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【物語】欅坂46orけやき坂46の小説 ★3【エロも可】

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0001名無しって、書けない?(やわらか銀行)
垢版 |
2018/03/11(日) 09:17:32.61ID:b3/LyH/X0
素人レベルからでも投稿できる小説スレです 
ただし投稿作品に対するすべての中傷は禁止です 

投稿者は多大な時間と労力をかけて 
作品を投稿していますのでご協力をよろしくお願いします 

この度小説スレと原案ありスレを統合しました 

以下は原案ありの簡単な説明です 

インスパイア、オマージュ、パロディ、パクリ、何でも結構です。 
その原案も小説、戯曲、映画、テレビドラマ、マンガ以外にも、ルポルタージュやテレビのドキュメンタリーとかでもかまいません。 
テーマだけでもOK、冒頭だけでもOKです。 
少しでもかすったから原案ありだと書いた当人が主張するのなら、そう見なしてあげましょう。 
「『パクった』と言ってるけどさ、全然パクってなく、それはお前のオリジナルじゃん」という非難はやめましょう。 

あとは作家さん各々の良心に従い思うままに書いてください 

最後に、このスレの投稿される作品はすべてフィクションであり 
実在する人物や団体や建物等との関係は一切ありません 
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvv:1000:512:----: EXT was configured VIPQ2_EXTDAT: default:vvvvvv:1000:512:----: EXT was configured
0038名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 12:48:48.27ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その6)

「二時間も女の子歩かすなんて最低」と言いながらも、由依ちゃんは歩いた。
由依ちゃんがアパートの中へ入った。僕はすぐ目の前にある公園に入った。
ベンチに寝転がると、数分で眠りに落ちた。


「ねぇ、ねぇってば」
近くで由依ちゃんの声が聞こえた。なぜか目が開かなかった。体は硬直していた。
「何で言ってくれなかったの?」
「違うんだ…」
「何で言ってくれなかったの?」
「あ、いや…由依ちゃんが悲しむと思って」
「何で言ってくれなかったの?」
「また、泣いちゃうだろ」
「何で…」
体が揺すぶられた。何度も揺すぶられた。
目は開かなかったが、睨まれていることはわかった。身動きが取れなかった。

「ねぇ、起きて」
由依ちゃんが心配そうな顔で僕を覗き込んでいた。もう睨んでなかった。
「どんな夢見てたの?何で私が悲しんで泣いちゃうの?」
「夢…」
「公園なんかで寝てるからだよ。何で帰らなかったの」
「あぁそうだ…朝までバスを待とうと思ったんだった。由依ちゃんは何でここにいるの?」
「ちょっと散歩にね…」
「こんな夜中に?」
「ちょっと嫌なことがあってね。不安になると、外に出たくなるの」
0039名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 12:49:28.62ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その7)

由依ちゃんのベッドは小さい。そのベッドに二人で寝た。
僕が風邪を引かないようにと、アパートの中へ入れてくれたのだ。
普段、彼女の使っている枕が、今は僕の頭にあった。由依ちゃんは座布団をシーツの中に入れて枕代わりにしていた。
さっきまで寝ていたからか、目が冴えている。由依ちゃんはぐっすり眠っていた。
もどかしい、実にもどかしい。

鼻先を由依ちゃんの髪に近づけた。微かな香りが欲求を掻き立てた。
もう少し近づける。
「殺すよ」
睨まれた。僕はそっと離れた。
「由依ちゃん、取りあえずこの手錠を外してくんないかな」
「ダメだよ。何するか分からないからね」
由依ちゃんは満足そうな顔で目をつぶった。
これなら、公園で寝ている方がよっぽど自由だった。

まもなく、寝息が聞こえてきた。横を向いた。
由依ちゃんは完全に寝ていた。なぜだか、僕の心は落ち着いていた。
手錠をかけられているとは言え、同じベッドでこう安々と眠られると嬉しかった。
0040名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/17(土) 12:51:12.94ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その8)

永遠に思える時間にも、かならず終わりは来る。時計のアラームが鳴った。
僕は一睡もできなかった。思ったよりも由依ちゃんの寝相が悪かったからだ。
はじめの方は抱きまくら状態で心地良かったのが、だんだんエスカレートして早朝にはサンドバック同然だった。
手錠をかけられていたから、反撃できなかった。

「実はね…」
由依ちゃんはお湯を沸かしながら、僕に話しかけた。
「その手錠、おもちゃだからすぐ外せるんだよ」
「え?」
「そこにボタンあるでしょ。押してみ」
手錠の輪っかにボタンがついていた。それを押すと、簡単に外れた。
「本当に信用してなかったら、そもそも泊めてないよ」

優しさとは何なんだろう、疑念の渦中に朝を迎えた。

(つづく)

千葉県さんに感化されて、いくちゃんの物語を書こうと思ったんですが、肝心のいくちゃんがでてきません(泣)
続きは夜にでも
0041名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/03/17(土) 13:39:15.87ID:gxYrZqoxK
>>30
続きはあるのかな?期待させるです

>>31
大丈夫やで
http://o.5ch.net/13nzd.png

>>40
ひさびさの師匠登場で嬉しいっす
ちょっとミステリアスな感じが加わってまたイイですね
早く夜が来るといいな
0042 ◆.nO1rkdGpI (大阪府)
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2018/03/17(土) 15:08:13.56ID:LBsrVknA0
>>41
師匠w
やっぱですね、複数の女の子と何かしらの関係を持つと、隠し事が多くなってミステリアスになっちゃうのかもしれません
0043名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/17(土) 15:22:56.20ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その9)

僕たちはコミックバンドではなかったはずだ。
ずーみんは「芸術は爆発だ」と言わんばかりに、先鋭的な曲を作った。
奇妙な日本語に英語のスラングを交えて、曲調もパンク・ロックみたいになった。
客のウケは悪かった。
それでも、ずーみんは意味のない歌詞を書き続けた。

「ずーみん、このままだと客がいなくなるよ。やっぱり、曲作りは由依ちゃんに…」
「じゃあ、私は歌わないよ」
最後に睨まれるとわかっていながら、僕はずーみんを説得し続けた。

由依ちゃんは曲によって、楽器を変えた。
曲作りの座を奪われて落ち込んでいるのかと思ったが、意外にもケロッとしていた。
ただ、つまらなさそうな顔で演奏しているのは確かだった。
0044名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 15:23:39.87ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その10)

そして、とうとう客は一人になった。若い女の子だ。
最近になってから初めて顔を見せた子で、常連とは雰囲気が違っていた。
ドレス寄りの服装を着て、手拍子することなく、僕らの曲を聞いていた。
ライブが終わり、僕はその子をつかまえた。からあげを奢るという条件付きで、話をすることができた。

「見た目と違って、割とジャンキーなもの食べるんだね」
スタンド形式の円形テーブルには、からあげとアップルパイが置いてある。
「で、何ですか。私に用事なんでしょ」
「何でいつも僕らの演奏を聞いてくれるの?」
「わからないのよ」
「わからない?」
「ええ、友達にいいバンドがいるって紹介されて見に来たんだけどね、全然いいと思えないの。その友達、私より耳が肥えているから、間違えるはずないんだけどね」
「あぁ…君がここへ来たのっていつごろだっけ?」
「うーんと、三週間前」
「それでか…その友達に伝えといてよ、君の耳は正しいって」
「そんなに自信あるなら、自分で言ったらどうですか。その子、いつも丘の上にいるから」
「丘の上?」
「ええそうよ、音大の丘の上。音楽に詳しいのよ」
0045名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/17(土) 15:24:56.42ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その11)

翌日のお昼、僕は音大の受付で記帳をしていた。ずーみんも横でペンを握っていた。
僕は一人で行こうとしたのだが、「私も連れてって」とまた例によって睨まれたので、連れてきた次第だ。
由依ちゃんは来なかった。親戚のお葬式に参列するのが理由らしいが、本当かどうかはわからない。
これまでにも似たようなことが何度もあったからだ。新しい人と顔を合わせる時には、極度の人見知りが発動して、必ず親戚が死んでいた。
由依ちゃんは、これまでに二十五人ほど親戚を亡くしている。

キャンパス内は気品にあふれていた。
学生のファッションは独創的でありながら、センスがよかった。
僕とずーみんは、黒のサングラスをかけ、黒の革ジャンを羽織っていたため、相当に目立った。

そして、どこからともなく聞こえてきたのが、野太いオペラの『オー・ソレ・ミオ』であった。
0046名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 15:25:50.42ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その12)

丘の上の女の子は、ずーみんを泣かせた。なぜずーみんが泣いたのかは知らない。
丘の上に登るなり、女の子は二人で話がしたいと言って、ずーみんを連れて行ったからだ。
その場に残された僕は、同じく女の子にほったらかしにされている太ったおじさんと一緒に、女の子の作った肉巻きおにぎりを食べた。
太ったおじさんは、気さくで面白い人だった。

ずーみんが泣きながら一人で戻ってきたときには、もう太ったおじさんはいなかった。
どうしていいかわからず、取りあえず肉巻きおにぎりをずーみんに渡した。
「いらない」とずーみんは言う。もっともだった。

帰りの電車でも、ずーみんは落ち込んだままだった。他人から見れば、ただのクールな女の子に見えたかもしれない。
ただ、僕にとっては異常事態だった。いつも引っ切り無しに喋っている彼女が、一言も声を発さない。
怯えているようにも見えるし、悔しがっているようにも見える。
0047名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 15:27:48.55ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その13)

駅のキオスクで冷たいコーラと魚肉ソーセージを買った。今思えば、なぜ小さいキオスクに魚肉ソーセージなんか置いてあったのだろう。
駅のロータリーでバスを待った。僕は缶のコーラをずーみんの首筋に当てた。
ずーみんは驚いてから僕を睨んだ。
「いや、なかなか顔上げてくれないからさ。今ので元気出た?」
「ばかぁ」
そう言って、僕の右手にある魚肉ソーセージを奪って食べ始めた。
ずーみんが少しでも笑ってくれるなら、何でもよかった。


僕はずーみんをライブハウスに預けると、由依ちゃんの携帯に電話をした。
「もしもし、由依ちゃん?親戚のお葬式終わった?」
「あ…うん。ていうか、あれウソだから」
「うん、知ってるよ。暇だったらさ、ライブハウス寄ってくれない」
「どうして?」
「ずーみんが大変なんだ。全然喋らないんだ」
「それは大変だね。うん…とにかく行ってみるよ」

(続く)

やっぱ終わんないや、続きは夜で
0048名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/17(土) 15:35:24.67ID:/O7XpsgTa
>>47
お帰りなさいませ師匠!

