X



トップページ欅坂46
688コメント708KB
【物語】欅坂46の小説 ★5【エロも可】 [無断転載禁止]©2ch.net
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しって、書けない?(庭) 転載ダメ©2ch.net(6級) (アウアウカー Sa8d-hZWA)
垢版 |
2017/07/02(日) 18:43:16.04ID:VdBgmUcOa
素人レベルからでも投稿できる小説スレです
ただし投稿作品に対するすべての中傷は禁止です

投稿者は多大な時間と労力をかけて
作品を投稿していますのでご協力をよろしくお願いします

またこのスレの投稿される作品はすべてフィクションであり
実在する人物や団体や建物等との関係は一切ありません

★過去スレ★

【物語】欅坂46の小説 ★4【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1496452705/


【物語】欅坂46の小説★3【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1493391840/


【物語】欅坂46の小説★2【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1489546278/


【物語】欅坂46の小説【エロも可】
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1487327352/
VIPQ2_EXTDAT: default:vvvvvv:1000:512:----: EXT was configured VIPQ2_EXTDAT: default:vvvvvv:1000:512:----: EXT was configured <hr>VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:----: EXT was configured
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:----: EXT was configured
0071名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/06(木) 22:17:18.54ID:C/o1rytQ0
以上、初めての投稿です。
大枠のストーリーは決めているもののディテールは定まってないので、
1日おきくらいに1話か2話を続きとして投稿する予定です。
0072名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/06(木) 22:22:58.97ID:PxVBOhK8a
>>71
投稿ありがとうございますm(__)m

楽しみに待ってます
0073名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/06(木) 22:27:01.12ID:iq7WG1vL0
>>66
ほんわかのなかに冒険心が垣間見えていいですね

>>71
歴史のifを紐解くようでおもしろいです
色んな奇跡が重なって生まれたのが欅ちゃんですね
0074欅学園の理佐ちゃん(パラレル編4)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/06(木) 22:31:29.38ID:PxVBOhK8a
「ねぇ土曜日私ん家くる?」
理佐ちゃんと手を繋いで歩くいつもの帰り道いつもの風景

理佐ちゃんからの誘いはそんないつものありふれた日々から脱け出し
目眩く大人への階段へと続く扉なのか!?

エロい期待にとりあえず股間は放っといて心だけ膨らます紳士な俺

「ひとりでぶつぶつ言ってんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「ねぇ大人の階段ってなに?」
ニヤニヤしながら聞いてくる理佐ちゃん

迂闊にも心の声を理佐ちゃんに聞かれてた俺

「理佐の聞き間違いじゃない?」ってとぼける俺

「ふーん、やっぱり誘うのやめた」ってスタスタと歩いてっちゃう理佐ちゃん

「ごめんなさい、言いました」って理佐ちゃんに追い縋って謝る俺

「はーい、素直に言えたね」って良い子良い子してくれる理佐ちゃん

悪くない!こういう理佐ちゃん悪くないぞ!!

「理佐ちゃん大好きだ〜!!」
突然理佐ちゃんへの思いが爆発して理佐ちゃんに抱きつく俺

「え〜〜っ!?」
って叫びながら俺の金玉蹴り上げる理佐ちゃん

悶絶してる俺に「なんでまた理佐ちゃん呼びに戻ってんのよ!」って怒る理佐ちゃん

ちょっと怒るポイントがズレてそうだから好き
0075名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/06(木) 22:32:46.18ID:PxVBOhK8a
>>73
大阪府さんが戻ってきたー!!!
0076『ねるねる』6(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/06(木) 22:33:03.32ID:6fH9F2th0
……白い部屋の中……。

私は膝を抱えて座っていた。

「ねぇ……あなたはなんなの?」
私は“黒い私”に聞いた。

「私? 私は、ねる……」
“黒い私”が答えた。

「じゃあ、あなたはなんなの?」
と、“黒い私”が聞いてきた。

「私は、ねる! 長浜ねるよ!」
私は大声で答えた。

「ねぇ、ねる……」
“黒い私”は私の顔を見つめて言った。

「ちょっと、ねるのお話しでもしましょうか」

私は自分のプロフィールを語り始めた。
ねるとねるがねるの話をしているという奇妙な時間が過ぎていった……。

「……さっき言ってた猿腕だけど……」
急に“黒い私”が言った。
「やって見せて」
自分もねるなのに変な事を言う“黒い私”。

私は腕を伸ばしてみせた……。
???
えっ?
普通の腕……普通の肘……。

……………………

「姫乃! どこ行くの!?」
お母さんが言った。
「今日は一日、奈々美の家で勉強!」
私は振り向いて答えた。

今日は鳥居坂46の握手会だ。
私は小さく笑いながら数字を数えた。
今日は私は握手券1枚の人じゃないのだ!
これで少しは……ねると話せる!

それで……もし、もっと長く話せるなら……。
聞いてみたい事がたくさんある……。

……………………

「……どうして???」
私は自分の腕を見て言った。

「ねる……それは、あなたが、知識でしか理解していないから……」
“黒い私”が言った。

「いろいろと意地悪して悪かったわ……」
“黒い私”が少し悲しそうに言った。
0077『ねるねる』7(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/06(木) 22:51:45.78ID:6fH9F2th0
「………………」
“黒い私”……ねるは何か言った。

彼女……ねるは私にキスをすると、出てきた時のように影になって消えた。

私は白い部屋に一人になった。


長い時間が経った……。


男の人の声が聞こえた……。
「お時間です」

液体が落ちた……。

私は両手を見た……。
……赤い……。

次に、目の前が赤くなった……。
私が額に手をやると、何かが流れるのがわかる。
血だ……。

下を見た……。

私は、白いドレスが徐々に赤く染まるのを見て悲鳴をあげた。

床に大きく広がる血。
白い部屋の床一面が赤くなった。

床に映った顔を見て、私はもう一度悲鳴をあげた。
それは、長浜ねるの顔ではなかった……。


……………………


『こころのブログ』

昨日、最愛の娘・姫乃が天国に旅立ちました。
娘は、あるアイドルグループの大ファンで、そのイベントに向かう途中に交通事故にあい、昏睡状態が続いていました。
私は、受験生である娘がアイドルグループに夢中になっているのを知っていながら黙認していました。
娘の表情が変わってきたからです。
勉強に追われて暗く沈んだようになっていた娘の表情が、幼い頃のように明るく輝いているように見えたからです。

私は、娘の笑顔を奪った加害者を許す事はできません……。
娘は、おそらく、心躍らせてイベントに向かっていた事でしょう。
そして、まさか歩道に車が飛び込んでくるなどとは思っていなかったでしょう。
私は、このような事態が再発しないように…………



『ねるねる』(完)
0078名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/06(木) 23:16:35.56ID:PxVBOhK8a
>>77
本当に残酷な結末だったw
0079欅学園の理佐ちゃん(パラレル編5)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/06(木) 23:32:26.22ID:PxVBOhK8a
「発情しちゃってたせいだと思う」
理佐ちゃん呼びに戻っちゃった理由を冷静に分析する俺

「まだ呼び始めたばかりだもんね」って慰めてくれる理佐ちゃん

「まだ痛い?」
小首かしげながら聞いてくる理佐ちゃん
可愛過ぎて金玉痛いとは言えない俺

「万が一潰れてたら責任とって理佐のお婿さんにしてもらうからね」って冗談言う俺

「冗談言ってんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「もう心配してあげないよ」って拗ねる理佐ちゃんも可愛い

理佐ちゃんに心配かけまいと冗談言ったものの金玉を庇うあまり変な歩き方になっちゃう俺

「やっぱり痛いんじゃない?」
なんてそんな俺を気づかってくれる優しい理佐ちゃん

「理佐がチューしてくれたら痛くなくなるんだけどなぁw」
って理佐ちゃんの気持ちを軽くしたいからまた冗談言う俺

「またそんなこと言ってる・・・ほんと優しいんだから・・・」って困り顔の理佐ちゃん

駅に着いてそれぞれのホームへと向かう別れ際

「俺君!」っていきなり俺のほっぺにチューしてくれる理佐ちゃん

「痛くなくなった?」
驚く俺に聞いてくる理佐ちゃん

何度もうなずく俺に
「意外と冗談通じないんだよね・・・私」
なんて恥ずかしそうに言いそうだから好き
0080名無しって、書けない?(茸) (スフッ Sdbf-3CgV)
垢版 |
2017/07/07(金) 02:27:19.08ID:Csw5uVepd
二人ぐらい作家さんが増えた・・・?
一体何が起きてるんだ・・・。
0081名無しって、書けない?(広西チワン族自治区) (ガラプー KK4f-nkaJ)
垢版 |
2017/07/07(金) 05:39:07.61ID:s09p4T4mK
前スレから強制IP表示が無くなって皆さん書き込みしやすくなったってのはあるんじゃないですかね
0082『○○ねる』の人(チベット自治区) (タナボタ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/07(金) 07:03:25.79ID:HaEeMkjG00707
お読みいただきありがとうございました。

・当然、『ねるねる』はフィクションですが、話の中にさらにフィクションがあります。『ねるねる』3の握手会のくだり(>>50)です。ねる(姫乃)の幻想なのでご容赦願います。

・書きたかったのが『よねねる』(えっ、あのエロを!?)、『てくねる』10〜12の屋上での神村莉菜とのシーン、『ねるねる』5の桜沢姫乃のシーン(>>56)なので、当面、ネタがなくなってしまいました。

・『よねねる』での、ねるのDID(Dissociative Identity Disorder)は面白いので、いつかまた使うかもしれません。

・『よねねる』『てくねる』『にじねる』『ねるねる』4作で全く出ていない人がいます。小池美波さんです(今泉佑唯さんはご本人がお休み中なので未登場)。『てくねる』で米谷みなみとして二人で一人になっています。
 名前のみの登場ですと、『てくねる』の小林由依さんもそうです。『○○ねる』の人が、キャラクターとして使い道を見つけられていないのが理由です。お二人を推している方々、ご容赦願います。

・ねるさんって本当になんでもやらせられますね。ご本人には迷惑な話かもしれませんが。
0083名無しって、書けない?(大阪府) (タナボタ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/07(金) 07:49:39.82ID:AV2y7cJv00707
>>75
ご無沙汰ですw
帰ってきました
0084名無しって、書けない?(大阪府) (タナボタ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/07(金) 07:50:48.90ID:AV2y7cJv00707
「皆さんこんばんはー、欅坂46の菅井友香です。見てくださってありがとうございます。
これから配信するので、是非最後まで見てください。ねぇ、みんな早くー!ねぇ何で…

友香「しーちゃん、気をつけて帰ってね」
詩織「うん、ばいばーい」
友香「今日も疲れたなあ。あっ、ボード消さなきゃ。でももったいない…」
冬優「残しとけば?私も帰るねー」
友香「冬優花、今日ありがとう」
冬優「どういたしまして。友香も早く帰りな」
友香「うん、片付けたら帰るよ。ばいばい」

友香「そうだ、馬の眼を閉じさせてあげよう。トムは夜行性だから、そのままでいいや」
友香「電気を消して…忘れ物はない。よし、帰ろう」

??「にゃーー」
友香「誰かいるの?」
??「にゃー」
友香「ネコかあ。ちょっと待ってね、いま電気つけるから」
??「おい、電気つけんな。ワシ、夜行性やから消えてまうねん」
友香「そうですか。ていうか今、しゃべった?…」
??「ワシ、トムやで」
友香「すごい!トムがしゃべった」
トム「わりとすんなり受け入れたな」
友香「電気つけてもいい?」
トム「アカン言うてるやろ。それより、自分は願いないんか?」
友香「願いかあ…何でもいいの?」
トム「ただし一つだけや」
友香「じゃあ、メンバーからの信頼が欲しい!」
トム「あ、それは無理やね。お金で買えへんし。ハイ終わり」
友香「そんなー、ひどいよー。もういい、電気つける」
トム「あ!アカン言うたや‥」
友香「あれ?やっぱ、誰もいないじゃん。帰ろ。あ、電気消さなきゃ」

トム「あらま、友香帰ったがな。電気消せば、ワシ復活するのにな。
メンバーからの信頼、確かにお金では買えへんねんけど、それだけやない。
君はとっくの昔に信頼なんか得てる。だから、今更願わなくてもいい。もっと、自信持っていけや。
さて、友香が家につく前に、ワシもはよ帰ろ」
0085名無しって、書けない?(茸) (タナボタ Sdbf-3CgV)
垢版 |
2017/07/07(金) 07:57:20.42ID:Csw5uVepd0707
久しぶりー!
0086名無しって、書けない?(庭) (タナボタ Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/07(金) 12:12:44.23ID://Vb5pU4a0707
>>82
お疲れ様ですm(__)m

エロいのからミステリアスなのまで楽しませていただきました
ネタたまったらまた投稿お願いします
0087名無しって、書けない?(庭) (タナボタ Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/07(金) 12:48:54.46ID:s9hyFbLea0707
>>83
引退してしまわれたのかと心配していましたm(__)m

>>84
さっそくチャプのSRネタですかw
0088織姫の理佐ちゃん(庭) (タナボタ Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/07(金) 18:21:16.78ID:s9hyFbLea0707
遥か大昔

凄ぇ働くって評判の牛飼いだった俺

そんな真面目さを神様のねぇ三郎に見込まれて
機織り名人と名高いねぇ三郎の娘理佐ちゃんの婿にむかえられて超ハッピーな日々のはずが・・・

理佐ちゃんみたいな超美人で気だての良い嫁と一緒に暮らしてすっかり腑抜けた俺

「理佐ちゃんといちゃいちゃしたいから仕事しない」って怠け者になっちゃった俺
「駄々こねてんじゃねーよ」
なんて言いながらも俺を甘やかしちゃう新婚気分の理佐ちゃん

本来は生真面目な理佐ちゃんだけど流されやすいとこがあるらしく
自堕落な俺のペースに引き込まれそのままズルズルと面白おかしく過ごすことに

そんな俺と理佐ちゃんを見るに見かねたねぇ三郎が
年に1回しか俺と理佐ちゃんを会えなくしちゃったせいで切ない俺

「年に1回しか会えないんじゃ夫婦っていえねぇよ」って愚痴る俺に
「愚痴ってんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「あのさ、働き者だけが唯一の取り柄で婿にしたのに怠け者になっちゃった俺君が悪いんだよ」
なんて俺を詰めてくる理佐ちゃん

「でも理佐ちゃんだって全然機織りしなくなっちゃってたじゃん」って言い返す俺に

「うるさい!謝って!」ってキレる理佐ちゃん

ちぇっ、自分だって毎日俺とイチャイチャ生活してたのに・・・って拗ねる俺に

「拗ねてんじゃねーよ」って再びドス効かす理佐ちゃんだけど

「せっかく1年ぶりに会えたんだからいっぱいイチャイチャしたいんだけどなぁ・・・」
なんて結局甘えさせてくれそうだから好き
0089名無しって、書けない?(大阪府) (タナボタ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/07(金) 18:58:47.55ID:AV2y7cJv00707
>>85
お久しぶりです
>>87
欅ちゃんが解散する時まで、私も引退できませんw
0090名無しって、書けない?(大阪府) (タナボタ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/07(金) 19:00:10.91ID:AV2y7cJv00707
>>88
こういう七夕もありですなw
0091名無しって、書けない?(茸) (タナボタ Sdbf-3CgV)
垢版 |
2017/07/07(金) 19:07:26.52ID:Csw5uVepd0707
>>88
ダメ男笑

