小説スレに触発されて個別のスレッドを作りました。もしよろしければご覧ください。投稿は不定期的になると思います。
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欅×不良学園ドラマ  一

「唯、一緒に帰ろう」
「うん」
友達に声をかけられて、私は鞄を手に取った。

この学校に入学してから、そろそろ一ヶ月になる。
始めは知らないことや初めてのことばかりで、慣れない気持ちで過ごしていたが、やっとこの学校の生活に馴染んできた
都立欅坂女子高等学校。格式を重んじ、友愛の精神を大切にする校風に憧れて、私はこの学校に入学した。
学校の格調の高さに相まって、その偏差値も高く、正直受験は苦労したけれど、なんとか入学することができた。
そして、一年生の春がはじまった。
「いいよね、ここ」
私は、校舎の脇の、きれいに掃除された道を歩きながら、隣を歩く友達に言った。
「そうだね。入ってよかった」
学校の雰囲気はとても落ち着いていて、クラスの他の友達も、みんな知性と優しさをあわせ持つ、いい人たちばかりだ。
日の光を受けて白く輝く校舎の外観を見上げながら、私は満ち足りた気持ちになっていた。
「ねえ、あれなんだろう?」
すると突然、友達が前方を指差して言った。
「なに?」
私は彼女が指差す先に目を遣った。
見ると、前方の校門のすぐ外側に、見かけない姿をした人たちがいる。
「なんだろう……?」
校舎に近づくにつれて、その人たちの姿がよく見えてきた。
(なに?こわい人たち……?)
校門の外にいるのは、4人の――おそらくは――男子学生であった。
もちろん、女子高であるこの学校の生徒ではない。
見たところ、まだ10代の男子だ。