復帰早々めっちゃ大作ですやんw
0049名無しって、書けない?(茸)
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2018/03/17(土) 18:32:55.86ID:xnDIvDqGd
>>30
こういうの好き
0050名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 19:09:44.04ID:LBsrVknA0
>>48
だから師匠じゃないですw
0051名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 19:10:07.22ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その14)

僕は再び電車に乗った。夕方の電車にはサラリーマンと学生がごった返している。
今頃、丘の上の女の子も電車に乗っているんだろうか。キャンパスに留まってくれていることを願って、再び音大へ向かった。

日が落ちかけた頃、音大の丘へ辿り着いた。
「やっぱり来たのね」
丘の頂上に女の子はいた。
「久しぶりだね、いくちゃん」
「さっき会ったじゃない」
「でも、ほら、さっきはおじさんもいたし、すぐにずーみんとどっか行っちゃたしさ」
「二年ぶりかしら、あなたと会うの」
「そうだね、僕が音大を中退したのが二年前だから」
「ずっと待ってたのよ、お別れの言葉」
「へへ、悪かったね。急に居なくなって」
「あの子どうなった?」
「ずーみん?僕にはよくわからないね。君が何を言ったのかも知らないし」
「徹底的に叩きのめしたわ。音楽、人格、両方とも」
「ひどいじゃないか」
「あれくらいで駄目になるようでは、先がないわ。本当に強い子はね、コケない子じゃない。コケた後に立ち上がれる子なの」
「いや、そうかもしれないけど…」
「心配ないわ、私の勘が正しければ、あの子はすぐに立ち上がる。今晩にでもね。むしろ心配なのはあなたの方」
「僕が?」
「少し嫌な展開になるかもしれないけど、受け入れることね」
0052名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 19:10:40.67ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その15)

僕たちのバンドが拠点としているライブハウスは地下にある。公演の無い日はただのバーとして営業している。
僕はカウンター席の前を通って、楽屋に向かった。楽屋には明かりがついていた。

話している内容がわからずとも、その会話が円滑に進んでいるかどうかは容易に判別がつく。
由依ちゃんとずーみん、二人だけで話しているところを初めて見た。

「あ、どこ行ってたの?」
ずーみんが僕に気付いた。
「ちょっと、電話の話と違うじゃん。ずーみんめっちゃ喋るよ」
由依ちゃんが僕に言う。
「あのね」と二人の声が重なった。
決心したような顔をしてから、ずーみんが口を開いた。
「私たち、二人で歌ってみたいの。コンビ名は『ゆいちゃんず』」
「そうなの。で、ごめんだけど今のバンドは解散で」

なるほど、いくちゃんの言っていた嫌な展開というのはこのことか。
僕にとっては、大したことではない。

「そう、じゃあ僕は新しいバンドでも作ろうかな」
0053名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 19:11:39.79ID:LBsrVknA0
オー・ソレ・ミオ(その16)

それから少し経ったある日、僕はスティックを握って、ドラムセットの前にいた。
スポットライトは当たっていない。

新しいバンドを作る必要はなかった。
『ゆいちゃんず』のバックバンド扱いで、辛うじて二人の側に留まることができたからだ。

彼女たちは夜明けを迎えた。弱々しくも輝かしい光を放っていた。
彼女たちが太陽ならば、僕は月。それで充分輝けた。
オー・ソレ・ミオ。僕の太陽たちは、いつまでも沈まないだろう。

(終)
0054名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/17(土) 19:40:34.02ID:nJXhE8m6a
>>50
なにをおっしゃりますw

俺の妄想がたまに小説みたいになるのは大阪府さんが小説スレに現れて見本になってくれたからですからね

意外と感謝してますよw

ちなみに台詞と会話を織りまぜるのはチワンさんから盗みましたw
0055名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/17(土) 19:44:08.61ID:nJXhE8m6a
>>53
ちゃんといくちゃんも出てきてみんなが幸せになれて良かった

いくちゃんからずーみんへの闘魂継承には胸が熱くなりました
0056JUVENILE ◆pZLaUoYPXc (千葉県)
垢版 |
2018/03/17(土) 22:12:52.37ID:sY6oIfmU0
「ねぇ、なんか弾いてよ。」
楽器が窮屈そうに置かれた教室。
雑然と並べられた椅子のひとつに
座る僕は、風に撫でられ乱れた前髪を
そっと直す小林由依に言った。
由依は返事の代わりに焦げ茶色の中古で買った古い一万円ちょっとのアコースティックギターを取り出し弦を幽かに爪弾いた。
そのあとしばらく由依は天井を見つめなにか呟いている。僕はただ、その様子をじっと見つめた。
由依はそのうち小さく頷くと息を吸い込んだ。

「立ち止まってすべてを無にした
目をそらして 
逃げてたことを 恥じらって 
向かい合うことができたら 奇跡を信じた 」

それはまったく聞いたことのない歌だったが、とても彼女に合う歌だと思った。
僕は眼を閉じ、彼女の憂いを帯びた歌声に耳をすました。

弦がキュッと音をたてる。歌い終えた由依はひとつ息をしてギターを横に置いた。
「どう?」
由依は少し恥ずかしそうに僕を見た。
「凄い良かった。」
「ふふ。誰かの前で弾くの初めてだったの。」
微笑みが揺れる。逃れた視線の先でカーテンが風に膨らむ。
何処かで遠く海の香りがした。
0057名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/17(土) 23:21:00.42ID:LBsrVknA0
>>54
出来の良し悪しは別として、一応スタンダードなスタイルは貫いてますからねw
でも庭さんの作品も、僕が現れる以前から充分に物語として高いレベルで体を成しておられましたよ
逆に、庭さんとチワンさんからは「そういう書き方もあるのか」と教わっています

>>56
大塚愛はたまに聞きたくなりますね
特定の季節に特定の気候、カッチリ当てはまる時に聞くと、情緒的感動を覚えます
0058名無しって、書けない?(千葉県)
垢版 |
2018/03/17(土) 23:39:35.86ID:sY6oIfmU0
>>57
大塚愛ってよくわかりましたね、
0059レモンハートside B ◆pZLaUoYPXc (千葉県)
垢版 |
2018/03/17(土) 23:43:37.59ID:sY6oIfmU0
平成11年10月25日(月)
数日前にラジオで聞いた、その歌声が忘れられなかった。
”終わりにはどうせ独りだし 虚の真実を押し通して 絶えてゆくのがいい”
その巻舌と独特の掠れた声で歌う突き刺すような詩。僕は一瞬にして彼女の虜になった。彼女の名前は椎名林檎。曲名は本能。

昼食をとると、またいつものように図書室に向かった。
夢野久作のドグラ・マグラ。
三大奇書と呼ばれるこの本は読み終えたものは気が狂うとかそんな風に言われている。いま、文庫版の上巻、真ん中らへんまで読んだ。感想はただ、ただ、意味不明。
キチガイ地獄外道祭文が出てきた日にはもう本格的に意味が分からなくなった。
スカラカチャカポコ、ただそれだけが頭から離れない。


相変わらず訳の分からないその本に悪戦苦闘していると急に声がした。
「なにしてるの?」
たしかそんな声だ。僕は慌てて、図書室を出た。

女は害悪だ。女はみんな性格が歪んでいる。僕のようなものを嘲り、見下している。
そんなふうに思うようになったのはいつからだろうか?
小学五年生のとき。クラスで好きだった女の子を筆頭にクラス全員からバイ菌扱いされた日か?
中学一年生のとき。クラスのとんでもなく香水臭い女に面罵された日か?
もう覚えていない。
ともかくそんなことがあってから女は害悪。だという歪んだ感覚が僕に起こった。
そんな日々が続き。
人間と会話しない日が続いた。
たまに話しかけられると思ったら、たんにからかわれるか、悪口。
僕はそのうち誰に話しかけられても無視するようになった。

おそらくあの女は私をからかうか虐めるために話しかけたに違いない。
明日、図書室に行けばまた話しかけられ、またあの時みたいに地獄を見る。
安穏の場はもうないのか。
僕は嫌な感情に埋もれた。
0060名無しって、書けない?(千葉県)
垢版 |
2018/03/18(日) 00:53:01.63ID:iiupR++y0
>>40
まさか僕に感化されるとは
驚きです、
めっちゃ面白いです
0061名無しって、書けない?(空)
垢版 |
2018/03/18(日) 06:59:59.84ID:l7OFER8eM
通りの両脇に並ぶ石造りの高い建物を陰が朧気に昇っている。
大空を覆うパリー特有の青紫色の混じった黄昏が、昼過ぎまで降り続いた霖雨に濡れそぼった石畳の上で映し返されて、
カフェーの赤茶けた煉瓦に埋め込まれた四角い窓から力強く射し込んでいたので、薄暗い電灯に統一された店内は深い暮色の底で、しかしアンニュイな明るさを湛えていた。
その窓硝子の上に設えられた幾何学模様のヴィトラーユが優しい極彩色をひとり俯いて涙を頬に滴らせている東洋女性の栗色の髪の上にそっと投げ落としている。
天井から吊された小さな音響設備が奏でるムニュエの物憂い軽快さが彼女の悲しみに打ち沈んだ印象を一層色濃くしていた。
僕がこの喫茶店に入ってから十分程、彼女は始終涙を流して、陰鬱な表情でただ机の上に置かれた紅茶を眺めている。
給仕に尋ねると2時間はああしてるからなんとかしてほしいとのこと。
こんな場末の地味な店に観光客が来るはずはないからして、きっと彼女は長期滞在者だ。それにあの表情。あの憂鬱に囚われた表情は、東洋人のなかでも、日本人以外には考えられない。
僕はこの確信の答え合わせをすべく意を決して女性に話しかけてみた。
「ボンソワール。ディトゥモア、ヴゼットゥジャポネーズ?」
女は驚いた顔で僕の眼を見詰める。涙に濡れた瞳は激しく澄んでいて、僕を貫いて向こう側さえ見えているのではないかと思われた。
「ウィ、そうですけど」
やっぱり日本人だ。
彼女はその視線を小さな円卓の上に戻して元の世界へと帰ろうとしている。
僕は向いの椅子に腰掛けて、
「私は仕事でここの近くに住んでるんだ。君は留学か何かかい?」
「君」という言い方が気に障ったのか、彼女は僕の言葉を遮るように、
「佐藤です。デザインの勉強でここに来ました」
彼女は感情を閉じ込めたまま唇だけを動かして言葉を発した。訝しげな眼が馴れ馴れしく接する僕の姿を映していた。
「ああ、ごめんね、佐藤さん。とまれ若い内はそうやって悩むのがいいよ。悩むっていうことは、自分の頭で考えているってことだからね」
佐藤は、僕が彼女を心配して話しかけたことを察して、自分が泣いていることに初めて気付いたかのように頬を夕焼け色にして照れている。
「こんな場所に来るなんて自分の意志なしじゃできないよ。
佐藤さんは今まで自分の考えで道を切り開いて来たんだから、そうやって存分に悩んで未来を手にすればいいはずさ。
ほら、『掴み取らねば逃げ去るぞ』ってやつだよ」
僕の気が利かないフォローに、彼女は居心地悪げに苦笑して、
「すいません、ご心配をおかけしたようで」
「いやいや、私でよければ相談に乗るよ。これから晩御飯でもどう?君の涙の理由を聞かせてよ」
佐藤は「君」とい言葉にすかさず反応して、
「佐藤です」
「ああ、ごめんね。佐藤さん」
黄昏が色硝子を透き通る色鮮やかな明るさと仄赤い頬とが混じり合った不思議な魅力漲る彼女の顔に浮かんだ微笑みは確かに僕を安心させた。
0063名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/18(日) 12:55:24.08ID:UBCiWf5Z0
>>60
どうもです

>>61
地の文のアクセントまでもがフランス語に影響されていて、とてもお洒落ですね
なぜフランス語はこうも綺麗なんでしょうか
0064 ◆8rGfNUPzOY (catv?)
垢版 |
2018/03/18(日) 23:12:04.95ID:7SKXZRgf0
京子さんと初めて会ったのは、姉の引っ越しの手伝いをしにいったときの事だった。
ルームメイトだという彼女を紹介されたときから、いい感じだなとおもっていた僕は、
その後、なにかと理由を付けては姉のマンションへと遊びに行くようになっていた。

そんな思いが姉にばれないはずもなく、
強烈な一言で僕を牽制してきた。

「きょんことアタシは付き合ってるんだからね。アンタ…変な気起こすんじゃないよ?」
「へ?」
ツキアッテル、という言葉の意味が理解できず、姉の顔をアホの子の様に見つめる。
「だから!付き合ってるんだってば」
そんな簡単な事を理解するのに時間がかかってしまったのは、
無理もないことだったと思う。
女性同士でのそういう世界があるという事は、まあ知ってはいたのだけれど、
まさか身内でそんなことがあるなんて、全くの想定外だったから。

でも、できればそういう事は早く言ってほしかったと思うのです。
こんなにに好きになってしまってから、そんな事を知らせてくるのは酷すぎるよ…

            ◇

傷心の僕は何をする気にもなれず、
学校と家と、シフトが入っているときのバイト先以外はどこにも行かない、
半引きこもり状態になっていた。
そんな時、京子さんからメッセージが届いた。

            ◇

たかちゃん
(友達にそう呼ばれていると言った次の瞬間から、京子さんの僕の呼び名はたかちゃんになりました)
最近遊びに来てくれないね。
あんまりかまってくれないと、寂しくて死んじゃうよ?

