れてよ」
立ち上がって部屋を見渡す。
「うちに隠れるとこなんてないけどね」
「そーだった」
階下で玄関の開く音がした。
「来たんじゃない?」
彼は部屋を出てさっさと下へ向かう。
追いつこうとしたけど、もうすでに玄関の開く音がしたから、あきらめてわざとゆっくり階段を降りる。そして降りきって左手に見えてくる大人2人分位の玄関で、彼と愛佳が抱き合っているのを見た。
それは恋人同士のごくありふれた行為ーそれにわたしが少し違和感を覚えたのは二人が恋人であった時季を知らないためかも知れない。
彼の背中に手を回していた愛佳と視線がぶつかる。
わたしは片手を至極軽く上げてご挨拶。
愛佳はそれを目撃した途端、彼の背中から
手を離して、
「なんでいるの?!」
と棒読みで叫んだ。愛佳の眼は幽霊を目撃した時のようで黒目が小さくなっている。
その上まばたきを忙しなく二三度した。
「おかえり」
愛佳は一拍間を置いてそう呟く。
「うん。」
わたしは階段をおりてすぐの所で答える。
彼はわたしと愛佳の対角線上で、
行き場をなくしたようにぼおっとしていた。
「とりあえず部屋あがる?」
ぼおっとしていた彼は呟く。
「うん」
わたしはそう答えてまた階段に足をかけ、背後では靴を脱ぐ音がした。
0334震える眼 19(茸) (スプッッ Sde2-HyJw)
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2019/08/23(金) 02:33:36.05ID:RWHPIj7Ud
部屋に戻ってわたしは彼のデスクに座る。
デスクは部屋の左端にあり、椅子の角度を変えると教室の中央にある教卓みたいに室内がよく見えた。
愛佳は美術館に来たみたいにキョロキョロしながらベットに座った。彼は当たり前に愛佳の隣に座った。愛佳は手のひらを浮かせ隙間をあけた。
手は持て余したのか、太腿のすぐ横に置かれている。
「ねぇ、わたしと平手どっちが好きなの?」
愛佳は彼に突然そう言った。
無言の部屋には晴天の下に落雷が落ちたかのような衝撃が這いずり回っている。
それはさきほどまでの呟きとは違いはっきりと
発声されていて、わたしは愛佳をじっと見つめる。
愛佳の眼は細く険しい。
彼はわたしと愛佳を交互にゆっくり見てから、
「愛佳」とだけ答えた。
「そう」
愛佳は表情をまったくうごかさぬまま、
あくまで感情を悟られまいとしているかのように唇を結ぶ。
しかし手は彼の手と重ね合わせていた。
そして愛佳はこの空間に居心地の悪さを覚えたのか
「なんか食べに行こうよ」
そう切り出す。
0335名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 99b7-fLM7)
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2019/08/24(土) 08:57:22.54ID:wuMnEV0a0
>>334
何とも言えぬ緊張感がたまりませんね

あちらのナナミさんですかw
ナナミさんに関しては両者とも卒業してその後どうなっているんだろうと心配になることもありますが、どちらもしっかりしてそうなので多分大丈夫でしょう
顔見知りにナナミさんがいたら、それがどちらでも相当頼もしいです
0336名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW 99b7-fLM7)
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2019/08/25(日) 17:56:15.39ID:lHExxEkh0
プラダのコートに魅せられてGQ買ったら6ページしか割かれてなかったのですが、それが全ていい写真でしたという報告と保守
https://i.imgur.com/78Zdahy.jpg
0337名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 0d16-Bqoa)
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2019/08/26(月) 02:32:21.18ID:3RiIze300
>>334
ピリピリした空気感が堪らんw
0338名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW d609-HyJw)
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2019/08/27(火) 16:39:58.40ID:9cNqfEGx0
>>335
>>337
今後の展開に悩み中です
0339名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 1b15-pUS/)
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2019/08/29(木) 00:27:20.20ID:nYYksjEb0
保守
0340名無しって、書けない?(家) (ニククエWW e116-j4O3)
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2019/08/29(木) 13:48:31.81ID:FG7wAyge0NIKU
>>338
頑張ってください
0341夢で逢えたら 第16話(家) (ニククエWW e116-j4O3)
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2019/08/29(木) 22:00:27.62ID:FG7wAyge0NIKU
「頑張ってな〜」

受験に赴く年下の幼なじみ葵に手を振り学校に向かう俺

「ありがとう、俺君も学校頑張ってね」
人影の多い駅前だからかいつもより澄まし顔で軽く手を振る葵

俺とは違い成績優秀な葵ゆえ何の問題も無く志望校への進学を果たしてしまうのだろう


そして学校に着き授業開始と共に

「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁!」
なんて夢の中の理佐ちゃんに逢いに行こうと夢見術の呪文唱えて寝に入る俺

「俺君寝るの早いよ」
そんな俺にちょっかい出してくる親友澤部

「うるせえ三等兵は黙ってろ!」
なんて澤部を一喝して

「理佐ちゃんは俺の嫁!理佐ちゃんは俺の嫁・・・zzz」
呪文唱え直して愛しの理佐ちゃんが待つ夢の中へな俺





「ちょっと!早く起きなさいよ!」

寝ぼけ眼な俺にややきつめな感じの声

頬に感じる教室の机とは違う枕な感触と嫁におこされてる事に我夢の世界に突入せりを喜ぶ俺

夢の世界にしか存在しない天地開闢以来の美人理佐ちゃんを嫁に出来てる俺に夢見術のありがたさを感謝する毎日や

なんて感謝な俺の目に飛び込んでくる超絶ブス!?

