再生可能エネ 主役に起用するのなら
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2018042302000100.html

「再生可能エネルギーを主力化する」−。経済産業省の有識者会議からの提言だ。
風力や太陽光を電力の未来を担う主役に据える、というのなら、それなりの舞台と待遇を用意すべきではないか。

風力や太陽光といった再生可能エネルギーを「主力電源」にすると持ち上げる一方で、原発は温暖化対策のための「選択肢」として維持し続ける−。

二〇五〇年のエネルギー政策はどうあるべきかを考える、経済産業省の有識者会議による提言だ。

第一に「主力電源」という位置付けが、よく分からない。

3・11を経験し、原発の新増設は、もう不可能と言っていい。
老朽化していく原発に膨大な費用を投じて安全対策を施しながら、あと三十年、恐る恐る使い続けていくよりは、はるかに安上がりかつ合理的ではあるまいか。

原発維持は、温室効果ガスの排出をなくしていくためだという。
しかし、原発の燃料であるウランの採掘などの過程で、かなりの二酸化炭素(CO2)が排出されるという指摘もある。

再生可能エネ普及の加速こそ、脱炭素化の王道でもあり、世界の主流なのである。
「脱炭素化のため」と言われても、原発維持の口実にしか聞こえない。