欅坂×不良学園ドラマ [無断転載禁止]©2ch.net
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小説スレに触発されて個別のスレッドを作りました。もしよろしければご覧ください。投稿は不定期的になると思います。
アドバイス・感想等があれば、ありがたくいただきます。
欅×不良学園ドラマ 一
「唯、一緒に帰ろう」
「うん」
友達に声をかけられて、私は鞄を手に取った。
この学校に入学してから、そろそろ一ヶ月になる。
始めは知らないことや初めてのことばかりで、慣れない気持ちで過ごしていたが、やっとこの学校の生活に馴染んできた
都立欅坂女子高等学校。格式を重んじ、友愛の精神を大切にする校風に憧れて、私はこの学校に入学した。
学校の格調の高さに相まって、その偏差値も高く、正直受験は苦労したけれど、なんとか入学することができた。
そして、一年生の春がはじまった。
「いいよね、ここ」
私は、校舎の脇の、きれいに掃除された道を歩きながら、隣を歩く友達に言った。
「そうだね。入ってよかった」
学校の雰囲気はとても落ち着いていて、クラスの他の友達も、みんな知性と優しさをあわせ持つ、いい人たちばかりだ。
日の光を受けて白く輝く校舎の外観を見上げながら、私は満ち足りた気持ちになっていた。
「ねえ、あれなんだろう?」
すると突然、友達が前方を指差して言った。
「なに?」
私は彼女が指差す先に目を遣った。
見ると、前方の校門のすぐ外側に、見かけない姿をした人たちがいる。
「なんだろう……?」
校舎に近づくにつれて、その人たちの姿がよく見えてきた。
(なに?こわい人たち……?)
校門の外にいるのは、4人の――おそらくは――男子学生であった。
もちろん、女子高であるこの学校の生徒ではない。
見たところ、まだ10代の男子だ。 >>309
少しづつでも毎日の方が読んでてテンションは持続するのかな?
でも先生の流儀でやるのが一番かと思います かけた分だけ、でもなるべくまとまりのよい形で
その都度投稿していきたいと思います。 >>314
兵庫県・・・?
はじめまして、でしょうか。 欅坂×不良学園小説
(何!?)
激しい攻防のなか、志田が再び追い突きの動きを見せたかと思うと、その刹那、平手がくるりと身を翻した。
平手が志田に背を向ける形となる。
志田の追い突きは止まらない。志田はそのまま平手に向かって突っ込んでいく。
──!!!
だが、志田の追い突きは平手には当たらなかった。志田の右拳は、後ろ向きに屈み込んだ平手の肩の上を通過した。
そして次の瞬間、平手の背中を支点にして、志田の体が勢いよく上に持ち上がった。
ドスンッ!!
重みのある衝撃音が響く。追い突きの勢いもあってか、志田の体は、見事に地面に落下した。
追い突きにより突き出された腕を掴んだ平手が、志田を背負い投げたのだ。
「!」
二人の回りを囲む他のメンバーたちにも衝撃が広がる。
声を発する間もない一瞬の出来事に、何人もがその息を呑んだ。
地面に仰向けに倒れた志田は無防備な状態になっている。
そして志田が身を起こすより早く、平手が志田の真上に回りこんだ。
平手の正拳が、倒れた志田に向けて突き下ろされる。
「ぐあっ!!!」
痛烈な一撃に、志田が大きな声をあげた。
だが平手の攻撃はそれだけで終わらない。
「うっ!ぐっ!ああっ!!」
平手は容赦なく畳み掛ける。瓦割りのような体勢で、一発、二発、三発と、その正拳突きが志田に突き刺さる。
無防備な状態の志田は、されるがままに平手の拳を腹部に受けた。攻撃を受けるごとに苦痛の声が大きくなる。
(いける!──!?)
だが、平手が四度目の拳を突き下ろそうとしたその時だった。 欅坂×不良学園小説
それまで平手の攻撃を受けるままだった志田が、突然その眼を剥いた。
──まずい!
深追いしすぎだ。だが、「離れろ」と平手に警告を発するより早く、四度目の拳を受けた志田が、自分の腹に突き立てられた平手の腕の手首を、両手でガッと掴んだ。
「調子に、乗るなあぁっ!!」
いきり立った志田の怒声が響いた。
平手の腕を掴んだ志田は、その両足を上に撥ね上げ、平手の右腕を間に挟む形で、片方の足を平手の首元に、他方を胸元に絡めた。
そしてその腕を床の方へと引っ張り、引きずり落とすように平手を床に倒す。
──十字固め!!