「なんで澤部が嫁なんや〜」
天地開闢以来の美人嫁理佐ちゃんと目の前に居る女装した嫁澤部の落差に悲鳴上げる俺

「朝から悲鳴上げてないで早く朝ご飯食べなさいよ!」
あくまで嫁としての役柄に忠実な夢の中の澤部

寝に入る直前に澤部にちょっかい出されたからか・・・

絵に描いたような悪夢から貴重な教訓を得た俺はベッドから起き上がり顔を洗いに行くわけだ...


顔を洗いテーブルに着くと焼き魚と玉子焼きにお味噌汁なんて澤部のくせにちゃんとした朝ご飯が並んでて複雑な気分に俺をさせるわけだ...



つづく
0342名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KKab-4Phj)
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2019/09/01(日) 12:43:28.82ID:dJ3REbRHK
おなじみのSTUメンの絵で保守
http://o.5ch.net/1j0l6.png
0343夢で逢えたら 第17話(家) (ワッチョイWW e116-j4O3)
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2019/09/02(月) 13:18:29.78ID:bQ2o7CRJ0
目の前に並ぶ美味しそうな朝ご飯にもかかわらずなんだか食欲が湧かずない俺

キッチンに立つ坊主頭の澤部が嫁なんて不愉快にしてキモい夢から逃れようとテレビつける俺

「朝からアイドルグループが告知かい」
なんてつまらなそうに呟く俺

「ちっ、どうせなら乃木坂のまいやんとなぁちゃん呼ばんかい」
乃木坂オタな俺の夢なのに欅坂なんて乃木坂をパクったような名前のアイドルがゲストなめざましテレビに文句言う俺

「うん!?」
文句言いながらも欅坂なるアイドルの中に理佐ちゃんを発見して我が目を疑う俺

「理佐ちゃんがアイドルになっとるw」
嫁としての登場は叶わなかったけどめざましテレビのゲストなんて形で俺の夢に出てきてくれた理佐ちゃんに運命のシンクロときめきを感じて喜ぶ俺

「こんなささいなな事に幸せ感じてんじゃねーよ」
なんてドス効かせながらテレビ消しちゃう嫁澤部

「あのさ、男だったらもっと高いとこに幸せ設定しなさいよ!」
澤部のくせに嫁気どりの澤部

「うるせ〜!俺の夢を汚しやがって!」

理佐ちゃんの代わりに嫁面する女装澤部に襲いかかる俺




「いてててて、、、」
襲いかかるも嫁澤部の反撃にあい家を追い出された俺

夢とはいえ理不尽な突飛さに憤りながら会社に向かう俺なのであった、、、



つづく
0344名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW e116-j4O3)
垢版 |
2019/09/04(水) 10:17:05.67ID:0s+qJ1Xf0
あげ
0345名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KKab-4Phj)
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2019/09/04(水) 17:30:59.05ID:hRyX35bMK
今日はねるちゃんとTAKAHIRO先生の誕生日だと先ほど知って
http://o.5ch.net/1j3g8.png
0346名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 2e09-zQco)
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2019/09/05(木) 17:34:35.85ID:NQop98+V0
保守
0347名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 8916-2rfG)
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2019/09/07(土) 12:36:24.11ID:Ug3Qz/0O0
あげとく
0348名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 8916-2rfG)
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2019/09/08(日) 08:08:51.99ID:4o2ZiNh50
本能寺の変勃発やな...
0349名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KKd6-wvQi)
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2019/09/08(日) 08:45:34.92ID:FwlIgoX8K
彼女は本能で滅ぶのかってか
0350名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 8916-2rfG)
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2019/09/08(日) 08:47:24.55ID:4o2ZiNh50
まさに敵は本能にあり!
0351名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KKd6-wvQi)
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2019/09/08(日) 09:24:36.01ID:FwlIgoX8K
オダ「商売のために人のことをつけ回すとは不届きな連中め!」
文春「ふふふ…自業自得だろ」
オダ「くそっ…」
文春「年貢の納め時だな。餞別に麦チョコをやろう」
オダ「あ…ケチ!3つ!?ひでぇ〜!」
0352名無しって、書けない?(ジパング) (アークセー Sxf1-t3fw)
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2019/09/08(日) 09:25:50.79ID:+y1ZvKcxx
どうしよう…確か先に口を離した方が負けなんだよね?だけどこなちゃんは口を離す気配がない

こなちゃんのブサイクな顔が近づいてくる…私が離せばいいんだけど僅かにかかるこなちゃんの吐息がすごい臭かった

ちゅ

おえっ
0353名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 8916-2rfG)
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2019/09/09(月) 00:50:32.57ID:c1AECFfX0
誰も書かんな...
0354名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (キュッキュ KKd6-wvQi)
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2019/09/09(月) 15:22:55.45ID:20OE/L8/K0909
千葉県先生の住まわれてる近辺を台風が直撃した予感するので無事を祈りながら千葉県から保守
0355名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 8916-2rfG)
垢版 |
2019/09/10(火) 21:12:26.61ID:boME0+dE0
保守(  ̄ー ̄)ノ
0356名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 8916-2rfG)
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2019/09/11(水) 09:10:32.76ID:0otJwrTs0
千葉県さん家停電大丈夫かな(´・ω・`)
0357夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
垢版 |
2019/09/12(木) 03:24:31.91ID:UUrvNx4N0
テレビの音。静かな室内。
ガラステーブルに鈍い音。
カメラはテレビ画面にフォーカスし
やがてテレビのなかにシーンが切り替わる。

ナレーション:以下N
「巷で話題となっている様々な件にかんしてちょっとだけ首を突っ込んだりつっこまなかったりする番組です。」
スーパーインポーズ:タイトル
歓声、スタジオが映る。
村上、マツコ登場。
マツコは腹を擦り、あくびまじりに登場。
マツコ「なんか腹が膨張してきたわ」
村上「1本目に食いすぎるからや」
マツコ「あらそうかしらあなただって」
村上「そんな食っとらんがな。マツコもばくばく食ってからに」
マツコ「うるさいわねあんた」
カンペ:タク送まで50分
マツコ「ほら急かされてるわよ早く始めなさいよ」
村上「マツコが言うからやん」

N 本日はオリンピックのメダルのデザインが
決まった件や久しぶりに桐谷さんに密着した件や
インスタ映えするカフェを探した件など時事ネタふくむ6つを用意。果たして2人の標的となるのは?

