「親に無理無理薦められた高校のテストなんて受けたくないな」
そう呟き今にも降りだしそうな空を見上げる俺

受験の朝だというのに気乗りしないまま駅前で時間つぶしてる俺

やはり受験なのだろうか?そんな俺とは対称的に急ぎ足で道行く女の子がよろめき放置自転車の列に

ガラガラガッシャーン!?

けたたましい音をたてて倒れる放置自転車たち

「やっちゃった・・・」そう呟いた女の子

とぼけて歩き去っちゃえばいいのに倒れた自転車たちを起こし始めた

「試験に遅刻しそうだったんじゃないの?」
そう言って手伝い始めたのはその女の子が世界一可愛くて美人に見えたからだ

「あなたこそ、手伝ってたら遅刻しちゃうよ」
学生服の俺を見て自分同様受験生だと判断したらしく、顔に似合わないぶっきらぼうな物言いながら俺を心配してくれる女の子

「俺は気乗りしないからいいんだ」って笑う俺

「なにそれ」って俺に釣られて笑う女の子

間違いない、世界一可愛くて美人だ

そう確信した俺

自分のチャリの後ろを顎で示し乗れよの合図送る俺

「チャリならまだ間に合うよ」
躊躇い勝ちに俺を見てる女の子を促す俺

「ありがとう・・・」小声でそう言って俺のチャリに乗る女の子

「どこの高校まで送ればいい?」って聞く俺に

「県立欅坂高校」って偶然にも俺の受験する予定だった高校の名前をつげる女の子

欅坂高校に着く頃にはどしゃ降りさ

しかも、最初のテストには間に合わないという不運

それでも諦めない女の子が先生に頼み込み保健室でテストを受けれることに

世界一可愛くて美人な女の子に釣られてテスト受ける俺

「あなたもここの高校だったんだ」って笑う女の子

「名前教えて?」
可愛い笑顔に釣られて聞いちゃう俺

「渡邉理佐、受かったらよろしくね」
なんて微笑む理佐ちゃんだから好き