相手の体に直角に足を乗せる形で、その足で相手の腕を挟み、反らせるように極める関節技だ。
「あああああっっ!!」
平手の悲痛な叫びが響いた。
床に倒れた体勢で体を志田の両足で固定され、平手は身動きすることが出来ない。
そしてその状態で、右腕を引き伸ばされる。
腕に過大な負荷がかかり、激痛に平手の顔が歪む。
腕を伸ばされないように、腕を自分の方に曲げ戻して抵抗しようとするも、志田の十字固めは解けない。
「ぬううっ!」
平手の腕を引きちぎらんというばかりに、歯を食いしばった顔の志田が、さらに力を加えた。
平手の大きな悲鳴があがる。
──ヤバイ!
このままじゃ、平手が危ない。
二人の闘いが危険な領域に入っているのを感じ、俺が二人の闘いに割って入ろうと、一歩足を前に出したときだった。
「やめろっ!!!」
突然、大きな声がその場に響いた。 お疲れ様です
クオリティー維持のためにも気にせず先生のペースを守ってください >>320
>>321
いつもありがとうございます。また、書きためますね。
>>322
平手ちゃん!?新しい方ですよね!
よろしくお願いします。 寝てしまったハコオシ先生に「寝てんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃんだけど
「楽しみ過ぎて朝まで寝ないで待ってたんだからね」
なんて眠い目こすりながら言ってくれそうだから好き >>325
縦横無尽のご活躍、感服します。
そしてすみません。まだ出来ていません。 >>326
小説スレで先生に励まされたお陰ですm(__)m
ドンマイです! >>327
ありがとうございます。
でもなんか、書くのがキツイ・・・
皆さんすごいですね。私は皆さんほど筆が走らない・・・ >>328
煮詰まってますか!?
たまに違う話を書いて気分転換してみるのも手ですよ
小説スレは妄想変態野郎の集まりですからww >>329
ありがとうございます。
本作を踏ん張りつつ、気分転換もしていこうかな。 >>330
俺も小説スレで気まぐれに色々な理佐ちゃんシリーズ書いてますけど複数連載はお勧めです
複数連載してると毎日なんかしら書くことが浮かんで来るから楽ですよ
もっとも俺の書いてるのは理佐ちゃんの個スレに書いてた妄想がベースだから参考外かもしれませんがw 欅坂×不良学園小説
突然響いた声に、その方を振り向くと、声をあげたのは渡邉だった。
そのイメージからはかけ離れた大きな一声に辺りは水を打ったように静まりかえり、誰もが驚いた顔で渡邉の方を見ている。
見ると、平手に十字固めをかけている志田も、床に横になった状態のまま顔を渡邉の方に向けている。
「マナキ。もういい。もうやめよう」
志田の方へ歩き出しながら、渡邉は志田に声をかけた。
「なに・・・・・・?」
志田は平手を拘束したまま、渡邉に対して険しい目を向けた。
十字固めはかけられたままだが、平手も苦しそうな表情でいながらその目を渡邉のほうに向けているところをみると、多少力は緩められているようだ。
「もうやめよう」
渡邉は再び志田に対して言った。
「二人で話がしたい。一緒に来てくれ」
闘いに水を差され、今にも怒りだしそうな志田に気後れすることなく、渡邉は決然とした真顔で、静かな口調で志田に言った。
志田は床に横たわったままでは様にならないのか、──けれど、平手から手を放していいか、平手と渡邉を交互に目を遣って少し逡巡したあと──固めていた平手の腕を放し、ばっと素早く立ち上がった。
そして、平手と俺たちの方に鋭い目を向けると
「ここで待っていろ」
と吐き捨てるように言い、踵を返して渡邉と共にフロアの外、建物の廊下へと消えていった。
志田と渡邉の姿が見えなくなったとき、
「平手君!」
と、我に返ったように今泉が平手のもとに駆け寄った。
床から身を起こしていた平手はその場に片膝をついて、左手で志田に技をかけられていた右腕を痛そうにおさえていた。
駆け寄った今泉が、なにやらいろいろと平手に声をかけている。
「・・・・・・」
勝敗はどうなったのだろうか。闘いによる痛みに苦い顔をしている平手と、平手のそばに心配そうな顔で両膝をつく今泉を見ながら、俺は思った。
他のメンバーたちが口々に話すのが聞こえる。闘いの思わぬ結末に、奴らも戸惑っているのだろう。
そのざわつきは、しばらく止むことはなかった。 >>331
ありがとうございます。
短くて質も悪いですが、今日はこれだけでも。 >>334
ぺーちゃんありがとう。
少しずつ前進しますから。 スレ主さんが心配してるみたいやから釈迦に説法のつもりで
dat落ち=過去ログ倉庫行きの基準について書いてみるで
スレがdat落ちする原因にはざっと以下のようなものがあるんや
@スレが完走した場合(1000レスorスレ容量が512KBに到達)…下記の圧縮が行われなければ完走後約1日でdat落ち
A2ch管理人による削除
B最終レスから〇〇時間空いた場合(俗に突然死と呼ばれる)
