トランプ政権は、月への帰還を目にすることができるだろうか
https://arstechnica.com/science/2018/08/how-the-white-house-plans-a-return-to-the-moon-during-trumps-presidency/

トランプ政権の元、NASAは人類の月面帰還と、火星への探査を目指すことを宣言した。
その目標は先ず、2024年の月周回軌道での有人飛行と、ゲートウェイの建造から始まる。
(トランプ政権に2期目があれば、の話だが)

ペンス副大統領は先日、高らかに月面帰還と火星を含む深宇宙への探索を謳い上げた。
それは結構だが、現状ではどうなっているのだろうか?

NASA長官のブライデンスタイン氏は今後の展望を示す。
2020年初頭にもSLSのBlock-1とオライオン宇宙船(無人)を打ち上げ、
20204年には、アップデートされたSLS(Block-1b)を完成させて、ゲートウェイ建造を開始する、と。

ゲートウェイを構成する宇宙ステーションの有人モジュールは、自力で目的軌道まで行く能力を持たないので、
先にBlock-1bを完成させないと、何もできない。
Block-1bでは、EUSと呼ばれる、有人対応で、より増強された上段が必要となる。
この開発には、新たに4〜5年の期間と、数十億ドルの予算が必要となるだろう。

NASAの技術者を含む多くの関係者によると、2024年までにBlock-1bを完成させるのは難しいだろう、という。
さらに、20204年からゲートウェイを建造するなら、そろそろ宇宙ステーションの各種コンポーネントの
詳細を固めなければならないが、NASAは未だに各社から提案を待っている状況だ。
構想が固まっているものは、まだ一つもない。

ペンス副大統領は先日の演説で強調する。
今こそその時だ。諸君の奮戦を期待する、と。
トランプ政権が期待する2024年末までの月軌道への帰還、
それを達成するには、NASAには多くの困難が待ち受けている。