ケヴィン・ケリー氏が語る、VRとAIがもたらす「必ず来る未来」
http://www.huffingtonpost.jp/katsue-nagakura/vr-ai_b_11102690.html

VRがもたらす「必ず起こる未来」


では、これらVRのテクノロジーは私たちの未来をどのように変えていくのだろうか?

「VRで起こっていることは、それまでの情報や知識のインターネットの世界から、『経験のインターネットの世界』へと私たちを移しつつあるということだ。
『ものを知る』から、『ものを感じる、経験する』という世界になる」(ケリー氏)

VRによって、単なる情報や知識だけではなく、経験や体験、感情といったものを
私たちはコミュニケーションできるようになる。デジタルの世界は、情報を単位
としてやりとりをしてきたが、「経験のインターネットの世界」では、経験が
デジタルの世界の取引通貨になる。経験そのものをダウンロードしたりシェアしたり
するようになる。つまり、経験こそが新しい知識となり、データとなるということだ。

新しいもののデモを体験する、他に隣にいてもらうという状態、それらありと
あらゆる経験を、VRによってコミュニケーションしていくようになる。そのための
VRのプラットフォームができることで、ほかの人と全く同じ経験もできるようになるという。

「つまり、VRはソーシャルメディアの中でもっともソーシャルなものになる。
ソーシャルなものはVRが占めるようになる」(ケリー氏)。

一方で、VRがプラットフォームになり、私たちの生活に欠かせなくなった未来には、
懸念もある。個人情報の管理と、監視社会の問題だ。VRでは、私たちの行動や振舞い、
身体の状態、コミュニケーション活動といったあらゆる情報がデジタル化されデータ
化される。(今後出てくるであろう)VR大手の会社がこれらのデータを収集し管理することになる。

もっとも、ケリー氏は楽観的だ。「今後10〜15年の間に出てくるVRの会社こそが、
世界大手の企業になると予想している」(ケリー氏)