(ウサギの絵文字)←きょんこうさぎ

            ◇

多分あまり考えずに送ってきたのだと思うし、
僕が持って行くSwitch目当てであろう事も十分わかっていたのだけれど、
傷ついた僕の心を跳ね上げるには十分すぎる効果があった。
次の日から僕は、またぞろ姉のマンションへと足繁く通う日々を送ることになったのです。

たとえそれが、決して幸せになれない茨の道だとわかっていても。
0065 ◆8rGfNUPzOY (catv?)
垢版 |
2018/03/18(日) 23:14:01.38ID:7SKXZRgf0
「たかちゃんさあ、ちょっと協力してほしいことがあるんだよね」
懲りずにまた姉のマンションへと出向き、三人でゲームをしていると、
不意に京子さんは手を止めて、僕に向き直った。
姉はそんな京子さんの様子を、なぜだかムッとした感じで眺めている。
いったい何なのだろうか??

「私と彩花が付き合ってるってのは聞いたでしょ?」
「…聞きました」

できれば、僕の心の傷が完全に癒えて、
別の好きな人ができるまで現実逃避させてほしかったという気持ちはあります。
「できれば彩花との子供が欲しいなって思うけど、それは無理じゃない」
「まあ、そうですね」
変な話題になってきたので、助けを求めるように姉を見つめた。
が、姉ちゃんは不機嫌そうにそっぽを向いてしまった。
「でもさ、彩花との子供を作るのは無理だけど、それに近い子供は作れるわけじゃない」
一瞬、何を言っているのかわからなかったけれど、
姉に近い血統の男、つまりは僕や親父なんかが協力すれば、
姉ちゃんに近い子供は作れるだろう、と言いたいんだろうなって事はなんとなく理解できた。

「それは、例えば僕に精子を提供して欲しいみたいな、そういう話ですか?」

聞きかじりとうろ覚えの知識で、なんとなくの人口受精の仕組みを思い浮かべてみる。
精子を提供するのはチトこっぱずかしいけど、
それぐらいの事なら別にやってもいい…って言おうとして、その言葉を飲み込んだ。
好きな人が、僕の血を引いた子を産んだと知っていて、
はたして普通で居られるだろうか??

「そう。彩花にはたかちゃんか彩花のお父さんのどっちかって言ったんだけど」
「親父なんて絶対無理!」
不機嫌そうに聞いていた姉ちゃんがいきなり割り込む。
まあ、僕や姉ちゃんの弟か妹が生まれるのに等しいわけであり、
そんな事は姉ちゃんはもちろん、僕だってものすごいイヤだ。
「だからね、たかちゃんに協力してもらおうって」
姉ちゃんは僕が協力するのもあまり納得していないのだろう。
一瞬僕を睨むと、すぐにそっぽを向いてしまった。

仮に僕が断ったら、全く別な人の精子を使おうっていう話になるのだろうか。
ちょっと想像しただけでも京子さんが汚されたような気がして、
絶望的な気分になった。そんなの…僕はイヤだ!

「わかりました。やります」
「たかちゃんならそう言ってくれると思ってたんだ。アリガト」
「僕は病院かどこかで精子を提供すればいいんですよね?」
「何言ってんの。そういうのってものすごいお金かかるんだよ?そんなお金もってないし」
「へ??じゃあ…」

「うん。私とセックスしてくれればいいから」

                                 (つづく)
0066名無しって、書けない?(catv?)
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2018/03/18(日) 23:16:25.36ID:7SKXZRgf0
エロってどれぐらいまで書いて良いのかわかりませんが、思いついたので…
元ネタはRe:Mindです
0067名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/19(月) 19:18:46.21ID:4wcijkvX0
>>66
話の流れ方が自然で読みやすいです
なんかエロというよりは、マイケル・サンデル教授のような倫理的なテーマですね
性に関する文章も、サラッと軽くて、村上春樹っぽいです
0068グラスのふちで小鳥は歌う(茸)
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2018/03/19(月) 21:02:51.65ID:59koJ5R1d
カウンターの席で女は壁に飾られた数多の酒瓶を泳ぐように見つめた。まるでその目は森の中を彷徨うカワウソのようだった
(しかしそれは店内の照明が暗すぎるせいかもしれない)。

彼女はこの世界の闇を全て注ぎ込んだか
のように黒いカクテルを口にしていた。

僕はすぐそばの席で彼女のことを時折周りを見渡すようなふりをして盗み見た。
そのあとで僕は手元にあったまるで夏の青い空が注ぎ込まれたかのような
スカイダイビングのショートグラスを見つめた。
「何か用?」彼女は突然こちらを見ながらそう言った。僕と彼女は古い歴史のある(つまりはかなりボロい)椅子ひとつしか距離がなかった。僕はそのことに今更気づいた。「話したいことが?」
僕はグラスを見つめながら必死に言葉を探した。
しかしグラスに言葉は
浮かんでいないし、透き通るような色の液体を見たところで思うような言葉はきっと出てこないだろう。その様は、まるで雨に濡れた子犬のようだった。
「そのカクテルは?」
女は少し困惑した様な表情で答えた。
「カクテルの名前?」
僕は単純にその、カクテルの名前を聞きたかったのだけど(本当はそんなのどうだってよかったけど)今の言い方だと、そのカクテルは、どんな味か?どんなものが入っているか?様々な答え方ができる。
なんて曖昧な質問をしたんだ。僕は小さくため息をついた。
「そう、名前。」まるで能面のように張り付いた笑顔で僕は答えた。彼女はきっとぼくの笑顔を無気味に思っただろう。
「ブラック・レイン。」
彼女はショーウィンドウに並べられたマネキンのような顔で答えた。僕はこんなこと聞かなければよかったと首を小さく振った。
彼女はブラック・レインに負けず劣らず黒い髪を白くて綺麗な耳にかけた。
僕はその仕草をスカイダイビングを一口飲みながら見つめた。
僕はその耳を見たあと、歪んだ赤いルージュが塗られた口を見ながら彼女か次の言葉を発するのを待った。
「あなたはいつ孤独を感じる? 」
うまく言葉が出てこない。
それは孤独を感じることがないので出てこないという訳ではなく
単に孤独をあまり意識して感じた事がないからだ。
「しいていえば−雑踏のなかかな」
「しいていえば」
彼女は僕の言葉をゆっくりとなぞった。
「君は?」
僕はなにか考え事をし始めた彼女に聞いた。
「私も同じ。」赤いルージュが小さな証明に照らされ怪しく輝いた。
「君の名前は?」僕は彼女に聞いた。
彼女は僕の方を見ずに
「平手友梨奈。」小さくそう告げた。
彼女とはいづれまた何処かで会うだろうと色の薄くなったスカイダイビングを見つめて思った。
0069 ◆pZLaUoYPXc (茸)
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2018/03/19(月) 21:04:22.88ID:59koJ5R1d
>>68
名前を付け忘れましたが千葉県です。
0070 ◆pZLaUoYPXc (茸)
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2018/03/19(月) 21:05:17.66ID:59koJ5R1d
村上春樹と開高健と欅の楽曲が混ざりあっています。
0071 ◆pZLaUoYPXc (茸)
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2018/03/19(月) 21:06:50.62ID:59koJ5R1d
続きがあるような感じの終わりにしたけど続きを書く体力がないので誰かに書いてほしい笑
0072名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/03/19(月) 22:41:34.26ID:8+mvDOutK
私は先生の体力回復を待ちたいと思います(笑)
0073罪の味 ◆pZLaUoYPXc (茸)
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2018/03/21(水) 04:36:22.74ID:ZtUHROZnd
卸したてのシーツは瞬く間に皺となる。
ベットは軋り、荒い呼吸と汗ばむ体は何度も重なり逢う。

男の舌は不気味なまでに白い彼女の躯を這い、彼女の瞼は強く閉じられる。
女の額からは一筋の汗が胸元へ流れる。
男はそれを見つけると舌でその汗を舐めとってしまった。
男は幾分、粘着質に腰を動かした。
女は男の汗ばんだ首筋に手を回す。
二人の口には何度も互いの唾液によるか細い蜘蛛の糸が出来る。
口腔内は生々しい味が広がる。
男女の裸体を背にホテルの古い時計はただ、無機質に深夜の二時を報せた。

呼吸の速度は段々早くなり、男の腰は小刻みに動く。女の白く小さな胸はその小刻みに合わせ、僅かに動く。
男は低く小さい、そして苦しげな声で彼女の名前を呟く。
「・・・愛佳。」女は微かに頷き声にならぬ声を発した。
室内は深い沈黙に包まれる。しかし時計の針が奏でる機械音だけはその沈黙を破り聞こえ続ける。

どれだけ時間が経ったのだろうか。
「いま何時。」
女は荒い呼気の男に時間を尋ねる。
男は傍らに投げ置かれた携帯の画面を見て
「午前二時半。」と彼女に告げた。
女はベットの隅に有る黒い下着を手に取り乍ら「そろそろ行かなくちゃ。」
少し寂しげに告げた。
「・・・そう。」
男はベットサイドに置かれた赤い箱から一本煙草を取り出し蛍光色の安いライターで火をつける。
細い煙が室内に立ち昇る。

「私も。」
猫の様な眼で煙草の煙を見つめ呟いた。
男は黙って煙草を一本彼女に渡す。
女は熟れた手付きで自らの潤んだ赤い唇に煙草を運んだ。
男はその様を見ると傍らのライターで女が咥えた煙草に火をつける。
「吸わないんじゃないのか。」
指の間で煙草を挟み、男は女に言った。
「うん。何となく。」
女は酷く無感情な声で応えた。

ベットの下には男の白いTシャツが乱暴に放置されている。
女の服は室内にある小さなテーブルに畳まれている。

短くなった、煙草をベットサイドの黒い灰皿に押し付けると女は服を着、煙草臭い唇で同じ唇の男にキスをする。
「どこだっけ。」女はバックからマスクと黒いメガネを取り出し付けると
「じゃあね。」と言い部屋を去る。

部屋のなかには煙草の香りと女がカモフラージュに振り撒いた香水が残っていた。
男は鼻をひくつかせると投げ出されたシャツとジーンズに着替えた。

男は夜の県道を自宅に向かって走らせる。
助手席に置かれた携帯は点滅している。
男は携帯を片手で手にした。
女からメッセージが送られていた。
「家に着いた。みんな寝てたみたい。良かった。」
男は赤く点った信号の下でそんな文面を見ている。
男はそのあとでホームページの下部、黒い服を着込んだ綺麗な若い女たちの写真のなかにさっきまで一緒に居た女を見つけた。
その女の写真の下には小さく志田愛佳と名前が書かれていた。

信号が青にかわった。
男はハンドルを握り直し、先程交わしたキスの味を甦らせた。その味は男以外、ほかのだれにも味わえない甘美な罪の味がしていた。
0074 ◆pZLaUoYPXc (茸)
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2018/03/21(水) 04:39:02.31ID:ZtUHROZnd
森山直太朗さんの「罪の味」から。
しかし内容とはなんの関係もありません。
内容自体は平井堅さんの「哀歌(エレジー)」から。
0075名無しって、書けない?(茸)
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2018/03/21(水) 04:40:11.31ID:ZtUHROZnd
なんかこれだけ文体が少し変わっている気がする。そして何となくアダルトすぎるかなと
0076名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/03/21(水) 11:10:32.08ID:Y4SHRa2rK
>>75
内容によって文体が変わるのは自然なことではないでしょうか
エロも可と謳いながらも今までなかなか出てこなかった官能的な作品で、私はアリだと思います
0077名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/21(水) 11:13:48.47ID:Fm7pDlVZa
ちなみに俺もアリだと思います
0079 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
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2018/03/21(水) 20:49:35.70ID:HSGj137S0
人を想う言持ちは強い。

それは、素晴らしいこと。
人間の感情の力は機械などで代用は不可だからである。
人間の内なる力とでもいえよう。

だが、その力は時として常軌を逸脱することがある。
なぜならば、人を想う気持ちは受け止める相手がいなければ、際限なくエネルギーを出し続けるからである。
自分の欲求が満たされるまで……。