でもなっちゃうかー。
嫁だったらもう、残業とか絶対しない。
0092名無しって、書けない?(広西チワン族自治区) (タナボタ KK4f-nkaJ)
垢版 |
2017/07/07(金) 20:19:19.59ID:s09p4T4mK0707
>>91 ていうか
仕事に行かなくなるおそれもw
0093名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/07(金) 23:11:32.97ID:s9hyFbLea
>>90
>>91
>>92
ありがとうございますm(__)m

理佐ちゃんみたいな美人と結婚したら理佐ちゃん欲以外の欲が無くなるから男としてはヤバいかもw

結果、
貧乏人の子沢山みたいな負のスパイラルに入る未来が容易に想像出来てしまうw

そんなギリギリの生活なのに理佐ちゃんが一緒に居るから
脳内麻薬が出まくって多幸感につつまれてるから
ますます働かなくなってしまう俺

「ねぇ怠け者のくせに子作りだけは熱心ってどういうこと?」
両手に子供2人を抱え、余った1人をおんぶした理佐ちゃんが聞いてくる

愛しの理佐ちゃんと結婚して3年・・・

理佐ちゃんの側を片時も離れたくない俺は仕事行かないでいたらあっさりクビに

それ以来理佐ちゃん欲だけに邁進した結果
毎年理佐ちゃんが子供を生んで5人家族になってた俺と理佐ちゃん

「子作りに熱心なのは俺のせいじゃなくて理佐ちゃんのせいだよ」
「なんで私のせいなのよ、ムカつくなぁ」って怒る理佐ちゃん

「だって理佐ちゃんが美人で可愛すぎるからじゃん」って反論する俺

「ちょっと・・・照れさせないでよ」
なんて頬染める理佐ちゃん

結婚して3年たっても新婚みたいな初々しい理佐ちゃん 

こうして貧乏人の子沢山が加速しちゃいそうだけど好き
0094欅学園の理佐ちゃん(パラレル編6)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/07(金) 23:15:11.53ID:s9hyFbLea
正直、俺以外全員女子という異常な環境のクラスに放り込まれた時は
自主退学しちゃおうかななんて思った俺だけど

今は心の底から退学しないで良かったと思っている

昨日の放課後

理佐ちゃんから金玉蹴りからほっぺにチューという必殺技を喰らった俺

「もう彼女とか飛び越して嫁ですよ愛しの理佐ちゃんは」
なんて感激のあまり浮かれまくる俺

そんなわけで今日も駅で待ち合わせする俺と理佐ちゃん

「ねぇなんでニヤニヤしてんの?」
さりげなく俺の手を握りながら聞いてくる理佐ちゃん

「俺を待ってる理佐の姿が嫁だなぁって思ったらニヤニヤになっちゃった」
照れ笑いする俺

「意味わかんないからちゃんと説明して」って困惑の理佐ちゃん



「金・・・蹴りとほっぺにチューで?」
なんだか恥ずかしそうに聞いてくる理佐ちゃん 

「うん?金・・・なに?」聞き返す俺

「だから・・・金・・・」頑張って言おうとするも顔が紅くなりうつむく理佐ちゃん

恥ずかしがる理佐ちゃん・・・可愛い・・・

「金・・・なに?」って理佐ちゃんの恥ずかしがる姿がもっと見たいから聞き返す俺

「ねぇわざと恥ずかしがらせようとしてない?」
って小首かしげて俺の顔を覗きこむ理佐ちゃん

顔が近い・・・

ドキッとするぐらい綺麗な理佐ちゃんに胸の鼓動が高鳴る俺

「恥ずかしがる理佐が可愛過ぎるから・・・」
照れ隠しに横向いて呟く俺

「なんで俺君まで照れてんのよ」
って俺の手を振りほどいて歩いてっちゃう理佐ちゃん

「ごめん理佐」
って慌てて追いかける俺の方振り向いた理佐ちゃん

「イジワルしたからまだお嫁さんにはなってあげないよ」
なんてイタズラな笑顔で言いそうだから好き
0095名無しって、書けない?(広西チワン族自治区) (ガラプー KK4f-nkaJ)
垢版 |
2017/07/08(土) 16:09:13.83ID:3/fw7WugK
>>94
コンスタントな掛け持ち乙です
しかも安定のクオリティ
0096名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/08(土) 22:13:19.87ID:Jp/AnaUp0
ブレーンワールド(その4)
外に出て、横断歩道を渡った。
「さっきよりさー、列、短くなってんじゃない」とラーメン屋を見ながらウザ女が言った。
「ああ、池袋はたまに来るけど、ここが土日にこんなに人少ないのは珍しい」
「ちょっとお腹すいたし、並びません?」とねるが誘った。

列に並んでいるとき、ねるが話しかけてきた。
「物質を細部化していった究極はクォークだと教えられていたんですが、それにも内部構造があるかもしれないというのは驚きでした。
でも、その後の余剰次元のお話はちんぷんかんぷんでした」
「その弦が振動する方向は3次元空間だけだと不十分で、理論上もう6次元必要だと言われている」
「時間の次元はその6次元の中に入っいるんですか?」
「いや空間次元だけでもう6次元必要。つまり通常我々が想定しているのは空間3次元と時間1次元の計4次元で、
超弦理論が必要とするのは空間9次元と時間1次元の計10次元。
9から3を引いた6次元が余剰次元となる」
「でもその余剰次元って本当にあるんですか?」
「従来の理論では電子顕微鏡で見ても見えないほど小さく折りたたみ込まれているとされていた。
その後、むしろ我々の3次元空間が9次元空間に浮かぶようなものだという逆転した新しい解釈が出てきた。それがブレーンワールド。」
「ブレーンというのは脳の意味ですか?」。
「そうではなく、ブレーンというのはエムブレーンを略した言葉で、膜という意味」
「ん?膜というのは2次元でしょ。私たちが住んでいるのは3次元空間だからずれているようにも思えますが?」
「鋭い!ただ物理ではよくやること。
我々は4次元以上の空間を認識することはできないので、あえて次元を少なくして比喩的な見方をする」
「なるほど、3次元空間に浮かぶ膜のような2次元平面なら私たちは簡単に想像できますね。
だから、9次元空間に浮かぶ3次元平面もそのようなものだとしてその関係性を比喩的にとらえるんですね!」
ねるの頭の回転の速さに感心した。(続く)
0097名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/08(土) 22:25:28.01ID:Jp/AnaUp0
ブレーンワールド(その5)
店内は窓側と厨房側の両側にカウンター席があり、我々は窓側に座らされた。
三人の真ん中にはねるが座った。
食べ終わり、そろそろ席を立とうとしようとしていたときだった。
また、突然、ねるが両耳を押さえ、苦しそうにうなだれながら、「やっぱり、あのコがいる!」と言った。
ねるを心配して半身になって向いていた俺とウザ女は後ろを振り向いた。
ウザ女は店の奥のほうに、俺は店の入り口のほうにまずは必然的に視線を送ることとなった。
大学生と思われる女性がこちらに振り向いて凝視していた、とても綺麗なコだった。
ウザ女が首を回し入り口のほうを見る前にその美人は姿勢を前に正した。
「ねえ、先にねるを外に連れ出してくれない。確かめることが済んだらたらあたしもすぐに続くから」
外に出てもねるは立つのがやっとなくらいぶるぶる震えている。
支えるため背中に手を当てたら、薄い服の上からのブラ紐の感触があった。
店内を見ると、呆れたことにウザ女が客の顔をそれとはっきりわかるように覗き込んでいる。
ただし全員ではなく、どうもターゲットは若い女性だけに絞っているようだ。
外に出てきたウザ女は、俺の手をパチーンと叩いた。
「なれなれしすぎ」
一方でねるには心配そうに優しく言った。
「アイツ、いなかったよ」(続く)
0098名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/08(土) 22:41:54.59ID:Jp/AnaUp0
ブレーンワールド(その6)
駅までの道を歩いた。
ウザ女に俺は尋ねた。
「なあ、あのコとかあいつとかって誰のことなんだ?」
「ねる、話していい?」
ねるは首を縦に振った。
「あたしの趣味にねるが付き合ってくれて、サッカー観戦に行った。
ハーフタイムのとき、ねるにさっきと同じような症状が起こったの。
辺りを見回したら、中学生くらいの女の子がジーッとこちらを見てたの、とても可愛らしく聡明そうなコだった。
そしたら意を決したようにこちらに歩み寄ってきた。
5メートルくらいまで近づいて来たら、『やめて、それ以上、近寄らないで!』とねるが叫んだの、この温和なねるが。
そしたら驚いて逃げていった。
怒りがこみ上げてあたし追いかけたけど、家族連れで来ていてその中に入ってしまったのでそれ以上何もできなかった」
「怒り?そのコは見つめる以外にはなにもしなかったんだろ?追いかけて捕まえて何をする気だったんだ?」
「人の顔をジロジロ見るなんて失礼だよ!それにねるがそうなったのもソイツのせいだし!」
「そういえば、今日、長濱さんが苦しんでいたとき、2回とも彼女を凝視していた女性がいたな」
「アンタ、何でそんな大事なことなぜ黙ってたの!」
「お前さ、もうちょっと口の利き方に気を付けろ。だいいち事情を全く知らないのに、何が大事は分からんだろ」
「まあ黙っていたことは勘弁してあげる、で、どんなコだったの?」
「ラーメン屋のほうは入り口近くにいてラーメン本を手にした幼児体型の女子大生風のコだった」
「ああ、あの人ね。で、サイン会のときのほうは?」
「あのときにはお前さんは傍から離れていたから見てはいないかもしれんが、
やはり女子大生のような感じで、人懐っこそうな感じだった。
それと、あの本や専用の買い物かごにインドネシア語の教本を入れていたのは覚えている」
「二人は同一人物?」
「二人ともとても美人さんだったが、明らかに別人」
「ラーメン屋さんのほうはまだいるわね。事情聴きにあたし行ってくる」
「事情?ただの偶然だろ。そのサッカー場のコはともかく、今日の二人は後ろから凝視していただけで長濱さんとは目が合っていないんだから」
言い終わる前に駆け出した。
しばらくして戻ってきた。
「いなかった・・・」
不安一杯そうだったねるはほっとした表情となった。(続く)
0099名無しって、書けない?(茸) (スフッ Sdbf-3CgV)
垢版 |
2017/07/08(土) 22:48:09.80ID:Lulnf/4dd
ひらがな中心に展開するのかな?
楽しみ。
0100名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/09(日) 02:12:41.03ID:VZ6OK9ffa
>>98
ミステリアスな展開になってきましたね
0101名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/09(日) 02:50:31.37ID:VZ6OK9ffa
>>95
チワン族さんみたいに完全なスレチネタを書く勇気が持てない俺はまだまだです(照)
0102欅学園の理佐ちゃん(パラレル編7)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/09(日) 02:53:24.79ID:VZ6OK9ffa
「ねぇ明日の約束大丈夫?」
お昼休みに理佐ちゃんが聞いてくる

「明日の約束?」
理佐ちゃんが作ってくれたお弁当を食べながら聞き返す俺

「やっぱり忘れてる」唇を尖らせて拗ねる理佐ちゃん

明日は土曜日だ
そう理佐ちゃん家にお呼ばれする日だ

もしかしたら未来のお義父さんとお義母さんになるかもしれないお二人と初顔合わせする大事な日だ
忘れるわけないぜ理佐ちゃん

忘れたふりしたのは理佐ちゃんの部屋で二人きりになるかもしれないという
そこはかとないエロへの期待がバレないように誤魔化したい心理ってやつさ


「私との約束忘れちゃう人には、もうお弁当作ってあげないよ」
なんてそっぽ向く理佐ちゃん

初めてお弁当を作ってくれた時に
お弁当箱がたまたま余ってたからなんて無理な口実言ってたわりに
毎日お弁当作って来てくれてる理佐ちゃん

「ごめんごめん、照れ隠しに忘れたふりしただけ」
って拗ねる理佐ちゃんの可愛さにデレデレの俺

「本当に忘れたふりしただけ?」
ってなかなか疑り深い理佐ちゃん

「理佐ん家にお呼ばれの日だろ、楽しみ過ぎて忘れるわけないじゃん」って胸を張る俺に

「威張ってんじゃねーよ」って呟いたあとに

「俺君が私との約束忘れるわけないって最初から分かってたけどね」
なんて負けず嫌いな強がり言いそうだから好き
0103欅学園の理佐ちゃん(パラレル編8)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/09(日) 20:06:30.40ID:0jlOYYEXa
「ちょっと待って」
理佐ちゃん家のある駅で電車降りた途端に理佐ちゃんから待ったをかけられる俺

「ネクタイ曲がってるよ」
なんて制服のネクタイを直してくれる理佐ちゃん

「首がキツいんだけど」って文句言う俺に

「普段からだらしなく着てるからキツく感じるんだよ」
なんてネクタイどころか俺の制服の着こなしにまでイチャモン付けてくる理佐ちゃん

だが今日の俺はそんな挑発には乗らない

何故なら理佐ちゃん家にお呼ばれしてるからだ

ひたすら理佐ちゃんの機嫌をとり続けて
あわよくばおっぱいぐらいなんてささやかな希望の俺

「夏までネクタイ着用なんて固い学校だよね、クラス編成はメチャクチャなのに」
さりげなく話をすり変える俺

「そうだねクラスに男子1人なんて無いよね、男女別々のクラスだよね普通は・・・」
俺の話に乗ってくれる優しい理佐ちゃん

「でもそのお陰で世界一美人で可愛い理佐と仲良くなれたんだけどねw」
なんて理佐ちゃんの機嫌とる俺

「世界一美人とか言ってんじゃねーよ」
って照れ隠しに俺の手を引っ張って歩き出す理佐ちゃん

信号待ちしてても手を繋いだままの理佐ちゃんにドキドキしてる俺

「私はクラスが別々でも仲良くなってたと思うよ」なんて突然呟く理佐ちゃん

ますますドキドキが止まらない俺に

「入学した時からずっと好きだったから・・・俺君のこと」
なんて言ってくれそうだから好き
0104『りかねる』1(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:42:25.71ID:OKmK/q210
「長崎……ねる……です……」
その転入生は元気なく……いや、悪い言い方をすると陰気な感じで言った。

(……ねる?)
(ちょっと変わった名前……)
(……いや、かなり変わってるでしょ……)

みんなこそこそと話している。

ここは、欅坂女子学園。

私の名前は尾関理科(おぜきりか)。父親が自然科学関係の仕事をしているのでこう名付けられた。
音はいいけど、漢字がよくない。
小学校の頃「国語・算数・理科・社会」とよくからかわれた。

その影響ではないかもしれないけど、高校2年生の現在に至っても、いじられ役だ。
私自身も意図的に道化を演じている。

私の友達は原口蒼(はらぐちあおい)。
蒼は童顔……というよりも小学生にも見えるため“子供高校生”が転じて“コドモ”とからかわれている。
蒼とはいじられ役同士なんとなく気が合った。

「はいはーい! 静かにする!」
齋藤冬美(さいとうふゆみ)先生がざわめきを止めた。

私は、長崎さんに興味を持った。同じように名前でからかわれているであろう長崎ねるさん。
少し話をしてみたくなった。

休み時間……。
私は待ちかねたように長崎さんの席に行った。
「長崎さん! 私、尾関! 下の名前は理科! “国語・算数・理科・社会”の理科!
 父親がねぇ……」と私の名前の由来を説明した。
しかし、長崎さんは全くのってこず、「……りかさん……」と言うだけだった。
「えーと、これは私の経験上の事なんだけど、自分の名前の由来を言うと興味持ってもらえるきっかけになる事もあるよ。
 友達になるためのつかみはOK! ……みたいな!」
しかし、長崎さんは気のない様子で、「……そう……」とだけ言った。

