1年で集積度が驚異的に向上した量子コンピュータ
実用化は早くて2035年?研究者が語る技術の現状、課題、展望
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54979
1年ちょっとで量子ビット数の向上が急加速

 量子コンピュータ分野での最近の話題は、この1年ちょっとの間に集積度が驚異的に向上したことである。

1999年から18年を経た2017年4月における集積度の世界記録はGoogleの9量子ビットだった。
ところが、2017年5月にIBMとIntelがともに17量子ビットの超伝導量子コンピュータを製造したことを皮切りに、
50量子ビット(IBM)、49量子ビット(Intel)と発表が相次ぎ、2018年3月にはGoogleが72量子ビットの量子コンピュータを製造したと発表した。わずか1年で劇的な進歩があったのである*1。

それまでの超伝導量子コンピュータの量子ビット数(集積度)は上図の赤線で示すように指数関数的ではあるがゆっくりとした速度で成長していた。
ところが2017年以降の集積度をプロットすると上図の青線のように急加速したことがわかる。
Intel創業者の一人ゴードン・ムーアが、1965年に提唱した「半導体の集積度は18カ月で2倍になる」というのが「ムーアの法則」としてよく知られているが、量子コンピュータでも同様のことが言えそうだ。これは「量子版ムーアの法則」と呼べるだろう。

 極めて楽観的な予測ではあるが、もしこの新しいトレンド(図の青線)が順調に続くのであれば、2035年頃に100万量子ビット級の実用的な量子コンピュータが実現すると期待できる。