マツコ「これだけ毛色が違うわね。まったく、急に流行にのっかりやがってこの番組も。」
マツコ、カードを取り上げる。
村上がそれを受け取り、
村上「これ?ああ。じゃ、これから?」
モニター横のディレクターが頷く。
そして、
村上 「えー、インスタ映えするカフェを探した件」

VTRが、始まる。

N 「世間でなにかと話題になっている、インスタ映え。そこでわれわれはまだ話題になってないインスタ映えするカフェを探してみた。まず1つ目は」

スーパーインポーズ:三軒茶屋

テレビの映像からざらついたフィルムの映像に変わり三軒茶屋の街並みをカメラは追う。
そして我々はカメラとともに三軒茶屋の細道を辿ることになるだろう。
0358夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/12(木) 03:25:13.58ID:UUrvNx4N0
---------

三軒茶屋の細道を入り、焦げた匂いと腐った肉のような香りのなかをかき分け、うなぎの寝床みたいな道を80mほどくねくね曲がったところに古い店構えの喫茶店がある。名前はCafe dining fleur
読みはカフェダイニング、フルール。
しかし外観はどうみてもハーモニカ横丁とかどぶ板通りにあるステンドグラスが嵌め込まれた老朽化著しい飲み屋。フェダイニングとかフルールとか洒落た名前を付けてはいるがいっそ、居酒屋輪とか、スナックモナリザとかそんな昭和っぽいのが似合いそうである。
今日もこんなカフェダイニングに客が来る。
ドアノブは持ち手の銅がさびて油でベタつき、
室外機がやかましい。
ドアの上らへんに付けられたベルが鳴り声がする。
内装は白、否。くすんだクリーム色。
解体途中のアパートを思わせる。
床は歩を進める度に軋みそのうちどっかを踏み抜くのではと心配になりそう。
そしてカウンターにラーメン屋みたいな無骨な丸椅子が10脚ほど。カウンターの斜向かいには
それなりに小綺麗なしかし、取り繕った感はんぱないキッチン。よく分からない英字の調味料と、底が炭化したようなフライパン。
何を煮込んだらそんな、なるんだよというような寸胴鍋をアルミホイルが取り囲む。
しばらくこの居酒屋、いや、カフェダイニングを見てみることにしよう。
0359夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
垢版 |
2019/09/12(木) 03:26:17.88ID:UUrvNx4N0
「いらっしゃい」
扉を押して入るとそんな声が響く。
声は部活動中みたいな芯のある明るいものでそれが汚い通りに不釣り合いだ。
店主は橋田壽賀子とか石井ふく子みたいな風貌ではなく、ブラウンにカールの入ったハーフアップに、それはそれは気迫のある眼差しとキメ細やかな肌をもつ30くらいの女性だった。
「ここは…飲み屋じゃなくて」
「カフェダイニングです」
キッパリと店主は言う。
口調と眼差しには鋭い棘。それは迷彩柄のジャケットを腕まくりし、黒のエプロンを身につけているせいで八割増しに恐ろしく感じる。
「ああ、そう」
これ以上余計なことを言うとなんか飛んできそうなのでとりあえずカウンターの真ん中に席をとった。
「うちカフェダイニングなので酒場放浪記の撮影ならお断りします。」
「誰が吉田類だこの野郎」
「えっ違うんですか?」
「人生で一度も言われた事ねーわ」
店主は腕を組んで首を傾げ愁いに瞼を翳らす。
それは三軒茶屋の汚いカフェダイニングとは程遠い美しさで僕はその顔をじっとみてしまった。
「なにを頼まれますか?」
店主はわたしの胸ポケットにあるハンカチと傍らの鞄と腕時計を見た。
「客を値踏みしてんじゃねーよ」
僕はそう言い店主を睨んだ。
「おっとっと、形勢逆転か?さっきまで弱気な面構えだったのに」
店主は言い終えシニカルな笑みを浮かべる。
「形勢逆転?前園健太?」
僕はそう返す。
「パワプロじゃねーし。誰が知るか」
店主は意外とツッコミスキルが高い。
「んで、何を頼むんですか?」
ヤンキー口調になったので僕はとりあえずアイスコーヒーを頼んだ。
「とりあえず、最初にアイスコーヒーを頼むような軽薄な人間とは付き合いたくないわ」
店主はそう捨て台詞を吐いてキッチンへ入る。
「余計なお世話だこの野郎」
僕はキッチンへ叫ぶ。
するとそれを合図に扉が開く。
「あかねーん居る?」
勢いよく開かれた扉はベルをガタガタ揺らし、
終いにゃ外れて床に落ちた。
0360夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
垢版 |
2019/09/12(木) 03:26:18.24ID:UUrvNx4N0
「いらっしゃい」
扉を押して入るとそんな声が響く。
声は部活動中みたいな芯のある明るいものでそれが汚い通りに不釣り合いだ。
店主は橋田壽賀子とか石井ふく子みたいな風貌ではなく、ブラウンにカールの入ったハーフアップに、それはそれは気迫のある眼差しとキメ細やかな肌をもつ30くらいの女性だった。
「ここは…飲み屋じゃなくて」
「カフェダイニングです」
キッパリと店主は言う。
口調と眼差しには鋭い棘。それは迷彩柄のジャケットを腕まくりし、黒のエプロンを身につけているせいで八割増しに恐ろしく感じる。
「ああ、そう」
これ以上余計なことを言うとなんか飛んできそうなのでとりあえずカウンターの真ん中に席をとった。
「うちカフェダイニングなので酒場放浪記の撮影ならお断りします。」
「誰が吉田類だこの野郎」
「えっ違うんですか?」
「人生で一度も言われた事ねーわ」
店主は腕を組んで首を傾げ愁いに瞼を翳らす。
それは三軒茶屋の汚いカフェダイニングとは程遠い美しさで僕はその顔をじっとみてしまった。
「なにを頼まれますか?」
店主はわたしの胸ポケットにあるハンカチと傍らの鞄と腕時計を見た。
「客を値踏みしてんじゃねーよ」
僕はそう言い店主を睨んだ。
「おっとっと、形勢逆転か?さっきまで弱気な面構えだったのに」
店主は言い終えシニカルな笑みを浮かべる。
「形勢逆転?前園健太?」
僕はそう返す。
「パワプロじゃねーし。誰が知るか」
店主は意外とツッコミスキルが高い。
「んで、何を頼むんですか?」
ヤンキー口調になったので僕はとりあえずアイスコーヒーを頼んだ。
「とりあえず、最初にアイスコーヒーを頼むような軽薄な人間とは付き合いたくないわ」
店主はそう捨て台詞を吐いてキッチンへ入る。
「余計なお世話だこの野郎」
僕はキッチンへ叫ぶ。
するとそれを合図に扉が開く。
「あかねーん居る?」
勢いよく開かれた扉はベルをガタガタ揺らし、
終いにゃ外れて床に落ちた。
0361夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/12(木) 03:27:48.73ID:UUrvNx4N0
「新聞ならうち読売なんで」
キッチンから叫び声。
「新聞じゃないんだけどなぁ」
白のニットにブルーのスカートを履いた女性が呟く。
「あ、なんだゆっかーか」
店主は雑にアイスコーヒーを置くと扉を背に佇む深川さんに近寄る。