「長崎さん……」
菅井由香(すがいゆか)さんが長崎さんに近づいて来て言った。2年生ながら圧倒的な支持を受け生徒会長をつとめている。
生粋のお嬢様で、趣味は乗馬だとか……。“菅井様”と呼ばれている。

「長崎さん、前の学校で成績学年トップだったんですって?」

この学校は、相応の成績をクリアしないと入学できない。私もそうとう頑張った。
「……はい」
やはり長崎さんは短く答えるだけだった。

「……そう……」
菅井さんも短く言って戻っていくと自分の席についた。
菅井さんはこの学年の成績トップだ。要するに、ライバルが現れた事になる。

授業開始のチャイムが鳴った。
でも、私は長崎さんと話すのをあきらめなかった。
0105『りかねる』2(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:43:01.14ID:OKmK/q210
昼休み。
学食に行く人が多いけど、教室で食事をとる人もいる。
私と蒼は教室で食事組だ。

「ねぇ、理科。今日のお弁当もおいしそうだね」
席を向かい合わせた蒼がサンドイッチを食べながら言った。
母が仕事をしているため、私は自分でお弁当を作っている。
「へっへー、そうでしょ!」
私が答えた。

「ねぇねぇ……」
鈴本美由紀(すずもとみゆき)さんが近づいてきて私にささやいた。
「あれ……冒険じゃない?」
鈴本さんは、一度「私はリンゴより梨が好き」と言ったばかりに、あだ名が“梨太郎”になってしまった。
鈴本さんが指さした方向を見ると、長崎さんの席の前に神村さんが立っていた。

「長崎さん、クラスの雰囲気に慣れた?」
神村莉菜(かみむらりな)、前髪ぱっつんのロングヘア。蒼ほどではないけど童顔だ。
神村さんは吹奏楽部でトランペットを担当しているが、あまり上手ではないため、あだ名が“ヘタッピ”になってしまった。
「…………」
長崎さんは答えない。
「牛乳だけで大丈夫?」
神村さんが聞いた。
長崎さんの目の前にはパック牛乳しかない。
「…………」
長崎さんは黙っている。
「無口さんキター!」
神村さんは長崎さんを指さした。
「…………」
長崎さんは笑わない。

「ねぇ、ヘタッピ! 午後の授業だけど……」
神村さんは長崎さんの方を振り返って見たが、呼ばれた方に向かって歩いて行った。

「……やっぱりね……撃沈」
鈴本さんが言った。
「あなもさっき休み時間に話しかけてたけど、もうやめたほうがいいよ」
……“あな”……それが私のあだ名だ。理科の“科”は“あな”とも読む。
もうわかったもしれないけど、ほとんどの人にあだ名がある。決して好意的でないものも……。

岸田愛佳(きしだまなか)さんが、長崎さんの方を見て言った。
「あいつのあだ名、“牛乳”で良くない?」
岸田さんは、バレーボール部部員で積極的な性格。
美人と言っていい顔立ちだが、ちょっときつめの目つきをしている。あだ名は“もなか”。

「岸田さん……ちょっと……」
学食から戻ってきた菅井さんが、それを聞いて岸田さんを呼んだ。菅井さんは他人をあだ名で呼ばない。
菅井さんは岸田さんを廊下に連れて行った。
岸田さんは教室に戻ってくると、黙って自分の席に座った。

私は昼休みに長崎さんに話しかける機会を逸してしまった。
0106『りかねる』3(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:44:21.22ID:OKmK/q210
放課後。
「長崎さん!」
帰ろうとしている長崎さんを私は呼び止めた。
「長崎さん、勉強できてすごいね! てへへへ……私なんかいくら頑張っても数学の成績がのびなくて……」
長崎さんは、数学の授業で難解な問題をたやすく解き、黒板を見たクラスのみんなを驚かせた。
「…………」
長崎さんは何も言わない。
「私、長崎さんといろいろ話してみたい!」
私は言った。
「……りかさん……」
それだけ言うと、長崎さんは帰ってしまった。

次の日……。
私がトイレで手を洗っていたら、誰かが入ってきた。
鏡を見ると、長崎さんが立ち止まって私の方をじっと見ている。

私が振り向くと、長崎さんは恥ずかしそうに微笑んだ。
長崎さん! こんなに素敵な表情するんじゃない!
「……りかさん……私の名前の“ねる”はね……」
長崎さんは名前の由来を教えてくれた。
「へぇ! そうなんだ!」
私は嬉しくなった。これから色々な事を話して長崎さんと友達に……。
そんな事を考えていると、長崎さんはうつむいてしまった。
顔を上げた長崎さんは満面の笑みだった……。
でも、私はさっきのように好ましく思えなかった。
どことなく……不気味さを感じる……。
長崎さんは急に幼い感じの口調になって言った。
「ねぇ……ねると遊ぼうよ♪」
「ねるは、遊ぶのが大好き」
……えっ?
何か様子が……。

すると、長崎さんは急に胸を押さえると、ビクンと動いた。
まるで跳ね上がったように……。
えっ!?
私の頭をかすめたのは、心臓の……発作……。
「長崎さん! 具合悪いの?」
トイレには他に誰もいない。廊下にも人影は見えない。
「誰か……」
と、言いかけた私の腕を長崎さんは掴んだ……痛いほどの力で……。

「……るな」
乱れた髪の向こうにある長崎さんの表情は、恐ろしいものだった……。
「これ以上、オレに人を近づけるな……」
「お前も、オレに近づくんじゃねぇ!」
それだけ言うと、長崎さんは気を失ってしまった。

私はすぐに齋藤先生を呼びに行った。
先生とトイレに戻ると、すでに何人もの人が集まっていた。

「救急車を呼んだ方がいいんじゃない?」
他のクラスの子が言った。

「何が起きたの? あな、知ってる?」
鈴本さんが聞いてきた。
私は経緯を話す事にした。話せない部分もあったので、トイレに入ってきた長崎さんと話をしていたら急に胸を押さえて気を失ったと言った。

みんなが心配して見ていると、長崎さんは意外なほど早く目を開けた。
0108『りかねる』4(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:46:55.35ID:OKmK/q210
「長崎さん! 大丈夫!?」
私は尋ねた。
「……りかさん……」
長崎さんはそれだけ言った。

齋藤先生が心配そうに尋ねた。
「長崎さん……もしかして、あなた、心臓の持病があるの?」
「……ありません」
長崎さんが答えた。

鈴本さんが言った。
「病院に行った方が……」
「……いい」
「“いい”って!」
鈴本さんが声を上げた。

齋藤先生が聞いた。
「尾関さんと話をした事は覚えてる?」
「……はい。でも、あとは覚えてません」
あとは覚えてない? ……私はあの不気味な笑顔、恐ろしい表情を思い出した。
齋藤先生が強い口調で言った。
「長崎さん、状態が落ち着き次第、私の車で病院に行きなさい」
それを聞いた長崎さんは、スッと立った。
「病院はいいです……」
そのままトイレから出て行こうとした長崎さんを齋藤先生が止めた。
「いけません!」
手をひかれ、長崎さんは連れていかれてしまった。

翌日、長崎さんは休まず学校に来た。
「長崎さん大丈夫?」
神村さんが聞いている。
「…………」
長崎さんは答えない。
「…………」
神村さんは悲しそうな顔をした。
保健委員の石ノ森虹花(いしのもりにじか)さんが近づいて来た。あだ名はレインボー(虹)が転じて“ボー”だ。
「長崎さん、みんなに心配をかけたんだから何か言ってもいいと思うけど」
「ボー……」
神村さんが石ノ森さんの顔を見た。

齋藤先生がやってきた。
結局、心臓の検査と……脳のMRI検査を受けたようだ。どちらも長崎さんの異常を特定するには至らなかった。

昼休み。
長崎さんの姿が見えなかった。牛乳でも買いに行ったのかな?
牛乳しか飲まないから倒れたのかな? いや、全然違う。あの状態、普通じゃない。

すると、誰かが教室に駆けこんできた。
「神村さんが怪我をしたみたい!」
土生瑞希(はぶみずき)さんが慌てて言った。

「ヘタッピが!? ヘビ! マジ!?」
岸田さんが大声を上げた。
土生(ハブ)だから、あだ名が“ヘビ”だ。そのままハブでいいと思うけど……。私もリカでいいのにあなと呼ばれてるわけだけど。

みんなが出て行こうとした。

「待って」
菅井さんが止めた。
0110『りかねる』5(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:49:10.21ID:OKmK/q210
「土生さん、神村さんは今どこに?」
「保健室に運ばれていきました……」

「みなさん……」
菅井さんが言った。
「保健室に大勢で押しかけても迷惑です」
「代表して私と石ノ森さんが行ってきます」
菅井さんの言葉は有無を言わせぬものがあった。

二人は保健室に向かった。

神村さんが怪我……。気になるけど、興味本位で見に行くわけにはいかない。

そこに、長崎さんが戻ってきた。
長崎さんは自分の席に座った。

蒼が近づいて来て言った。
「怪我ってどのくらいなんだろうね? 軽いといいけど……」

時間が過ぎ、菅井さんと石ノ森さんが戻ってきた。
菅井さんは次の教科の先生に頼んで、授業開始を遅らせてもらった。

「神村さんは、階段の踊り場で両手の拳を壁に何度も打ち付けました。皮膚が割れ、出血しており、骨折した可能性も極めて高いため、齋藤先生が病院に連れて行きました」
菅井さんが言った。

石ノ森さんが言った。
「壁に拳を何度も打ち付けた後、崩れるようにひざ立ちになり、横に倒れこんだそうです。右半身……肩が床に当たりましたが、ゆっくり倒れたため、そちらは大丈夫です。頭部への衝撃もないようです」

菅井さんが続けた。
「やや奇妙な状況に思えるかもしれませんが、神村さんの様子を見た生徒が複数いますので、おおむね正しいと思われます」

「ちょっとわからないのは……彼女はその時……」
石ノ森さんが言いかけたのを菅井さんが制した。
「それはいいでしょう」

……何かあった?
みんな落ち着かない気持ちのまま、授業の時間が過ぎていった……。

放課後……。
その場所……2階と3階を結ぶ一番西寄りの階段の踊り場に行ってみた。

「うわぁ、まだ血が付いてるよ……」
壁を見て、渡辺里紗(わたなべりさ)さんが言った。渡辺さんは隣のクラスの生徒。あだ名は“ベビー”。……といっても赤ちゃんではなく、渡辺Bが略されてベビーになったのだ。
渡辺さんが二人いるため、もう一人の渡辺さん、渡辺里佳子(わたなべりかこ)さんが渡辺A……“ベエー”となっている。

渡辺さんが私の方を見て言った。
「あな、これ見なよ。痛々しいねぇ……」
渡辺さんが二つの赤い跡を指さした。
「あたし、現場にいたんだけどさ……階段に来たら、ヘタッピが一人でボクシングみたいに壁を殴ってたんだ。何度も何度も……」
私は自傷行為を疑った。
「なぁ……あな……」
渡辺さんが声をひそめた。
「ヘタッピのやつ……ここ、大丈夫かな?」
渡辺さんが自分の頭を指さした。
「えっ?」
私は渡辺さんと壁を交互に見た。
「笑ってたんだよ……ヘタッピ。何かすごく楽しい事をしてるみたいに……」
0111『りかねる』6(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:50:32.84ID:OKmK/q210
翌日の休み時間。
神村さんの事はまだ話題になっていた

「笑いながら壁を殴るなんて……ヘタッピ、異常だよ……」
私と同じように生徒の目撃情報を聞いた鈴本さんが言った。
「でも、直前の神村さん、普通だったよ……?」
私が鈴本さんの言葉をやんわりと否定した。
「ヘタッピがなんだって……?」
岸田さんが聞いてきた。岸田さんは神村さんが笑っていたという部分は知らないようだ。
「ねぇねぇ! 私、すごい事聞いちゃったかもしれない!」
蒼がやって来て興奮気味に言った。
「昨日、神村さんが長崎さんと話してたんだって!」
えっ?
「しかもしかも! 長崎さん、すっごい笑顔だったんだって!」

まるで、それを聞いていたかのように長崎さんが教室に入ってきた。
相変わらずというか……元気がない……。

鈴本さんが言った。
「私も聞いた。ヘタッピが長崎と話してた事……。しかも、それが、ヘタッピがあんな事になる直前……」

長崎さんの顔を見て、私の頭をある事がよぎった……。
熱心に長崎さんに話しかけていた神村さん……。
同じくたびたび長崎さんに話しかけていた私……。
「オレに近づくんじゃねぇ!」の声……。
「ねると遊ぼうよ♪」の笑み。

「長崎さん!」
蒼が長崎さんの席に行って言った。
「私も、長崎さんが笑うところ見てみたい」
長崎さんが蒼の顔を見た。
「長崎さんが楽しそうに笑うの見た子がいるよ!」
「…………」
長崎さんは何も答えない。
「やめなさいよ、コドモ!」
鈴本さんが止めた。
「……知らない……」
長崎さんが蒼に言った。
「蒼!」
私は走って行き、蒼を連れ戻した。

3時限目……。
体育の授業だ。
着替えの時、蒼がはしゃぎながら言った。
「ねぇ、理科。さっきねぇ……!」
「なに?」
「長崎さんから私に話しかけてくれたの! でね! すっごくかわいい笑顔だったよ! それに、話し方までチョーかわいかった! 長崎さん、何かかわいい!」
「…………」
私は黙ってしまった。トイレでの出来事……神村さんの事……。
「…………」
菅井さんが黙ってこっちを見ている……。

私たちは体育の授業を受けるために校庭に出た。
0113『りかねる』7(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:52:31.54ID:OKmK/q210
「あははは! 相変わらず、あなの走り方は面白い! 超ウケる!」
岸田さんがお腹を抱えて笑っている。

私は子供の頃から走り方が変で、いつも笑われている。
“気持ち悪い走り方”とまで言われている。
まあ、みんなが楽しんでくれるならそれもいいか……。

「あははははは!」
私を見ていた蒼が急に笑い出した。
おい、蒼。キミが笑うのは許さん。私は心の中でツッコんだ。
「あはははははははははは!」
えっ、蒼……? 私は立ち止まった。
「あはははははははははは!」
蒼は笑い続けた。おかしい……ちょっと……普通じゃない……。
蒼は立ち上がると、校庭の端の方にすごい速さで走って行った。
笑い続ける蒼は、正面の樹に何度も激しく体当たりをすると、そのままへたり込んでしまった。
「蒼……」

私たちは蒼を保健室に運んだ。いくら蒼が小柄と言っても弛緩した人間を運ぶのは大変なのでシートを持って来て四人で運んだ。菅井さんもついて来た。
「両肩と両腕を相当強く打ったみたいね……しかも、何度も打ったんでしょう?」
保健室の先生、織田奈々未(おだななみ)先生が言った。

