過酸化水素の分解方式の採用に始まったプロペラントは、その発生する酸素に燃料を加え
てプロペラントの発熱量の増大を図ることになったのは当然の成り行きである。この方法の
発展には燃料としてN2H4H2Oの80%溶液を用い、<<中略>>この組み合わせにさらに炭化水
素を加えて、性能向上を図るために最初に用いたのはエチルアルコールである。このプロペラ
ントを使ったのが「マルダイ」である。ドイツの情報を秋水とともに入手したとき、メチル
アルコールを使用していることを知った。酸化剤と燃料との組み合わせがこれほど似通って
いるのにびっくりした。吾々のとっている方法もまんざらではないとつくづく思った。