「あかねん、ボケるパターンが同じすぎてつまんないよ」
ゆっかーなる人物は頬を膨らまして言う。
「ごめーん、次来たら考える」
「じゃあね」
ゆっかーは手を振り店を出た。
「なにしに来たんだよ!」
僕は叫ぶ。
「うるせーよ声でけーよババアかよ」
ヤンキー口調で店主は答える。
「せめてジジイにしろよ」
「なかなかやるじゃん」
店主は頬を弛めて言う。
「なんの時間なんだよこれは」
僕はそういい、ついでにミルクとガムシロップを頼んだ。
「わたし、ミルクとか入れない男の人好きだな」
店主は唇に人差し指を当て顔を近づける。
「要するにねーんだろ」
その仕草が物凄くアダルトだったのでついジロジロ見てしまったが気を取り直してそう言った。
店主は舌打ちしてキッチンへ戻る。
「図星かよ」
僕は勝利宣言に似たツッコミに顔をほころばせた。
すると、ふたたび扉があく。
「あかねん。言い忘れたんだけどさぁ」
「わたし神様とか信じてないんで」
入ってきたのはゆっかー。
このカフェダイニングには不釣り合いなほどほんわかしている。
「宗教の勧誘じゃないし」
ゆっかーは嬉しそうに答える。
「わたし、神様信じるより自分を信じたいんで」
「試合終わりのヒーローインタビューか貴様」
僕は足元を見れば不釣り合いのルブタンを履いた店主にいう。
「うっさい」
「俺のツッコミを雑に処理すんなよ」
「この人だれ?」
ゆっかーは首を傾げて僕を見る。
0362夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
垢版 |
2019/09/12(木) 03:28:55.48ID:UUrvNx4N0
「ん?ただの変態」
店主は僕の鼻先に人差し指を向けてそういう。
「うわー、そうなんだ。たしかに下着とか盗んでそう」
「しかもババアが履いてそうなベージュとかのね」
「わかる。マニアックなんだよね、趣味が」
「うるせーなさっきからバカにしやがって客だよここの!」
僕は立ち上がってわなわなふるえる。
「トイレならうちにはないですよ」
店主はそう言って首を振る。
「トイレ我慢してんじゃねーわ。」
「そうだよ。もうおじいちゃんなんだから仕方ないよ。リウマチとか。」
ゆっかーは紙袋を手にそう言う。
「年寄り扱いするなよ、まだ25だわ。」
「えー・・・」
店主とゆっかーは僕をジロジロ見る。
「老け顔だね」
「わかるー」
口々にそう宣う。
「うるせーな、余計なお世話だわ」
「もう。そんなんだから彼女居ないんだよ」
ゆっかーは諭すようにそう告げる。
「可愛い顔して結構なこと言いやがってこら」
「えっ?わたしは?」
店主は腕組みをして片頬を膨らます。
「なんだそのキャバ嬢みたいな反応は。急にそんなことしても追加注文しないからな!」
店主とゆっかーは舌打ちをする。
「お前は関係ないだろ、お前は」
ゆっかーは僕の言葉を無視して、
「なんか食べようかな」
と僕の隣を陣取る。
「了解」
店主は言い終えカウンターの向こうに戻る。
0363夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
垢版 |
2019/09/12(木) 03:29:58.30ID:UUrvNx4N0
「そういえばどうしてここに来たの?」
ゆっかーは穏やかな眼差しで僕に訊く。
「いや…なんかたまたま?」
「反応が急にカメラ向けられた素人かお前は」
店主はグツグツと煮えたぎるなにかをゆっかーの前に置く。
「あかねんありがとー」
ゆっかーは器を受け取り共に渡された箸を割る。
器の中身は黄土色のスープにやわらかなちゃけた肉がまざったもつ煮。
「結局出すもの飲み屋じゃねーか」
僕は店主に言う。
「うるっさい、 これはゆっかーだけの裏メニューだから」
鋭く削った割り箸が飛んできそうなのでこれ以上はよした。
「いただきます」
ゆっかーがそう言いモツの切れ端を箸で掴む。
その瞬間ベルがなった。
「いらっしゃい」
庄屋みたいな口調で店主が扉の方を見る。
入ってきたのは黒髪に黒のノースリーブにサングラスをかけた女性と青のデニムジャケットに黒のパンツの女性。
「あっ、文春砲食らっちゃった芸人のみなさま」
店主はニヤニヤニヤニヤしながら言う。
「芸人じゃないし。紹介の仕方アメトークかよ。言い方。」
サングラスは答える。
0364夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
垢版 |
2019/09/12(木) 03:31:33.37ID:UUrvNx4N0
「そうだよ。」
ゆっかーはいつの間にもつを平らげたのか。
空になった器をテーブルに起き、
「油断しすぎて好感度落とした挙句男の趣味が結構悪いことがバレた子達って言わなきゃ」
そう言う。
「尚更ひどいじゃねーか。傷えぐってるだろうが」
僕はサングラスとデニムを見比べる。
「で、どうしたの?
紀尾井町にクレーム付けるなら道違うよ」
店主はそう言いながらエプロンを外しながら答える。
「いやなんとなく来てみただけ」
デニムが答える。
「ほら、この近くにスナック眞緒があるからそこに行くついでに」
サングラスも答える。
「えー、そうなんだ。」
店主はニコニコしながら続ける。
「もしかして週刊誌にとられたもの同士傷の舐め合い?」
「お前も、お前できついこと言うなや」
「もう。あかねんそうだよ。ほんとうのこといったら可哀想だよ」
「トドメ刺したるなよ」
僕は店主とゆっかーを見やって言う。
「またくるね」
サングラスとデニムは穏やかな笑みを浮かべ店を出た。
「どんなメンタルしとんねん」
僕はおそらく何も響いていない2人に驚く。
0365夢と幻想の間で(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/12(木) 03:32:38.47ID:UUrvNx4N0
時刻は午後9時。
ゆっかーは馬刺しを食べ店主はカウンターの隅でうつらうつら眠る。
「あーあ、なんか眠くなってきた」
ゆっかーは馬刺しを平らげ欠伸をする。
「起こして」
ゆっかーはさらにそういいどえらい音を立て額をテーブルにつける。
店は急に静かになる。やがて僕も眠くなる。