体操服を脱がされた蒼。肩と腕のところが青黒くなっているのが見える……。
「胸を打たないでよかった……女性にとっては急所だから……」
石ノ森さんが言った。
「……コドモ……」
岸田さんが心配そうに言った。蒼を運ぶのも手伝ってくれた。なんだかんだ言って、岸田さん……いい人だ。
「……奇妙な事が続くわね……」
菅井さんが言った。
「ねぇ……さっきのコドモの様子、変じゃない……?」
鈴本さんが言った。

−−− 神村さん −−−

そうだ。神村さんが笑っていた事を知らない岸田さん以外の人は同じ事を思い出したに違いない。
笑いながら自らを傷付ける……。

「えーとぉ……」
目を開けた蒼が言った。
「私、何してたの?」
「コドモ! さっきかなりおかしかったよ!?」
鈴本さんが言った。
私が蒼に状況を説明すると、蒼は言った。
「みんなが走ってるのを見てただけだよ?」
急に笑い出した後の事は覚えていないらしい。

「菅井さん、あなたのクラス、昨日も怪我した子が出たでしょう?」
織田先生が菅井さんに言った。
「……はい」
菅井さんが答えた。
「両方とも状況的に普通とは思えないんだけど……」
織田先生が言うまでもなく、ここにいるみんなが思ってる。
0114『りかねる』8(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:53:35.41ID:OKmK/q210
昼休み。
「ちょっと、長崎さん……いいかしら?」
菅井さんが、席に座って牛乳を飲んでいる長崎さんに声をかけた。
「ここではないところで……」
菅井さんは長崎さんを教室の外に連れて行った。

おそらく、菅井さんも気付いてる……。
怪我をした二人が、直前に長崎さんと話していた事。
しかも、長崎さんが普段の様子と違っていた事……。

でも、その時の私は想像していなかった……。
菅井さんまであんな事になるなんて……。

午後の授業。
昼食後でちょっと眠くなる時間帯……。

ふと、窓際の席を見ると、菅井さんが机に伏している。
菅井さんが持っていた筆記用具は床に転がった……。
菅井さんが居眠りだなんて……。
私はちょっと違和感を抱いた。

すると、菅井さんの身体が椅子ごと倒れた。ゴツンと鈍い音がした。
「……今、頭打たなかった?」
教室がざわつき始めた。
床に倒れた菅井さんの身体が小刻みに揺れ始めた。
「……うふふふ……」
私の頭の中に嫌な考えがよぎった。
菅井さんは身体を起こすと、笑い始めた。
「うふふふふふ……」
クラスのみんなは何が起きたのか把握できない状態だ。
先生も唖然としている。
菅井さんは大声で笑いはじめた。
「あはははははははは!」
次の菅井さんの行動はみんなを驚かせた。
菅井さんは、自ら床に激しく頭を打ちつけたのだ。それは何度も繰り返された。
周囲の生徒があわてて近づき、菅井さんの身体を押さえて動きをやめさせた。

教室の中はまさに蜂の巣をつついたようになった。

近づいていった石ノ森さんが、菅井さんの呼吸などを調べている。菅井さんは意識を失っているようだ。
腕時計を見て時間を計っていた石ノ森さんが叫んだ!
「救急車を!」

その後は授業になどならなかった。
どう考えても異常な事態がこのクラスで3件起こったのだ。
特に菅井さんの件は“あの人が”という点でも衝撃が大きかった。

「菅井様が……」
「あれ……怖かった……」
みんな口々に語っている。

私は長崎さんを見た。
あなたは菅井さんと何を話したの……いえ、それはいい。菅井さんに何をしたの?
0115『りかねる』9(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:55:25.15ID:OKmK/q210
放課後の教室。
みんな散り散りに教室を出ていってるけど、私は長崎さんを待っていた。
「音楽室に来て欲しいの」
私は言った。
無視されるかもしれないと思ったけど、長崎さんはやって来た。

「長崎さん、菅井さんと何の話をしたの?」
私は一応聞いてみた。
「……知らない……」
長崎さんが言った。
「知らないわけがないじゃない……」
私が声を押しころして言った。
「……わからない……」
長崎さんはしゃがんで泣き始めた……。
泣く彼女を見るのは初めてだ。

すると、長崎さんが急に立ち上がった。

立ち上がった長崎さんは満面の笑みだった。
そして、幼い口調で言った。
「ねぇ、ねぇ! ねると……遊ぼう♪」
「ひぃ!」
私は思わず声を上げてしまった。
長崎さんは笑顔で私の方に近づいてくる。その無邪気な笑顔が……怖い。

私が後ずさりすると、長崎さんは急に胸を押さえると、ビクンと動いた。跳ね上がったように……。
まただ……乱れた髪の向こうの恐ろしい表情……。
「これ以上、オレに人を近づけるな!」
「オレは“三人目”……」
「“二人目”に気をつけろ……」
長崎さんは気を失った。

倒れた長崎さんを見て、齋藤先生と織田先生が話している。
「本当に、この子、心臓や脳の病気はないんですか?」
と、織田先生。
「病院の検査では……」
ちょっと困ったような齋藤先生。
私が、長崎さんが倒れた経緯について、また同じような事しか言えなかったので混乱を招いている。

スッと長崎さんが起き上がった。
「帰ります……」

「待って! 長崎さん! 私の車で送ります。尾関さん、あなたもちょっといいかしら」
私は齋藤先生が運転する車で長崎さんの家に向かった。後部座席には長崎さんが何も言わずに座ってる。

長崎さんの家に着いた。
呼び鈴を押すと、長崎さんのお母さんが出てきた。
私と先生は挨拶をした。

私たちはリビングに通された。長崎さんは2階にある自分の部屋に行ってしまった。
0116『りかねる』10(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:56:23.02ID:OKmK/q210
「ご心配をおかけしています……」
長崎さんのお母さんが言った。
「今日もねるさんは何かの発作を起こして倒れたのですが……」
齋藤先生が言った。
「検査結果では……原因が特定できなかったと……」
長崎さんのお母さんが困ったように言った。
長崎さんが最初に発作を起こして倒れて病院に連れて行かれた時、齋藤先生はお母さんを呼び、一緒に検査結果を聞いたようだ。
「あっ、この子……この生徒ですが、長崎さんが最初に倒れた時に知らせてくれた子です」
齋藤先生が私を紹介した。
私は長崎さんが倒れた状況の事を説明した。またしても、変貌の事は言えなかった……。
「以前から急に倒れる事はあったんですか?」
私が聞いた。
「いえ……転校してからです……」
長崎さんのお母さんが言った。

私には聞きたい事があった。
「学校以外でこうなった事はあるんですか?」
「……ありません……」
私にはある仮定があったので、発作の話に混ぜて聞いてみる事にした。
「長崎さんがすごく小さな頃に、胸を強く打ったり、頭を打ったりしませんでしたか?」
この質問自体はどうでもいい……別に知りたい事がある。
「ねるが小さな頃……ですか……」
長崎さんのお母さんは言葉を濁した……。
「私たちは、ある時期以降のあの子しか知りません……」
「実は……」
「……私たちは継親で……あの子の実の両親ではないんです……」
齋藤先生が遮った。
「長崎さん……その件は……」
「構いません。お友達にも聞いていただいて……」
齋藤先生が私に念を押した。
「尾関さん、これから極めてデリケートでプライベートな話を聞くかもしれない……あなたはそれを誰にも言わない自信はある?」
私は頷いた。

「ねるはかわいそうな子なんです……。児童養護施設のかたから、あの子が以前酷い虐待を受けていた事を聞きました。
 心の傷がひどかったのか、うちに来た時はほとんど口をきかず、ずっと本を読んでいました」
「でも……その後、少しづつ笑顔を取り戻して、話もするようになりました……。
 小学校、中学校、高校……友達もできて、学校の成績も良く、とても素直ないい子でした」
「ところが……そう、欅坂女学園に転校させる前の事です……」
長崎さんのお母さんは最近の事を語り始めた……。
「前の学校で、ねるの友達が怪我をしたんです……それが、ちょっと不思議な状況で……」
私は大体の状況が想像できた。
「それで、教室でその怪我の報告を受けていた時に……」
長崎さんのお母さんは下を向いて首を振った……。
「あの子……ありえない態度をとったらしいんです……」
「ありえない……」
私が言葉を繰り返した。
0117『りかねる』11(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 21:57:35.77ID:OKmK/q210
「あの……」
「…………」
長崎さんのお母さんはすごく言いにくそうにしている。
「笑ったらしいんです……あの子……大きな声で……」
私は、それは長崎さんであって長崎さんでない“何か”の仕業のような気がした。
「その後、無視と嫌がらせ……いじめが始まって……」
「あの子は暗く、元気もなく……まるで、私たちが引き取ったばかりの頃のように……」
「いたたまれなくなった私たちはねるを転校させる事にしたんです……」

「尾関さん、どうして長崎さんの子供の頃の話を聞いたの?」
帰りの車の中で、齋藤先生が聞いた。
先生は何か勘づいたようだ。
「感心しないわね……ああいうやり方……」
「それと、私が言った事、忘れてないわよね?」
「はい。個人情報は守ります」

私は同時に、自分の犯した失敗を後悔していた。あまりにも奇妙な出来事なので伏せた事があだになった……。
最初のトイレでの出来事は“ありのまま”話すべきだったのだ。長崎さんが別人のように変貌した事を……。
長崎さんが受けるべきだったのは……精神科医の診察だったのだ。

翌々日。
私は、図書館にいた。
(「オレは“三人目”……」)
あの言葉と、長崎さんのお母さんが言っていた事、私の中でこのふたつが結びついていた。
私は精神に関する本を何冊か読んだ。
長崎さんの状態に類似すると思われるのは、人格の交代だ。同一人物であるのに、性格ががらりと変わることがある。
一例としては、幼児虐待を受けていた人が、つらさなどを分離するために、自分の中に別人格を形成する事があるという。

基本人格と交代人格……。この基本人格(本来の人格)であり主人格(最も意識を所有する人格)が、つまり、いつもの長崎さんだ。
仮に“一人目”とする。時々出現する交代人格が“二人目”“三人目”。
“一人目”は“二人目”と“三人目”が現れている時の事は覚えていない。

私の体験上“二人目”と“三人目”側は基本人格である長崎さんを“見ていて”、長崎さんの記憶を共有している。
本の解説と違って、三つの人格が別々の記憶を持っているわけではないのだ。
“一人目”が会った相手、例えば私の事を“二人目”と“三人目”は知っている。
さらには、“三人目”は“二人目”の行動を“見ていて”知っている。

ただ、まだはっきりとわからないのは、あの恐ろしい目の“三人目”が言っていた言葉。
「“二人目”に気をつけろ……」の意味だ。
あの奇妙な出来事3件に“二人目”、幼い口調の長崎さんが関わっているのは間違いなさそうだ。
でも、そこからがわからない……。

もうひとつの疑問点。
神村さん、蒼、菅井さんの時には“三人目”が現れていないのではないか? という点だ。
私の経験では、“二人目”が現れたあと、長崎さんは胸をおさえてビクンと跳ね上がり、“三人目”が現れる。そして、その後、長崎さんは失神する。
失神騒ぎは私の前でしか起こった事がない……。
0119『りかねる』12(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 22:00:17.50ID:OKmK/q210
次に登校した時。
昼休み、私は屋上にいた。
一人で色々と考えたい事があったのだ。
神村さん……蒼……菅井さん……。
すると、金網のところに立っていた私に背後から誰かが声をかけた。
長崎さん? ふと、振り返り、顔を見ると……満面の笑顔だった……。
「ねぇ、お話ししましょ」
長崎さんじゃない……。
“二人目”だ……。
ついに、来た……!
「あのね……ねる……さみしかったの……」
「でもね、今は遊んでくれるおねえちゃんがいっぱいいるから楽しいの……」

私は叫んだ。
「“三人目”出てきて!」
長崎さんは胸を押さえると、ビクンと跳ね上がるように動いた。
「…………」
長崎さんがすごい目つきで私を見ている。
「今日は“がんばって耐えて”、私と話をしてちょうだい」
「オレがなんだか……わかる……のか?」
「ええ……初めて見た時は驚いたけど……」
私は続けた。
「教えてちょうだい。長崎さん……そして、“二人目”の事を……」
「…………」
“三人目”は話し始めた。
「“一人目”は……虐待されていた……。
 両親を早くに事故で亡くして、遠い親戚に引き取られたんだが、それが酷い連中だった……。
 殴る蹴るの暴行を受けた上、檻みたいなものに閉じ込められて……メシも与えられずに、牛乳だけ皿に入れられて……犬みたいに一日過ごした事もあった」
牛乳……だけ……。
私は学校の昼食風景を思い出した。
「……そんな事が繰り返されていた時、不審に思った近所の連中の通報で“一人目”は助け出された……。その時にもう“二人目”はいた……」
「“二人目”は長い間眠っていた……“二人目”が出てきたのは……前の学校で、身近な人間に怪我をさせた時だ……」
怪我を……させる? やっぱり“二人目”は何かができる……。
「“二人目”は何ができるの!?」
「……精神……を……が……」
時間の限界が来てしまった?
「あなたが、私の前でしか出てこないのはなぜ……!?」
私が慌てて聞いた。
「……オレ……は……」
と言ったきり、“三人目”は黙ってしまった。
長崎さんは失神した。

私は、人を呼ぼうとしたが、長崎さんは少しの時間で目を開けた。
……だけど!
「おねえちゃん……♪」
長崎さんではなく“二人目”が戻ってきたのだ。

私は“二人目”に言った。
「ねるちゃん……ケガをしたおねえちゃんたちに何をしたの?」
「???」
“二人目”は不思議そうな顔をしている。
「遊んでもらった♪」
0120『りかねる』13(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 22:01:34.46ID:OKmK/q210
……もう、だいたいわかった。“三人目”が言っていた断片的な言葉、「精神を……」。今までのみんなの行動と症状。
“二人目”は、任意の相手の精神に影響を与える能力を持っている。

「おねえちゃん……この世界には“愛”しかないんだよ。みんないい人なんだよ……みんな、ねるを愛してくれるんだよ……ねるをいじめないんだよ……」
「だから……おねえちゃん……ねるを愛して……」
風が……私の身体を吹き抜けていった……。
私……は……。

次の瞬間、長崎さんは胸をおさえて跳ね上がり、“三人目”が現れた。
「最後の手段……“四人目”を……呼んだ」
「“四人目”をどう使うかは……」
そこまで言って、“三人目”は沈黙した。
長崎さんは失神しなかった……。

すると、そこには……今までで最も恐ろしい姿の長崎さんがいた……。
四つん這いになり、髪を振り乱し、首を不規則に振っている。
「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
長崎さんが叫んだ。これが……“四人目”……? 人外(じんがい)人格……。

“四人目”は私に襲いかかると同時に右手をすごい勢いで振った。私の顔を爪がかすめ、痛みがはしる。
こんなの……どうすればいいの?
私、逆に大ピンチだと思う……。
その時、“三人目”が、言った事を思い出した。
「“四人目”をどう使うかは……」
使う?
……まさか……。
私の予想が正しければ……これから私がやる事は長崎さんの人生に多大な影響を及ぼす……。
どんなに小さく見積もっても、長崎さんはもうこの学校に二度と来る事はできないだろう……。
私は迷った。
しかし、“四人目”は激しく襲いかかってくる。
なんとか攻撃を避けながら考えた。
長崎さんの生い立ち、長崎さんの笑顔……。
おそらくは、“一人目”だったであろう、トイレで自分の名前“ねる”の由来を語ってくれた長崎さん。

「がああああああああ!!!」
“四人目”が私の周りを回っている。
ごめん、長崎さん……。
ごめんね、長崎さん……。

私がする事は、戦う事じゃない……。
ひたすら……逃げる事!
私は走り出した。
0121『りかねる』14(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 22:03:08.29ID:OKmK/q210
“四人目”が追ってくる。
「ぎゃおわあああああああああ!!!!!!!」
“四人目”は両手を激しく振り回し、廊下の掲示物を裂いた。

すぐにみんなの悲鳴が上がった。
「きゃあああ!」
「何あれ!」
「誰? 誰?」

私は廊下を走り回った。階段を上り、階段を下りた。

石ノ森さんが何か叫んでる「……を呼んで!!!」
「今度は長崎が……!?」
「きゃあ! あれ、長崎!?」
「ウソでしょ! 化け物?」

私はひたすら走った。

「あな! 逃げてぇぇぇ!」
「……は、まだ来ないの!?」

“四人目”はますます暴れ、校内のいろいろなものを倒したり破壊したりした。
学校は大混乱だ。
私が、もう疲れて走れなくなりそうになった時……。

“四人目”は、駆けつけた大人の人に取り押さえられた。

それと同時に“四人目”は沈黙したらしく、長崎さんの顔つきが変わった。

本来の長崎さんだ……。
「長崎さん……」
「……りかさん……あなたと友達に……」
長崎さんが私に話しかけている途中……満面の笑みになり言った。
「おねえちゃん、バイバイ♪」
“二人目”だ。
次に、長崎さんが、胸を押さえてビクンと跳ね上がった。
「……オレは……お前を……守りたかっ……た……」
“三人目”が苦しそうに言った。

長崎さんはそのまま気を失い、運ばれていった。
0122『りかねる』15(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 22:04:45.84ID:OKmK/q210
……数時間が経った……。

夕日が沈み、もう夜になろうという時間……。
私は学校近くの歩道橋の上で、行き交う車のライトを見ていた。

私は、長崎さんの事を思い出して、とても悲しい気持ちになった……。

どうして?
こんなに楽しい事はないじゃない……!

