(略)
日亜化学は、2002 年までこれらの特許の使用を他社に認めなかった。
しかしこれらを使わなくても、天野氏・赤ア氏を発明者とする「窒化アルミニウ ム・バッファ層特許」と「電子ビーム照射法」特許を用いれば、青色 LED を作 ることができる。
そこで豊田合成は、彼らの技術供与を受け国に使用料を支払 って、日亜化学より少し遅れながらも同じ青色 LED ビジネスに参入した。

日亜化学の経営陣は、表 1 に示すように 94 年に 21 億円の投資をし、その後 も先手を打つかのごとく設備投資を継続した。この表から分かるように、97 年 から急に売上高が増えている。

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結果的に顧客が窒化ガリウム LED の登場を大歓迎したのは、その後の歴史が 示すとおりである。
なお結晶成長技術として、2 フロー法はガスの流量の安定性 を保つことが困難で量産にはまったく向かない。
そのため 96 年に日亜化学の研 究チームは、もっと量産性の良い独自の方法を開発し、段階的に量産工程に導 入して 97 年 5 月には完全に 2 フロー法を捨てている。
http://www.doshisha-u.jp/~ey/images/pdf/BlueLED_Judgment.pdf