>>699
AIの今後

今日の深層学習の成功の裏には、GPU(Graphic Processor Unit)といった並列計算向きのハードウェアの進歩がある。つまり、AIの発展は計算資源の発展に支えられているとも言える。
近年、日本でもスーパーコンピューターの開発も加速しており、このスパコンとAIをどう結び付けるかが重要な課題である。

これまでスパコンは気象予測などの物理現象の大規模シミュレーションに主に使われていた。
このシュミュレーションは、通常、微分方程式などで表現された物理モデルを数値的にシュミュレートしたものであるが、多数のパラメータをもち、このパラメータを実際の観測データに整合するように如何に推定するかがシミュレーションの信頼性向上に不可欠である。

色々なパラメータを試して現実データに整合するかを検証するという単純な方法では限界がある。
このような帰納的推論(データからのモデルの学習)は、まさに機械学習のタスクと言える。
信頼度の高いシミュレーションの実現のためにAIとの融合がスパコンの新しい研究領域と言えるだろう。

今後、自動運転など、AI技術は我々の生活の身近なところで実用化の段階を迎える。人と人から、人とモノ、そしてモノ同士への情報のやりとりにAI(機械学習)技術がさらに貢献していくだろう。