そして、それは……通常であれば抑止できるであろう理性さえ簡単に超えてしまう。
時にそれは英雄としてたたえられ
時にそれは犯罪として処罰される。

その人の想う気持ちを、今……最も受けやすいのがアイドルである。
昨今のアイドルグループは身近になった。
握手会、チェキ会……身近になることで、己の想いを届けやすくなった。
結果、商品価値としての売上を向上させる福音と共に
身近になったアイドル達への危険を増す副作用を伴うこととなる。

何が言いたいかと言えば
それだけ人の感情は危険だということだ。


欅坂46怪異譚

鈴本美愉の場合


「お疲れ様ー」

美愉は、レッスン終わりに織田奈那にと声をかける。
織田奈那は、美愉にとって、一番話しかけやすく、そして大切な人でもある。
ドラマの撮影時から仲良くなった……人見知りが強く、なかなか人と仲良くなれない自分にとって
織田奈那は、そんな自分であっても話しかけてくれるし、いろいろ話も聞いてもらえた。
自然な自分でいることが出来た。

「お疲れーみゆ」
「お疲れ様、みゆちゃん」

でも、織田奈那は、小林由依のことが好きであった。
織田奈那が小林由依を見る目は、美愉を見る目とは異なり、目を輝かせてとても楽しそうなものであった。
そんな織田奈那を見るのが美愉は幸せだった。
自分には、いや、他の人には見せない織田奈那の顔を小林由依は見せてくれる。
それを見ることができる幸せ。
だから、美愉はそれでよかった。
今までの関係をキープできれば、それで幸せだった。
0080 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
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2018/03/21(水) 20:50:15.56ID:HSGj137S0
「まだ練習していくの?鈴本」
「うん、先帰ってて」
「はーい、無理しないでね」

齋藤冬優花にそう答えた美愉は、そういって彼女を置いてレッスン室を後にする。
レッスン室にと残された鈴本美愉。
自分はダンスメンバーとして期待をされていた。
だからこそ、自分はみんなを引っ張る役目がある……そうすれば織田奈那にも頼られる。
それだけの気持ちではないけれど、でも、自分にとってはそれもやる気の一つだった。
欅坂46であるが故の、自分の役割……それを全うしなくてはいけない。
そうしなければ、織田奈那の隣になんか立てないんだから。
レッスン室の壁に設置された大きな鏡を見ながら、美愉はダンスの練習をする。
それは、彼女にとって雑念を振り払うかのように……。

『由依、今日いつものとこ寄って帰ろうよ』
『ええ〜〜』
『お願い!』
『もう……しょうがないなぁ』

帰り際での二人の会話。
あの場所にもし自分がいることが出来たなら……。
頭に過る光景、自分と織田奈那が一緒にカフェで話をしている。
楽しそうに笑う自分達。
そんな楽しそうな光景……。

「はあ、はあ……」

激しいダンスを終えて、大きく息を吐く美愉。
どうして、自分ではないのだろうか。
どうして、自分だけこうなのだろうか。
メンバーは、みんな打ち解け合っているし、仲の良いコンビもいる。
長沢菜々香・渡辺梨加もそうだし、志田愛佳・渡邊理佐もそうだ。
自分は、どうしてもそういう関係性を築くのが下手だ。
できない、難しい……。

『我慢する必要がある?』

その声に顔をあげる美愉。
自分の視界に入ったのは鏡に映る自分自身の姿であった。
彼女は、鏡の中で美愉のことを見つめている。

『私は、織田奈那のことが好き。だから、彼女を求める。周りにいる邪魔な奴は排除したい』
「何言ってるの……私はそんなこと思っていない!」

美愉は、鏡の中の自分に向かって大声をあげる。
だが、鏡の中の自分は、それでも言葉を続ける。

『織田奈那がゆいぽんと一緒になったら、もう私は誰とも関係を構築できない』
「違う、違う!!」
『私には、織田奈那しかいないの!!』
「違う!!!」

レッスン室で大声をあげて座り込んでしまった美愉。
頭を抱えながら、俯き大きく息を吐く。
鏡の前では立っている自分自身が、見下ろしている。

『私は……織田奈那が好き』
「……私は、織田奈那が好き」

小さな声で、うつろな目で美愉はつぶやいた。
0081 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
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2018/03/21(水) 20:50:44.40ID:HSGj137S0
翌日、レッスン室にて全員での練習が始まっていた。
みんなが一生懸命、練習を続ける中、ダンスの上手い齊藤冬優花、そして鈴本美愉が先頭に立って練習を行っていく。
だが、美愉の様子は明らかにおかしかった。
彼女は、織田奈那につきっきりで練習をしており、他のメンバーからの質問などは受け付けない状態となっていた。
結果、皆が冬優花にと聞く羽目になり、冬優花は大変な目に遭っている。
そんな様子を後ろから見ている志田愛佳と、渡邊理佐。

「オダナナ、どうしたの?みゆにめっちゃしごかれてるじゃん」
「っていうか、他のメンバー無視してるみたいだよね」

理佐の言葉に、愛佳は頷いた。

「確かに、どうしたんだろ」

事件はそれだけでは終わらない。
織田奈那が付きっきりの練習でヘトヘトになる中、練習を再度行おうとする強行を見せようとする。

「ま、待って、美愉。ちょ、ちょっと休憩させて」

壁際で倒れるように座りながら声をかける織田奈那。

「ダメだよ。もっと頑張らないと!」
「み、美愉ちゃん、少し休ませてあげた方が……さっきから休憩もないし」

様子を見ていた小林由依が声をかけた。
それに対して顔色を変える美愉。

「ゆいぽんが甘やかすから、織田奈那がダメになるの。近づかないで」

冷たく言い放つ美愉の言葉。
その言葉を聞いた副キャプテンである守屋茜が慌てて駆け寄ってくる。

「ちょっと、美愉!そんな言い方ないでしょ?」
「そうだよ、美愉。いくらなんでも言い過ぎ」

その場にいたメンバーが美愉の暴言に制止をかける。
だが、美愉はそういったメンバーの言葉をまるで聞こえないとばかりに、無表情でいた。
織田奈那は、今にも泣きだしそうな由依を支えるようにして、頭を撫でる。
そんな様子を見て、美愉はさらに怒りを露にする。

「織田奈那に近づくな!」
「美愉、落ち着いて!」
「茜、美愉を一旦部屋から出そう」

慌てた茜と齋藤冬優花が美愉を連れて、レッスン室を出ていく。
周りのメンバーは、その異常事態にと呆然としており、とうとう泣き出してしまった由依にとメンバーが慰めている。
由依は自分が何かまずいことをしてしまったのかと不安に駆られていた。
もともと気が強いタイプの子ではない由依にとっては自分が嫌われるような・傷つけるようなことをしてしまったのではないかという
不安が大きく出ていた。

「私、美愉ちゃんに何かしちゃったかな?」
「大丈夫だよ、由依。由依は何も悪くないから」

そういって慰める織田奈那。
その様子を眺めていた志田愛佳は、腕を組み考える。
人が急に変わってしまうと言った光景を最近も身近に体験したからである。
愛佳は、隣にいる理佐の方を見た。
0082 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
垢版 |
2018/03/21(水) 20:51:45.09ID:HSGj137S0
「これは事件だ!」
「え?」

突然の愛佳の言葉に思わず聞き返してしまう理佐。
愛佳は、理佐の腕を掴み原田葵の元へと向かう。
理佐のドッペルゲンガー事件の際、自称霊媒師のアロハTシャツを案内してもらったのは葵だったからである。
葵は、理佐と愛佳が急にやってきたことに驚きながら、一緒に居た小池美波の後ろにと隠れる。

「イジメないからでておいでー」
「子ども扱いしないで!」

理佐の言葉に、そう言い返す葵。
愛佳はそんな二人の微笑ましいやり取りを聞きながら、葵を見る。

「葵、今の美愉の行動……、理佐のドッペルゲンガーの時に近いなと思って」
「ドッペルゲンガー??」

思わず首をかしげる小池美波。

「あ、いや、みーちゃんには関係ないから大丈夫!」

そう説明をする志田愛佳に対して、小池美波は背後に隠れる葵を見る。

「葵。あの人の話、他の人にしたん?」
「え?みーちゃん知ってるの?」

思わぬ言葉に理佐が問いかける。
美波は小さく頷いて、他のメンバーが聞いていないことを確認すると話し出す。

「あの人は元々、うちの友達の知り合いでな。葵が暫く大変な時期があってその時、うちが紹介してあげたの」
「そうだったんだ、てっきり葵の知り合いだとばかり」
「お金が高額だし、あんまりみんなに教えるのもどうかと思ってね」
「でも、おかげで理佐は一つに戻れたし、助かったんだよ。美愉も……たぶん、理佐と同じで」

愛佳の言葉を聞いた美波は泣いている由依と連れていかれた美愉を思う。
アロハシャツの自称霊能者は、怪異と呼ぶ現象について怪異は怪異を呼ぶと言っていた。
葵の事件、そして理佐・ドッペルゲンガーと続き、今度は美愉もまた同様の怪異に襲われているという可能性がある。


「……美愉ちゃんとゆいぽんのためだもんね」


美波は、そう告げた。
事情を知る愛佳、織田奈那、理佐、葵を連れて、美愉をアロハシャツの自称霊媒師の元へと連れていく美波。
織田奈那が近くにいることで、暴れていた美愉は落ち着いていた。
織田奈那の腕を掴みながら、離そうとしない美愉。
それは、以前の美愉とは明らかに違っている。
完全に心酔しているようだった。

彼らは、霊媒師がいるアロハシャツ男のいる場所……某都内の雑居ビルの一室へと訪れる。

「すいません、忍野さんいます?」

そう問いかける小池美波。
相変わらず生活感のない室内で、アロハシャツの男=忍野は座っていた。

「やあ、美波ちゃん」

軽い口調で告げる彼は、織田奈那にしがみつく鈴本美愉を見る。
明らかに異質な雰囲気を忍野
0083 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
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2018/03/21(水) 20:53:10.49ID:HSGj137S0
は感じ取っていた。

「……彼女のことを見せに来てくれたのかい?」
「はい!理佐を助けてくれたように、また鈴本のことも!」

愛佳がそう忍野にと言う。

「待った待った、彼女を助けたのは僕じゃない。人は勝手に自分で助かるんだ。
だから、彼女に対してもそうだ。人は勝手に自分で助かるのさ……僕はそれに対してアドバイスを与えているに過ぎない」
「……だったら、アドバイスでもいいから教えてくださいよ!」

愛佳は苛立ちながら、忍野にそう言う。
そんな荒ぶる愛佳を前にして、理佐が一歩前に出て忍野を見る。

「忍野さん……どうして美愉がこんな風になってしまったんですか?」
「我慢の限界っていう言葉があるね?人には、皆、限界がある。
我慢の限界を超えて、人を殺めてしまったなんて。よく聞く話だよね。
例えば、感情の抑制をしていて、それが限界に訪れてしまうとどうなってしまうのか?
彼女のように……自分を抑えることが出来なくなってしまうのではないのだろうか」
「……」

忍野の言葉が意味をするものは、偶像崇拝にあたり、恋愛禁止という十字架を背負わされていることにあたる。
特に感情を押し殺している、人間とのかかわり合いが極端に少ない美愉だからこそ陥った事態だと言える。
本来であれば、思春期の少女は恋愛をするものであるし、経験するものである。
それを極端に抑えることで結果、異常なストレスを持つこととなる。