Cさらにスレ立てから〇〇レス以内にはBの基準がさらに厳しくなる場合がある(俗に即死と呼ばれる)
Dスレ立てから〇〇日が経過した場合(俗に〇〇日ルールと呼ばれる)
E板のスレ保持数に従っていわゆる圧縮が行われた場合
このうち@Aはどの板でも条件は同じやけど、BCDEは各板ごとに設定が異なるんや
しかも2ch運営はその板ごとの基準をほとんど明言しないばかりでなく、気まぐれにちょこちょこ変えたりするもんやから、たちが悪いんや
なので最近の欅坂板の様子を見ての推測での話になるんやけど、現在おそらくBCDは設定されてないはずや
Eの圧縮っちゅうのを念のため解説すると、現在欅坂板のスレ保持数はおそらく700ぐらいのはずや
なので、新しいスレが立って総数が例えば730〜750近くなると、間欠的に10〜50程度のスレをまとめてdat落ちさせてスレ数を700前後まで落とすんや
これが「圧縮」や
その圧縮のターゲットになるのは主に、その時点で完走しているスレ(→完走後1日経たずに落ちることになる)と、書き込みが滞ってるスレなんや
現時点で見てると、最終書き込みから1週間ほど間が空くと、この餌食になる可能性が高くなるみたいや
もちろんこれはその時のスレ立ての勢いとかにもよるから常に変動の可能性あるんやがな
まあとにかく、少なくとも1日〜2日に1レスあれば現状でdat落ちの心配はあらへんと思うわ
長くなってもうた
えらいすんまへん >>337
米さんありがとう。
さすが米さん。博識やね。
というか、なんか久しぶりな感じ。
寂しかったよ(^_-) >>339
申し訳ないです。本当にありがとうございます。
書こうとしても地の文と会話文の繋ぎがうまくできなくて・・・
投げ出しはしませんから。信じてください。 >>340
この悩みわかります
会話挟むの難しいですよね 欅坂×不良学園小説
「どういうつもりだ!!」
別の階の個室に入るなり、俺はリサオの襟首を両手で掴んで、リサオを壁に押し付けた。
ドン、と衝撃でリサオの体が揺れる。
──俺の戦いを邪魔するなんて!いくらこいつでも・・・・・・!!
だがリサオは、しんと据わった瞳でこちらを見つめてきた。
「あれじゃただの潰し合いだ。なんのメリットもない」
「なに!?」
メリットだと!?そんなもの関係ない。俺はただ、あの生意気なガキを叩きのめせればいいだけだ。
「落ち着いてくれ、マナキ」
リサオは、あたかも俺が冷静さを失っているかのような口ぶりで、襟首を掴む俺の両手に手をかけてきた。
「彼女を平手にあげよう」
「なんだと!」
あろうことかリサオは、今泉を平手に与えること、──つまりは奴がこの勝負に勝利することを意味する──を提案してきた。
「あの二人が仲間になるなんて、思ってもないチャンスだ。利用しない手はない」
襟首を掴まれながらも、リサオは落ち着いた口調で言う。
「近頃、守屋が勢力を取り戻しつつあるのはマナキもわかっているだろう?きっと、また戦いが起きるのも近い。今は守屋に備えるのが最優先だ」
リサオが考慮しているのは、守屋のことのようだ。
確かに、先代の土生さんが守屋の侵攻を防ぎ、その力を大幅に削いでから半年近く。徐々に守屋は、その勢いを取り戻しつつあった。
「平手と鈴本の実力は、うちの主力メンバーと遜色ない。戦力は一人でも多い方がいい。
でも、佑唯をこのままと僕たちのものにすれば、平手たちはきっと僕たちの仲間にならないで、また僕たちになにか仕掛けてくるだろう。
でも、これ以上の闘いはお互い消耗するだけだ。それなら、いま恩を与えておいて、彼らを使う方がいい」
リサオはそう言ったが、俺は素直にそれをのむことはできなかった。
「あんなやつらと一緒に闘えるか!」
奴等を仲間に加えるとしても、今泉を自分のものにするために俺たちの仲間になるという、そんな奴、どうして信用できるというのだろう。
裏切りや敵前逃亡、それらの可能性は十二分に考えられた。
「その時は彼女を人質にでもすればいい」
リサオは冷静な調子で答えた。「彼女を僕たちの手の届くところにおいておけば、あの二人だって君に従わざるを得ない」
「・・・・・・」
リサオのいうことは一理あった。俺はこれ以上、反論する点が思い付かなかった。 欅坂×不良学園小説
「あの二人を仲間に加えよう、マナキ」
リサオが、俺の指に自身の指をかけて、襟首を掴む俺の手をほどいた。
近い距離で、俺たちは向かい合う。
「お願いだ」
俺のことをまっすぐ見て、リサオは言った。
「だが・・・・・・」
とはいえ、一つひっかかるところがあって俺が渋っていると、
「さっきの勝負、誰が見ても君の勝ちだ」
と、俺の胸中を見抜いたようにリサオが言った。
「まあ直前の平手の巻き返しには驚いたけど、最期のあの状況じゃ、平手はもうどうしようもなかった。彼女を平手に与えても、メンバーたちは君が負けを認めたとは考えないよ
。
だけど、キミが勝ったらあの二人は手に入らない。だから僕が止めたんだ」
リサオは思慮深く先のことを考えていたようだ。