えっ、何それ……?
私、何を考えてるの?

そう! 世界は愛に満ちてるんだよね! みんないい人!
みんな大好き! 私はねるちゃんが大好き!
うん! なんだか、どんどん楽しくなってきた!

えっ、私、何を考えてるの?

ねるちゃんと遊びたい!

えっ? えっ? どういう事?

楽しいだろうなぁ、早くねるちゃんと遊びたい!

えっ、私は私の事がわからない……。

笑い声がする……。
誰の?

私だ……私の声だ……。
私……笑ってるの……?

笑い声はどんどん大きくなっていく……。

次の瞬間、私の意識は途切れた……。


『りかねる』(完)

--------
注1・作中のDID(Dissociative Identity Disorder)の解説は実在のものと異なる部分があります。
注2・作中、MRIを含めた脳検査で異常が発見できないといった表現がありますが、設定上のフィクションです。
注3・(おまけ)『てくねる』と共通・類似したシチュエーションやセリフがありますので、読み比べすると楽しめます。
0123名無しって、書けない?(茸) (スフッ Sdbf-3CgV)
垢版 |
2017/07/09(日) 22:05:47.51ID:2z7oI2ZBd
SPEC的な…なんかこう…
ゾクゾクする怖さ希望。
0124名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/09(日) 22:10:30.96ID:dn8amZBRa
めっちゃダークw
0125名無しって、書けない?(広西チワン族自治区) (ガラプー KK4f-nkaJ)
垢版 |
2017/07/09(日) 22:13:36.27ID:49cjwYiCK
>>122
大作お疲れさまでした
思わず引き込まれてリアルタイムで追いながら読んだ(笑)

それにしても
四人目の姿を皆の前で現して捕らえられたねるがその後どういう措置をうけるか
そして歩道橋の上で精神の変容を来した主人公がなぜ意識を失ったのか
想像すると…(;_;)
0126名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/09(日) 22:51:10.57ID:AvbvKgM/0
ブレーンワールド(その7)
「長濱ねるさんのお兄さんですか?」と寮の管理人のオバサンは興味なさそうに言った。
嘘がばれないかとひやひやして落ち着かず俺は周りを見渡した。
後ろを振り返ったとき、門の外にはサラリーマン風の男がこちらを怪訝そうに見ていた。
そりゃーそうだろうな女子寮の中に若い男がいる現場に遭遇したら。

あの日、メール交換してから二人とは池袋の駅で別れた。
がっついていると思われたくないため、1週間はあえてこちらから連絡するのはよそうと心掛けていた。
この日の朝、ねるからの表示でスマホが鳴った。
喜んで勇んで出ると、ねるではなくウザ女が名乗りもせずいきなり言った。
「ねるがストーカーに狙われてんの。あんたさ、今日、暇だったらうちらが住んでいるとこ来てくれない?」
え?またあの美人たちか?それとも別の?何にせよ可愛いコが必ず絡んでいるようだから、
ねるには思いが届かなくても、そういうコたちと何らかのつながりが持てるかもしれない。
俺に異存はなかったので二つ返事をした。
しかし、ねるとウザ女は二人とも長崎県人会が運営する女子寮に住んでいて、そこに来てくれという申し出を知って断ろうとした。
「大丈夫!目付のおばさんはいるけど、関係者であると名乗って、寮の中にいる本人がOKすればフリーパスだから。アンタ、今日からねるのお兄ちゃんね!」

受付にやって来たねるにオバサンが確認したら、すんなり通ることができた。
3階の東南の角部屋でねるとウザ女は同居しているとねるは教えてくれた
部屋に入ると、閉め切ったカーテンの隙間からウザ女が外を見ていた。
俺の姿を見ると、挨拶もなしにいきなり言った。
「いまストーカーがいたのよ、アンタ、見なかった?」(続く)
0127名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/09(日) 23:04:11.54ID:AvbvKgM/0
ブレーンワールド(その8)
「いや、今日はこの間の二人も、それらしき女性も見ていない」
「はは〜ん、アンタ、あの時の二人に会えると踏んでここに来たというわけね」
なんでもストーカーというのは若い女性ではなく、中年のサラリーマン風の男だという。
「もしかしたら会ったかもしれない。受付にいるとき、振り返ったら、それらしき男と目が合った。だけど、ストーカーのようには見えなかったが」
「どういう感じの人でした?」とねるが訊いた。
さっき会ったばかりの男の顔を頭の中で描こうとしたができなかった。
「どこでも見かけるような平凡なスーツ姿で特徴のないような顔をしていたかな」
二人は目を見合わせて、ウザ女が口を開いた。
「ソイツよ、間違いない。しかもそういうのが何人もいるの!最初、それを聞いたときにはねるの勘違いだろうと思った。
でも、カーテンの隙間から見張っていたら、たしかにそうだとわかった。この部屋の方向に一瞬だけ怪しい男が目をやっていることを何度も確認したんだ。
特徴のない顔をしているけどよく見ると別人だというのがわかる。そういうのが3、4人でいつも見張っている」
「ねるちゃん、ピザ屋さんが来たわよ」と部屋内のインターホンから管理人のオバサンの声が聞こえた。
「もうお昼ですね、ゴハンにして、その話はあとでまたしません」
ねるはそう言って部屋を出て行って、ピザを持って戻ってきた。(続く)
0128『○○ねる』の人(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/09(日) 23:17:47.61ID:OKmK/q210
>>123-125
お読みいただきありがとうございました。

【つぶやき】

・『てくねる』でサブヒロインだった神村莉菜を真っ先に酷い目にあわせる事で、この展開、このラストの覚悟をしました。

・志田さん(今回の名前は岸田さん)の扱いが相変わらずよくないですが、他意はありません。

・ねるさんって本当になんでもやらせられますね。ご本人には迷惑な話かもしれませんが。と、また同じ事を……。

>>125
最後、鈴本美由紀のセリフがあったのですが、フィクションとはいえ実在人物をベースにしている以上、それはないだろうという事でカットしました。最後に主人公がいた場所が関係します。

『○○ねる』の次があるとしたら、長崎ねるには明るくて元気な人の役を演じさせたいです。『てくねる』『りかねる』と二作、暗い人だったので……。
0129名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/09(日) 23:21:41.97ID:AvbvKgM/0
ブレーンワールド(その9)
食事時にストーカーの話はまずいと思ったのか、ねるが別の話題を振った。
「この間の質問タイムの先生のお話はちょっとぶっきらぼうな感じがしました」
「ああ、あのセンセ、超常現象なんかは疑似科学であるといつも切り捨てている。パラレルワールドなんて論外」
「パラレルワールドの存在は信じていらっしゃいません?」
「俺がどうかってこと?個人的には信じていないな。あったほうが面白いだろうし、地下室民の尊厳のためにはあったほうがいいだろうけど」
「チカシツミンってなに?」とウザ女が訊いた。
「この間、ねるさんがアイドルオーディションを受けたと知ってちょっと興味が出て、2ちゃんのアイドルのスレッドを覗いてみた。
そしたら、あるアイドルのスレッドにすごい罵詈雑言が書かれていて、その原因となる行動の動画もそこに貼られていた。
何かよっぽどのことをやらかしたんだろうと思って見てみたが、仲のいいアイドルどうしが戯れているだけ。
たしかに『もう歳だよ』とか、相手が言ったことを受けて流すということもあったが、微笑ましい光景にしか思えなかった。
ところが、地下室民は狂ったように糾弾を繰り返している」
「だからチカシツミンって、何?」
「ドストエフスキーの『地下室の手記』の主人公と同じように、恨み言や繰り言を重ねる連中のことを言う。ある評論家がそう名付けたんだけどね」
「何も悪いことしていないアイドルさんがなぜそんな酷い目に遭わないといけないでしょうね?」とねるの目に悲しみの色が浮かんだ。
「いろんな要因があると思う。人は自分が発した言葉に影響を受ける、承認欲求、屑どうしの連帯感、屈折した達成感などなど。
おそらく切っ掛けは自分でもどうでもいいと思っているようなことだったんだけど、たまたま悪口を書き込んで、その自分の言葉に影響を受けてしまう。
そいつと同レベルの知能の追随者が現れると自分が承認されたかのような恍惚感が生まれる。
そういうのを何人か呼び込んで、増幅され、共鳴してうなりがつくられる。
一度集まって団結力が出ると、絶対に許さないとなって苦情ユニオンをつくってしまい、ブログで謝罪しろなどと身勝手な要求を貫き通こうとする」
「かわいそうに」とねるはいっそう悲観した。
「ああそういうキチガイクレーマー集団に狙われたアイドルはホントかわいそうだよね」
「そのアイドルさんもですが、苦情を言う人たちが哀れでなりません。もし私が狙われたなら、その人たちを救うため喜んで謝罪します」
「ねるさん、・・・。あえて言うけどそれは間違っていると思う。
理不尽な苦情に屈すれば、苦情を持ち込むことが趣味のクレーマー集団に達成感を与え、
その恨みがましい魂に膿が分泌され、また新しいターゲット叩きが始まる。
さらに悪いことにその苦情を勝ち取ったということを素晴らしいと錯覚した地上民の一部を地下室民に転落させることになるかもしれない」(続く)
0130名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/09(日) 23:35:03.81ID:AvbvKgM/0
ブレーンワールド(その10)
「そうですね、その通りだと思います。私が間違っていました。
でも、パラレルワールドの存在がそういう人たちに尊厳を与えるというのはどういうことですか?」
「ねるさん、こういうこと考えたことない?あの時の人生の分岐点で別の選択肢を取っていたらといったような。
大小さまざまな選択の繰り返しで、いつの間に思っていた方向と大きく食い違っている所に来てしまったというような」
ねるの唇がピクっとかすかに動いたが、話を続けた。
「もしパラレルワールドが存在し、たとえ行き来できなくても、その様子が見られるとする。
この世界では惨めである自分だが、その分身が別世界では成功している。
また、この世界ではエスタブリッシュメントである者が別世界では零落している。
そうすれば自分と成功者の差異なんてただの偶然にすぎないというように尊厳を保つことができる」
「でもさ、いくら分身が成功していても、現実はビンボー人の生活苦だよね、そんなんで本当に尊厳なんて保てる?」
ウザ女にしては鋭いな。
「今の日本で餓死することのほうが難しいと思う。
それに連中にとっちゃ、訳の分からない高級料理とカップ麺やコンビニのおにぎりの味の区別はつかないさ。
豪華客船の世界一周よりも部屋に閉じこもってプレステ4をやるほうを好むだろうし。
生活面の充足感は問題ないんだから、あとはパラレルワールドを見てオナ(絶句)」
ウザ女がはニヤリとしたが、ねるはどうしたのというようにきょとんとした。
「あとはパラレルワールドを見て自己満足していればいい」
調子に乗りすぎたな。ねるが顔を赤らめないで済む言葉を慎重に選ばないと。
それ以前に、攻撃的でダークなことを言い過ぎた。ねるに軽蔑されていなければいいが。(続く)
0131名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ ff6c-jTKI)
垢版 |
2017/07/09(日) 23:50:47.69ID:AvbvKgM/0
ブレーンワールド(その11)
荒んだ雰囲気を変えようとしたのか、ねるはテレビを点けた。画面には鳥居坂46が映し出された。
あわててウザ女がチャンネルを変えようとしたが、ねるは止めた。
「もう大丈夫。今はあのときの私を俯瞰で見ることができる。自分は入りたかったんだったけ?という感じで、あのときの私はもう他人」
人の心の微妙なあやを読むことができない無神経なウザ女は鳥居坂を話題にし始めた。
「このセンターのコ、そんなに可愛いって思う」
これだけ席巻している鳥居坂を話題にしなければならない場にねるが出くわす機会は今後も多いだろう。
その度いちいち落ち込んでいたら、生活にも支障が出てくる。慣れてもらったほうがいい。そう思って、その話題に乗った。
「一般人としてならかなり可愛い、でも、この美少女集団の中で目立つかというとクエスチョンマークかな」
「そうなんだよね、このセンターの原田まゆってコ、そんなに可愛くないんだよね。なんでもアツツの鶴の一声で急に決定したんだって」
「アツツ?」
「知らない?鳥居坂をはじめとしていくつものアイドルグループのフィクサーをしている安本敦。
親んでいるのか軽んじているのかヲタからはアツツって呼ばれている」
「ああそれなら知っている。『握手御殿』と揶揄されている総額10億以上にもなる大邸宅を建てたとかいうのを聞いたことがある。
そういえば、その安本敦が関係するアイドルグループは毎週のように週刊誌にスキャンダルが載っていたのに、最近は全くないなあ」
「それはよく話題になる。不思議なことにちょうど鳥居坂がデビューした前後でそうなったんだよ。
そうそう思い出した、当初は中学二年生の女の子がセンターに決定していたという噂もあった」
「そのコの今のポジションは?」
「辞めちゃった。なんでも不動のセンターという確約をそのコにもその親にもして、逃げないように囲い込みしたんだけど、
確約したほうが約束破れば、そりゃー怒って辞めるよ。逸材だったらしいけど」
「なぜ、そんな逸材を辞めさせるような事態を招いてまで、その原田まゆをセンターにしたんだ?」
「知らないの?有名な話だよ」
そのとき、黙ってやり取りを聞いていたねるは持っていたグラスを手から滑らせ、その破片とコーラが床に広がった。
あわてて二人は掃除することになったので、再び原田まゆを話題にすることはなかった。(続く)
0132名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 00:21:32.59ID:aB1CqM20a
>>131
乙でありますm(__)m
0133イタコの理佐ちゃん9 第57話(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 00:25:03.79ID:aB1CqM20a
「そのダンボール箱って・・・もしかして?」
前を歩くWワタナベを見ながらもなちゃんが聞いてくる