「じゃあ、一体どうすれば」

捲し立てようとする愛佳を抑える美波と葵。

「……それじゃあ、その我慢の限界カ所を抜ければ元に戻るってことですか?」

理佐の問いかけに、忍野は頷く。

「抱えているものを放出すれば、人は収まるだろう?それと同じだよ。
彼女もまた、全部放出をすれば、元に戻る」

忍野の言葉に、その場にいる一同が胸をなでおろす。

「ちょ、ちょっと!それじゃあ、それまで私は美愉と一緒ってこと!?」
「仕方ないんじゃない、オダナナがかまってあげないのが悪いんだし」

愛佳はぶっきらぼうにそう告げる。

「頑張れ!オダナナ」
「葵まで!?お、忍野さんどうにかならないんですか??」

織田奈那が必死になり忍野にと問いかける。
忍野は、そんな織田奈那に対して少し考えながら……。

「時間と質で考えて、それがイコールとなるならいいんじゃないかい?」
「要するに……」
「ちゅーすればいいんじゃない?」

愛佳が織田奈那にとぶっきらぼうにいう。

「ああ、それいいじゃん!」
「そうだね、それが一番いいかもしれない」
0084 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
垢版 |
2018/03/21(水) 20:54:33.17ID:HSGj137S0
それに乗る原田葵と小池美波。
織田奈那は隣でしがみついている鈴本美愉を見る。
美愉は、顔をあげて織田奈那を見た。

「いやいやいや、できないでしょ!!」

織田奈那が声をあげる中、愛佳が冷たい目を織田奈那にと向ける。

「っていうか、織田奈那が今回の事件の一端を担っているのは間違いなんだからさ、それくらいやらなきゃ」
「なんでよ!?私のせい!?」
「いつも、織田奈那がみゆちゃんに冷たいからな」

小池美波もまた愛佳の言葉に賛同した。
織田奈那は、誰も庇ってくれる人がいない状態の中で、美愉を見た。


翌日……。


「ごめん!!ゆいぽん!!私酷いこと言っちゃってたみたいで!!」

レッスン室で謝罪をする美愉。
小林由依は、そんな美愉のことを抱きしめながら泣いて喜んだ。
自分が嫌われていたんじゃないかという不安から脱することができたからだ。
周りで見ているメンバーからも二人の和解を祝う声であふれている。
そんな様子を外から眺めている織田奈那と、志田愛佳、渡邊理佐。

「はあー、ったくやるときはやるよね、オダナナ」
「私は、ちょっと嫉妬しちゃうなー」
「今度は、理佐が美愉みたいになっちゃうかな?」

「もう勘弁して!!」

愛佳と理佐の言葉に、織田奈那の悲痛な叫びがレッスン室にと響き渡った。

今日も、欅坂46は平和である。
0086名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/03/21(水) 21:36:18.84ID:ZgPC/+Bj0
>>85
メンバー間から伝わってくる雰囲気がとてもリアルですね
テンポよく進んでいるのに、レッスン場の喧騒具合が細かに感じられます
フェードアウトもスッキリしていて読みやすいです
0087名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/21(水) 22:05:31.77ID:FhO2x79ra
>>85
面白かったです!

前回の理佐ちゃん編同様ストーリー性が高くて読み応えかありました
0088保育園の理佐ちゃん 第1話(庭)
垢版 |
2018/03/23(金) 14:17:51.38ID:ayzWhi+/a
「うーん、眠いな〜」
眠い目をこすりながらわが子を保育園に送る俺

「よし俺助、理佐ちゃんめがけて駆けってけ」
保育士の理佐ちゃんとお近づきになるためにわが子俺助をだしに使う俺

「うん」
ほぼ毎日作戦を遂行してるせいか俺の指示に従うとおもちゃを買ってもらえると学習したわが子俺助

理佐ちゃんめがけて一目散に駆けってく

「わあ!俺助君今日も元気だね」
わが子俺助に優しく声をかける理佐ちゃん

「すいません、俺助が迷惑かけてるみたいでお詫びに今度ご飯ご馳走させてください」って謝る振りして誘う俺

「迷惑なんてしてないからけっこうです」って人見知りと警戒心を発揮して冷たいお返事の理佐ちゃん


「しっかし、会話弾まねえな・・・」って今日も理佐ちゃんと会話が弾まずに愚痴りながら会社に向かう俺


「やべえ、俺助が待ってるから早く迎えに行かねば」
仕事でミスを連発してたせいで保育園にわが子を迎えに行くのが遅くなってしまった俺

「すいません」って駆け込む8時半の俺に

「静かに」って口に手を当てる仕草する理佐ちゃん

ラッキー居残り当番理佐ちゃんやん!って上がる俺

「遊び疲れて寝ちゃいました」って寝てる俺助を指差す理佐ちゃん


「今日は本当にすいませんでした、お詫びに夕飯ご馳走させてください」
俺助をおんぶして理佐ちゃんに謝りながら再び誘う俺に

「仕事なのでお詫びはいりません」って鉄壁ガードな理佐ちゃん

お辞儀と共にカバンから散乱する俺の荷物

慌てて拾い集めようとする俺を制して荷物を拾ってくれる理佐ちゃん

「たびたびすいません、おわびに夕飯ご馳走させてください」って三度目の正直に賭けてみる俺に

「どさくさ紛れに誘わないでください」って苦笑いする理佐ちゃんだけど

俺助をおんぶして両手に荷物の俺見て

「あのう・・・途中まで荷物持ちましょうか?」
なんてため息まじりに聞いてくれる優しい理佐ちゃんだから好き
0089名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/23(金) 14:19:00.27ID:ayzWhi+/a
保守代わりにひさびさ投稿w
0090あまく危険な香り ◆pZLaUoYPXc (catv?)
垢版 |
2018/03/23(金) 14:50:33.48ID:L+ps0jnO0
黒いシースルー越しに美彩の白い胸元が見える。テーブルを挟んで向かい合う僕はそれをチラチラ見ていた。
テーブルの下、微かな闇のなか。美彩の赤いハイヒールが僕の太ももを軽く蹴った。
僕は美彩を見る。悪戯が露見した子供のような目で。美彩は椅子に掛けたカーディガンを取り、羽織ってしまった。なんだか、複雑な感情。胸元はいま完全にカーディガンで隠れた。
「お待たせ致しました。」
店員が楕円形の容器に盛られたジェノベーゼ風のパスタを運んでくる。ここは美味しいイタリアンを食べさせる店だ。一昨日から散々調べて漸くここにたどり着いた。
「頂きまーす。」赤の唇が妖しく光る。
しかしながらそう感じたのは僕の余計な下心が原因かもしれない。僕は銀のフォークで緑色のソースがかかったパスタを巻き付けて口へ運ぶ。丁度いい塩味が口腔内に広がる。
「美味しい。」
符丁が合ったように僕と美彩はつぶやく。
そのとき。美彩は微かに笑いながら僕をみた。
聞き慣れぬ店内のジャズが一瞬止んだ気がした。
紅潮した頬に冬の夜風は丁度いい。
「ごちそうさまー。」
美彩は悪戯な眼差しで僕に言う。
体ばかりはでかく、中身が伴わない、木偶の坊と化した財布をコートのポケットに突っ込むと僕は美彩と並んで歩く。
「このあとどうするの?」
幾つものネオンが潤んで消えた。
道はただ真っ直ぐ続いていた。
歩調はやや前のめりに。

派手なネオンの看板は夜になると男女ふたたりにとって格好の誘蛾灯になる
僕は眼差しで尋ねる。
「・・・やっぱり。」
美彩はつぶやく。しかしそれは否定的なニュアンスでは無い。
予想していたかの様に、(少なくとも僕には)思えた。

流れるようにごく自然な動作で躯を求め合えば、互いに満たされるのだろう。しかし僕にはそんな技量は持ち合わせていなかった。

映像で見るのと、実際は違うのだと。
思い知らされる。
幾度目かのキスはバジルの味がした。
失敗した。僕は頭の中で思う。
思えばすべてが計算外であった。


なぜ、うまくいかないのか?
映像のように上手く服を脱がせられない。
頭上に浮かぶ幾つかの疑問符。
見かねた美彩は自らその黒いシースルーを脱いだ。
白い肌に細い紐の黒いキャミソールがあらわれた。美彩の程よく膨らんだ胸。僕は慌ただしく自らが着ていたシャツを脱いだ。
それすらも機械のようにぎこちない。
「寒い...」美彩は小さく呟く。
「ごめん...」僕は掠れた声で謝る。
夜は思ったよりも長いように思える。

「緊張しすぎ。」
美彩はベットの中で笑いながら言う。
あれから何分たったのか?
正確なことは覚えていない。
脱ぎ捨てられた服と裸に荒い吐息の美彩。
それらが先程までのぎこちない行為を物語っていた。
「ごめん。慣れてないから。」
美彩の方を向いて謝る。
「知ってたけどね。」
美彩はあっさりとそう言う。
「知ってたの?」
僕は聞き返した。
「当たり前でしょ何年先輩だと、思ってるの。」
美彩は慰めるように言った。
0091名無しって、書けない?(catv?)
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2018/03/23(金) 14:52:09.75ID:L+ps0jnO0
直前になってヒロインを変更しました。やっぱりこういうのは衛藤美彩さんかなあ。と。
元ネタは山下達郎さんの「あまく危険な香り」から。もうその要素なにもないですけどね。
0092名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/23(金) 18:12:57.66ID:veaWAgtaa
>>91
乙でありますm(__)m
0093名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/23(金) 18:16:16.55ID:veaWAgtaa
>>88
丸一日レスがなかったので発揮過疎化と早とちりして保守に舞い戻ってきましたが続きは「理佐ちゃんだから好きスレ」に戻って書きます

失礼しましたm(__)m
0095ドッキリ仕掛人の理佐ちゃん 第1話(庭)
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2018/03/25(日) 20:37:19.32ID:QVF9a8lPa
「俺君、おはよう」
同じクラスの理佐ちゃんが登校中の俺に挨拶してきた

3年間の高校生活で理佐ちゃんと同じクラスになったのは3年生の1年だけ、話したことは数回しかない俺
でも高校入学以来超美人な理佐ちゃんに恋をして3年間理佐ちゃん一途に片想いな俺

そんな路傍の石にも劣る俺に理佐ちゃんから挨拶してくれたことに感動する俺


「ごめん、突然声かけちゃって驚かせちゃったかな・・・?」

憧れの理佐ちゃんから初めて挨拶された感動で放心状態の俺を見て戸惑う理佐ちゃん

「いや、全然大丈夫」って慌てて手を振る俺

「もうすぐ卒業だから俺君に伝えたいことがあるから放課後教室で待ってて」
なんて俺の度肝抜く理佐ちゃん


これは・・・告白されんだろ?

世界一の美人理佐ちゃんから告白されるかもしれない緊張感で授業どころじゃない俺

それでもドキドキと期待の視線で愛しの理佐ちゃんを見る俺

俺の視線に気づいてこっち見るもすぐに視線を逸らす恥ずかしがりな理佐ちゃん

そしてあっという間に放課後

教室で理佐ちゃんと見つめ合うドキドキな俺

「ずっと好きでした、付き合ってください」
恥ずかしがりながらも告白してくれる理佐ちゃん

「よ、よ、喜んで」
緊張から変な返事になってしまった決まらない俺

その瞬間

「はい!そこまで〜」なんて大声で入ってくるクラスメイトたち

「どうなってんの!?」って驚く俺に

「卒業記念ドッキリ」
なんて申し訳なさそうに下向く理佐ちゃんだから好き
0096名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/25(日) 20:38:40.81ID:QVF9a8lPa
誤爆しちゃった、、、涙
0097ドッキリ仕掛人の理佐ちゃん 第2話(庭)
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2018/03/25(日) 20:59:43.70ID:QVF9a8lPa
「なんだよ〜人が悪いな〜」
憧れの理佐ちゃんに騙されて超ショックだけど、それを皆に気づかれたくなくて明るく振る舞う健気な俺

「俺君なら図太いからドッキリ仕掛けられても平気だと思ってさ〜」
なんて俺の神経を逆撫でするクラス委員の澤部

ぶち殺すぞ!この野郎!卒業目前に失恋させやがって!