そして、リサオは少し首を傾けて言う。「別に、あの子に思い入れがあるわけでもないだろう?」
確かに、なんの戦力にもならない女一人と、それなりに役立つあいつら二人。冷静に考えれば、どちらを取ったほうがいいかは明らかだ。
「・・・・・・仕方ねえな」
だが、リサオの提案に全面的に同意するのは面白くなかったので、俺がそのように答えると、
「ありがとう、マナキ」
と、リサオはふっと微笑んで答えた。 少し雑かも知れませんが・・・
苦しいなか声をかけてくれた平手ちゃんと理佐にこれを捧げます。 >>344
ありがとうございますm(__)m
これだけ細かい描写が書けるのは素直に凄いと思います >>345
少しずつ表現のバリエーションを増やせたらいいんですけどね。
秋が来る前には完結させたいなあ。 >>347
ありがと米さん。
「偽」なんてつけなくていいのに。
最近平手ちゃんが新しく加わりました(^^) >>348
現状は6〜7日空くとヤバいっていう感じやで
2日に1レスあれば十分
>>389
いや、米さん潔癖症だからw
こういうところはちゃんとしとかんとw >>351
他のスレでみた「保守」という言葉の意味がやっとわかりました。
先週の歯間イジリに慌てる米さん、可愛かった笑
>>350
もな推しの人とか、見てくれてないかなあ。
今日は半休もらえたので、夜までずっと書きます! >>352
楽しみに待ってます
頑張ってください!
でも無理すると反動が来るのでご用心です >>353
ありがと理佐ちゃん。
ところで疑問なんですが、女の子って、それほど親しい関係にない(むしろ険悪な仲の)男の人に対して、心のなかでどう呼んでるんだろう?
例えば、「たかし」という他人に対して心のなかで何か思うとき、男なら
(たかしの奴、どういうつもりだ?)
とか、その人のことを呼び捨てると思うけど、女の子はどうなんだろう・・・・・・?
呼び捨てなのかな?一応、君付けなのかな?
だれか女の子、いませんかー? 欅坂×不良学園小説
「平手くん!」
平手くんのもとに駆け寄ると、彼は床に膝をついて、さっきまで志田くんに攻撃されていた右腕を左手で押さえていた。
「大丈夫!?」
私の方を見上げた平手くんは、ひどく疲れたような目をしていてた。
さっきまで見せていた恐いぐらいの気迫は見る影もなく消え、背を丸めたその細い体はいつもより小さく見える。大きく息をつく平手くんの姿は、今にも消えてしまいそうなほど、弱って見えた。
「大丈夫?痛い?」
彼の元に膝をついて声をかけるも、何かしてあげられる訳でもない。
彼の体に手を添えるほか何もできない私に、平手くんは何も言わずに力なくその口許を曲げて、ゆっくりと首を振った。
そして、そのまま立ち上がろうとする。
「あっ!」
立ち上がろうとした途端、平手くんの体は、立ちくらみを起こしたようにふらついた。
慌てて彼を支えようとするも、こらえきれずに私もろとも倒れてしまいそうになる。
「おっと」
すると、いつのまにか私の後ろにいた鈴本くんが、倒れないように平手くんの体を支えた。
「無理するな」鈴本くんが平手くんに声をかける。
「まだ立っちゃダメ」
平手くんを休ませようと彼をその場に座らせようとした時、「今泉さん」と後ろから声を掛けられた。
振り向くと菅井先輩が私たちのそばまで来ていた。
「こっちに」
菅井先輩はそう言って、奥の方を手で示した。
菅井先輩に従って、鈴本くんと二人で平手くんを支えながらその後をついていくと、ここの少年たちがたむろするのに使っている革張りのパーソナルチェアの一つを勧められた。
鈴本くんと体を支えながら、平手くんをゆっくりとそこに座らせる。首をがっくりと前に倒し前屈みに座った平手くんは、呼吸もまだ荒れている様子で、肩が小さく上下している。
「あの二人は・・・・・・?」
ここの少年たちが使っているものを独断で私たちに勧めるあたり、──それどころか周りのメンバーたちは、私たちを従えて少年らの間を進む菅井先輩に道を開けてさえいた──菅井先輩は彼らとどのような関係にあるのだろうと怪訝に思いながら、私は菅井先輩に訊ねた。
「わからない」
けれども菅井先輩は首を振る。「もうしばらく待っていよう」と落ち着いた口調で彼女は言った。 欅坂×不良学園小説
「どうなるんだろう・・・・・・?」
しばらくざわついていた周りの少年たちも静かになり、闘いの勝敗はどうなったのかという疑問と不安が混じった重苦しい空気があたりに漂う。
私が鈴本くんに問いかけると、「うーん」と鈴本くんは難しい顔をして低い声で唸った。
「完全に途中で遮られたからな・・・・・・」鈴本くんが言う。
闘いは突如声をあげた渡邉くんによって中断された。そのため勝敗は明らかではない。
最後は平手くんが攻撃をかけられる形となっていたけれど、かといって平手くんが気を失った訳でも、負けを認めた訳でもない。
「まだ続くの・・・・・・?」
決着がついていないということは、まだ闘いは続くということだろうか・・・・・・?
