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オレンジの閃光と共に、
私の記憶は途切れました。

体が引き裂かれながら、沈んでいきます。
もう、この電探が何かを捉えることも、
磨かれた主砲が再び咆哮することも――ない。

私の意識は、碧く暗い水底に――
――深い海の中に溶けていきました。

歓声が聞こえる。
どうして――?

目を開けました。
明るい青空――。
気持ちいい。

周りも見渡すと見知った艦が大勢います。
皆、私を見て喜んでいる?
泣いている娘もいる。
ああ、初霜、雪風。無事だったのね、よかった。
たくさんの駆逐艦、軽巡に囲まれて体を起こします。

手を差し伸べてくれたのは愛宕、そして摩耶?
先に逝ったはずの重巡たち、
私の顔を見てなんだか嬉しそう。
それに、赤城、加賀?
蒼龍、飛龍も――。
伊勢に日向、長門、あれは陸奥?
扶桑姉妹、榛名はもちろん、
金剛、それに比叡、霧島まで。
ここは――いったい?
そして、あなたが提督なのね。
そうか、それなら――。


私は「大和」。
戦艦「大和」。
ホテルですって?
違います!

提督なら、わかってくれますよね。
私は、大和型戦艦一番艦「大和」。

敵艦捕捉――。
全主砲、薙ぎ払え!

「大和」推して参ります!
提督、ずっと貴方と共に。