なんて怒りを腹に静め笑顔で三枚目を演じる哀しいピエロな俺

「ごめんね」ってそんな俺にまた謝る理佐ちゃん

「なに暗い顔してんの一番に仕掛人に名乗り出たくせに」
なんて暗い顔した理佐ちゃんを抱きしめて励ます志田愛佳

ガーン!憧れの理佐ちゃんがノリノリで仕掛人やってたなんて・・・


「ひぃ〜3年間好きだった理佐ちゃんが性格悪かったなんてショックだよ〜」
教室では平気な振りしてたけど我が家に帰ってきて泣きわめく俺

顔が可愛いだけの女だったんだなぁ理佐ちゃん

100年の恋もあっさり覚めちゃった切り替えの早い俺

そして翌日

「俺君、おはよう」
またも朝の挨拶してくる理佐ちゃん

辺りをキョロキョロ警戒する俺

「ねぇ、なにやってんの?」って聞く理佐ちゃん

「いや、またなんかドッキリかと思って」ってもう憧れてないから理佐ちゃんにだって嫌味を言っちゃう俺

「ごめん・・・」って謝る理佐ちゃん

「別に気にしてないよ、3年間無駄にしたのを後悔してるだけ」って学校に向かう俺を

「ねぇ、ちょっと待ってよ」
なんて呼びとめる理佐ちゃんだから好き
0098名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/25(日) 21:01:28.99ID:QVF9a8lPa
誤爆ついでにこっちに完結まで書いちゃうヤケな俺
0099ドッキリ仕掛人の理佐ちゃん 第3話(庭)
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2018/03/25(日) 21:30:44.84ID:QVF9a8lPa
「ねぇ、ちょっと待ってよ」
なんて理佐ちゃんの言葉に足を止める俺

「3年間無駄にしちゃったって何?」って聞く理佐ちゃん

「3年間片想いしてた子がノリノリで仕掛人やっちゃうぐらい性格が悪いって分かって好きじゃなくなっちゃったんだよね」って皮肉言う俺

「別にノリノリでやったわけじゃないよ・・・」って消え入りそうな声で呟く理佐ちゃん

「志田さんが一番に仕掛人に名乗り出たっていってたじゃん」って冷たく言う俺

「それは・・・私以外の女の子が俺君に告白して俺君が喜ぶの見たくなかったから・・・」
ますます消え入りそうな声の理佐ちゃん

「それって?」
理佐ちゃんへの恋心は覚めたはずなのに何故かドキドキしている俺

俺の問いかけに真摯な眼差しの理佐ちゃん

「私も3年間好きだった人に失恋しちゃったのかな?」
なんて逆に俺に聞いてくる泣いちゃいそうな理佐ちゃん

「まだ失恋してないと思う・・・」って理佐ちゃんに手を差し出す俺

「仕掛人やって良かった・・・」
なんて泣き笑いしながら俺の手を握りしめる理佐ちゃんだから好き


0100名無しって、書けない?(千葉県)
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2018/03/25(日) 22:52:17.94ID:bVw/ZGG5C

0101名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/25(日) 23:23:15.17ID:cZvSPMq+0
誤爆と言って、優しさをひた隠しにする庭さんに拍手

>>100
マキアートすごいですね
めっちゃ細い
0102名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/25(日) 23:24:10.88ID:cZvSPMq+0
『トローチ』

小林由依の右頬には涙が伝っていた。
誰一人として観客居らずとも、誰も居ない舞台の上を歩き回れば、万雷の拍手が聞こえてきた。
やがて拍手は消え失せて、客席の上段に目を移せば、スポットライトが目に染みる。
光は滲み、陰は揺らいでいた。
上に向けた手のひらは、葛藤と絶望に満たされ、重く震え上がっている。
「ああ、どうして私は主役になれないのかしら」

ホテルはシングル部屋だった。これまでよりも良い待遇だった。
まだ脇役ながらも、役者としての地位が確立されてきている証拠でもあった。
風は自分に向いていた。窓の外から打ちつける暴風さえも、今は自分に向かって吹いていた。
由依は目をつぶった。
「大丈夫、きっと上手くいく」
荒れる嵐の暗闇を、由依は進み始めていた。


翌日は朝からリハーサルがあった。本番まで、あと二日だ。
「えー、平手のことなんだが…」
プロデューサーは口ごもっていた。また、いつもの事態だ。
主役の不在、首脳部は明らかに焦っていた。

「私が代役やりましょうか。共演者のセリフは全部覚えてますから」
由依は、プロデューサーに話しかけた。
「そうか、小林という手もあるか…」
「ギャラも今のままでいいですよ、困った時はお互い様ですから」
「うん、まあ考えとくよ。まだダメと決まったわけではない」

Il treno passa per tutti.(チャンス行きの電車は誰にでも来る)
そう、あとは飛び乗るだけだ。チャンスなんてそこら中に転がっている。
0103名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/25(日) 23:24:38.09ID:cZvSPMq+0
平手が稽古を休んだその日の夜、部屋のベルが鳴った。のぞき穴には平手がいた。
ドアを開けても、何のことかわからなかった。平手は黙って泣いていた。
筆談の結果、平手は声が出ず、その原因はトローチの紛失にあるようだった。

『こばゆい、私のトローチ知らない?』
メモの内容に、由依は首を振った。そして、メモに返事を書く。
『トローチ 失くなったの?』
そのメモを見た平手は笑った。由依は首をかしげた。
『あのね、耳は聞こえるんだよ』
平手がそう書いたことで、ようやく由依は笑みの意味を理解できた。

『私ね、トローチのおかげで声が出るんだ。魔法のトローチなの』
「そうなんだ。どこで失くしたか心当たりは?」
『わからない。でも主役だから、色んな人に狙われてるかも。例えば…』
平手は指を差した。由依はドキッとした。

平手の視線は冷蔵庫から動かなかった。完全にバレていた。
由依は冷蔵庫からトローチの入った箱を取り出した。
「ごめん。いつも、あんまりにも大事そうに持ち運んでたから、どんなものかなって…」
平手はトローチを一つ口に入れた。そして、咳払いをして、話せるようになった。
「普通の人が舐めても変わらないよ。私にしか効かない魔法だから」
「うん、ほんとごめん。でもちょっと気になったんだけど、なんで私が盗ったと思ったの?」
「本気で引きずり降ろそうとしているのが、ただ一人、こばゆいだけだったから」
「引きずり下ろす…主役になりたいとかそういうこと?」
「主役になりたい人なら幾らでもいる。そうじゃなくてね…」
平手は二個目のトローチを口に含んでから言った。
「いつか、仲間が撃ってくれるんじゃないかと思ってね」


原案
欺きたいなら 僕を抹殺してから行け!
---『不協和音』より---
0104欅坂ヒストリーA ◆pZLaUoYPXc (千葉県)
垢版 |
2018/03/26(月) 00:38:06.11ID:gq++pmix0
モノクロに見えた目の前の景色が綺麗に色づき始めた。しかしその後、ゆっくりとその景色が揺れ始めた。その場所のことを考えれば当然のことだ。
そして彼女は同世代の少女たちより遥かに密度の高い日々を過ごしてきた。そして遥かに傷ついてきた。それは彼女だけではない。その場所にたったもの全員だ。
しかし彼女の場合、それが人より顕著であったかもしれない。
彼女は別れの場面においては常に送る側にあった。それは彼女の頑なな意思でもあり、周りの祈りに満ちた願いでも合った。

彼女自身はまだ自分の表現が未完成であると考えていたし、周りも彼女が居なくなった後の景色を見ることに恐れを抱いた。
彼女の所属するグループ。欅坂46を街の人々が想起する時、必ず浮かび上がるのがモーゼの十戒を模したパフォーマンスをする彼女であった。
つまり彼女は欅坂46にとっての’’顔’’であった(だが彼女はそれが不本意であった、と言った)。
あれから、年号は変わり新たな時代となりついに、彼女の頑なな意思が反転するときがきた。
0105欅坂ヒストリーB ◆pZLaUoYPXc (千葉県)
垢版 |
2018/03/26(月) 00:39:11.22ID:gq++pmix0
「収録開始5秒前、4、3...」
ADがカウントし、カメラが司会の土田と澤部をクローズアップすると、澤部は乃木坂工事中を捩って作られた冠番組のタイトルを叫ぶ。そのあとでカメラは横に居るメンバーを映した。
土田は「本日の企画は澤部さん。」と澤部をみる。
澤部は土田を見て軽く頷く。そして企画を叫ぶ。
「欅坂46、結成10周年記念企画、今だから語れる欅坂ヒストリー!」
澤部の声は狭く老朽化したスタジオにめいっぱい響く。するとすかさず澤部の近くにいる渡邉理佐が「澤部さん、煩い。」
と顔を歪める。
「いいだろ、みんなに伝わるようにでかい声でも」
澤部は理佐に言う。
それが火種となり2人は言い争いをする。
これはYouTubeなどでまとめができるほど番組の名物となった。
メンバーの眼差しは2人を笑う。しかし結成当初とは違いその眼差しが柔らかい。
暫くして澤部は「ええい!このくだりを何時まで続けるつもりだ。」と言う。
するとスタッフの野太い声とメンバーの高い声が潮騒のようにスタジオの隅まで轟く。
そんな中馬鹿みたいに手を叩き笑う織田奈那をカメラはクローズアップする。
「ほらカメラさんに見つかってるよ」澤部は苦笑いをする。
そして土田は咳払いをして「澤部さん、企画を説明してください。」と言う。
その日は欅坂46の結成10周年を記念し、ボードに書かれた年表を見ながら今までを振り返るというものだった。
土田はその説明を聞きながら
「それ乃木どこでやらなかった?」と澤部に言う。
「いいんですよ、そこは突っ込まなくても。」とカラカラ笑いながらツッコミを入れる。
ボードはどこかのミヤネ屋を模した巨大なものだった。
それを見てメンバーから叫声が上がる。
「では菅井、菅井どこだ。」土田はメンバーを見渡す。
「ここ此処」菅井はすかさず自分を指さす。
「ああ、居た、土生に隠れて見えなかった。」土田は悪びれる様子なく言う。
「ではキャプテン菅井お願いします。」
澤部が言う。
菅井はボードの隣に行き、
「さてそれでは欅坂46の歴史を振り返りましょう。」と言う。
しかし菅井の滑舌が悪いせいか、
「えっ?」と聞き返すメンバー。
「もう!」頬を膨らます菅井。
0106名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/26(月) 20:56:41.32ID:k5GjM4gAa
>>100
>>101
見抜かれていたとは・・・

なんかスレチみたいで気が引けてしまいましてw
0107名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/26(月) 22:51:12.71ID:fp71vkKH0
>>106
不器用な優しさが理佐ちゃんにそっくりです
それに全然スレチじゃないっすよ
0108名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/26(月) 23:40:32.38ID:DFyDx6VWa
>>107
ありがとうございますm(__)m

過疎っていたらまた書きにくるかもしれません

でも冷静に考えたらこのてのスレは過疎ってるのが普通な気がするんですよねw
0109隣の席の理佐ちゃんNEO 第1話(庭)
垢版 |
2018/03/28(水) 11:28:56.49ID:Q+J7qcAqa
「やべえ!?教科書忘れちゃった」
わざとらしく嘆きながら隣の席の理佐ちゃんに視線を送る俺

俺の視線に気づき慌てて目を逸らす人見知りの理佐ちゃん

高1の頃から超美人な理佐ちゃんに片想いしてた俺

高3にして遂に同じクラスになり運良く理佐ちゃんの隣の席になれた俺

しかし、隣の席になってから1ヶ月も経つのに人見知りで警戒心の強い理佐ちゃんが相手故になかなか仲良くなれずにいる俺

「理佐ちゃん教科書見せてもらってもいいかな?」って理佐ちゃんを大げさに拝む俺

「ちょっと、見せてあげるからやめてよ・・・」
恥ずかしがり屋の理佐ちゃんに大げさに頼むことで断られずに毎日教科書見せてもらってる俺

「ありがとう、助かるよ〜」って理佐ちゃんの机に自分の机寄せる俺

「毎日忘れてんじゃねーよ」って小さな声でドス効かす理佐ちゃん

可愛い顔してたまに口が悪い理佐ちゃん・・・それはそれで可愛い

「ねぇ、わざと忘れてきてない?」って小首かしげる最強可愛い理佐ちゃんに

「わざと忘れるわけないじゃん」って恋のドキドキを隠しながら答える俺

「どっちでもいいけどね」って笑う理佐ちゃん


「どうやら理佐ちゃんにバレたみたいだな・・・」
放課後、学校帰りに思案する俺

バレたとなると毎日教科書忘れたふりしてたのが堪らなく恥ずかしい俺

そして翌日

「ねぇ、どうしたのそれ?」

鞄から教科書出してる俺を見て珍しく理佐ちゃんから話しかけてきた〜!?

