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■デジタル脳モデルの完成に一歩近づく

ヒトの脳には実に860億もの神経細胞があると推定されている。各細胞は網の目のようにあらゆる方向へ向かって幾重にも結合し、巨大な細胞ネットワークを形成しては、これがどういうわけだか思考や意識といったものを作り出す。

このような膨大な結合が連携して機能するのだから、我々が神経ネットワークの機能を完全には理解していなかったとしても不思議はない。

しかし今回の数学的フレームワークによって、デジタル脳モデルの完成に一歩近づいたのかもしれない。

数学的な検査を行うために、研究チームは2015年にブルー・ブレイン・プロジェクトが発表した新皮質モデルを採用した。新皮質は脳で直近に進化した部分で、認知や知覚といった高次機能のいくつかに関与している部分だと考えられているものだ。

数学的フレームワークを開発し、それを視覚刺激でテストした研究チームは、ラットの本物の脳組織でもその結果を確認することに成功している。