もう少し詳しく言うと、最後の海から彫像が浮かんでヘリに連れ去られる個所が「霧の中の風景」から。
「辛いけど外出する」や「せっかくこの姿で生まれてきた」という会話文のくだりのところが「NNNドキュメント」から。
辛い人生を歩んできた人の真摯な言葉なので、できることならその言葉だけで完結させたかったが、
物語にそのピースをスムーズにはめるため、オルテガから助けを借りた。
評論「現代の課題」の最終章「視点の理説」、エッセー集「傍観者」の中の「真理と遠近法」および「エルエスコリアルについての黙想」から主にパクりました。

最初は、バッドエンドにすることで教師の罪をより強く告発しようと考えていて、「霧の中の風景」から多くをパクる予定でした。
でも、主人公に救いを与えたいという思いが強くなり、大幅に変更しました。
書き終えてみて、あからさまにツギハギしたようなものが出来上がったと思う次第です。