だとしたら、こんなにも傷つき消耗している平手くんにまた過酷な闘いを強いることになる。
そんなひどいこと、私には耐えられない。
「わからねえ。とにかくあいつらが戻って来ねえと」
そう言った私に首を振り、鈴本くんはちらりと、志田くんと渡邉くんが消えたフロアの入り口を見遣った。
「・・・・・・」
誰も口を開かない沈黙の時間が流れる。
どれほど経っただろう・・・・・・?
そう思ったとき、不意にガチャ、という音がした。
振り向いてその方を見ると、志田くんと渡邉くんの二人が、扉を開けてこのフロアのなかに入って来た。 >>358
握手会の件、
今日はてちの誕生日なのに許せないよ 欅坂×不良学園小説
志田くんと渡邉くんの二人は、腰掛けの方に移動した私たちの姿を認め、まっすぐこちらにやって歩いてきた。志田くんが先だって進み、その斜め後ろに渡邉くんが従う。
「あっ」
すると、平手くんも彼らに気がついたのか、パーソナルチェアから立ち上がった。
両側に立つ鈴本くんと私の間から、一歩前に出る。
こちらまでやって来た志田くんが平手くんと正面切って向かい合った。その眼は鋭く平手くんの方を睨み、口は真一文字に引き締められている。
「・・・・・・」
緊迫した空気が辺りを覆った。私と鈴本くんをはじめ、周囲の少年たちが緊張した面持ちで志田くんの動向を見つめている。
「・・・・・・お前にそいつをくれてやる」
──えっ?
唐突に、志田くんはそう口を開いた。
その言葉に反応した周りのメンバーたちが、それぞれぱっと互いに顔を見合わせた。
そいつというのは私のこと・・・・・・?ということは・・・・・・。
私も思わず横に立っていた鈴本くんの方を見る。驚いたのは鈴本くんも同じようで、目を大きく開けた驚きの表情で私と目が合った。
「今泉をお前のものをして認める」
志田くんはもう一度、今度はより具体的な言葉で言った。
周りのメンバーたちがざわつき始める。
「やったな!」
平手くんの方に一歩進んだ鈴本くんが、喜びの声を出して平手くんの背中を叩いた。そして、私の方に顔を向ける。
平手くんも私の方を振り返った。
平手くんは、まだ事態を受け止められないような表情をしていた。
お互い、驚きの表情で見つめ合う。
「ただし!」
そんな私たちに釘を刺すように、志田くんが声を張り上げた。
「約束通り、お前らは今日からここのメンバーだ。それ相応の働きはしてもらう」
ざわつく周りのメンバーや、志田くんの言葉に驚く私たちが面白くないのか、志田くんの表情はいつもよりまして険しいものになっていた。
「忘れるな。裏切りは許さない。少しでも変なまねをしてみろ。そのときは容赦しねえ」
志田くんは厳めしい声で忠告した。
「明日からお前ら三人、毎日ここに来い」
そう言って志田くんは身を翻し、そのままフロアの外に出ていった。 欅坂×不良学園小説
その後ろ姿を見送って、私たちは互いに顔を見合わせた。
「平手くんが勝ったってこと・・・・・・?」
私がそう言うと、
「それは明言しなかったけどな。というか、多分あいつは負けたとは思ってねえよ」と鈴本くんは首を振った。
「正直、あの状況は厳しかった」鈴本くんは闘いの終盤のことを言っているようだ。
ではなぜ、志田くんは手を引いたのだろう?
