2019年電験二種 電力・管理科目二次試験問3(5)なンですけれども、
「図3の系統において、送電線路の中間点にある開閉所に
無効電力を高速に補償する装置を設置し、事故除去後、位相角δが
最大値に至るまでの間、遅れ無効電力を系統側に注入した場合、
小問(3)のときと比べ、位相角δの最大値はどう変化するか、
加速エネルギーと減速エネルギーの変化に触れながら200字程度以内で説明せよ。」
という問題なんですが、解説書を見ると補償で母線の電圧降下が軽減して
電力相差角曲線(P-δ曲線)は大きくなるから減速エネルギーが大きくなり、
事故直後の相差角の増大は、比較的小さく抑えられるようなのですが、
疑問に思います。というのも、補償で加えるのが遅れ位相電流であるならば、
補償する以前は進み位相電流が優勢だったのであろうと思われます。
ということは直前の議論で言及していたフェランチ効果が生じていたはずで、
受電端電圧は送電端よりも増大されていたものと考えるからです。
進み位相の無効電流の解消はフェランチ効果の低減・解消を意味し、
受電端電圧の低下は、P=(1/X)*E0*E1*sinδ の受電端電圧E0 が減少するわけで
むしろ事故後最大相差角は増大するのではないでしょうか?