額が痛い。それで目が覚めた。
「あれっ、」
わたしはガラスのテーブルに突っ伏していた。
真向かいにはテレビ。
ここでわたしはテレビを見ながら寝落ちしたことに気づく。
「ああ、そっか」
わたしは冷た凹んだ額を撫でる。
きっと赤くなっている。

暗くなったテレビ。カーテンの外には朝日。
伸びをして立ち上がる小林由依。
カメラは引きで室内を映す。
やがて小林がリビングを出るとカメラは
すこし俯瞰で部屋を捉えて固定される。
そこにエンドロール。

スーパーインポーズ:完
0366名無しって、書けない?(茸) (スップ Sd9f-e36O)
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2019/09/12(木) 03:34:44.34ID:LPtTWSISd
>>354
直撃でしたがなんとか無事です
>>356
停電はありませんでした。ありがとうございます。

お久しぶりです
0367名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/12(木) 03:39:02.94ID:UUrvNx4N0
連投失礼しました。
0368名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-Bvqi)
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2019/09/12(木) 15:02:43.53ID:GaRyXMGjK
>>366
無事で何よりです
以前書かれていた鉄道ネタでの雰囲気から多分今回の直撃エリア近辺にお住まいなのかなと勝手に想像してましたm(_ _)m
こちらも千葉県ですが嵐で家の一部が吹き飛んだだけで済みました(笑)

今回の作品は読んでてなぜか筒井康隆先生の雰囲気を感じました
0369名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 9f16-H1L4)
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2019/09/12(木) 16:24:44.23ID:qQhTIHrW0
>>366
ご無事でなによりでした