「うん、軍人さんが許嫁に戦地から出してた手紙」
「持ってきたんすか?」
「なんとなく軍人さんに見せてやりたくてさ」

そんなこと話ながら軍人さんと初めて会った桜の木の下へ

ここで軍人さんと出会ったせいで理佐ちゃんが俺の記憶失っちゃったんだよな・・・

桜の木を見上げながら感慨に更ける俺

それから色々あってちょっとだけ俺の記憶が甦りそうになったけど・・・
結局未だに俺の記憶は失くしたままの理佐ちゃん

しかも、新聞やなんかで守護霊になる前の生前の俺の悪党人生を知っちまった理佐ちゃんが
ちょっと俺に距離を取り始めて冷たいのも切ない俺

「俺君!そっちじゃないよ」
理佐ちゃんが俺の見上げてる桜の木とは違う桜の木を指差してる

「みんな同じ桜だから分かんなくなっちゃうよ」って照れ笑いする俺

「俺君が観察力無いだけだよ」
ってやつぱり冷たい理佐ちゃんだけど好き
0134イタコの理佐ちゃん9 第58話(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 00:29:00.29ID:aB1CqM20a
理佐ちゃんの指差す桜の木の陰から軍人さんがこっちを覗いてる

「軍人さんどうしたんだろ?」
なかなか近づいてこない軍人さんに理佐ちゃんが不振がる

「やっぱりババアになっちゃってるからガッカリしちゃってんのかな?」
って梨加ちゃんのひいおばあちゃんを指差す俺

「ババアとか言ってんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「俺君連れてきてよ」
って理佐ちゃんに言われて軍人さんの元へ

「なにやってんすか?」
桜の木の陰に隠れる軍人さんに声をかける俺

「連れてくるなんて思わなかっから心のの準備が・・・」なんてモジモジしてる軍人さん

「心の準備って・・・もう70年以上準備してたんじゃないんですか?」
「分からん、自分でも何がなんだか分からん」って首を振る軍人さん

なんやこいつ?てめぇが連れてこいって言うから連れてきてんのに・・・

「ちょっと冷静になりましょうよ」って軍人さんを落ち着かせる俺

「よく見てくださいよ、相手もうババアですよ?緊張するほどのもんじゃないですよ」
「貴様!めくらか?どっからどう見てもあの頃のままの許嫁じゃないか!」
怒声と共に軍刀を引き抜く軍人さん

え〜っ!?こいつまさか梨加ちゃんとひいおばあちゃんを勘違いしてんのか?

「ちょっ、ちょっと危ないからそんなもの振り回さないで〜」って逃げる俺

「帝国軍人の刀の切れ味思いしれ」なんて叫びながら軍刀をふり下ろす軍人さん

ヤバい!と思った瞬間

理佐ちゃんが俺の前に飛び込んできそうだから好き
0135イタコの理佐ちゃん9 第59話(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 00:44:05.01ID:aB1CqM20a
「俺君!」
って叫びながら理佐ちゃんが俺を庇って軍人さんの前に立ち塞がる

「ねぇちゃんと見て!俺君の言う通りババアだよあんたの許嫁」
って梨加ちゃんの隣のひいおばあちゃんを指差す理佐ちゃん

「あのババアが私の許嫁?どう見ても隣の美人が許嫁に見えるんだが・・・」って呟く軍人さん

「図々しいこと言ってんじゃねーよ」って軍人さんにドス効かす理佐ちゃん

「軍人さん幽霊だから若いけど実際は凄いお爺ちゃんなの、そんなお爺ちゃんが若い女の子の方が許嫁に見えるとかキモいよ」

理佐ちゃんの飾らない言葉に冷静さを取り戻す軍人さん

「取り乱したようだ、すまない」
素直に理佐ちゃんに謝る軍人さん

「戦地で苦労したわりに短気が治っていませんね」
いつの間にかひいおばあちゃんが近づいて軍人の話しかける

「俺君に怪我させたら理佐ちゃんに何されるか分かりませんよ、聞いた話だと綺麗な顔してかなり乱暴なお嬢さんなんですから」
なんて笑いながら軍人さんと理佐ちゃんを見比べてる

「お久しぶりです」
改まって軍人さんに挨拶するひいおばあちゃん

いつの間にか姿が若い頃に戻ってる
軍人さんが間違うのも仕方ないかってぐらい梨加ちゃんそっくり

「約束を守れず申し訳ない」
そう言って頭を下げる軍人さん

涙を流しながらそんな軍人さんに首を横に振るひいおばあちゃん

「私の方こそ幸せな人生で貴方に申し訳ないって思ってたの」
「何を言ってるんだ、貴女が幸せな人生を歩んだのがせめてもの救いだったんだよ私には・・・」

俺のこと刀の錆にしようとしたくせしやがって浸ってんじゃねぇやって
軍人さんの手紙捨てちゃう俺

「捨ててんじゃねーよ」って止める理佐ちゃん

「ねぇ私が乱暴ってどういう意味」って俺を詰める理佐ちゃん

命がけで俺を庇ってくれた別人のように恐い理佐ちゃんに謝る俺

理佐ちゃんの機嫌が直る頃には軍人さんもひいおばあちゃんも姿が消えていた

「梨加ちゃんありがとう、お陰で軍人さん成仏出来たみたいだわ」
って梨加ちゃんお礼言う俺

理佐ちゃんから状況を説明されてもぽかーんとしている梨加ちゃん

「あっ、私ここで降ろして」
神保町の駅の前で車降りると言い出す理佐ちゃん

「えっ、一緒に梨加ちゃん送ってかないの?」
「ごめん、手紙さんと約束してたんだ」
って手紙男とデートの理佐ちゃんだけど好き
0136イタコの理佐ちゃん9 最終話(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 00:51:29.41ID:aB1CqM20a
「理佐ちゃん・・・軍人さんの桜の木覚えてましたね」
梨加ちゃんを送り届けた帰り道
突然もなちゃんが呟く

「俺君関係の記憶みんな無くなってたのに・・・」不思議そうに呟くもなちゃん
「理佐ちゃんの記憶戻ったのかな?」
「うーん、どうだろ?戻ってたらまたイチャイチャするから戻ってないのかなw」
って結局笑い出すもなちゃん

「それより理佐ちゃんと手紙さんどうなってんですかね?」
「さぁ正直知りたくもないんで全然分かんない」って守護霊失格な俺

もなちゃんを送り届けてヤクザの幹部をサウナに置いてくる
いつものルーティンをこなして理佐ちゃんの部屋に戻ってきた俺

どうせ理佐ちゃんは手紙男が茨城の実家に送り届けるだろうから心配あるまい

本当なら俺も茨城の実家に瞬間移動したいとこだが今日は理佐ちゃんに会いたくない気分だからとぼけちゃう俺

「ねぇ帰り遅くない?」
って理佐ちゃんが部屋で待ち構えていた

「実家に帰ったんじゃないの?」
「ううん、明日から仕事復帰するから」
「そうなんだ」

「俺君大丈夫?」
唐突に聞いてくる理佐ちゃん

「なにが・・・?」
「なんか元気ないからさ」
「そんなことないよ」って強がる俺

「ねぇヤキモチ妬いてんでしょ?」
って俺をからかう理佐ちゃん

「今日手紙さんと会ったのはデートじゃないからね、誤解しないでよ」
「えっ、デートじゃないの?」ってちょっと嬉しい俺

「やっぱり誤解してた」って笑う理佐ちゃん

「俺君のこと色々調べてもらってたの手紙さんに」
「俺のこと?」
「うん、私の知ってる俺君と新聞やニュースの俺君のギャップが謎すぎるからさ、それに私も記憶の空白埋めたいし」

やっぱり俺の記憶戻ってないのか・・・

でも今はそんなことより理佐ちゃんの俺への思いやりに感動する俺

「あとさ、今日から俺君は寝室出禁ね」
って突然言い出す理佐ちゃん

やっぱり冷たくなってるけど好き
0137反省の弁(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 01:01:34.39ID:aB1CqM20a
イタコの理佐ちゃん9は前スレの文字数制限の影響で意図してたのと全く違った話になってしまいました
1話1話刻んだ結果グダグダな展開になってしまい非常に不本意な終わり方に後悔です(泣)

もっと梨加ちゃんの場面あったはずなのに名前だけ使ったみたいになってしまって
梨加ちゃん推しの方に申し訳ない気持ちでいっぱいですm(__)m
0138名無しって、書けない?(広西チワン族自治区) (ガラプー KK4f-nkaJ)
垢版 |
2017/07/10(月) 15:48:54.56ID:oyE/5g8dK
>>137
大丈夫やで。大丈夫やで。
また1から書き直してもええんやで。←悪魔の囁き
0139名無しって、書けない?(茸) (スフッ Sdbf-3CgV)
垢版 |
2017/07/10(月) 16:02:26.98ID:zZaPM3gSd
>>137
>>138
そうですそうです。また一から書きはじめたっていいんです。

それか、アレやってくださいよ。
バッドエンド回避のために何回も時をループするやつ。
0140名無しって、書けない?(愛知県) (ワッチョイW f7d8-Wxq/)
垢版 |
2017/07/10(月) 20:12:00.52ID:+A437lTQ0
>>139
題材的には僕だけがいない街みたいなやつですよね。
ああいうの、書いてくれたら面白そうですよね
0141名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/10(月) 20:56:21.36ID:9XEnQ7VP0
>>139
俺もそういうの見たい
0142名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/10(月) 21:05:47.43ID:9XEnQ7VP0
『べーかりーぺー』

ある日のこと、確かフランスパンの生地の発酵が終わって、これからその生地を伸ばそうとしていたときだったと思う。
ひとりの女の子が店に入ってきた。
その日は大雨のせいで、客足が遠のいていたから、パンがまだ売れ残っていた。
彼女は店に入るなり濡れた長い髪をタオルで拭い、横にあるトングに見向きもせず突っ立っていた。
キョロキョロと周りを見回し始めたので、何か目当てのパンでも探しているのかと思ったが、視線がちょうど私のところで止まった。

「いらっしゃいませ〜」
私は生地を片手に言った。その時は彼女がただのお客さんだと思っていたので、再び生地を捏ね始めた。
3回ほど生地をプレスしたところでまた顔を上げると、彼女はこっちを見ていた。
私と目が合うと、彼女は何か言いたげに口を少し開けた。
「あの‥何かお探しですか?」私は聞いた。
彼女は黙って首を振った。そしてギュッと両手を握って、ようやく口を開いた。
「あの、アルバイトの募集ってしてますか?」
「ああ、アルバイトですか。座って」

私の店は開店して半年の個人経営であるため、アルバイト制度はとっていないはずだった。
ところが、なぜか彼女を目の前にして、「今、立ち去ってほしくない」という衝動にかられたのだ。
彼女の動きには何か特別なものがあった。
上手く説明できないが、言動、仕草、雰囲気が何となく異様で、何かが特別だった。
そして、彼女と私の間に何かしらのシンパシーを感じた。

私は彼女を厨房の隅のテーブルに案内し、メロンパンとフランスパンを皿にのせて、紅茶と一緒に彼女に差し出した。
「実を言うとね、アルバイトは募集していなくてね。見ての通り、この規模でほそぼそとやっているから。」
「そうですか‥」
「でもせっかく来てくれたんだ、せめて志望動機だけでも知りたいな。何でまたこんな小さな店に?」
「このパンが好きだからです」
彼女は笑顔で目の前のパンを指差した。
私は嬉しかった。
フランスパンというのは、小麦粉、水、塩、イーストだけの単純なつくりだが、奥が深い。だからフランスパンを褒められれば、パン屋としてこれほど嬉しいことはない。

「なるほど。まあ、食べて」
「いただきます」
彼女は小さい声でそう言うと、メロンパンの方を手に取った。
どうやら、先ほど彼女が指差したのはフランスパンではなくメロンパンの方だったらしい。
「メロンパンが好きなの?」
「はい!」
これまでの小さな声は何だったんだというくらいの、大きな返事が帰ってきた。
そして、その輝いた瞳を見た時、彼女がとんでもない美人であることに気がついた。
途端に彼女の一挙手一投足が愛おしく見えた。メロンパンを食べる仕草はとてもかわいいし、紅茶を飲む所作はある程度の品格が伴っている。
やはり、私に似ている。
彼女はメロンパンを食べ終わると、財布から小銭を取り出し私に差し出した。

「いいよ。これはプレゼント」
「ホントですか!ありがとうございます。じゃ、そろそろ‥」
「待って。名前は?」
「みなみです」

これは、わたし「べーかりーぺー」店長渡辺梨加と、とある少女みなみちゃんとの、ちょっとした出会いのエピソード。
0143名無しって、書けない?(愛知県) (ワッチョイW f7d8-Wxq/)
垢版 |
2017/07/10(月) 21:34:11.06ID:+A437lTQ0
尾関梨香×平手友梨奈
愛のないエロが含まれておりますので閲覧割とマジで注意です。



また、今日もだ。
今日も、てちこに呼ばれる。
『今から体育館倉庫に来て。』
私は今までなにか勘違いをしていた。
彼女は、てちこは、心の闇がないと思っていたんだ。
でも、彼女と深い奥底まで関わっていると、脆くて、すぐ壊れそうだけど、怖い、闇があったのだ。
そんなことを考えているうちに体育館についた。
「てちこ??」

「尾関、遅い。」

「ごめんね。ちょっと用事があって。」

「そっか。じゃあ__脱いで?」
毎回、この言葉に私はためらいを感じる。もう、慣れたはずなのに。


とりあえず寝るのでまた明日か金曜日に。
0144名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 21:58:22.03ID:MZZsrKtFa
>>138
確かに悪魔の囁きだ〜w

>>139
>>140
>>141
タイムリープ使えばイタコの理佐ちゃんをハッピーエンドに出来そうですねw

次で試してみます
0145名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/10(月) 22:55:28.62ID:9XEnQ7VP0
『高2の軍曹』 第27話

紺色のワンピースが笑顔で迫ってきた。
不器用なスキップと髪をとめる大きなリボンがカンガルーを連想させた。
僕は身構えた。
万が一、前蹴りでもかまされて、後ろにある噴水にでも落とされたら、その時点で楽しいお買い物も終了だ。
ワンピースから伸びる足は次第に速度を上げ始め、今度は彼女自信が噴水に突っ込むのではないかと心配になった。

「買ってきたよー!どっちがいい?」
茜ちゃんは、噴水の向こう側の人が振り返るほどの大声でそう言った。
右手にいちごクレープ、左手にバナナクレープを持ち、目線はいちごを捉えている。
「どっちでもいいよ」
僕がそう言うと、茜ちゃんはバナナクレープを差し出した。
数時間、振り回された挙句、買ったのはこのクレープ二つだけ。
このままでは、電車賃のほうが高くつき、何のために遠出をしたのかわからない。

「こんなことして、楽しい?」
バナナクレープをじっと眺めて、僕は聞いた。
「私は楽しいよ」
お手本のように鼻先にクリームをつけた茜ちゃんが答えた。
「鼻についてるよ」
「とってよ」
僕は薬指で茜ちゃんの鼻先を軽くこすり、「ほら」と言って茜ちゃんの前に差し出した。
すると、茜ちゃんがその僕の指を舐めた。そして、僕に向かって照れ隠しのビンタをした。
理不尽にも程がある。