「じゃあ、なんで・・・・・・?」
私がそう言うと、「さあな」と鈴本くんは軽く両肩をあげて首を傾げた。
「でも、うまくいった。なあ、平手」
鈴本くんが平手くんの方を見ると、平手くんは緊張がほどけたように目を細めて、小さく頷いた。
「おめでとう」
すると後ろから声をかけられた。振り返ると、菅井先輩が優雅な微笑みを浮かべて、私たち三人を見ていた。
「菅井先輩・・・・・・」
「大変だったね」
菅井先輩は私たちをねぎらうように言った。そうして私たちの方に歩み寄る。
「久しぶりだったな。男の人たちが闘ってるのを見るの」
菅井先輩は懐かしむような表情をしていた。
「私も、彼らに捧げられた一人だったから」
「えっ?」
唐突な告白に、私は呆気に取られた。
「まあ、前のことだけど」菅井は大したことではないように、さらりと言った。
捧げられた?菅井先輩も『捧げ物』だったというのか・・・・・・?
「そのうち、今泉さんに話さなきゃいけないこともあると思う」
驚いたままの私に、菅井先輩は言った。そして平手くんの方にも目を向ける。
「平手くん、多分あなたにも」
そう菅井先輩は、どこか意味深なことを言うと、私たちに背を向けて出口に向かって歩いて行った。 欅坂×不良学園小説
「・・・・・・?」
首を傾げた私たちのところに、今度は渡邉くんがやって来た。
「君たちは、今日はもう帰っていいよ」
すると鈴本くんが、
「お前に助けられたようなもんだな」
と口を開いた。恐らく、渡邉くんに中断されることなくあのまま闘いが続けば、平手くんが危うかったことを言っているのだろう。
渡邉くんはとぼけたような顔で「何が?」と言ったあと、「でも、さっきマナキが言ったことは本当だから」と付け加えた。
「また明日。じゃあね佑唯」
そう言って他のメンバーのところに歩いていく。そして彼らを召集した。なにか話を始めるようだった。
広いフロアに、私たち三人が残った。
「じゃあ、帰るか」
鈴本くんが口を開いた。 欅坂×不良学園小説
まだ残る夕日に、空は透き通る薄紫色に染められて美しく、優しく吹く風が肌に心地よかった。
「ありがとうね」
帰り道を、平手くんと二人並んで歩きながら、私は平手くんにお礼を言った。
私はなにもしてないけれど、胸がほっとして温かい気持ちになっていた。
「何度も助けてくれて、ありがとう」
私は重ねてお礼を言った。
理由はわからないが──鈴本くんは、その・・・・・・平手くんは私のことが・・・・・・とか言っていたけれど──何度も私のことを助けてくれた 平手くんに、ちゃんとお礼を言っておきたかった。
「ううん」
平手くんは私の方にちらりと一度目を向けたあと、視線を前に戻して小さく首を振った。
控えめな子なんだな、と長めの黒髪に隠れ気味な平手くんの顔を、横から見上げながら思う。
「ねえ」と平手くんに声をかけた。
「私たちが初めて会ったときのこと、覚えてる?私をあの建物から連れ出してくれたときよりも前に、私たち、一回会ってるよね?」
私は、私と平手くんが初めてあった日──私が街で見知らぬ不良少年二人に追いかけられた日のことを話に持ち出した。
「うん・・・・・・」
平手くんはコクリと頷いた。あの日、──助けようとしてそうしたのかはわからないけれど──平手くんが助けたのは私だったことを、平手くんも分かっていたようだ。
「あの日、助けてくれたのは、偶然?」
私が訊ねると、平手くんはうーんといった感じで、曖昧な表情をした。私を助けようとしてあの二人を撃退したのか、それともただあの二人に因縁をつけられただけなのか、それははっきりはしなかった。
そういえば、その後、志田くんたちのアジトに現れた経緯も私は知らない。平手くんはなんで私があそこに連れてこられたことを知っていたのだろう?