そして台風に負けじと大作の執筆乙であります( ̄▽ ̄)ゞ
0370名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 9f16-H1L4)
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2019/09/12(木) 16:26:12.87ID:qQhTIHrW0
>>368
家の一部が吹きとんだのに大事やないんですか(-o-;)
0371名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-Bvqi)
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2019/09/12(木) 17:07:21.92ID:GaRyXMGjK
>>370
雨戸が1箇所戸袋ごと飛んでっただけですから(^∀^)ノ
0372名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 9f16-H1L4)
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2019/09/14(土) 10:34:43.27ID:aNk4Z2kS0
>>371
なかなかの被害でっせw
0373名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-Bvqi)
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2019/09/15(日) 09:03:51.18ID:U8jmiMFxK
>>372
さらに確認したら窓外の手すりが半分外れていたのと
アンテナをやられてスカパー!が映らなくなりました(笑)
0374名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 9f16-H1L4)
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2019/09/16(月) 09:33:56.15ID:2kpt6Ogt0
めっちゃ被害受けてますやんw
0375名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-Bvqi)
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2019/09/16(月) 23:43:17.44ID:1E7xXcfMK
珍しくスレチ度低め保守
http://o.5ch.net/1jd9z.png
0376傘のない夢(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/17(火) 02:53:08.30ID:L/3uHMa20
予報に無い雨が街を煙らせた。傘をもたない僕はコートのポケットに悴んだ指先を差し入れ襟を立て、街灯が濡れて反射するアスファルトを走る。
ヒールと革靴とエンジンと、雨の街中では様々な人々がそれぞれの目的地に急いでおりわたしもその波に飲まれるように点滅しかけた歩道を渡る。
途中足元を取られたが瞬きをした合間数秒で渡り終えていた。
赤になり背後では車列が慌ただしい。
わたしは車列の轟音に喧しさを覚え、
ため息を吐く。
そして目線をあげた時にそのコンビニを見つけた。
雑居ビルの1階、四方を飲み屋に囲まれており、
自動ドアの手前に敷かれた鼠色のカーペットは。
端がめくれ上がり、白の床はいくつもの靴痕に黒黒としている。
傘は入口のラックに並べて売られていた。
800円。値札と止みそうもない雨空を見比べる。
わたしは結局濡れて別の色に変わったコートの肩をハンカチで拭い店を立ち去ろうとしたのだが、
しかしこのままでは雨に体を侵され風邪を引く
恐れがあったので軒先で雨宿りをすることにした。
予報のない雨に幾度濡れた事だろう。
その度にわたしは傘を携えることの大切さを思い知らされた。
しかし一旦雨が止むとそれをすっかり忘れてしまう。
こうしてわたしは今日も髪を濡らす。
0377傘のない夢(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/17(火) 02:54:02.21ID:L/3uHMa20
「ほんっと学習しないよね」
煌々と夜街を照らす看板はサラリーマンの誘蛾灯。
スーツが何組も誘蛾灯の元に吸い込まれる。
その流れを眺めているとそんな声がした。
黄土色のトレンチコートに襟元はブルーのシャツ。
指先は赤く、マスクを顎に下げる。
内側に巻かれた肩までの髪は毛先に雫が滴った。
大人びた低めの声が体温の下がりつつある秋の歩道に優しい。
「おかえり」
彼女は軒先で傘を畳んだ。
「おかえり」
わたしも反復する。
「ただいま。」
不意に声が重なる。
「由依ちゃん傘持ってたんだ」
「だってさ雨降るって天気予報で言ってたじゃん」
「そうだっけ?」
「傘持ってったら?ってさ、聞いたじゃん今朝」
「そうかなぁ」
自動ドアが温い風を足元に運ぶ。
「相変わらず傘のさし方下手だな」
雫に濡れた頬を視界に入れながらわたしは言う。
「うっさいな」
彼女は腕を組んでショートブーツのつま先を組み替える。
「帰ろうか」
僕は彼女の赤い指先に己の指を重ね合わせる。
「手冷たっ」
思わず叫ぶ。
「そっちこそ」
彼女は指先をなぞって頬を綻ばす。
歩き出した街中。傘はパステルブルーで透明や黒の小さな空が広がる中では酷く目立つ。
わたしは冷たい指先を自分のコートに誘って彼女の表情を伺う。
「暖か…」
彼女はぽつりと呟く。が。
小声のあまり雨音に掻き消される。
わたしはポケットのなかで彼女の手を握り返して駅へと急いだ。
0378傘のない夢(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/17(火) 02:54:54.95ID:L/3uHMa20
相模大野駅を出て再び手を繋ぐ頃に雨はもう上がっていた。
「雨止んだ」
彼女は天秤のように手を広げ空を伺う。
「ほんとだ」
僕は畳んだ彼女の傘を手に少しながれの遅くなった人の流れを見た。
「今日どっかで食べて帰る?」
わたしは暖色のネオンを目に思い立って口にする。
「うん」
彼女は小さく頷き店を探す。
わたしたちは結局どこにでもあるような居酒屋に入った。
そこで耳をつんざくようなサイレンが響き渡る。
「意識レベルが低下しました」
「バイタルは?」
「手術室は空かないの?」
「外科医は?」
「この台風で来れません!」
駅前のロータリーは無人でそんな意味不明な声だけが雨の代わりに降り注ぐ。
「これは…」
彼女は消えていた。僕は街に独り置去り。
独り言は闇の中に消える。
「今からオペ入るよ」
「この人の家族は?」
「廊下にいます」
「血液型聞いて」
「Rhマイナスです」
「型が合わない」
「出血量上がってます」
台風の最中みたいに飆が強くなる。
風が目にしみる。砂塵が目に入り、指で擦る。
「いま貴様は2つの選択肢のどちらを選ぶか迫られている」
0379傘のない夢(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/17(火) 02:55:53.87ID:L/3uHMa20
不気味な声が耳元に響く。
目の前には黒の二重回しとんびを来た禿頭の男が立っていた。
「なんだお前は」
「いま貴様は2つの選択肢を決めなくてはならない。」
「だからなんだお前は」
「ひとつは貴様が助かる道。もうひとつは彼女が助かる道。どちらも助かる、そんな道はない。」
「だからなんなんだお前は」
「早く選べ」
男は急かすように藤の杖でアスファルトをついた。
「わたしが助かる道を」
「ほんとうにそれで良いのか?」
「如何して?」
「彼女が消えてしまうぞ」
「彼女じゃねーよあれ。」
わたしは昔から慌てると口から大嘘が飛び出す。
「違うのか?」
男が慌てた。どうやらリサーチ不足らしい。
これだから近頃のメディアは。いやいや。
「姉だよ。姉。」
言っとくがこれは大嘘である。
「えっ?しかし見たところあれは完全に恋人」
「よく間違われるけどな全然違うよ」
男いや禿が露骨に慌て始めた。
そんなはずは。と禿はブツブツ呟く。
0380傘のない夢(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/17(火) 02:56:37.78ID:L/3uHMa20
「しかし姉が助からないぞ、それでもよいのか。」
「仲悪いからいいよ別に」
「冷たいないまの若者は」
「二つの選択肢を迫るお前の方が余程冷たいはずだろ!」
「時間が無い。これは完全に手違いだ。」
「なんなんだお前は。」
「だからわたしは運命を司る物だ。」
「冗談は夢の中だけにしろ」
「これは貴様の夢の中だ」
「はぁ!?」
「貴様の意識が戻るか彼女いや姉の意識が無くなるかそれはわたしのこの杖ひとつ」
杖をまたアスファルトに向かって突く。
「輸血は?」
「いま手配中です」
天から声がふる。
「時間切れだ。今回はわたしのリサーチ不足に免じて助けてやろう」
禿は呵呵大笑して杖を振り回す。
矢沢永吉のスタンドマイクみたいに。
耳には轟音。竜巻に飲み込まれたように体が
浮き上がる。わたしは徐々に意識が薄らぐのを感じていた。
0381傘のない夢(千葉県) (ワッチョイW ff15-e36O)
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2019/09/17(火) 02:58:29.56ID:L/3uHMa20
柑橘系の香水とシャンプーが香る。
わたしはゆっくり目を開けた。
「あ。」
彼女がわたしと顔を見合わせて頬を朱に染める。
白のニットにデニムを履いた彼女が僕を抱きしめる。
「どうしたの?」
彼女は何も言わない。
しかしやがてこう呟く。
「よかった。助かって。大事な…弟が」
「弟?」
「そう。弟。」
「彼女…じゃなかったっけ」
「夢見たんじゃないの?」
彼女の温もりを顔に感じながら、再び
禿の呵呵大笑が鼓膜を突いた。
「あれは貴様の姉なのだろう?」
低い声が病室に響く。
「わたしを欺いたと思ったか」
禿は尚も声だけ響かせる。
「貴様の命を助ける代わりに彼女を姉にしてやったわ。」
不愉快な笑い声がいつまでもやまない。
「どうしたの?」
彼女が訊ねる。
「なんでもない。」
「なんかあったら言ってね。お姉ちゃんに」
彼女がお姉ちゃんの箇所だけ強調して言う。
わたしはカーテン越しに広がる青空が急に霞んでゆくのを感じた。

