イノベーションは人の仕事を奪うのか--LinkedIn村上氏が語る“未来の働き方”
https://japan.cnet.com/article/35120777/
「いまiPhoneで出来ることを1980年代にしようとすれば、10以上のデバイスをカバンの中に入れなければならないだろう。動画は恐らく見ることはできない。
電話帳もノートも紙で持ち歩き、カバンはパンパンになるかもしれないが、今はそれがすべて手のひらにある。
しかも、常時ネットにつながり、クラウド上の何テラバイトものデータにアクセスできる。
誰もが手のひらにスーパーコンピュータを持っている状態だ。まさに、私たちはソフトウェアによって世界が変わっていく真っ只中にいる」(村上氏)。

 村上氏は、この第4次産業革命について「短い期間に爆発的に起きるものだ。今から10数年の間に爆発的な社会の変革が生まれる。
AIやマシンラーニングなどの技術要素によって、賢くなったAIが囲碁で相手を打ち負かすといった、今までの歴史から見てあり得なかったようなものが実現する」と説明。

 そして、AIやマシンラーニングが急速に発展している背景について「ネット上に蓄積される膨大なデータを収集しコンピュータが学習できるようになった。
AIは理論的には1960年代から研究されてきたが、それを実現できるコンピューティング環境がいま実現している」と説明した。
「変革はいま始まった。これからの10年で見たことのないような世界が広がるのではないか」(村上氏)。

この自動車という存在を現代のAIに置き換えると、新しい技術による社会の変革は仕事の在り方を変えてしまったことを、この2枚の写真が証明している。
「写真を比較すると、馬は仕事を失った。馬をケアする人も仕事も失っただろう。そういう意味では、この13年で従来の仕事のいくつかはなくなってしまったことがわかる」(村上氏)。

 しかし、村上氏は新しい技術による社会の変革は世の中に新しい仕事を生み出していることも、この2枚の写真が示していることを指摘する。
「この13年で車を整備する人、車を運転する人など新しい仕事を生み出している。
“AIが仕事を奪う”という言葉は、実はものごとの片面しか表現しておらず、AIが社会に実装されたときにはさまざまな良い効果を生み出し、より新しい仕事を生み出していく」(村上氏)。