理佐ちゃんの隣の席になって苦節1ヶ月、ついに理佐ちゃんから話しかけてくれたことに感動する俺

「俺君・・・?」感動でフリーズする俺に戸惑う理佐ちゃん

「今日は忘れずに持ってこれたんだ」って我に返り照れ笑いする俺に

「持って来てんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

俺が教科書忘れないと何故か拗ねちゃう理佐ちゃんだから好き
0110名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2018/03/28(水) 11:55:50.39ID:jS5+gFilK
再び保守乙ですm(_ _)m

前スレ本日dat落ちしたようです
最終書き込みから6日ちょっと生き長らえました
0111名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/28(水) 12:16:31.54ID:s5jcmZ10a
>>110
突然「隣の席の理佐ちゃん」を書きたくなってしまいまして・・・

だから好きスレに書くと「同じクラスの理佐ちゃん」と区別がつかなくなる恐れがあったので小説スレを利用してしまいましたw

前スレが落ちるのは寂しいものですな・・・
0112隣の席の理佐ちゃんNEO 第2話(庭)
垢版 |
2018/03/28(水) 16:35:24.71ID:fOYkOPTpa
「どうしようかな・・・」
朝も早から鞄と教科書を並べて悩む俺

隣の席の理佐ちゃんに教科書をわざと忘れてるのがバレてるくさいので教科書を持って行った昨日の俺

結果、何故か理佐ちゃんが拗ねてしまい一言も口を聞いてもらえなかった俺

散々悩んだ挙げ句、原因は教科書にありと気づいた俺

しかし、万が一ハズレてたら理佐ちゃんに教科書見せてもらわなきゃいけないわけで・・・

やっぱりバレてたら恥ずかしいから持ってくことにする俺

「理佐ちゃんおはよう」
自分の席に座りながら恐る恐る理佐ちゃんに挨拶する俺

「おはよう〜」って普通に挨拶返してくれる理佐ちゃん

もう拗ねてないみたいだなってほっとしながらも

ビビりながら鞄から教科書を出す俺

「今日も忘れないで教科書持って来たんだ、偉いね」
なんて褒めてくれる理佐ちゃんに安心しながらも、教科書忘れて来ない俺に拗ねてると思ったのは勘違いだったかとちょだけがっかりな俺

でも理佐ちゃんが「偉いね」なんて褒めてくれたのは毎日理佐ちゃんに教科書見せてもらってた成果だと前向きな俺

教科書忘れた作戦に替わる隣の席の理佐ちゃんと仲良くなるための新しい作戦考えないとなぁ・・・なんて思案してたら

「ねぇ俺君、教科書忘れちゃったから見せて欲しいんだけど・・・」
なんて恥ずかしそうに俺にお願いする理佐ちゃん

理佐ちゃん・・・マジですか?って無言の俺に

「びっくりしてんじゃねーよ」って照れ隠しにドス効かす理佐ちゃん

「まさか・・・わざと忘れたとか?」
理佐ちゃんの机に自分の机を寄せながら聞く俺に

「そんなこと聞かないで」
なんて照れ笑いしながらそっぽ向く理佐ちゃんだから好き
0113名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/28(水) 22:57:05.19ID:uavJxegPa
軽く存亡の危機迎えとるやないか・・・
0114hidamari(5) ◆pZLaUoYPXc (千葉県)
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2018/03/29(木) 00:56:55.73ID:nMYOZa/20
「体調、大丈夫?」
いくちゃんに尋ねる。いくちゃんはビーフシチューを口いっぱいに頬張りながら
なにか言ってるけど。なんて言ってるのか聞こえない。
「大丈夫。」
飲み込んでから笑顔でいくちゃんはいう。
「絵梨花もまたあんまり無理しないでよ。」
お母さんは言う。
いくちゃんは弱音を吐かない。ひたすらひた向きに努力している。
それはいいけど時々この前みたいに頑張りすぎてキャパオーバーすることもある。
だからお母さんも(もちろん僕も)心配になる。
「わかってるよ」
いくちゃんは言う。
「無理しないでね。」
僕は重ねて言う。
「もーわかってるよ。うるさいな」
頬を膨らますいくちゃん。
そのあと僕はビーフシチューを2杯もお代わりして生田家をあとにした。
0115hidamari(6) ◆pZLaUoYPXc (千葉県)
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2018/03/29(木) 00:57:40.91ID:nMYOZa/20
生田家ではいくちゃんとお母さんのふたり、彼が帰ったあと、片付けをしている。

私が布巾でテーブルをふいているとお母さんが言う。
「ねぇ、絵梨花。お母さん、あの子ならいいと思うよ。」
「なんのこと?」
私は手を止めてお母さんを見る。
「ずっと仲良さそうに話してたから。しかもあなた時々寝言で喋ってるわよ。彼のこと。」
顔が熱い。おそらく私の顔は赤くなっているのだろう。
「それに、いつだっけ。夕方郵便確認しようとしたらあなたと彼が手を繋いで……」
「うそっ。ねぇ、お母さん!」
私は恥ずかしいような怒りのような複雑な感情。
「あら、本当なの?」
ニヤニヤしながら手を口で抑えた。
「えっ、だっていま」
「手を繋いでたりしたの?って聞こうと思ったのにあなたが」
お母さんは時々こういうことをする。ニヤニヤ笑いながら。
「ピアノも怠けないでよ。」
そう言ってお母さんは台所へ消えた。
私はただ、お母さんの後ろ姿を見ていた。
0116名無しって、書けない?(千葉県)
垢版 |
2018/03/29(木) 01:17:48.13ID:nMYOZa/20
ストックが切れた...
0117名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/29(木) 01:23:29.75ID:glAV7o7Wa
>>116
千葉県さん居てくれたんですねw
0118名無しって、書けない?(千葉県)
垢版 |
2018/03/29(木) 01:46:15.79ID:nMYOZa/20
>>117
しばらく離れてましたがいますよ。まだいろんな作品を放りっぱなしですし。未だまだ。これから。
0119名無しって、書けない?(千葉県)
垢版 |
2018/03/29(木) 01:49:17.90ID:nMYOZa/20
またこのいくちゃんシリーズは長くなりそう。どうしてこうなんでもかんでも長くなるんだろう?
0120名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/29(木) 02:26:59.34ID:0KNDQTgia
>>118
>>119
頼もしいお言葉ですm(__)m

また過疎ったら保守がてら続きを書きに来ます
0121名無しって、書けない?(千葉県)
垢版 |
2018/03/29(木) 17:34:52.21ID:nMYOZa/20NIKU
>>120
よろしくお願いします!
0122名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/03/29(木) 23:52:39.00ID:2Hhs9KlraNIKU
>>121
こちらこそお邪魔させていただきますm(__)m
0124 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
垢版 |
2018/03/30(金) 19:56:25.24ID:2XEB5Yf00
偶像の評価、それはどれだけの信者がいることかによって判断される。
この場合は、アイドルにつくファンとなる。
評価により偶像の地位は高まり、多くの人間に影響を与えることができるようになる。
それは結果的に偶像自身の名前を高めていく正のスパイラルを発生する。
そのために、偶像は情報を発信する。
このネットという膨大な情報が氾濫する現在……。
偶像のネットの評価は、アンチの巣窟となる場合も存在をする。

アイドルの少女たちは、その膨大な見えない敵と戦うことを否応なく強制される。
幼き少女たちは、それらに耐えることができるのだろうか。
耐えたとして、それは少女たちに何をもたらすのだろうか。

身近になりすぎた少女たちは、勝手気ままに攻撃されていく。


欅坂46怪異譚

今泉佑唯の場合


アイドルとは成熟をするにつれて、その商品価値を失くしていく。
それは呪いである。


「おはよ〜〜〜!!」

元気よく挨拶をする佑唯。
彼女はその持ち前の明るさと、元気いっぱいの笑顔でメンバーを明るくさせることができる。
その笑顔に、つられてメンバーも笑ってしまうことがあるくらいだ。
佑唯は、メンバーの中でも目立つほど小柄な体型であるにもかかわらず、
一生懸命なパフォーマンス・表現力を武器にして、人気メンバーとして頑張っていた。

「おはよ!まなかちゃん!」
「あーおはよ、ゆい。ってか朝から顔を近づけるな、鬱陶しい」

朝はテンション低目の志田愛佳に対しても今泉佑唯は満面の笑みで声をかける。
愛佳はそんな、佑唯を片手を振りながら、あっちへいってと振り払うような仕草をして見せる。

「もう!せっかく挨拶してるのに」
「そうだよ、愛佳。あんまりゆいちゃんを邪険にしないであげて」

それはゆいちゃんズとコンビを組んでいる小林由依である。
小林由依はどちらかといえば大人しい存在、対する今泉佑唯は騒がしいキャラという相反するコンビなのだが、どういう訳か仲が良い。
二人で、フロントメンバーにも選ばれたりするものだから、不思議な関係だ。
志田愛佳は、ここのところ頻発するメンバーに起こる怪異現象を調べるのに時間を費やしていた。
元々は趣味で始めたものだったのだが、結局各メンバーが抱える闇が強力な形で具現化しやすくなっているということだった。
さらに、怪異は怪異を呼ぶとあり、一度起これば頻発する可能性があるということもわかった。
要は、またメンバー間でのいざこざのようなことが起こるのも否定できない。
渡邉理佐、鈴本美愉と相次いでメンバーが怪異に囚われている。

「はあ、私もゆいみたいに何も考えなくていいならなー」
「ちょっと!!私もいろいろ、ちゃんと考えてるんだから!」
「え?そうなの?」
「初めて聞いたみたいな顔しないで!」
0125 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
垢版 |
2018/03/30(金) 19:58:00.29ID:2XEB5Yf00
愛佳とのコントを終わらせて、佑唯はゆいちゃんズとしてフロントメンバーを任されている曲の練習をレッスン室で行ってる。
今夜は、テレビでの放送で披露されており、全国に自分たちが大きく映し出される。
ここで頑張って、欅坂46メンバーとして頑張らなくちゃいけない。
自分達はフロントメンバーとして欅坂46メンバーの顔となるのだから。
だから、頑張らなくちゃいけない!