0382名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK8f-Bvqi)
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2019/09/18(水) 14:29:02.23ID:Tzg1G9ekK
>>381
今回も展開がえげつなくて(←褒めてるつもり)やはり筒井康隆の短編とかを思い出しました
0383名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 6916-RoxZ)
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2019/09/19(木) 13:12:57.86ID:CHqD1Eey0
千葉県さんは作風が多彩で羨ましい
0384夢で逢えたら(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/20(金) 00:01:52.22ID:cCqxbEAK0
世田谷区内にある私立大学の広いカフェスペース。白の丸テーブルを挟み座る1組の女性たち。
周囲は午後の授業が始まったばかりでつい数分前の騒がしさが嘘のように静か。
Macで偉そうに恰好付けて頬杖ついてると思ったら実は単にYouTubeを見てるだけの男と、
浮気性の元彼にふられたと泣きわめく女と
したり顔で慰める男が居るだけで至極平和だ。
「どこが平和だよ!」
丸テーブルで黒いシャツを腕まくりしている色白な女性が、がなり立てる。
どうやらこのト書がこの女性には聞こえるらしい。
「みいちゃんどうしたの?」
向かい合う亜麻色のポニーテールにグリーンのノースリーブにカーディガン。そして、くるぶし丈で水色のスカートを着た女性が訝る。
この女性はwithとかのモデルをやってそうな雰囲気で通りすがる学生の注目を集めたり集めなかったりしているのだ。
「どっちだよ!」
みいちゃんと呼ばれた女性がこめかみに血管を浮かばせ怒鳴る。
「みいちゃんどうしたの?」
二の腕を擦りながらみいちゃんに訊ねる。
みいちゃんは途端に甘い小声になって、
「ゆいぽん冷房寒いん?」
と言う。
「お前の変わりように驚いて寒くなっただけだよ」
ゆいぽんと言う女性が返す。
流石埼玉の狂犬である。
「ところでどうしたのみいちゃん」
カフェスペースでは浮気性の元彼が復縁を持ちかけている。我々としてはむしろそっちの方が気になるがいまはこの二人に注目しよう。
0385夢で逢えたら(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/20(金) 00:02:36.58ID:cCqxbEAK0
「いやー、まいったね」
みいちゃんは白く細い腕を組んで眉間にシワを寄せる。
「また参ったのかよ清水寺かお前は」
ゆいぽんの肌がしわしわに見えるのはきっと幻覚だろう。
「いやいや参ったていうのは嬉しい方のまいったなのよ」
みいちゃんは頬を緩ませる。
「キャバ嬢のセールストークに喜ぶ親父か貴様ニヤニヤするな」
ゆいぽんはみいちゃんを軽く睨む。
「いやいや聞いてくださいよ」
みいちゃんは頭をペコペコ下げて言う。
「ああ、ああ聞くとも!」
ゆいぽんは氷がすっかり溶けて水になったアイスコーヒーのストローをクルクル回す。
「あれ?小林さんクリスタルキングですか?」
みいちゃんはニヤニヤしながら言う。
「だれが大都会歌うか!あれは♪あ〜あ〜だろうが」
「え?それはターザン」
「そっちはあ〜ああ〜だろうが、つーか活字でわかるかこんなの!」
ゆいぽんは頬を紅潮させる。
カフェスペースでは浮気性の元彼が男を馬乗りに殴っているが気にせず続ける
0386夢で逢えたら(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/20(金) 00:03:27.65ID:cCqxbEAK0
「いや先日わたし告白されまして」
みいちゃんは髪を耳にかけながら俯く。
「このノリでそんなべたな恋愛トークすんのか?いまからぁ?ここはグータンヌーボか?」
ゆいぽんはカーディガンを脱いで背もたれにかける。
「いやまぁ」
「で?誰にいつ告白されたの?」
ゆいぽんは若干前のめりに耳を澄ます。