それだけのお話。
0146名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 23:12:34.02ID:MZZsrKtFa
>>145
理不尽過ぎるやろ〜w

>>143
ドキドキしてたらまさかの肩透かしワロタwww

>>142
最後までぺーちゃんがお客さんだと思ってました
0147欅学園の理佐ちゃん(パラレル編9)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/10(月) 23:34:57.72ID:MZZsrKtFa
「入学した時からずっと好きだったから・・・俺君のこと」

そんなこと言う理佐ちゃんと手を繋いだままドキドキが止まらない俺

「クラスに男が俺しか居ないからかな?」
なんて訳の分かんないこと言っちゃうほど恋のドキドキに支配されてる俺

「違うよ、俺君だから好きになったんだよ」
俺の目を真っ直ぐ見て言う理佐ちゃんにますますドキドキが止まらない俺

胸の高鳴りが理佐ちゃんへの恋心を募らせて思わず繋いだ手に力が入る俺

「痛いんだけど・・・」
なんて困りながらも繋いだ手を振りほどこうとしない優しい理佐ちゃん

「ごめん」慌てて理佐ちゃんのその手を離そうとする俺

「離さないでよ」って唇を尖らせて拗ねる理佐ちゃん

「あっ、ごめん」って再び謝る俺に

「何回謝ってんのよ」
って苦笑いしながら俺の手を握り直す理佐ちゃん

理佐ちゃんの手から伝わってくる柔らかい温もり
ヤバいぐらいに理佐ちゃんを好きになってくのが分かる

手を繋いで歩くだけでこんなに幸せにしてくれる理佐ちゃんは
どうしようもない俺に降りてきた天使なのかもしんない

なんて思わず理佐ちゃんの手をギュッて握っちゃう俺に

「汗ばんでんじゃねーよ」
って可愛く笑いながら俺の手を握り返してくれそうだから好き
0148名無しって、書けない?(空) (ブーイモ MMfb-aO8v)
垢版 |
2017/07/10(月) 23:57:28.89ID:X5/aIWOEM
『Step outside, summertime's in bloom』

海と部屋とを隔てる明障子が白み始めた。星辰が皓々と瞬く紺色の帳はいよいよ西の空に引き摺られつつあるようだ。
薄暗い室内に目をやると、幾人かの学友とともに齋藤が幸せそうな顔で眠っていた。
俺はその顔がよく見えるように、その障子戸を少し開けて早晨の柔らかい光を注ぎ込んだ。
陰影を得た彼女の生き生きとした寝顔が、磁器のように白い頬が、静かに聳やぐ鼻梁が、しかし、俺に予期せぬ悔恨の念を与えた。
ああ、どうして俺はこんな単純な思いをさえ伝えることができなかったんだろうか。

大学最後のこのゼミ合宿に俺は懸けてきた。海沿いの最高のロケーションは教授を説き伏せることで何とか実現した。
夜の浜辺での花火を企画したのも俺だ。ここでロマンティックな雰囲気を演出して一気に事を運ぶ手配も整えた。
準備は万端、シミュレーションは何度も、あらゆる場合に分けて綿密に行って完璧に仕上げた。
人事は尽くしたと思っていた。だが、最後の一手、ほんの少しの、大いなる勇敢さだけを持ち合わせていなかった。

その後の宿での自棄酒にも関わらず、絶望は俺を睡下に留めようとしなかった。
窪んだ眼窩の裡に不快な苦痛を覚えながらぼんやりと外の海を眺めた。
東の波に未だ沈んでいる旭光に赤らめた空では、明星が過ぎゆく時から逃げるように忙(せわ)しく輝いていた。
星の声が聞こえてくる。「日出までまだ時間はある!そのときまでは輝くことを許してくれ!」
何だか不意に夏の黎明を抱きしめたくなった俺は、ホテルから抜け出して海沿いを散歩した。

つづく
0149名無しって、書けない?(空) (ブーイモ MMfb-aO8v)
垢版 |
2017/07/10(月) 23:58:07.96ID:X5/aIWOEM
つづき

浜辺は夏の予感に満ちていた。蒸しているのに涼しい。だが、その紗の向こう側では、ほどなくやって来るであろう喧騒の影が嬉しそうに小躍りしている。
かつては大好きだったこの感覚が、なんだか今は急に余所々々しく感じられた。
波が砂を撫でる音が静かに響いていた。その伴奏の上を走っているらしい足音が背後から近づいてきた。
振り向くと齋藤が、そこにいた。駆けてきたからか少し汗ばんだ額をハンドタオルで拭っていた。
「散歩?出て行くのが見えたから、、、。一緒に歩いていい?」
「もちろん。いいよ」
突然の僥倖に心ときめいたが、しかし、何故だかそれ以上言葉を発することができなかった。
いや、あるいは彼女が俺に自覚させる惨めさがそうさせたのかもしれない。

しばらく歩いた。日出はとうに過ぎた。朝焼けが凪の海にそのまま映っていた。横から射し込む光に彩られた齋藤は、いつにも増して魅力的だった。
そのとき、左手に何か温かいものが触れた。彼女の手らしかった。俺は黙ってその手を握った。

相当歩いた。凪の時間は終わって、波が再び砂を削り始めた。
俺たちは手をつないだまま無言でホテルとは反対側の浜まで歩いてきた。
「・・・そろそろ戻ろうか」
俺が切り出すと、それを言い終えるか終えないうちに齋藤はつないだ手を解いて二十歩程駆けた。
そして、少しむっとした顔でこちらを振り向いた。いや、ひょっとすると照れていたのかもしれない。
そんな顔で振り返らないでくれ!何かに急き立てられるように、俺は意を決して、昨日言えなかった言葉を叫んだ。
しかし、俺の小さな心臓は十分な声量を与えてくれなかった。
浜のすぐ背後まで迫った林からどよめす蝉の声がすべてをかき消した。
彼女は一緒きょとんとしたが、少しして笑い始めた。
これでよかったのかもしれない。
沖ではケープサイズのバルカーが黒い煙を吐きながら商港を目指して波を切っていた。

おわり
0150『るねねる』1(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/11(火) 01:43:34.51ID:cuzhWmju0
私は長崎ねる。今、就職面接に向かっている最中だ。
今日、私が受けるのは芸能関係の会社。

実は私は就職活動の序盤、本命だった大手商社の役員面接で落ちてしまったのだ……。
偉いおじさまたちの質問に緊張していたらダメになってしまったのだ。
大学まで勉強一筋で来たため、彼氏すらいた事がない。恥ずかしながら告白すると……男性がちょっと怖いのだ……。

その後、何十社も受けていいところまでいくも最終的にダメ。

結局、就職先が決まらないまま、大学卒業になってしまった。
完全に負けタヌキだ……どうしよう……。

『Zelkova』(ゼルコバ)
比較的新しい会社だが、モデルやアイドルのプロデュースを手掛ける会社だ。扱っているのは女性のみ。
私は、なんでもやるつもりでこの会社を受ける事にした。この会社はスタッフも全員女性だ。志望動機としてはそこも大きい。
大学の受講内容とは別に勉強をしたのでネットコンテンツ作成もある程度は大丈夫だ。

「すつれいします!」
私は緊張のあまり、失礼しますをかんでしまった……。
クスリとも笑わない20代後半くらいの女性二人に着席をうながされた。

「社長の菅井由香(すがいゆか)です……」
わぁ……美人……かぐや姫みたいな人だ……。
「副社長の森谷茜(もりたにあかね)です」
こっちも美人……モデルさんみたい……。

「長崎ねるです! よく、珍しい名前と言われます。ねるの“ねる”は眠るの“寝る”ではなく……」
「……それは、そこまでで結構」
森谷さんが私の言葉を遮った。
「ねるさん……いいお名前ですね……」
菅井さんが微笑んで言った。
「仕事と関係のある事を話してもらえるかな? まあ、あなたが珍名だという事で、営業トークのきっかけ程度にはなるかもしれないけど」
森谷さんが右手に持ったボールペンを振りながら言った。
一刀両断だ……。
「うちが、なぜ女性だけで構成されているかご存知?」
菅井さんのほうから質問してきた。
「あの……女性ならではの感性を活かして……」
私が答えていると、森谷さんがバインダーを置いて言った。
「男性の感性も取り入れた方がいいよね……当然……」
「…………」
私は黙ってしまった。
続けて森谷さんは私の履歴書に目を落とした……。
「長崎さん、高校・大学とすごいところに通ってたんだね。この履歴書をおでこに貼って面接に回ったら?」
うわぁ……これ、すごい圧迫面接……。
その後の私は、言う事答える事、ボロボロだった……。

帰りの足取りは重かった……。夜の電車の窓にしょぼくれたタヌキが映ってる……。
0151『るねねる』2(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/11(火) 01:45:03.52ID:cuzhWmju0
「お姉ちゃん、面接どうだった?」
妹の蒼(あおい)が言った。蒼は小学校4年生。私とはちょっと年齢が離れている。
「……蒼、今それ聞かないでくれる!?」
私がちょっとイラッとして言った。
「べぇー、落ちちゃえ!」
むぅーっ、生意気なやつ。
落ちちゃえじゃなくて、落ちるの確定なんだけどね……。

私はその晩、友人の渡辺里紗(わたなべりさ)に長いメールを送った。
返事が届いた。
「グチこぼしてんじゃねーよ」
むーっ、他に書く事ないのかこいつは!? 里紗のメールはいつも超短文だ。

一週間後……。
私が履歴書を書いていると、郵便が届いた。

『Zelkova』からだ……。
いいよ……もう、いいよ……。負けタヌキの私は封を開けた。
「選考結果のご連絡」
ああ……はいはい。

「……採用する事に決定いたしましたので……」
ええええーっ!?

私は別の友人の神村莉菜(かみむらりな)をファミレスに呼びだした。
「不思議なんだよ……面接は散々だったんだよ?」
「ネガティブさんキター」
莉菜は私を指さした。
「それは、きっとねるの未知の可能性が認められたんだよ」
莉菜はパスタを食べながら言った。
そうなのかなぁ……? あの面接の中に何か秘密でもあったんだろうか?

……………………
数日後。
私は駅を出て『Zelkova』に向かって歩いていた。

まず、試用期間は雑用からだな。がんばろう!
私はいろいろな事を考えた。鼻歌を歌いながら歩いていたら、変な歩き方になってしまった。

ウキウキ気分で出社すると、菅井さんが言った。
「長崎さん、あなたにお話があります……」
なんでしょう???

「実は、今度……新しいアイドルを売り出す事になりました。名前は“長崎ねる”」
えっ、言われてる事の意味がよくわからないんですけど……?

「“よんほんけやき”という4人組のメンバーでリーダー……」
どえええええええええええええええええええええええええええええ!?

「あたす、22歳なんすけど!」
思わず、変な言葉になってしまった。

「そのくらいの年齢のアイドルはいるよ。でも、まぁ……あなたじゃないんだけど……」
森谷さんがさらにわけのわからない事を言った。
「ああ、あなたが面接で言った事、再確認したいんだけど……」
森谷さんが聞いてきた。
「何の事デスカ?」
「『なんでもやる気でいます……いえ、なんでもやらせてください! がんばります!』ってやつ」
0153『るねねる』3(チベット自治区) (ワッチョイ 7f76-OACE)
垢版 |
2017/07/11(火) 01:50:19.59ID:cuzhWmju0
ノックの音の後、一人の女の子が入ってきた。
16歳…17歳くらい……かな? セミロングヘアでたれ目っぽい顔立ち、おっ、タヌキ顔仲間!
「相沢ひめのです……」

えっ? そんな名前のアイドルいなかったっけ? たしか、桜沢ひめの……。

「この子、名前がかぶってるんだよね……」
森谷さんが髪の毛の先を指に巻きつけながら言った。

「だから、あなたの名前を借りる事にしたの……“長崎ねる”」
菅井さんは微笑んで言った。
「あなたは彼女たちのマネージャーを務めてください……見習いですけど……」

森谷さんが言葉の後を引き継いだ。
「だから、あなたのビジネスネーム、考えておいて」
げえええええええええええええええええええええええええええええ!?

森谷さんが私の顔のすぐ前に顔を寄せて言った。
「それと……マネージャーなんだから、いろんな人に会うし……」
はぁ……。
「男性恐怖症、治してね……」
うぇえええ! いつ見抜いた!


<今後の展開・ダイジェスト>

・平手友也という男性と出会い、土田広海(長崎ねる)、初めて恋をする。
・メンバー急病により、よんほんけやきのステージに支障が生じ、謝るためにステージに出ていた土田広海、何かする事になる。
・歌を歌い、その下手さがかえって受ける。

・視聴率がふるわず、この“漫画原作のドラマ”は8話に短縮され、実質打ち切りになる。


『るねねる』(完)
0155名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイWW b757-Yl52)
垢版 |
2017/07/11(火) 08:14:33.99ID:xyaS6fr30
>>148
>>149
オアシスですね。解釈が凄い上手いです
サリーちゃんが待っていたように、ふーちゃんも待っていてくれたのかな
ノエルの詞は抽象的で情景が思い浮かばないはずなんですけど、
あのメロディーラインが人の心を動かすんでしょうね

全く余談ですが、アルバム曲がQUEEN、ジャミロクワイを意識していて、
私としては嬉しい限りです

>>146
また、下手な叙述トリックですw
0156名無しって、書けない?(愛知県) (ワッチョイW f7d8-Wxq/)
垢版 |
2017/07/11(火) 17:28:21.20ID:eQ6x0XgC0
>>143
の続きです。
「尾関、遅い。」

「あ、えっと……ごめん」

「もういいよ。脱がすから。」

シュルル。プチ、プチ、パサリ
リボンを取られてボタンを外されて、スカートを脱がされた。
私はいま、下着だけの姿になったのだ。
「ねぇ、いい?」

「うん。」

「口、開けて。」

「あー。」

そうやって口を開けていると彼女は深いキスを落としてきた。
「ちゅる……ん……」

ギュッ…キュ…

「…っ!んぁ……や、…」

首を絞める。
限界になって肩を叩いても彼女はやめない。
「…っ!!」ドンッ…

苦しくて、思わず肩を弾いた。
彼女は黒い笑いを浮かべた。
0157名無しって、書けない?(愛知県) (ワッチョイW f7d8-Wxq/)
垢版 |
2017/07/11(火) 17:29:02.42ID:eQ6x0XgC0
「…本当は、好きなんでしょ?尾関。」

「なわけっ……」

彼女は私の秘部に手を入れ、こう言った。
「じゃあ、なんで濡れてるの?」

「っ…。」

「ねぇ、痛くしていい?」

「…」
私は答えなかった。
NOと言っても、彼女は痛くするから。結果がわかっていたから。

「いいっていう事ね。じゃあ、いれるよ…♡」

ズプッ……グチュリ

「いだっ、…いだい。やめで……てちお……」

痛すぎて、呂律が回らなかった。
頭が、チカチカする。
こんなの、初めてだ。

「ふふっ……尾関、可愛いね。もっと虐めたくなっちゃうよ……?」
グチュリ、グチュリ。

痛いのに。痛いはずなのに、身体は、反応してしまう。

「てか、尾関、処女だったんだぁ……。ふふっ、捧げてくれて、ありがとう。尾関。」

「いやっ…やめてっやめで……なんか、くる…頭、カチカチするの…やめてよっ、てち……」

「イっていいよ?」グチュッ

「いやぁ……っ……」

「ふふ、イケたね。よく頑張りました。」チュ

私は、彼女が最後に落とすキスだけが、好きだった。いや、これからも好きなんだ。唯一、彼女は優しくなるのだから。
それだけのために、私はてちこに何もかもを捧げるんだ。
だって。てちこのことが___。