「ゆいぽん?」

レッスン室での休憩中、佑唯が小林由依に問いかけた。

「どうしたの?ゆいちゃん?」
「今日の本番、頑張ろうね!!」

いつにも増して気合が入っている佑唯。
由依はうんとゆっくり頷いた。
由依は、佑唯が気持ちが入りすぎているのではないかという不安を覚える。
いつもの調子で頑張ればいい……由依は、そう思う。
今のままでも佑唯は十分、表現力はずば抜けているし、問題がある訳じゃない。

「大丈夫、ゆいちゃんはいつも通りで十分だから」
「うん!ありがとう!」

フロントメンバーになり、テレビで目立つということは、それだけ世間に評価されるということだ。
多くの欅坂46を知らない人間も大勢見る。
それだけに責任も重要となるわけだ。

「頑張ってね!ゆいちゃんズ!」
「大丈夫、練習通りやれば問題ないから」

坂道AKBでセンターをやっていた長濱ねるや、ダンスを纏めるリーダー役である齊藤冬優花からも激励の言葉を受ける。

『頑張ってね、二人とも!』

体調不良でいない平手友梨奈のラインもきて、今泉佑唯の気持ちはより高まる。
佑唯は、自信を持つよう親に言われてきた。
どんなことだっていい、自分に自信をもって生きなさい、と。
それが彼女にとっての強みであり、彼女にとってどんなことだって頑張ってこれたことでもある。
自信がなければ、パフォーマンスで人を納得させることなどできない。
彼女の根拠の有無は問わない自信と、類まれな才能と努力、そして彼女の職業であるアイドルが見事に合致していた。

そして……歌番組が始まる。

大勢の歌手たちと一緒に欅坂46メンバーが呼ばれ
そして、大きく手を振り、自分たちをアピールする。
小さい体を一生懸命大きく見せようとしながら……。

「それでは、欅坂46です……」

司会者に促されて、彼女たちは照明に照らされ、カメラを前にして歌う。
身体を動かし、大きく口を開けて……。
自分の想いをのせて奏でる・表現する。
ライブと違うのは、そこにファンの人がいるわけじゃない。
でも、このカメラの向こうには、それこそ武道館・さいたまスーパーアリーナどころじゃない。
もっと大勢の人間が見ていて聞いているんだ。
そう思って、佑唯は歌い切った。

出演が終わり、捌けてくるメンバー。
0126 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
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2018/03/30(金) 19:59:43.30ID:2XEB5Yf00
「よかったよ!ゆい!」
「いまゆい、凄いよかった!」

ダンスメンの齋藤冬優花、鈴本美愉にも褒められる佑唯と由依の二人。

「ゆりなの穴をしっかり埋めれたよね」

キャプテンの菅井友香からも賞賛の言葉を受けることができた。
佑唯は、嬉しそうに頭を下げて笑顔を見せる。

「やったね!」

そういってVサインをする彼女。
周りからは笑い声が漏れた。
楽屋に戻る廊下……佑唯の元へとやってくるのは愛佳である。

「お疲れ、さすがだったよ」

愛佳はそういって佑唯の肩を抱いて告げる。

「ありがとう、愛佳ちゃん」
「あとこれは親切心でいうんだけど、今日はすごい良かった。だから下手にエゴサとかで検索はしない方がいい」
「え?どうして?」
「……ネットの評価なんてアテにならないから」

愛佳はそれだけ言うと他のメンバーのところにと歩いていく。
佑唯は、愛佳の言葉の意味が理解できなかった。
凄い良かったのならば、その声を聞きたいとそう思ってしまっていたからだ。
楽屋にもどり、衣装を着替えると愛佳たちが見ている前だと気まずいので、こっそり隠れながらスマホを見て
今日の音楽番組の感想を見る。

期待に胸を膨らませながら……。

『なんだよ、てちいないじゃん』
『あーあ、折角期待してたのに、誰やねんフロント二人は?』
『すべてがフロントのせいで台無し』
『平手いないんじゃ意味ない解散解散』
『うわーショボいなー』
『【悲報】平手の偉大さを知ることになる、平手アンチ憤死』
『ずーみんフロントはまだ早い』
『ダンスも表現力もダメ、やり直し』
『欅坂46も、もう終わりだな』

容赦なく書かれる罵詈雑言の嵐。
テレビの前で頑張った自分の自信が崩れ去っていくのを感じた。
頑張った……自信を持って、欅坂46のために……。
だけど、それが結果的には。
スマホを握りしめながら、佑唯はその場でしゃがみ込んでしまった。
力が入らない。
立つことができない……。
前を見ることが出来ない。

「……ごめん、みんな」
0127 ◆VB3EeL1xw6 (やわらか銀行)
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2018/03/30(金) 20:00:49.49ID:2XEB5Yf00
佑唯はつぶやくことしかできない。
みんなに向かっての謝罪を……。
彼女のまっすぐなまでの気持ちが、闇にと覆われる。
感情のエネルギーとは、高ければ高いところから落ちるとそのエネルギーは膨大となる。
今泉佑唯の感情の急激な降下は、彼女を闇にと落とす。

『偶像』

偶像とは、皆の憧れであり、皆にとっての夢である。
では、その逆とは何か?
皆にとっての恐れであり、皆にとっての悪夢の姿とは何か?

それは……『悪魔』である。


「!!」

志田愛佳は目を開けた。
彼女の視界に入ったのは、黒板である。
顔をあげて周りを見渡す愛佳、そんな彼女の隣に立っているのは渡邊理佐、平手友梨奈。
二人も制服を着て愛佳を見ている。

「いつまで寝るの?愛佳」
「ホントだよ、ぴっぴ。次移動教室だよ?」

愛佳は、二人が何を言っているのか理解が出来なかった。
顔をあげて、周りを見渡せばいつもの欅坂メンバーが、荷物を持って席を立っている。
先ほどまで、自分は何をしていたんだっけ?
なんでこの場所にいるんだっけ……。

「愛佳?」
「あ、いや……ごめん。えーっとなんかの撮影だったよね?」
「え?」
「もー何寝ぼけてるさ、ぴっぴ。私たちは同じ欅坂高校のクラスメイトでしょ?」
「え……」

愛佳は、友梨奈からの言葉に思わず言葉を漏らす。
友梨奈がそんな嘘をつくとは思えない……愛佳は、立ち上がりもう一度、教室の中を見渡した。
そこにいるのは、いつもの欅坂46メンバー。
年齢も違う彼女たちが一緒の教室にいる。
それがまるで当たり前かのように。

「……なにこれ」

愛佳は、呆然としながら、当たり前となっている欅坂高校の世界を見渡しながら呟いた。
異常な世界……。
だが、それが当たり前として動作している世界。
それは、愛佳にとっての非日常でしかない。
明かな異変……それは、渡邊理佐や、鈴本美愉と同じもの。
だが、その変異は今までの比ではない。
先ほどの二人は個人の異変であった。
しかし、今回起こっていることは、今いる世界全ての変異……。
こんなことは果たして可能なのか?
呆然とする愛佳のいる学校の屋上にて制服を身に着けながら、青空を見上げる佑唯。
彼女は、いつもの満面の笑みではない、影のある笑みを浮かべる。

私は……欅坂46メンバーが大好き。
だから、そんなメンバーを傷つけるすべてを私は否定する。
0129名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/03/30(金) 21:26:26.34ID:xtBzYSdT0
>>128
ずーみんの苦悩をここまで書いておいて、もなちゃん視点に移るとは…
楽しみです
0130名無しって、書けない?(庭)
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2018/03/31(土) 03:27:31.95ID:txMMgbiha
>>128
今回も面白いです

早く続きを読みたいです
0131隣の席の理佐ちゃんNEO 第3話(庭)
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2018/03/31(土) 23:18:56.88ID:U+LQh/Baa
「今日はありがとうね」
1日中教科書見せてあげた俺にお礼を言う理佐ちゃん

「うん・・・」って複雑な俺

「どうしたの?」
なんか言いたそうな俺に帰り仕度する手を止める理佐ちゃん

「明日は教科書持ってきなよ」
思いきって理佐ちゃんに言う俺

「毎日忘れてた人に言われたくないな」ってムッとする理佐ちゃん

大人しいわりに気は強いみたいだ

「理佐ちゃんには忘れ物似合わないからさ」ってムッとする理佐ちゃんに怯みながらも言うべきことは言う俺

「なにそれ、そんなの俺君が決めないでよ」ってますます怒る理佐ちゃん

「違うんだよ理佐ちゃん、明日からまた忘れちゃう気がするから、そしたら理佐ちゃんに見せてもらえないと困るからさ」
なんて怒る理佐ちゃんにビビり思いもよらない方向に行ってしまう俺をよそに

「仕方ないな〜」
なんてニヤニヤしちゃう理佐ちゃんだから好き
0132hidamari(7) ◆pZLaUoYPXc (公衆)
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2018/04/01(日) 19:02:04.80ID:YoOZI04RF
僕が鍵を開け家の中に入ると奥のほうから声がした。
僕はその声のする方へ向かう。
「あ、おかえり。どこいってたん?」
姉がニヤニヤしながら僕を見る。
「いくちゃんの家で夕飯ご馳走様になってた」
「えー、羨ましい、うちも行きたかった」
頬を膨らまし、不満げな顔をする。

僕は、ダイニングテーブルに座るもう一人の女性を見た。
「あ、この子な、看護師の守屋茜ちゃん。めっちゃ可愛いやろー?」
「はじめまして。守屋茜です。」
ぺこりと頭を下げる。
テーブルにはビールとおつまみ。
僕はそそくさと2階へ行く。
服を着替えてベットへ横になっていると、なおもしたから二人の談笑する音が聞こえる。騒がしい。

ノックの音がした。
「コンコン、入るでー。」
姉だ。頬は紅く、仄かにアルコールが香る。
「なに?」
「いや、あかねんが酔い潰れてしまってな。うち、泊めなあかんねん。ほんであかねんにはまっちゅんの部屋に寝てもらうことにしてん。」
「うん、だから。」
「今日ここで寝てええ?」
「はっ?だれが?」
「まっちゅん!」
姉は自分の頬に人差し指を当てた。
0133名無しって、書けない?(庭)
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2018/04/01(日) 21:30:46.54ID:8Ro6BIt5a
>>132
投稿乙でありますm(__)m
0134名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/04/01(日) 23:23:14.43ID:KtVfC7Nf0
二人とも乙です
0135名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/04/01(日) 23:23:54.71ID:KtVfC7Nf0
Hello, hello, hello, how low?

平手友梨奈の顔を意識的に見たのは、中学生の時以来二度目だった。
あの時と全く同じ顔をして、駅のホームに並んでいた。あの時に同じく、全く目が離せなくなった。
人を引き付ける顔を持ち、男を惹き付けるルックスがある。「危ない」と何故かそう感じさせるところも変わっていない。
耽るような顔で線路に目線を落としていた。

「死にたくなる時ってある?」
昼休みの教室でドグラ・マグラを開いている女の子が、そんな風に呟けば、精神に異常を来していると考えるのが普通だ。
ましてや普段からほとんど接点のない人の前で呟けば、事態は相当に深刻だ。
「あぁ…いや、無いかも」
「そう」と満足そうに窓の外を眺めている姿を見て、僕はとんでもない過ちを犯した感覚に陥って、慌てて訂正した。
「やっぱり、あるかも」
平手は黙って首を振った。少し笑って、教室を出ていった。
卒業式後の閑散とした教室での出来事だった。

暗闇を走る地下鉄の車内は時間を忘れさせる。白い蛍光灯が黒一色の窓に映り込み、人々を鏡写しにしている。
呼吸音を打ち消す線路の轟音は乱雑に頭蓋骨へ鳴り響き、高いブレーキ音に鼓膜が揺れる。
つり革が持てない程の朝の混雑は拷問に値する。唯一救いがあるとすれば、女と密着していることぐらいだ。
恋人だっただろうか、そんな錯覚を覚えるほどに平手と密着していた。

恋の運命を感じたことなど一度も無いが、他人が運命の岐路で藻掻いている姿を見るのはこれで二度目だった。
もしかしたら平手にとっては毎日が運命の岐路かもしれないが、どちらにしても僕には選択を迫られているように見えた。

「あなた私と友達だったっけ」
「いいや、友達じゃないよ。ただ、懐かしくなって声をかけただけ」
散りゆく桜の花は風に巻かれて悲劇の渦となっていた。渦から溢れた花は、黒髪ボブの先端をかすめていった。
「じゃあ、あなたにとっては友達かもね。私は知らないけど」
「お願いだから僕の前で死にたいなんて言わないで欲しいんだ」
平手は止まった。黒いトレンチコートの裾がひらりと揺れた。
「思い出した。あの時も桜が散ってたね。で、あの時生きようって思ったんだわ」
僕の思いなんか恐らく届いていないだろうけど、教室を出ていった時と同じ顔をしていた。
あの時生きる決心をしたのなら、平手は今も大丈夫だ。
0136名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/04/01(日) 23:24:47.83ID:KtVfC7Nf0
タイトルはニルヴァーナ『Smells Like Teen Spirit』より
0137名無しって、書けない?(千葉県)
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2018/04/02(月) 02:07:30.58ID:y67xL9sw0
>>135
まさかドグラ・マグラが登場するとは...
0138名無しって、書けない?(庭)
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2018/04/02(月) 06:10:32.89ID:4vmG1tOUa
>>135
投稿乙でありますm(__)m

現代人の命に対するナイーブさが表現されていて考えさせられる作品ですな
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