「ん?うちの大学の同じゼミの後輩に突然」
「初対面で?あいのりかよ」
「あいのりってなに?」
「話の腰を折るなよ、で?」
「それで付き合い始めたの」
「えっ?話それでおわり?」
「うん。」
「それでどうしてまいったんだよ」
「いや違うねん、幸せすぎてまいったね〜って」
「そんなつまらない話するためにここ呼び出したの?正気か?」
「うん。正気。」
「まぁ、まぁ、いいけどお幸せに」
ゆいぽんは拍子抜けしたように座り直す。
「で、どんな彼氏か気になるやろ。そうやろ〜」
「まだなんもいってねぇだろ。まぁまぁ気になるわ。」
みいちゃんの背後で浮気性の元彼は頬から血を流している。どうやら返り討ちにあったらしい。
意外と喧嘩が弱いみたいだ。
「あれ」
みいちゃんは己の背後をゆびさす。
「えっ?あいつかよもういいわ」
ゆいぽんは顔をしかめる。
「どうもありがとうございました」
二人が言う。

0387名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/20(金) 00:05:24.60ID:cCqxbEAK0
くりぃむしちゅー風に。
0388名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK16-qMOV)
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2019/09/20(金) 14:04:29.94ID:pn0FjON/K
>>387
軽妙路線も快調ですね
昔々過去スレでト書きと地の文の違いを話していたことも思い出しました(笑)
0389名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/21(土) 01:48:22.54ID:0/mqDc+/0
>>382
>>388
ありがとうございます〜
0390名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/21(土) 01:49:58.05ID:0/mqDc+/0
>>383
ありがとうございます。
なんか途中で、小っ恥ずかしかったので
こんなかんじに
0391名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 6916-RoxZ)
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2019/09/22(日) 13:00:05.48ID:hYNYixwR0
>>386
タイトルが(-o-;)
0392名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/22(日) 15:55:22.02ID:67dycXEJ0
>>391
タイトルは銀杏BOYZの楽曲で、それはさらにくりぃむしちゅーANNのエンディング曲でして…そこから。
0393名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 6916-RoxZ)
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2019/09/23(月) 10:49:06.04ID:87KY5bIK0
>>392
俺の妄想へのオマージュやないんかい...
0394名無しって、書けない?(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/24(火) 01:04:18.60ID:jlJyBQzJ0
>>393
すいません…
0395保守がてら(千葉県) (ワッチョイW 8615-J1XG)
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2019/09/24(火) 01:05:35.69ID:jlJyBQzJ0
梨加「鍋はやっぱりしゃぶしゃぶだよね」
小坂「突然なんの話だよ」
梨加「ほら先週ぺーちゃんたちと鍋食べたんだけど」
小坂「ぺーちゃんはあんたでしょうに」
梨加「北家?」
小坂「どんな聞き間違いやねん。そりゃわたしは左側にいるけどさ」
梨加「裏ドラって意外と乗っからないよね。そうそうそれで鍋食べたんだけどね、えっ?そんな固いもの食べるのかって?そんなの食べるわけないやろ〜」
小坂「いろいろ突然どうしたん?」
梨加「ほら、ツッコミがいなくなった時のためにボケとツッコミ一人でやらなきゃいけないからさ」
小坂「それにしたっていとしこいしのネタをだれを知っとんねん」
梨加「いとしこいしって?がーっちり買いまショウ!」
小坂「知っとるやん。つーかだれがそのネタ理解出来んねん」
梨加「ほら高齢化社会だからボケもそれにあわせないと」
小坂「それにしたって年齢上がりすぎやろ」
梨加「そうかな?」
小坂「小田和正のアルバムかよ」
梨加「人のこと言うてる場合かよ」
小坂「というかうちら何歳の設定なん?」
梨加「えっと、わたしが68で菜緒ちゃんが23」
小坂「結婚当初の加藤茶夫妻かもうええわ」
0396名無しって、書けない?(茸) (スプッッ Sdca-J1XG)
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2019/09/24(火) 17:25:37.23ID:N1CJcROcd
誰か…
0397名無しって、書けない?(家) (ワッチョイWW 6916-RoxZ)
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2019/09/24(火) 17:36:40.08ID:D4RxkrHx0
何でもいいから書くんや!

そのうち書く人も現れるやろ!
0398名無しって、書けない?(ガラパゴス県) (ガラプー KK16-qMOV)
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2019/09/25(水) 22:41:55.66ID:mmY5Rz0mK
じゃあまたスレチの絵でも
http://o.5ch.net/1jkp4.png
0399理佐ちゃんだから好き(家) (ワッチョイWW 8716-N5g4)
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2019/09/26(木) 15:39:59.39ID:qjLXj5it0
理佐ちゃんは世界で1番 可愛いと言われた美人

茨城で生まれて陰キャに育ち 坂道の欅に入った♪

その時の理佐ちゃんといえば 小顔とスタイルはモデル

だけど髪の毛が長くて 埋もれてしまっていたよ♪

ところが今野に言われ 髪をショートにしたら

人気が爆発して気づいたら 地蔵なのに3番人気になった♪
0400理佐ちゃんだから好き(家) (ワッチョイWW 8716-N5g4)
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2019/09/26(木) 15:42:05.96ID:qjLXj5it0
俺もスレチな理佐ちゃん替歌をw

ショーケンの歌う洒落男をYouTubeで観てたら書きたくなってしまった(-o-;)
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