>>141
芥川のぼんやりした不安と云う表現は、これ以上ない修辞であり、単に不安と表現するよりもどこか絶望感が感じられますよね
「ぼんやり」にどんな印象を持つかは人それぞれですが、僕は抽象的で大きいものという印象を受けます

感覚を別として、概念的に「人間の」生と死を区別すると、明らかに死の方がスケールが大きい
よりスケール大きいものがデフォルト状態に近い
自殺という形で生には抗えても、決して死には抗えず、人間はどこかの時点で必ず死に負ける

よく生存本能なんていう言葉を耳にしますが、僕は逆だと思っています
死ぬことを本能的に知っている、更には死にたいとさえ思っている
思考、言語に表れずともすでに悟っているのではないかと

「芥川君は病的で異常でしたね」
論争を繰り広げた谷崎の彼に対する印象です
しかし寧ろ彼の精神は正常であり、誰しも突き詰めれば芥川のような精神状態になるのではないかと、僕は思ってます

そして全ては机上の空論であり、人間は自己をある一例にのみ捉えて、
知識欲により哲学的議論を展開してるのであって、
その議論が生きることそのものとは直接結びつかないと思っとります

という暴論でしたw