遺伝子をワープロのように書き換える。新遺伝子編集技術「prime editing」が登場!
https://www.gizmodo.jp/2019/11/prime-editing.html

検索と置換が使える遺伝子エディター。

人気の遺伝子編集ツールCRISPRですが、難なしというわけにはまいりません。
新しく開発された遺伝子編集技術では、CRISPR最大の欠点いくつかを克服したようです。

遺伝子編集技術の理想は、まるでシンプルにパーツを書き換えるかのごとく、遺伝コードを迅速かつ正確に編集できることです。
CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)や一塩基エディターといった新しい遺伝子編集技術は理想に近づいてはいますが、
間違った箇所に余分なDNAを追加する(off-target効果)など、まだまだ意図しない副作用を引き起こす可能性をはらんでいるんです。

ブロード研究所(Broad Institute of Harvard and MIT)の研究者は、彼らの開発したprime editingと呼ばれる手法が、
より正確に、よりoff-target効果も少なく編集が行えることを報告しています。
研究者らは同手法が、いつかテイ=サックス病や鎌状赤血球症など、多くの有害な遺伝病の治療法になるかもしれないと考えています。

Nature掲載の論文によると、研究者はこの技術を使用して175回の編集を実施し、他の編集技術と同じようにテスト用のヒト細胞を用いて、
テイ=サックス病および鎌状赤血球病を引き起こす遺伝的問題を修正することができました。
著者らは、この手法は原則として「これまでに知られているヒトの病原性遺伝的変異の約89%を補正する」ことができると記しています。