平手くんが無口なのもあるけれど、私はこの少年のことをなにも知らなかった。 「もう少し、平手くんのことが知りたいな・・・・・・」
私は、ぽつりとそう言ってみた。
まだ、彼のことを何も知らない。もう少し自分のことを話してほしいと私は思った。
「えっ・・・・・・」
平手くんは少し驚いたような、ぽかんとした顔でこちらを向いてきた。
「これから、いろいろ話してほしいな、平手くんのこと」
私がそう言うと、平手くんは反対側に顔をそらした。
その顔は、どこか恥ずかしそうに見えた。 欅坂×不良学園小説
一時はどうなることかと思ったが、なにはともあれ、うまくいった。
いい雰囲気で前を歩く平手と今泉をよそに、俺は平手との会話を思い出す。
『これからどうするつもりだ?』
一旦、今泉を奴らのアジトから連れ出した平手に、そう訊ねると、平手は一人で奴ら全員を相手にするつもりでいた。
『そんなの無理に決まってるだろ』
俺は平手の考えを否定した。
平手が強いことは知っているが、いくらなんでも、奴ら全員を相手に闘って勝てるわけがない。せいぜい、志田や渡邉、どちらか一人と互角というところだ。それに他のメンバーが加われば、その数にねじ伏せられるに決まっている。
そこで俺は、例の提案──奴らの仲間になった上で、『決闘』によって今泉を自分のものにするというもの──を平手にした。
だが、平手はすぐには首を縦に振らなかった。奴らの仲間になるということが気に入らなかったようだ。
そこで俺は、別の角度から平手を説得しようと試みた。
『奴らの仲間になれば、お前の姉さんを殺した奴らの情報も入ってくるかもしれない』 欅坂×不良学園小説
俺がそういうと、ぴくりと平手が反応した。
──こいつの姉。今の平手を動かしている根元的存在。
『蛇の道は蛇っていうだろ?・・・・・・あー、つまり、不良たちのことは不良たちが一番よく知ってるってことだ。奴らが何か知っているかもしれないし、これから先、何か新しい情報が入るかも知れねえ。今みたいに一人で動くより、ずっと効果的だ』
俺の言葉に、平手は考え直しているようだった。
『彼女のことも守れる。情報も入る。一石二鳥だろ?』
俺がだめ押しするように重ねて言うと、平手は渋々納得したように頷いた。
『それから』了承した平手に、俺はそう付け加えた。ここからが肝心だ。
『俺も一緒に奴らの仲間になる』
俺がそう言うと、──俺まで仲間になると言い出したことを疑問に思ったのだろう──少し間をおいて平手は首をかしげた。
『・・・・・・なんで?』
『お前一人じゃ、奴らとうまくやっていけねえだろ。俺が間に入らねえと』
もちろん、これは半分本当で、半分が俺が奴らの仲間に入るために取ってつけた理由だった。
けれども、平手はそうと知らない。
『わかったな?』
俺が念を押すと、平手は、俺に人付き合いの下手さを指摘されたのが不満だったのか、少し不機嫌そうな顔で頷いた。 欅坂×不良学園小説
そうして俺は、──平手の連れという形で──どさくさに紛れて、奴らの懐に入ることに成功した。
もちろん奴らもまだ、俺たちに気を許していないだろう。そんなのは百も承知だ。その上で、うまくやってやる。
「鈴本くん?」
「うん?」
唐突に、前から声がかかった。見ると、今泉と平手が歩みを止めてこちらを振り返っている。
「どうかした?」今泉が少し怪訝そうな顔をした。
「ん?悪い。なんか言ったか?」何か話しかけられていたのだろうか、全く耳に入っていなかった。
「鈴本くんにもお礼を言わなきゃと思って・・・・・・いろいろ、ありがとうね」そう今泉は律儀にお礼を言ってきた。
「ああ、気にするな」
俺がそう返すと、今泉たちは前に顔を戻して、また歩き始めた。
背を向けた二人の後ろを歩きながら、思わず口の端があがる。
・・・・・・見ていろ。『大人たちの遺産』は俺がもらう。
第一幕 完 大量投稿で一気の第一幕完結乙ですm(__)m
第一幕完結と供に第二幕に向けてそれぞれの思惑と謎が提示される展開にワクワクしとります 理佐ちゃんぺーちゃんありがとう。
半休チャージで一気にいきました。
>>369
ありがとうございます。もし初めての方ならぜひ推しメンの名前で呼ばせていただきたいです。 読ませて貰ってます。応援してます。頑張ってください。
すずもんのキャラ最高ですね >>372
ありがとうございます。
他の方にもお願いしているのですが、もしよろしければ仮の名前(推しメン)を設けさせていただけないでしょうか?
その名前で今後もご感想をいただけたら、「また読んでくれたんだなあ」と励みになります。
ぜひともお願いいたします。 すずもんです。
楽しませて貰ってます。あまり無理なさらず頑張って下さい。 おおっ!確実にメンバーが増えてるじゃないですか
そろそろもなちゃん推しも現れるかな? >>374
すずもんありがとう!