END


ごめんなさい適当でした。
0158名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/11(火) 19:48:57.07ID:z6i9SkbMa
>>148
>>149
お久しぶりでありますm(__)m

>>154
乙ですm(__)m

>>155
ギャラガー兄弟のクズっぷりが好き

やっぱり叙述トリックに騙されてたのかぁ・・・

>>157
まだ夕方なのに何書いてんすかwww
0159名無しって、書けない?(茸) (スフッ Sdbf-3CgV)
垢版 |
2017/07/11(火) 20:56:04.67ID:9SVLQ6h1d
>>142
ちょっと、夢のコラボなんですけど。
0160名無しって、書けない?(茸) (スフッ Sdbf-3CgV)
垢版 |
2017/07/11(火) 21:07:13.30ID:9SVLQ6h1d
気づかぬうちにスレがすごく盛り上がってた。
各人の個性のぶつかり合い。
0161名無しって、書けない?(大阪府) (ワッチョイ b757-zXdO)
垢版 |
2017/07/11(火) 21:12:20.15ID:xyaS6fr30
>>157
予告編から壮大な物語を想像していましたが、
ホント夕方から何書いてるんですかww

>>159
パン好き以外にも、色々似ていますからね
みなみちゃんもいつの間にか大人になったなぁ
0162欅学園の理佐ちゃん(パラレル編10)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/11(火) 22:23:45.20ID:xtjYD1nMa
「ほら、早く行くよ」
握り返してきた理佐ちゃんの手のひらに感動する俺を引っ張り歩き出す理佐ちゃん

「早くしないと花火始まっちゃうじゃん」って焦る理佐ちゃん

「花火?」
「うん、七夕の次の日がうちの町内会の花火大会なんだよね」
俺の問いかけに答える理佐ちゃん

「それで理佐ん家に誘ってくれたんだ」
「うん、私の部屋からだと良く見えるから」

理佐ちゃんと花火を見れるなんて素晴らしい夏じゃないか!
って盛り上がる俺

「ねぇ、いちいち立ち止まらないで」
って盛り上がる俺に文句言う理佐ちゃん

「ごめん、理佐と花火見れるなんて嬉し過ぎて立ち尽くしちゃった」
なんて照れ隠しに大げさな俺

「ねぇ本当に嬉しい?」
目をキラキラさせて聞いてくる理佐ちゃん
「うん、嬉しいに決まってんじゃん」って即答の俺に

「勇気出して誘って良かった」
なんて健気なこと言ってくれる理佐ちゃん

「おっ、珍しく健気だね」って笑う俺に

「珍しくとか言ってんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「ごめんね、珍しく健気な理佐に戸惑っちゃった」って言い訳する俺

「健気になったぐらいで戸惑わないでよ」って苦笑いする理佐ちゃん

それでも戸惑ってる俺に

「私は凄く好きな人には健気になっちゃうんだから・・・早く慣れてよ」
なんて照れながら言いそうだから好き
0163欅学園の理佐ちゃん(パラレル編11)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/11(火) 22:25:23.34ID:xtjYD1nMa
「照れさせてんじゃねーよ」
って自分で勝手に凄く好きな人とか言って照れてるくせにドス効かす理佐ちゃん

「あれ?誰も居ない・・・」
玄関の前で戸惑う理佐ちゃん

「どうした?」って理佐ちゃんに声かける俺

スマホを覗きこむ理佐ちゃん

「お母さんとお父さん町内会の手伝いだって」
ってスマホの画面を俺に見せる理佐ちゃん

俺とイチャイチャするのに夢中でお母さんからのLINEに気づかなかった理佐ちゃん

「理佐と二人で花火か・・・」思わず呟く俺

「ねぇ顔がえっちぃんだけど・・・」
理佐ちゃんが警戒心丸出しの視線を俺に向けてくる

「失礼だな、えっちぃってどんな顔だよ」って切り返す俺

「変なこと考えてない?」
ってそんな俺を無視して聞いてくる理佐ちゃん

聞いてくる時に小首傾げる仕草する理佐ちゃんに堪らなくなった俺

「理佐、好きだよ」って抱き締める俺

「親が留守だって知った途端に迫らないでよ」
って俺を突き飛ばす理佐ちゃん

「なんか怖いから家に入れない」
なんて殺生なこと言い出す理佐ちゃん

「ごめんなさい、絶対に変なことしません」って謝る俺

「ねぇ本当に変なことしない?」って聞いてくる理佐ちゃん

「しません、花火見たいだけ」って邪心が無いことをアピールする俺

「本当に?」ってちょっと安心したみたいな理佐ちゃん

「うん、でも花火見たらキスぐらいしたくなるかも・・・夏だから」
ってちょっとだけ可能性を残して置きたい俺に

また変なこと言ってる!って怒るかと思いきや

「まぁ・・・キスぐらいは・・・私も・・・」なんて真っ赤な顔でモジモジする理佐ちゃん

理佐ちゃんの言う変なこと・・・

まったく無しでもないみたいだから好き
0164欅学園の理佐ちゃん(パラレル編12)(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/11(火) 22:26:57.10ID:xtjYD1nMa
「理佐、隣の窓から子供がこっち見てる」
モジモジしてる理佐ちゃんに声かける俺

「えっ!?」ってやっと正気に戻る理佐ちゃん

慌てて玄関の鍵を開けて家の中に俺を招き入れる理佐ちゃん

「お邪魔しま〜す」ってついに理佐ちゃん家に初上陸の俺

「もう!俺君のせいで隣の子にモジモジしてるの見られちゃったじゃん」
って理不尽に怒る理佐ちゃん

「でも真っ赤な顔でモジモジする理佐可愛いかったから大丈夫だよ」
って適当なこと言って慰める俺

「適当なこと言ってんじゃねーよ」ってドス効かせながら
玄関に脱ぎ散らかした俺の靴をちゃんと揃えてくれる理佐ちゃん

「俺君にスイーツ作ったんだ」
って俺を自分の部屋に残してキッチンに消えてく理佐ちゃん

めちゃくちゃ理想の嫁だなぁ理佐ちゃんは・・・

そんなこと思いながら理佐ちゃんの部屋を物色する超健康的男子な俺

おっ!理佐ちゃん七夕だからって笹の葉に短冊なんて飾ってんのか?
見た目は大人っぽくて綺麗なお姉さんだけど中身はまだまだ高1だな
なんてちょっと安心する俺

「ねぇ何やってんの?」って手作りスイーツ持って戻ってくる理佐ちゃん

「あっ!?見ちゃダメだよ!」って叫ぶ理佐ちゃん

「えっ!?」って理佐ちゃんの叫びに反応しながら短冊見る俺

『2学期も俺君と席が隣になりますように』
なんて控え目な願い事を書いてる理佐ちゃん

「なに願ってんだよ理佐w」って笑っちゃう俺

「笑ってんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「ねぇ席替えで俺君と席が離れるの絶対に嫌なんだけど・・・」
なんて泣きそうな顔で言ってくれそうだから好き
0165名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ b76c-jTKI)
垢版 |
2017/07/11(火) 22:57:40.99ID:ytCv2CTp0
ブレーンワールド(その12) 
「明日、日曜か。朝食のための食材を買ってくる」と言って、ウザ女が出ていった。
ドアが閉まるのを確認して、ねるが口を開いた。
「大切なお話をしたいんですが」
二人切りになったときに大切な話?と俺の胸は期待で高鳴った。
「ブレーンワールドとパラレルワールドがの関係なんですが・・・」
ああ、なるほど、ウザ女が話しの輪に入れないことを気遣ってこの状況を見計らかって質問しようとしたのか。
「三次元空間の中に二次元空間が浮かんでいるという比喩的な見方で言えば、
上下に離れた二次元平面、つまり、ブレーンがお互いにパラレルワールドになるという理解でよろしいのですか?」
そういえばそういったことの説明はなかった。自分で考えて答えだしたんだな。やっぱりこのコは賢いな。
「うん、その通り。付け加えて言えば、その二次元平面上に二次元人が住んでいるとする。
その平面上にあるなら100億光年先でも望遠鏡を使えば、二次元人は見ることができる。
ところが、2つの平面間の上下の距離が1ミリメートルでも、行き来することはおろかその存在さえわからない。
なぜなら、上下方向の認識ができないから」
「それと同じように、第4、第5、・・・、の空間次元方向にたった1ミリメートル離れていても、三次元空間に住む私たちは別の三次元空間を認識できないというわけですね。不思議〜」
ねるの可愛らしさに押し倒したいという衝動が起こったが、悟られないように話した。
「実は重力だけがその壁を超えることができるかもしれないと言われている。もともと超弦理論が生まれたのは、他の3つの力に比べ、重力は極端に弱く、その理由付けするためだと言われている」
「他の3つの力というと、強い力、弱い力、電磁気力ですね」
「で、とても難しい話になるけど簡単に言うと、他の3つの力は一つのブレーン上で固定されているからそれなりに大きい。
ところが重力は一つの場所に固定されず動き回るから極端に小さくなってしまう」
ブレーンワールド(その
「なるほど、その動き回るというのがあるブレーンから別のブレーンへということなんですね。
あ!もしかして、重力はおよぼすが目に見えないというダークマターの正体は異次元のブレーンにある物体ですか?」
「そういう説を唱える一流の科学者がアメリカにはいるみたいだね。
でも、あくまで一つの説。それも有力ならざる説といったところかな」(続く)
0166名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ b76c-jTKI)
垢版 |
2017/07/11(火) 23:17:54.13ID:ytCv2CTp0
ブレーンワールド(その13)
ウザ女が戻ったら、自然とストーカーの件を話し合うことになった。
「本当にあの男の人たちには身に覚えがないんです」と心配そうにねるは語った。
「では、池袋での二人の女性とサッカー場で見た女の子というのは?」
「それも身に覚えがないんです、池袋のお二人は見てはいませんが、身の覚えがないというのはおそらく同じだと思います」
その後、「ただ・・・」と言って、急に黙り込んでしまった。
「ただ?」
「ある意味、あの男の人たちよりも怖いんです。なにか得体のしれない不安がおそってくるんです」
「耳を押さえていたけど、何か聞こえたの?」
「なにか人の声のような気がするんですが、うなるような感じで、はっきりとした音声にはなっていませんでした。
鼓膜を通して聞こえるというよりは、直接、頭の中で響くといった感じで・・・」
「なんの手がかりもなしか。もう一つ教えて。あなたが鳥居坂の最終オーディションを受けなかったのはなぜ?」
「そんなこと関係ないでしょ!」とウザ女が怒鳴った。
関係ないだろうなとは俺も思った。ねるが秘密を打ち明けてくれれば、俺との距離が縮まるだろうという打算からだった。
「聞いてみないと関係ないかあるかはわからない」と強弁した。
「あの日、お母さんから電話がかかってきました。羽田空港にいるから急いで来るようにと。
お父さんもお母さんも私は大好きですし、尊敬もしています。だから、お母さんが言うことには何の疑いも持たず従順に従ってきました。
どういう要件かは想像がついたので、空港に着くまでは針のむしろを歩くようでした。
逆らえないな、命令通りに長崎に帰ることになるんだろうなと諦めていました。
対面したら。優しくもきつい口調でオーディションを受けるのをやはり禁じられました。
ところが、私自身にも意外だったことに、激しく抵抗してしまいました。
『お母さん、今まで一度も逆らったことはないじゃない。今後もそうします。だけど、今回だけは一生に一度のわがままを聞いてください』と泣き叫びました。
アイドルになりたいという強い夢があったのは自覚していたけど、そう思っていた以上に果てしなく強い気持ちだと悟りました。
そんな私の態度に驚いて、お、お、お母さんは・・・」とねるは嗚咽した。
「ねるのお母さんはそれ以来、ときどき目覚めるけど昏睡状態が続いて・・・」とウザ女がささやいた。
「じゃあ、アイドルになるという夢は?」とウザ女に耳打ちしたが、ねるにも聞こえた。
「持てるわけないでしょ!」とねるは叫んだ。
出ていくようにとウザ女は視線をドアに向けた。俺は出ていった。
0167名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ b76c-jTKI)
垢版 |
2017/07/11(火) 23:52:44.18ID:ytCv2CTp0
ブレーンワールド(その14)
ねるとの仲は自然と深まっていった。この日も映画を観るという約束をした。
銀座のシネコンの前での待ち合わせ場所にねるはすでに到着していて、上空を眺めていた。
その視線の先を見ると、上昇気流を捕まえて鳶が空高く回っている。
俺の姿を見つけると、「映画より海行きません?」と言ってきた。

お台場の人口砂浜に二人で直に腰を下ろしてから聞いた。
「ねえ、突然、海を見たいと言い出したのは、トンビが関係しているのかな?」
「トンビは私にとって異界からの使者なんです。あの甲高くピーッヒョローと鳴く声も好き」
「異界からの使者?」
「私は長崎県の五島列島の中にある小さな島で生まれました。
それについては言えば、生まれたいと私が思う場所で私は生まれたという単純な感想があるだけです」
ねるは砂浜をキャンバスにし、上下に二つの島を描いた。
通常の地図通り、上が北で、下が南となっていた。 (続く)
0168名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ b76c-jTKI)
垢版 |
2017/07/11(火) 23:54:58.78ID:ytCv2CTp0
ブレーンワールド(その15)
「私の生家はこの南の島の北端にあり、流れの速い緑色の海流を挟んで北側の島が私の家からいつも見えていました」
「ああ緑色か。伊豆の城ヶ崎海岸のようにそういう色した海はあるな」
「二つの島の間は100メートルもないのに簡単には行けないんですよ。
南側の島の船着き場は南端にあり、北側の島の船着き場は北端にあり、直接便はなく、いったん九州本土に渡って乗り換えてからしか行けない。
しかも両方の島ともに不定期便しかなかった。だから、北の島は私にとって異世界でした」
「トンビはそこを自由に行き来することができる。だから、異界からの使者というわけか」
「ええ、島にあった天主堂で神父様から天使のお話をよく聞いたものですが、私のイメージの中では天使の羽は白ではなく、トンビの羽になっていました」
自分で描いた地図を見ながら、深い記憶に浸るようにねるは話を続けた。(続く)自分で描いた地図を見ながら、深い記憶に浸るようにねるは話を続けた。
0169名無しって、書けない?(東京都) (ワッチョイ 976c-jTKI)
垢版 |
2017/07/12(水) 07:12:08.11ID:87EHc0KU0
すいません、昨日、連続投稿したら、スレに異常が起こったようです。
一応、次スレ↓をつくってみました。
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1499810853/l50
【物語】欅坂46の小説 ★6【エロも可】

当スレが機能するようであれば、新しくつくったスレは無視してください。
0170名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Sa2b-5SoX)
垢版 |
2017/07/12(水) 07:19:46.18ID:kcRRuOrna
>>169
乙ですm(__)m

長文を何本か連続投稿すると埋め立て規制が発動するみたいですよ

規制かかったら短文を挟むとまた長文を投稿出来るようになります
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況