動物は生存本能によって死ぬまで生きているものですが、人間はいつでも死ぬことを選択できます。
たとえば砂漠の真ん中で飲食物もなく動く体力も気力もなく、理性的に考えれば自分が助かる可能性がほぼゼロであり、ポケットには安楽死できる飲み薬がある。
そこで生を選ぶ人は、生きることによって幸福になれる可能性に希望を持つでしょう。
たとえば偶然誰かが通りかかって自分を助けてくれる可能性など、ほぼゼロであってもそこにしがみついて生きることを選択するのだと思います。
死を選ぶ人は、死ぬことによって現状よりも幸福になれる可能性に希望を持つでしょう。
生での幸福を得ることには絶望し、むしろ死のほうが幸福であると判断した場合は、死を選択するでしょう。
人は他の動物と比べて、非常に自殺が多い生き物だろうと思いますが、それは生存欲求より幸福欲求が優勢だからなのではないかと私は思います。
すごく厄介なのが、人は幸福を求めているのに幸福とは何かというのは漠然としていて、結局のところわからないものを求め続けているということですよね。