これからもどうぞよろしくお願いします。
ところで皆さんに相談なのですが、
第二幕に入るにあたり、スレを新しく立てようか迷っています。
最近微妙なところで字数制限がくるので。
ただそうすると、このスレはもう見られなくなるのでしょうか? >>376
死なない人間はいないのと同様に、落ちないスレはないからのぉ。
ただ、しばらくの間ここを見られるようにして次を立てる方法はもちろんあるで。
>>337をもう1回読んでくれたらわかるやろうけど、『完走させない』ままに『圧縮を避けるように保守』し続ければええんや。
つまり、スレ主さんが次スレ立てましたってレスをしたら、
あとは最低1日〜数日に1回、なんでもええからレスをし続ければOKや。
こうしておけばスレが完走(1000レスor512KBに到達)するまでは延々と板内で生き延びられるはずや。
まあ、新スレにここのリンク貼っとけばdat落ちしても見られるやろけどな。
また長々とすんまへんm(_ _)m >>377
米さん詳しく教えてくれてありがとう。
そうだなあ・・・・・・いまちょうどキリがいいところだし、気分を一新するのも兼ねて、新しくスレを立てようかな。(運が悪ければエラー出るけど)
このスレの残りの分は、補足説明や感想・質問用に使おうと思います。
まあ、感想とかはあるかわからないですけれど。
ある程度、次の文章ができて、新しいスレを立てられたら、お知らせしますね。
それまではもうしばらくここで、皆さんよろしくお願い致します。 今更なんですが、メンバーの敵味方への割り振り間違ったなあ・・・・・・
ふーちゃんとさとしをどう振るか迷ってます。
敵方にすると敵方が多すぎて、味方にすると味方が多くなりすぎます。
でも、敵味方に分けるには、この二人、ペアで出したほうがいい味がでる気がする・・・・・・
困った(T-T) その件に関しては、頑張って〜としか言えんなぁ(笑)すんません
変にアイデアとか出して、先生が仮にそれを参考にされちゃったら、ネタバレにつながることになるやろし
逆にそのアイデアは使えんいうことになったらさらに苦しくなるやろし
みんなじっくり待ってくれるやろと思いまっせ〜 ですよね笑
皆さんにちょっと甘えてみました。
苦肉の策になるかもしれないけど、どうにかこうにか書いてみますね。
ていうか米さん、本物の米さんより関西弁きっついな笑 第一幕完結お疲れ様です
毎回楽しく読ませてもらっていました
引き続き二幕も楽しみにしています >>382
ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
ところで、上記コメントにもあるように、382さんにも仮名をつけさせてもらえないでしょうか? >>383
ぽん民です。
物語序盤で「狂犬小林」の文字を見たときはすごく高まりました笑
他の方も言われていますが、あまり無理なさらず、頑張ってください。
応援しています。 >>384
ゆいぽんキター(゚∀゚)
ありがとうございます。今日は時間があるので頑張ります。
0時か、明日朝6時に更新できるかもしれません。 >>340
この悩み分かります
会話挟むの難しいですよね >>386
ひねり出した一文を挟むようにしてます笑
新しいスレを立てようとしたら、なぜかエラーが出ました。
書きためながら、少し待とうと思います。 わては逆に会話ばっかりやから地の文挟むのが大変や(笑)
それに関西に住んだことないから関西弁も大変やで(笑)
スレ立てできんのはホスト規制か何かやろか?
今の(茸)やなくて、このスレ立てたときみたいに(福岡県)とかでやってみたらどないやろ? >>388
関西人じゃなかった笑
みいちゃんいたらキレるよ笑
福岡県って今、気が付いた。
たぶん途中で一回スマホの電源落としたからかな。
もう一回同じようにやってみるね米さん。 困った。スレを立てられない(´・ω・`)
もう少し待ってみるか、このスレで続けるかですね。 (茸)やなくてWi-Fiとかに切り替えてもダメでっか?
何なら立てるだけならお手伝いできるかもしれまへんで
小説自体は2から始めてもらうっちゅうことで >>391
じゃあお言葉に甘えて、米さんにスレを立ててもらっていい?
タイトルは
欅坂46小説 不良学園ドラマその2
でお願いします。 立てましたで〜
皆さんごっつ期待してますよって
先生のペースでこの後はよろしゅうおたのもうします〜
欅坂46小説 不良学園ドラマその2
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1498834465/ >>393
おお!新しいスレが立ってる!
ほんとにありがとう、米さん! >>理佐、ぺーちゃん、てち、すずもん、ゆいぽん
新しいスレを米さんが立ててくれました。
あらためて、よろしくお願いいたします。 >>395
新しいスレでも楽しませてもらいますm(__)m >>399
そうなんです。
人知れず陰でこんなことやってます。 >>402
明らかな理由はもちろん教えてくれないんですがw
別スレの文字制限数を調べようと思って
他スレに自分が投稿したものをコピペして何回か書き込みトライしていたら
その中にNGワードが入ってたみたいで(多分、バ● あたり?)
NGワードを何度も書き込もうとする悪い奴と思われたみたいですw NGワードはほんと厄介
犯罪予告とかそんなつもりないのに物語上で、NGワードになってしまう単語をセリフにつかえないもん。 >>405
あっちにも書きましたがなw
って、保守♪ >>407
もしや399さんですか?
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